CTの造影剤を安全に使おう【各論その3】 造影剤腎症update:造影CTはリスクなのか? 造影剤腎症とはヨード造影剤によって引き起こされる急性腎障害のことです。多くの場合は1週間程度で回復する可逆的な腎機能障害ですが、ときとして不可逆的な腎機能障害に至ることがあり、造影CTを実施する際は造影剤腎症の発症に注意する必要があります。また、造影剤腎症は患者さんの生命予後やQO… 2021/03/04 放射線科
連載◎視線計測システムが明らかにする専門医の「目」 先生、このCT画像はどう見てますか?【Part.2】 医師が医療画像をどう見ているか、客観的に評価するために、視線計測システムを使って検証を行うこのプロジェクト。今回もCT画像を見る放射線科医の視線を追跡します。 2021/02/15 放射線科
連載◎視線計測システムが明らかにする専門医の「目」 先生、このCT画像はどう見てますか?【Part.1】 医師が医療画像をどう見ているか、客観的に評価するために、視線計測システムを使って検証を行うこのプロジェクト。今回はCT画像を見る放射線科医の視線を追跡します。 2021/02/10 放射線科
CTの造影剤を安全に使おう【各論その2】 CT造影剤の急性副作用の安全管理を学ぶ 前回の記事で「急性副作用の基礎知識 」について紹介しましたが、今回は現場で実際に求められる「急性副作用の安全管理」について解説したいと思います。 2021/01/21 放射線科
よりぬきメディクイズ●腹部X線◎2014年2月号掲載 70歳男性。食欲不振、全身倦怠感 『日経メディカル』2014年2月号に掲載された腹部X線のクイズです。患者は70歳の男性。3日前から、食欲不振・全身倦怠感があり、嘔吐を1日2回程度認めていました。その間に排便はありませんでした。腹痛は特にないので自宅で様子を見ていましたが、症状が改善しなかったため、独歩で来院しました。… 2020/11/06 消化器 医師・医学生限定コンテンツ
CTの造影剤を安全に使おう【総論】 今やCT検査は簡便で身近な検査の一つとなり、検査実施数も増加の一途です。CT検査の需要の高まりとともに造影剤を使用する機会も増えています。私が勤務する熊本大学病院でも毎日、多くの造影CT検査が実施されており、今日の診療に欠かせないツールとなっています。… 2020/11/02 放射線科
CT検査の依頼文をおろそかにしていませんか? CT検査を依頼する際、依頼医は患者さんの臨床情報等を含めた検査依頼文を電子カルテのオーダリングシステムに入力します。このCT検査依頼文ですが、依頼医によって書き方や内容は様々です。 2020/10/01 放射線科
CT検査での偶発所見にまつわる不都合 CTを撮って目的以外の予期せぬ異常所見に遭遇することって多いですよね。これを偶発所見(incidental findings)と呼びます。 2020/09/14 放射線科
そのCT画像、キレイすぎませんか? CTによるDNA損傷を考える 前回の記事で、CTの被曝による発がんリスクについて考えてみました。患者さんが診療行為で受ける被曝(医療被曝)には線量限度が適用されません(職業被曝や公衆被曝には法規により線量限度が設定されています)。… 2020/08/27 放射線科
CTの被曝について考える──患者さんに説明していますか? 「念のためにCTをしましょう」、「とりあえずCTをしましょう」 こう言っている臨床医に遭遇することがあります。これは正しい診療行為なのでしょうか?正しいか否かはさておき、CT検査は患者さんにとって負の効果(被曝による発がんリスク、医療コスト、偶発所見、造影剤副作用など)をもたらす可… 2020/08/13 放射線科
実地診療でのCTの位置付け──ホントに上手に使えてますか? 1973年、CTが世界で初めて商品化されました。それから45年以上の月日が経ち、今やCTはありふれた一般検査の一つとなっています。偉大なる先人たちは、視診・聴診・打診・触診など巧みな診察技術と豊富な医学的知識から、患者の体内で生じている「病」を推察し、経験に基づいた診断を下してきました… 2020/07/31 放射線科
年間薬剤費が6000万円超の治療の登場は幸せ…ですよね? 年間薬剤費が6000万円を超える薬物治療登場の意義をどう受け止めればいいのか──。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により外出自粛を余儀なくされた4月、自粛でぽっかりと空いた時間を使って考えてみたのが、TTR心アミロイドーシスに対する薬物治療の年間薬剤費のことです。… 2020/06/15 循環器
救急Q&Aシリーズ《10》 胸部CTの所見と呼吸不全の重症度は相関する? <その他の診療科医>胸部CT画像所見と呼吸不全の相関について。胸部CT所見と呼吸不全の程度は相関するものなのでしょうか? 例えば肺炎を例にとると、たしかに全肺を占めるような浸潤影であれば重症呼吸不全のことも多いですが、軽微なすりガラス影を呈する程度では呼吸不全はおこさないものなの… 2020/04/29 救急医療・集中治療 医師限定コンテンツ
救急Q&Aシリーズ《7》 大動脈解離疑いのCTで造影と単純を撮る理由 <内科医>ERでの造影にプラスした単純CT撮影に関しての質問です。大動脈解離を疑ってCTを撮影する際に、造影CTに加えて単純CTを撮るように指導を受けております。理由としては、hyperdense crescent signを見逃さない為だと思っております。もし違ったら補足いただけましたら幸いです。… 2020/04/22 救急医療・集中治療 医師限定コンテンツ
Radiology誌から COVID-19患者と無症候性感染者のCT所見比較 ダイヤモンドプリンセス号から下船した乗客112人の胸部CT所見 クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号から下船した乗客のうち、無症状の患者、軽症患者、家族内に感染者がいる人は、自衛隊中央病院に搬送された。同病院放射線科の戌亥章平氏らは、症状が現れたCOVID-19患者のCT画像と、RT-PCRで陽性を示したが無症候性の感染者のCT画像を比較して、Radiology誌電… 2020/03/24 感染症
【動画】50歳代男性。発熱、呼吸困難、左下腿疼痛 蜂窩織炎と診断され、皮膚科に紹介入院となったケースです。40℃の発熱と呼吸困難があり、胸部X線写真上も異常を認めたことから呼吸器科に紹介となりました(クイズはこちら:医師限定、4分41秒)。 2020/03/23 放射線科
【動画】50歳代男性。咳、痰、倦怠感 今回は5カ月前からの咳、痰、倦怠感を訴える潰瘍性大腸炎が再発した患者さんのケースです(クイズはこちら:医師限定)。近年、潰瘍性大腸炎患者での報告が注目される病変に関する所見を確認できます。(7分28秒)… 2020/03/16 放射線科
【動画】60歳代男性。息切れ 拡張型心筋症としてフォローされており、1週間前から息切れが増悪した60歳代のケースです(クイズはこちら:医師限定)。肺炎を疑い抗菌薬を5日間投与したものの、改善が見られませんでした。(4分45秒)… 2020/03/02 プライマリケア
シリーズ◎大腸癌を征圧せよ 放射線科が大腸癌診療を進化させる! CT画像で遺伝子変異の有無を評価 大腸癌患者のCT画像は病変の有無や位置、大きさを評価するために撮影される。しかし、今後は人工知能(AI)で解析させることで、人間には認識し分けられない画像上の特徴に基づき癌の遺伝子変異の有無や変異のタイプを明らかにする時代が来るかもしれない。… 2020/02/25 癌
【動画】40歳代。発熱、体重減少 今回は40歳代の男性、3ヵ月ほど前から発熱と咳嗽で近医を受診、両肺に異常影が認められ、紹介来院した患者です(クイズはこちら:医師限定)。胸部単純X線写真では肺野に腫瘤状の陰影、両肺に結節影を認めます。(5分38秒)… 2020/02/10 プライマリケア
【動画】57歳男性。息切れ 3カ月前からの息切れを理由に受信された患者さんのケースです(クイズはこちら:医師限定)。近医では特発性肺線維症(IPF)と診断されていますが、胸部X線写真から皆さんはどのような疾患を考えますか?(8分53秒)… 2020/01/06 プライマリケア
CT・MRI検査で査定や返戻が目立つ項目は? 今回は、CT検査を実施した事例で、請求したレセプトが審査支払機関から返戻された(差し戻された)ケースを紹介します。CT、MRI検査に関しては、実施の根拠が不明確だった場合や、頻回な撮影(同一日のCT、MRI撮影、同月内の複数回撮影)の場合に、査定や返戻となるケースがしばしば見られます。… 2019/12/26 医療経営
特集◎新型医療訴訟がやって来た《3》画像診断報告書見落とし 見落としは99.9%医療側の過失、どう対策する? 画像診断に対する放射線科読影リポートの記載を主治医が見落とし、治療が遅れたことで患者側から訴えられる事案が近年、見られるようになってきた。報告書見落としの経緯がどうであれ、原則、「見落とした」という医療側の過失は免れることができないと考えてよさそうだ。訴訟を起こされる前に、… 2019/12/12 医療安全
急性胆嚢炎疑いの患者にはまず超音波検査を 54歳女性。夕食後から出現した強い右上腹部痛を主訴に、救急外来を受診。右季肋部に強い圧痛を認め、血液検査では白血球数1万3000/μL、CRP 5.8mg/dL。初診を担当した研修医が「急性胆嚢炎を疑います。造影CTですか?」と指導医に相談したところ……。… 2019/12/04 消化器
【動画】90歳代女性。食欲低下、息切れ 日経メディクイズ 胸部X線について、解説だけでは十分に理解できないという方に向けて、出題者の先生に改めて解説していただくコラムです。 今回は食欲低下で息切れも訴えるようになり、誤嚥性肺炎疑いで紹介されてきた90歳代女性のケースです(クイズはこちら:医師限定)。解説は立川綜合病院… 2019/11/18 放射線科
学会トピック◎第67回日本心臓病学会学術集会 人工弁置換例の感染性心内膜炎診断にPETが有用 感染性心内膜炎の診断において、18F-FDG PET/CT(PET)はガリウムシンチグラフィよりも診断能に優れている──。第67回日本心臓病学会学術集会(9月13~15日、開催地:愛知県名古屋市)で国立循環器病研究センター心臓血管内科の天野雅史氏らが発表した。… 2019/09/25 循環器 医師限定コンテンツ
頭痛が心配…とりあえずCT撮っておきますか? 65歳女性。持病などは特にないが、「頭痛には怖い病気が隠れている!」というテレビ番組を見て以来、頭痛がするのが心配になって受診。「患者から『先生、CTを撮ってほしいのですが』と言われ、『じゃあ、撮っておきましょうか』と応じたが、頭痛に対する画像診断の適応は……?」… 2019/09/05 精神・神経
「とりあえず頭部CT!」失神にそれ、必要? 生来健康な65歳男性。急に座り込んで5分程度意識を失ったため、家族に付き添われて救急外来を受診した。「救急外来で初診を担当。舌咬傷はなく、痙攣の目撃はなかった。また発作後昏睡はなく、自然に意識清明になった。発作前に著明な発汗を認めていた。神経学的異常所見や頭部外傷はなかったが、と… 2019/07/09 循環器
よりぬきメディクイズ●胸部X線◎2018年10月号掲載 26歳女性。発熱、倦怠感 『日経メディカル』2018年10月号に掲載された胸部X線のクイズです。患者は26歳の女性。4週間前から夜間の発熱と倦怠感があり、引き続いて軽い咳が出るようになりました。近医でNSAIDsを処方されましたが症状は良くならず、息苦しさも出てきたため、病院の呼吸器内科を受診しました。… 2019/05/24 呼吸器 医師・医学生限定コンテンツ
整形外科Q&Aシリーズ《2》 これって骨折? 上腕骨の骨皮質に見える線 83歳男性の病棟内転倒がありました。転倒した際に右肘を打ったとのことで、レントゲンを撮影したところ、上腕骨の骨皮質になんとなく透過性の高い線が見える気がします。本人からは痛みの訴えはありませんが、骨折を疑って整形外科回しをしたほうが良いでしょうか?… 2019/05/13 放射線科 医師限定コンテンツ
学会トピック◎第78回日本医学放射線学会総会 AIは放射線科医に代わるのか? 答えはNo 画像診断をする「鉄腕アトム」の実現が難しいワケ 近年、コンピュータの性能向上に人工知能(AI)開発技術の進展が相まって、第3次AIブームが到来している。このAIの登場により放射線科医は職を失ってしまうのか――。そんな疑問に答えるべく、第78回日本医学放射線学会総会(4月11~14日、開催地:横浜市)で開催されたシンポジウムに登壇した日… 2019/04/24 放射線科
日本医療機能評価機構が事例を報告 病理診断報告書の確認忘れ、最も多いのは消化器科 「病理診断報告書の確認忘れ」が日本医療機能評価機構が2012年に行った注意喚起から6年の間に35件発生していたことが明らかになった。同機構が12月27日、「医療事故情報収集等事業 第55回報告書」を公表し、再度、注意喚起を行った。… 2018/12/28 医療安全
日経メディクイズ●胸部X線 60歳代女性。発熱、食欲不振。 2日前から38℃の熱があり、食欲不振が見られたため近医を受診。肺炎の診断で抗菌薬を5日間内服したが改善せず、胸部単純X線写真で両肺に異常陰影を認めたため、当院呼吸器内科を受診した。 2018/11/27 放射線科 医師限定コンテンツ
頭部CT 予後不良の神経膠腫と転移性脳腫瘍 前項までに脳実質外腫瘍(Extraaxial tumor)について述べたが、最終項では脳実質内腫瘍(Intraaxial tumor)を解説する。転移性脳腫瘍は脳実質の内外に転移するが脳実質内への転移が多く、原発性脳腫瘍との鑑別が必要だがしばしば困難なので一緒に説明する。… 2018/11/06 放射線科
日経メディクイズ●胸部X線 70歳代男性。食思不振、湿性咳嗽 患者は集団生活で不規則な生活を送っており、健康診断は受けていなかった。数週間前から食思不振、湿性咳嗽を自覚していた。その後、自力歩行が不可能になり、当院救急外来を受診した。 2018/10/23 呼吸器 医師限定コンテンツ
特報◎第11回世界脳卒中会議(WSC2018) 発症後4.5~9時間の脳梗塞にもtPAは有効 画像ミスマッチを認める症例なら機能予後改善 10月17~20日、カナダ・モントリオールで第11回世界脳卒中会議(WSC2018)が開催された。発症後4.5~9時間が経過した脳梗塞でも、画像診断による症例の選択で組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による治療が有効なことが明らかになった。… 2018/10/23 循環器
頭部CT 良性脳腫瘍で最も多い髄膜腫 「脳腫瘍」は頭蓋内に発生する全ての腫瘍性病変の総称である。頭蓋内に発生する原発性腫瘍と、他臓器由来の転移性腫瘍に分類され、さらに前者は脳そのものから発生する脳実質内腫瘍と脳の周囲の髄膜などから発生する脳実質外腫瘍に分かれる。本項では脳実質外腫瘍の中で最も多い髄膜腫について解… 2018/10/23 放射線科
頭部CT 教科書に書いてある髄液循環は間違い 高齢者に多い正常圧水頭症の見分け方 前項でくも膜嚢胞の所見を解説したが、本項では嚢胞と同様、髄液が正常脳を圧迫する水頭症について述べる。 2018/10/16 放射線科
偶発腫瘍を見逃したら法的責任を問われる? 画像診断は本来、主治医が必要に応じて撮影指示を行い、自ら読影してその結果を診断や治療の参考とするものである。しかしながら、画像診断技術の進歩によって撮影で得られる情報が爆発的に増え、読影技術の専門化・高度化も相まって、主治医と画像診断専門医との分業が進められてきた。… 2018/09/28 癌
頭部CT 脳に悪影響を及ぼす頭部外傷の局所病変 前項では、頭部外傷急性期のCT所見は局所病変とびまん性損傷に分類されることを示し、そのうちびまん性損傷について述べた。本項では、もう一方の局所病変の診断について解説する。 2018/09/25 放射線科
日経メディクイズ●胸部X線 26歳女性。発熱、倦怠感 4週間前から夜間の発熱と倦怠感があり、引き続いて軽度の咳が出現した。徐々に症状が増悪したため、2週間前に近医を受診。NSAIDsを処方されたが症状が軽快せず、軽度の呼吸困難も自覚したため、当院を受診した。… 2018/09/22 呼吸器 医師限定コンテンツ
頭部CT 頭部外傷の急性期 生命に関わるCT診断 前項まで頭部外傷に対するCT撮像の適否やピットフォールを述べてきた。本項では頭部外傷の急性期に撮影したCTの診断について解説する。日本と米国では頭部外傷の救急患者のほとんどを急性期病院の脳神経外科医が診るが、欧州諸国では外科治療が必要ない軽症頭部外傷は神経内科や一般医が診るそう… 2018/09/18 放射線科
インタビュー◎なぜ繰り返される画像診断報告書の確認漏れ 「報道された医療機関は氷山の一角」 熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学部教授の山下康行氏に聞く CT検査によって癌の疑いが見つかっていながら、適切な対応が取られずに治療が遅れた――。大規模病院でこうしたケースが相次いで報告されている(表1)。担当医による画像診断報告書の確認不足が主な原因とされているこの問題について、熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学部教授の山下康… 2018/09/11 事件・話題
頭部CT 高齢者の頭部外傷は遅れて出血する 前項では、頭部外傷で頭部CTが必要な高危険群について述べた。急性期に症状があれば当然精査が必要である。高齢者では急性期に症状があまりなく、受傷時CTで異常がなくても、遅れて出血することがよくある。… 2018/09/11 放射線科
頭部CT 頭部外傷にCTは必要か? 頭部打撲や脳震盪を含めれば、頭部外傷は頻度の高い疾患である。意識障害があったり重症であれば、救急車で脳神経外科のある病院へ搬送されることが多いと思われる。症状が軽度の頭部打撲、脳震盪では、一般のかかりつけ医や、夜間や休日であれば救急外来を受診することも少なくない。しかし、神… 2018/09/04 放射線科
【レッスン1】異常陰影のある場所を指摘せよ はじめまして。呼吸器内科医の山口哲生です。 肺癌検診でも一般診療でも、胸部X線写真の読影スキルは必須だが、しっかりトレーニングを受ける機会は少ない。胸部X線写真の読影スキルを身に付けるには「習うより慣れろ」が基本。価値のある胸部X線写真を数多く読むことが必要だ。そうした思いから今… 2018/08/30 呼吸器
頭部CT 急性期以降にいったん消える脳梗塞 前項まで脳梗塞急性期のCT診断について述べてきた。脳梗塞急性期の診断・治療は一刻を争う時間との勝負である。その際、もちろんMRIが有用だが、検査準備に手間が掛かったり装置が近くにない場合、CTのみで迅速に診断して、すぐに治療を始める必要がある。本項では急性期以降の脳梗塞のCT診断につ… 2018/08/28 放射線科
日経メディクイズ●胸部X線 70歳代女性。咳嗽、労作時息切れ、発熱 ある年の6月、咳嗽、労作時息切れ、発熱(38℃)が生じたため、近医を受診し、抗菌薬を処方された。しかし、症状が改善しなかったため、当院を受診、入院となった。職業はパ-ト。既往歴には特記すべきことはない。毎年6月頃に調子が悪くなるとのことであった。聴診でfine crackleが聴取される。… 2018/08/25 呼吸器 医師限定コンテンツ
頭部CT 治療に直結する脳梗塞の病型診断 脳梗塞は病態から主に(1)ラクナ梗塞、(2)アテローム血栓性梗塞、(3)心原性脳塞栓症、(4)branch atheromatous disease(BAD)──の4種類の病型に分けられる。この病型分類は治療方針と予後に直結するので、臨床では大切である。… 2018/08/21 放射線科
頭部CT 脳梗塞超急性期のEarly CT signとは 前項では急性期脳梗塞のCT診断の難しさを述べた。脳梗塞はCTでは発症から6時間以上経過しないと異常所見としてはっきり表れないのだが、発症から数時間の超早期に「Early CT sign」と呼ばれる画像所見が見られることがある。今回は、このEarly CT signについて解説する。… 2018/08/14 放射線科
頭部CT 急性期脳梗塞はどう診断する? 前項まで脳出血、くも膜下出血と出血性の脳血管障害のCTについて述べてきたが、脳血管障害の中で最も多いのは、血管が破けるのではなく詰まって起きる脳梗塞である。本項では脳梗塞のCTを解説する。 2018/08/07 放射線科
頭部CT 出血ではない白く映る頭部CT病変 前項では出血診断のピットフォールとして白く映らない出血を取り上げたが、本項では、逆に出血でないのに白く映る病変や組織について解説する。出血と間違えて慌てないようにしたい。 2018/07/31 放射線科
日経メディクイズ●胸部X線 30歳代男性。胸部異常陰影 検診で肺の異常陰影を指摘され、当院を受診した。咳嗽なし、労作時呼吸困難は軽度あり。喫煙歴は18packs-years。 2018/07/28 呼吸器 医師限定コンテンツ
特集◎2018年度診療・介護報酬改定のインパクト《8》 柔軟な働き方を支援、「自宅読影」の要件緩和も 今年4月の診療報酬改定では、病床再編や外来機能の見直しなど、医療機関に変革を迫る様々な点数が新設、改変された。今回取り上げるのは、働き方改革関連の項目だ。放射線科や病理科では、ICTを活用して勤務医が自宅で診断する場合の要件が設けられ、柔軟な働き方が可能になった。… 2018/07/27 行政・制度
頭部CT 白く映らない脳内出血に注意 前項まで述べたように、脳内出血やくも膜下出血は頭部CTでは高吸収、つまり白く映るため分かりやすいが、全ての出血が白くなるわけではない。本項では出血診断のピットフォールの1つとして、白く映らない出血の読み方について解説する。… 2018/07/24 放射線科
頭部CT 見逃してはならないクモ膜下出血 前項では疾患ごとの各論第1弾として脳内出血のCT画像について述べたが、本項では脳内出血とともに、神経救急では絶対に見逃してはならないクモ膜下出血の読み方を解説する。 2018/07/17 放射線科
BMJ誌から 画像から偶発的に見つかる腫瘍の有病率 有病率が高い検査は胸部CTで、悪性腫瘍の割合が高い臓器は乳房 英国Oxford大学のJack W O’Sullivan氏らは、画像診断検査で偶然に見つかった腫瘍の有病率を調べるために、観察研究を対象とする系統的レビューとメタアナリシスを集めたアンブレラレビューを行い、使用するモダリティーと対象臓器により有病率と腫瘍が悪性である割合にかなりの差があったと報告… 2018/07/10 放射線科
頭部CT 脳内出血の鑑別は浮腫や部位に着目を これまで、頭部CTの適応や撮像方法の種類、読影手順など総論的事項を解説してきた。これからは疾患ごとの各論を述べていきたいと思う。 2018/07/10 放射線科
頭部CT 左右差と石灰化 どこまでが正常なのか 前項では、第5脳室や脳梁欠損をはじめルーチンの頭部CT撮像で見掛けることが多い正常変異(normal variant)について述べたが、左右差と石灰化もある程度は正常範囲である。本項では左右差と石灰化が見られた場合、どこまでが正常範囲で、どのような所見なら異常と判断すべきかを解説する。… 2018/07/03 放射線科
リポート◎感染性心内膜炎ガイドラインが9年ぶりに改訂 欧米の逆をいく予防的抗菌薬投与の推奨 診断アルゴリズムにCTなど画像診断を組み入れ 今年3月、9年ぶりに改訂された「感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン」では、技術進歩に伴って診断、治療、予防のすべてが変更された。多くの部分で欧米の最新ガイドラインに追従した形となったが、予防に伴う抗菌薬投与については独自色を出した。… 2018/06/28 循環器
よりぬきメディクイズ●腹部X線◎2015年11月号掲載 39歳女性。胃痛、胸焼け 『日経メディカル』2015年11月号に掲載された腹部X線のクイズです。患者は39歳の女性。2週間ほど前から胃痛と胸焼けがあり、内視鏡検査を希望して受診しました。1年前にヘリコバクターピロリ感染を伴う萎縮性胃炎と診断され、除菌治療を行っています。また、3週間前に月経痛のため婦人科を受診し、… 2018/06/22 消化器 医師・医学生限定コンテンツ
CT読影レポートの見落し、どうすれば防げる? こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。今回の「切って縫うニュース」では「千葉大CT見落とし事件」を取り上げたいと思います。 まずちょっと近況を。わたくし12年目外科医の中山は臨床をいったんお休みし、京都大学の公衆衛生大学院で勉強中です。今月は自分の臨床研究のデザインを… 2018/06/21 事件・話題
頭部CT ルーチンの読影手順 正常構造をまず確認 ルーチンで行う頭部CT画像の具体的な読影手順について解説する。見えるはずの正常構造が見えない場合には病的な所見を意味するので、読影に当たってはまず正常構造が見えるかどうかを確認する必要がある。… 2018/06/19 放射線科
よりぬきメディクイズ●胸部X線◎2017年5月号掲載 80歳男性。湿性咳嗽、喀痰 Cadetto.jpの医師会員の皆様に、『日経メディカル』読者に高い評価を得た「日経メディクイズ」を厳選して紹介します。今回のクイズは『日経メディカル』2017年5月号に掲載された胸部X線のクイズです。患者は80歳の男性。2週間ほど継続する労作時呼吸困難、湿性咳嗽、喀痰があります。… 2018/06/15 呼吸器 医師・医学生限定コンテンツ
頭部CT 頭部CTの高・低吸収は何を表している? CT画像は通常の単純X線画像と同様に、X線の吸収度合いに応じてグレースケールで表示される。X線が透過すれば低吸収となり、画像では黒く映る。反対に、X線が吸収されて透過しない場合は高吸収となり、画像では白く映る。日本語ではそれぞれ「低吸収域」「高吸収域」と表現され、英語では「low den… 2018/06/12 放射線科
続発する画像診断の確認漏れ 千葉大病院でもCT報告書の確認漏れ9例公表 千葉大学医学部附属病院は6月8日、CT検査の確認不足によって診断が遅れた事例が9件あり、うち4件は診断の遅れが治療結果に影響を及ぼしていたと公表した。問題を重く見た病院は外部調査委員会を組織して原因究明や再発防止策の提言を依頼、6月1日に報告書を受け取った。その提言を踏まえ、画像診… 2018/06/08 医療安全
頭部CT 各種造影CTをどう使い分けるか 頭部CTには、ルーチンの検査法以外に様々な撮像法がある。前項では脳梗塞CT、ヘリカルCT、多列CTといった非造影頭部CTについて述べたが、本項では造影剤を用いた各種撮像法を解説する。 2018/06/05 放射線科
よりぬきメディクイズ●胸部X線◎2018年1月号掲載 50歳代男性。発熱、咳 臨床でよく出会う症例を基に、診断・治療の要点をクイズ形式で考え、学んでいきましょう。今回取り上げるのは、2018年1月号に掲載された胸部X線のクイズです。患者は50歳代の男性。約3カ月前から軽い咳と痰を自覚していました。1週間前に39℃を超える発熱が表れ、近医を受診しました。… 2018/06/01 呼吸器 医師・医学生限定コンテンツ
頭部CT 状況に応じて撮像法を使い分ける 昔は頭部CTといえば撮像法は1つだったが、現在は技術の進歩によりいろいろな撮像法が可能になった。現場では、検査指示を出す医師が撮像法まで指定するオーダリングシステムが普及していると思われ、各種撮像法の特徴を理解して、状況に応じた使い分けをしてもらいたいと思う。ただし、ヘリカルと… 2018/05/29 放射線科
頭部CT MRIと比較したCTの利点と欠点 頭部CTの利点はまず普及率が高く、小規模の病院や診療所でも撮影できることである(表1)。検査方法がMRIに比較して簡便で、経験の少ない技師でも撮像できる上、コストがMRIより低く、経済的だからであろう。放射線被ばくはあるものの、磁性体(金属製品など)の制限があるMRIに比べて、前項まで… 2018/05/22 放射線科
頭部CT 頭部単純X線はCT撮像前に必要か 前項までCT検査に伴う放射線被ばくのリスクについて解説してきた。本項では、頭部CT検査を選択する前のスクリーニング手段として頭部単純X線撮影が有用かどうかを考える。 2018/05/15 放射線科
よりぬきメディクイズ●胸部X線◎2015年11月号掲載 40歳代男性。発熱、胸部異常陰影 Cadetto.jpの医師会員の皆様に、『日経メディカル』読者に高い評価を得た「日経メディクイズ」を厳選して紹介します。今回のクイズは『日経メディカル』2015年11月号に掲載された胸部X線のクイズです。患者は40歳代の男性。2週間前から38℃を超える発熱があったため、近医を受診したところ、胸部X線… 2018/05/11 呼吸器 医師・医学生限定コンテンツ
頭部CT 一過性神経症状も適応 失神は撮像の必要なし 頭部CTの解説を担当する筆者は現在、国立大学病院としては初の民間病院内サテライトキャンパスでもある茨城県水戸市内の救急病院で脳神経外科医をしている。頭部CTは出血や梗塞、腫瘍など頭蓋内病変のスクリーニング手段としてよく使われるが、部位によっては読影が難しい場合も少なくない。まず… 2018/04/24 放射線科
胸部CT 胸部CTの読影では肺外にも注意する 胸部CT読影時は通常、肺野の腫瘍性病変や、縦隔の腫瘍・リンパ節腫大の有無を確認するため、その他の部位の疾患に注意が向かないことが少なくない。 2018/04/17 呼吸器
胸部CT 周辺臓器や先行病変と重なる陰影を読む 胸部単純X線写真では、多くの臓器の構造が2次元的に重なるため読影は容易ではない。一方、断層像であるCTは、単純X線写真に比較して構造の重なりが少ない。そのため、陰影がある大きさになって末梢肺野に囲まれて存在すれば、基本的にはその存在を指摘するのは容易だと考えられがちである。… 2018/04/03 呼吸器
胸部CT 区域をまたぐ結節は肺癌の可能性あり これまで結節影の辺縁について解説した。本項では陰影が肺のどこに存在するか、すなわち区域解剖との関係を解析することで診断に役立つ情報が得られることについて述べる。 2018/03/20 呼吸器
胸部CT スピキュラ=腺癌とは限らない 前項では、肺野の孤立性結節性陰影を診断するいくつかのポイントの中から、悪性病変の辺縁は外方へ向かって増大することを述べた。本項では、辺縁の性状を捉える所見項目から「スピキュラ」を挙げる。… 2018/03/06 呼吸器
胸部CT 癌は基本的に外方へ増大する CT(computed tomography)画像は、CTスキャン装置で撮影した全方向からのX線透過画像を、断層像などに再構成処理したものである。従って、画像上の色合いは単純X線写真と同様に、骨や金属などは白く映り、肺胞など内部に空気を多く含む部分は黒く映る。その間の組織はX線透過度の違いにより様々… 2018/02/20 呼吸器
胸部CT 肺野条件の陰影は何を見ているのか CT(computed tomography)画像は、CTスキャン装置で撮影した全方向からのX線透過画像を、断層像などに再構成処理したものである。従って、画像上の色合いは単純X線写真と同様に、骨や金属などは白く映り、肺胞など内部に空気を多く含む部分は黒く映る。その間の組織はX線透過度の違いにより様々… 2018/02/06 放射線科
NEJM誌から 放射線アブレーションによる心室頻拍治療 カテーテル治療が奏功しない難治性心室頻拍患者に応用 近年の心電図イメージングの進歩により、不整脈に伴う電流の異常を非侵襲的に心筋組織上にマッピングすることが可能になり、さらに非侵襲的な体幹部定位放射線治療(SBRT)を用いた正確なアブレーションもできるようになった。米Washington大学St. Louis校のPhillip S. Cuculich氏らは、5人の難治… 2018/01/15 循環器
胸部単純X線 結節影が消えたように見えるのはなぜか? これまでに、正常陰影の成り立ち、肺門部領域での正常陰影濃度の左右差、肺野陰影の濃度差、および気管支・血管影の偏位から、いかに肺野病変の可能性を読めばいいのかについて解説した。また、可能であれば比較読影することの有用性にも触れた。今回は、横隔膜や心臓などと重なる部位においても… 2017/12/19 放射線科
NEJM誌から 尿のアルカリ化では造影剤腎症を防げない 重炭酸ナトリウムは生理食塩水と、アセチルシステインはプラセボと差なし 腎機能が低下している患者が血管造影を受ける場合に、造影剤腎症の予防目的で重炭酸ナトリウムの静注やアセチルシステインの経口投与が行われることがある。米国Veterans Affairs Pittsburgh Healthcare SystemのSteven D. Weisbord氏らは、これらを生理食塩水の静注やプラセボ経口投与と比較する… 2017/12/11 放射線科
胸部単純X線 気管支・血管影の偏位はなぜ生じるのか? これまでに、正常陰影の成り立ち、肺門部領域の正常陰影濃度の左右差および肺野陰影の濃度差から、肺野病変の可能性を読むことを解説した。本項では、気管支透亮像や肺血管陰影の偏位から病変を見つけるポイントを紹介する。… 2017/12/05 放射線科
画像の異常所見は肉眼でも見てみよう! みなさん、こんにちは。前回は、救急外来でも比較的よく遭遇するであろう敗血症性ショックの症例を提示しつつ、画像診断所見から患者さんの予後を推定する感覚を鍛えることが臨床能力を高めるために必要と説明しました。今回は、身体の中で生じていることを画像所見から正確にイメージするための… 2017/11/22 救急医療・集中治療 医師・医学生限定コンテンツ
胸部単純X線 肺野陰影の濃度差はなぜ生じるのか? 前回は正常陰影の成り立ち、肺門部領域では正常陰影濃度の左右差から病変の可能性を読むことを解説した。本項では肺野領域の病変を見つけるポイントを紹介する。 2017/11/22 放射線科