輸血と高カロリー輸液を同時にしてはいけない理由 泌尿器科病棟で働いています。先日、受け持った患者さんが輸血をすることになりました。しかし、末梢点滴ルートを確保することが困難であったため、主治医に相談し中心静脈カテーテルからの投与可能の指示をもらいました。中心静脈カテーテルから輸血を開始したところ、通りかかった先輩に呼び止め… 2022/04/04 コメディカル
BMJ誌から COVID-19に対する血液製剤と抗体治療の総括 47件のランダム化比較試験によるネットワークメタアナリシス カナダMcMaster大学のReed AC Siemieniuk氏らは、COVID-19患者に対して回復期血漿や抗体製剤などの有効性と安全性を評価したランダム化比較試験を抽出してネットワークメタアナリシスを行い、抗体製剤の一部は入院リスクを軽減できたが、それ以外の治療にはベネフィットが見られなかったと報告し… 2021/10/19 感染症
NEJM誌から 回復期血漿は早期に投与してもCOVID-19の進行を抑制できない 発症から7日以内に受診した外来患者に投与する米国の臨床試験 米国Michigan大学のFrederick K. Korley氏などStrategies to Innovate Emergency Care Clinical Trials Network(SIREN)のメンバーは、発症から7日以内に米国の48病院を救急受診したSARS-CoV-2感染患者に回復期血漿を投与するランダム化比較試験を行い、プラセボ群に比べ病状の進行を食い止める… 2021/09/08 感染症
輸血が適応になる患者、ならない患者の違いは? 病棟勤務の新人看護師です。先日、血液検査でHb(ヘモグロビン量)の検査値が低い患者さんが2人いらっしゃいました。2人とも同じくらいのHbだったのに、一方は輸血適応となり、もう一方は後日再採血をして、それでも低ければ輸血ということになりました。輸血が適応になるのに、Hbは大きな要因では… 2021/04/12 血液内科
血液内科Q&Aシリーズ《6》 交差適合試験と不規則抗体検査は両方必要? <内科医A>赤血球輸血の際の検査に関して 大量出血などではなく、「検査をする余裕はあるけれど輸血は必須」という状態にあると考えられる症例に関する質問です。また、輸血歴はない患者さんです。(1)赤血球輸血の際に、交差適合試験と不規則抗体スクリーニングは両方必須なのでしょうか(2)不… 2021/03/08 血液内科 医師限定コンテンツ
Withコロナ時代の輸血戦略 「自覚症状なき貧血」への輸血は本当に必要? 81歳女性。貧血のため紹介受診。「自覚症状はなく、結膜は貧血様であるが明らかな出血は見られない。バイタルは安定している。末梢血のヘモグロビン値は6.8g/dL、平均赤血球容積(MCV)は135fLと高値であった。『取りあえず輸血しましょう』と患者に説明し、赤血球製剤2バッグ(4単位)を依頼したと… 2020/10/19 血液内科
血小板製剤の振盪、輸血時には本当に不要? 血小板製剤はすぐに使用しないときは振盪(しんとう)させながら保存することになっていますが、輸血するときは振盪させていません。振盪しなくても成分の変化はないのでしょうか? また、血小板用の輸血セットがない場合、赤血球用のフィルター付きポンプセットを使っても問題ないのでしょうか?… 2020/09/07 血液内科
JAMA誌から 重篤なCOVID-19患者に回復期血漿は期待薄? 輸血を追加しても標準治療群と臨床的改善に有意差が付かず 中国Chinese Academy of Medical SciencesのLing Li氏らは、重症または生命を脅かされているCOVID-19患者を対象に、武漢市でオープンラベルのランダム化比較試験を行い、標準治療のみの群と回復期血漿を追加した群の28日以内の臨床的改善効果を比較したが、回復期血漿群に有意なアウトカムの改善… 2020/06/19 感染症
トレンド◎日本の研究グループでは初、ゲノム解析手法で明らかに 新たなヒト血液型「KANNO」を発見 今年8月、国立国際医療研究センター、日本赤十字社、福島県立医科大学が報告した新しい血液型「KANNO」が国際輸血学会によって37種類目の新たな血液型だと認定された。 2019/10/15 先端医学
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 再生不良性貧血の治療にTPO受容体作動薬登場 高齢化で増える再生不良貧血や免疫性血小板減少症に福音 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/13 血液内科
Ann Intern Med誌から 退院時の中等度貧血患者に赤血球輸血は不要 6カ月以内の輸血、再入院、死亡は増えない 近年、入院中の赤血球輸血を制限した方が、患者の転帰は良好になることが示され、入院中の短期的な貧血を容認するようになった。米Kaiser Permanente Northern CaliforniaのNareg H. Roubinian氏らは、入院中の輸血を制限することが、退院後6カ月間の患者の転帰に与える影響について検討する後ろ… 2019/01/15 血液内科
JAMA Surgery誌から 周術期の赤血球輸血は術後のVTEを増やす 輸血回数が増えるほどリスクも増加する用量依存的な関連 外科手術を受けた患者で、周術期に赤血球輸血を受けた人と受けなかった人の術後30日間の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクを比較した米New York Presbyterian HospitalのRuchika Goel氏らは、赤血球輸血を受けた患者はVTE発症リスクが高く、輸血回数が多いほどリスクが増加する用量依存的な関連が見つ… 2018/07/04 外科
第33回 ミミッキング抗体と輸血 赤血球に吸着されるのに溶血は起きないの? ミミッキング(mimicking)とは「物まね、模倣」の意味ですが、赤血球に対する抗体としてミミッキング抗体の存在が、輸血検査に混乱を生じさせることがあります。血液型抗原に対する抗体には、真の抗原に反応する抗体だけでなく、別の抗原に反応しているが検査では真の抗原に反応する抗体のように… 2017/10/30 検査
リポート◎年間新規感染者は15万人、免疫抑制下では劇症化リスクも 蔓延するE型肝炎ウイルスを侮るな 輸血によるE型肝炎の感染予防に日赤も動き出す 欧州各国が輸血用製剤におけるE型肝炎ウイルス(HEV)の全数調査に動き出している。日本でも日本赤十字社が、全国でHEVの全数検査(NAT:核酸増幅検査)を開始する意向だ。HEVの年間新規感染者は約15万人と見積もられ、その多くが経口感染と考えられるが、免疫能が低下するような基礎疾患を有する… 2017/09/19 感染症
【新薬】デフェラシロクス(ジャドニュ) 服薬しやすくなった経口の鉄キレート顆粒剤 2017年7月3日、鉄キレート剤デフェラシロクス(商品名ジャドニュ顆粒分包90mg、同360mg)の製造販売が承認された。適応は「輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)」。1日1回12mg/kgを経口投与するが、1日量は18mg/kgを超えないこととなっている。なお、同一成分の懸濁… 2017/09/15 血液内科
リポート◎「アルブミン消費大国」の汚名は返上したが… どこまで減らせる?アルブミン製剤 ガイドラインでさらなる使用量削減目指すも、国内自給100%は困難 国策でもある血液製剤の適正使用。国際的に突出していたアルブミン製剤の使用量は年々減り、多い時期の3分の1まで減少した。さらなる適正使用を推進すべく、日本輸血・細胞治療学会はアルブミン製剤の適応疾患や病態を示したガイドラインを2015年に発表。ガイドラインに沿った診療が広がれば、さ… 2017/05/23 血液内科
リポート◎場所を選ばず輸血を行うための最低限のルール 「在宅における赤血球輸血ガイド」誕生 高齢化や国の施策の影響で在宅を含む小規模医療機関における輸血ニーズが増えている。ただし小規模医療機関では、臨床検査技師や輸血業務を担当する薬剤師の配置は困難。交差適合試験を医師自らが実施する施設さえ存在する。そのような施設や在宅で安全に輸血を実施するための輸血ガイドが6月に公… 2017/05/23 血液内科
リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 ついに登場!希釈式自己血輸血 手術前に血液を薄め血液成分のロスを減らす 周術期出血に対する同種血輸血を回避するための自己血輸血。貯血式自己血輸血、回収式自己血輸血に加え、2016年度の診療報酬改定で希釈式自己血輸血が新たに保険適用となった。術前に患者の血液を薄めておくことで、術中の血液成分のロスを減らすというものだ。… 2017/05/22 血液内科
関連学会のガイドライン受け厚労省が大幅に改定 血液製剤の適正使用を求める使用指針を通知 栄養補給目的でのアルブミン製剤の投与は不適切 厚生労働省は3月31日、大幅に改定した「血液製剤の使用指針」を関連機関に通知した。同使用指針は、日本輸血・細胞治療学会による「科学的根拠に基づく輸血ガイドライン」に沿って全面的に改定されたもので、副作用や合併症を生じる血液製剤の危険性を認識した上での適正使用を強く求めている。… 2017/04/06 血液内科
Lancet誌から デング熱では血小板輸血の有効性は否定的 出血予防効果は有意でなく有害事象は増える可能性 デング熱はしばしば血小板減少症を引き起こす。そうした患者には、予防的な血小板輸血が広く行われているが、その有効性を示した強力なエビデンスはなく、逆に有害となる可能性も示唆されていた。シンガポールTan Tock Seng病院のDavid C Lye氏らは、オープンラベルの多施設ランダム化対照試験を… 2017/04/04 感染症
輸血を拒む白血病の婚約者の運命は? 「エホバの証人」看護師の苦悩と選択 映画紹介『神のゆらぎ』 みなさんこんにちは。Cadetto.jp管理人の増谷です。今回は、「エホバの証人」信者のカップル、白血病患者のエティエンヌ・シマーと看護師のジュリー・ボドリーを中心にストーリーが展開する映画「神のゆらぎ」をご紹介します。… 2016/08/05 血液内科
JAMA Intern Med誌から 若年・女性ドナーからの輸血はリスクが高い? 赤血球輸血でレシピエントの死亡率に違い 赤血球(RBC)輸血は、さまざまな疾患の患者に対して行われるが、理論的には有害な転帰をもたらす場合もあり得る。カナダLaval大学のMichael Chasse氏らが、血液ドナーの年齢と性別が、RBC輸血を受けた患者の死亡リスクに及ぼす影響を調べたところ、30歳未満のドナーまたは女性ドナーからの輸血は… 2016/08/05 血液内科
Ann Intern Med誌から 神経変性疾患の輸血感染リスクは極めて小さい スウェーデンとデンマークの大規模コホート研究 輸血によって、認知症やアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)などに感染する可能性があるとしたら、公衆衛生上大きな問題だ。スウェーデンKarolinska研究所のGustaf Edgren氏らは、スウェーデンとデンマークで1968年以降に輸血を受けた患者が、その後に神経変性疾患を起こした割合を調べ… 2016/07/28 精神・神経
第18回 輸血後急性肺水腫とは 血小板抗体がTRALIを引き起こす!? CD36に関連する病態のさらなる解明に期待 非溶血性輸血副作用の一つとして輸血後急性肺水腫があります。これは「輸血関連循環過負荷(transfusion-associated circulatory overload;TACO)」と「輸血関連急性肺障害(transfusion-related acute lung injury;TRALI)」の病態に区分されます。どちらも重篤な輸血副作用ですが、TACOは輸血… 2016/06/27 血液内科
第17回 ABO血液型不適合の血小板輸血 異型輸血して本当に効果がある? ドナー確保が困難な場合HLA適合を優先 HLA適合血小板製剤を輸血されている血液疾患患者の休日担当医師から、問い合わせの電話がかかってきました。「患者はA型なのに本日、血液センターから届いたHLA適合血小板製剤はB型です。血液型が違うんですが?」という内容です。血液センターの担当者は、その患者さんの主治医がABO血液型不適合の… 2016/06/20 検査
第14回 パニック値に検査室は大慌て ヘモグロビンが突然4g/dLになった! 測定値が常に真の臨床状態を反映するとは限らない 突然ヘモグロビン(Hb)が4g/dLになってしまった。一夜にして患者さんのHb値が半分以下になっているのだ。この検査値が正しいのなら、緊急に輸血などの治療が必要になる。この患者さんは70歳代の女性。敗血症の診断で入院しており、ベット上で安静状態だ。もちろん外傷はないし、どこからも出血… 2016/04/18 検査
第27回 あなたが見逃してるかもしれない「貧血」とは? 前回は「貧血の重症度の判断」でした。引き続き今回は、「見逃しやすい貧血の判断」です。もしかしたら、思い当たる症例があるかもしれませんよ?ではさっそく、とても見逃しやすい「貧血」の3症例を呈示します。… 2016/04/07 血液内科
Ann Intern Med誌から 腎性貧血のHb値が高くてもQOLは向上しない エリスロポエチン系薬の治療目標は低めが好ましい エリスロポエチン系薬(ESA)を用いた慢性腎疾患に伴う腎性貧血の治療で、ヘモグロビンの目標値を高く設定しても、患者のQOLはそれ以上改善しないという研究が報告された。これはカナダManitoba大学のDavid Collister氏らが系統的レビューとメタアナリシスを行ったもの。詳細は、Ann Intern Med誌… 2016/03/08 腎・泌尿器
第26回目 覚えておくべき貧血の重症度の見極め方 前回は、貧血の緊急性を判断するポイントをご紹介しました。続いて今回は、「貧血の重症度の判断のコツ」を解説します。予後不良な重症疾患が疑われる「貧血」の3症例を呈示しますので、鑑別疾患を挙げつつ読み進めてみてください。… 2016/03/03 血液内科
第25回目 貧血の緊急性はどう判断すればいい? 前回までは1つの症例を取り上げ、「血算の持つ重要な情報を見逃さない」ための方法について話をしてきました。今回からは複数の症例を例に挙げ、「血算のもつ緊急性、重症度、見逃しやさを判断する方法」を解説していきます。第25回目のテーマは「貧血の緊急性の判断」です。まず、緊急性の高い病… 2016/02/29 血液内科
第7回 血小板輸血したのに血小板が減るのはなぜ? 輸血で産生される抗HPA-2b抗体 血小板製剤を輸血されている血液疾患患者の主治医(血液内科医)から、問い合わせの電話がかかってきました。「昨日、輸血したHLA適合血小板の効果がない。輸血前5000/μLの血小板数が輸血したら1000/μLに下がってしまった。これまで納品されたHLA適合血小板製剤の輸血は有効だったのに、今回は… 2016/01/25 血液内科
第6回 双子にまつわる抗体検査結果の謎 抗体陽性の児が正常で、陰性の児が血小板減少の訳は? 双生児の片方に新生児血小板減少症(neonatal alloimmune thrombocytopenia;NAIT)が起きました。ところが、発症しなかった新生児の方に抗HPA-4b抗体が検出され、発症した新生児は抗体陰性なのはどういうことでしょうか?… 2016/01/11 産婦人科
第5回 羊水DNAタイピングで新生児を救え! ここまで分かったヒト血小板抗原(HPA) 「某病院で第1子が抗HPA-3a抗体による新生児血小板減少性紫斑病(NAITP)を起こした。その症例の母親が当院で第2子を出産予定である。どう対応したらよいか?」 2015/12/21 血液内科
第21回 白血球減少症 白血球減少、水様便と38℃の発熱が1週間継続 「ウイルス感染症にしては重篤かも?」と感じたら 第21回、第22回は白血球減少症を取り上げます。症例は白血球減少を指摘された30歳男性。1週間続く水様便と38℃台の発熱があり、近医でシプロキサンとカロナールが処方されていました。解熱したものの脱水状態となったため、当院を受診しました。血算から、どの疾患を疑いますか?… 2015/12/14 血液内科
Lancet誌から 上部消化管出血への制限輸血、転帰改善せず 輸血開始のヘモグロビン閾値に厳格な制限は不要か、フィージビリティー試験TRIGGERが示唆 輸血開始へのヘモグロビン閾値を低く設定した「制限輸血」の方が転帰が良好であるとする研究結果がNEJM誌2013年1月3日号に発表され(N Engl J Med 2013; 368:11-21.、DOI: 10.1056/NEJMoa1211801)、ガイドラインでは上部消化管出血に対する制限輸血を推奨する動きが出てきている。しかし、フィー… 2015/05/20 消化器
第8回 相対的赤血球増加症 赤血球増加で高血圧の高齢者にどう対処する? ストレス赤血球増加症が否定されたら… 第8回目にご紹介する症例は、高齢で糖尿病、高血圧を合併した赤血球増加症の患者がです。こんな患者が来院したら、どう対応しますか? 2015/03/11 血液内科
第7回 赤血球増加症 Htが55%以上の酷い赤血球増加症を見掛けたら 心血管疾患のリスクを上げた要因とは 「見逃してはいけない血算」は第7回目となりました。今回は貧血とは反対に赤血球が増加する「赤血球増加症」を考えてみます。 2015/03/03 血液内科
JAMA誌から 献血後の鉄剤服用でヘモグロビン値が早く回復 米国の献血者を対象とした介入試験で明らかに 米国では、定期的に献血をしている人の25~35%に、鉄欠乏性貧血があると見積もられている。米食品医薬品局(FDA)により既定の献血間隔の延長も検討されているが、米Institute for Transfusion MedicineのJoseph E. Kiss氏らは、献血後28週間にわたって低用量の鉄剤を投与するランダム化比較試験… 2015/02/26 血液内科
JAMA誌から 外傷患者への大量輸血、ベストな「配合」は? 血漿、血小板、赤血球製剤の投与割合を1:1:1にすると、1:1:2より止血が早い 重症の外傷患者への輸血で、血漿製剤と血小板濃縮液、赤血球濃厚液の投与割合を1:1:1とする方が、1:1:2とするよりも止血を達成した患者が有意に多く24時間以内の失血死も有意に少ないことが、米国の外傷センターで実施されたランダム化比較試験から分かった。… 2015/02/20 血液内科
第6回 平均赤血球容積の変化 進行する貧血には、当然輸血が必要? 貧血の原因は1つとは限らない 第1~5回まで、貧血症状を主訴に来院した場合の血算の読み方を解説してきました。第6回目では、これまでに学んできたことの復習にもなる症例をご紹介させていただきます。 2015/01/28 血液内科
第5回 網赤血球増加 倦怠感と黄疸を訴える患者、どう対処する? 間接ビリルビン優位なので閉塞性黄疸は否定… 「見逃してはいけない血算」の第5回目も引き続き「貧血」をテーマに鑑別のポイントを紹介します。貧血はよく見られる異常ですが、なかなか奥が深い病態です。 2015/01/21 血液内科
NEJM誌から 敗血症への輸血効果は患者のHb値に関係せず ICU入院中ショック患者には閾値9g/dLで輸液開始でも7g/dLでも同じ転帰 敗血症性ショック患者に対して、ヘモグロビン(Hb)値9g/dLで輸液を開始しても、7g/dLで輸液を開始しても、転帰に有意な差がないことが多施設ランダム化比較試験(RCT)の結果として示された。デンマークCopenhagen大学のLars B. Holst氏らが、NEJM誌電子版に2014年10月1日に報告した。… 2014/10/24 救急医療・集中治療
JAMA誌から 制限的輸血で医療関連感染症リスクが低下 Hb7.0g/dL未満での輸血許可で効果大、入院患者へのメタアナリシスより 非制限的な輸血に比べて制限的な赤血球輸血は、入院患者における医療関連感染症リスクを有意に低減すること、特に輸血を行うヘモグロビン閾値を7.0g/dL未満に設定するとその効果が高いことが、システマティックレビューとメタアナリシスの結果として示された。米Michigan大のJeffrey M. Rohde氏ら… 2014/04/18 感染症
JAMA誌から PCI時の輸血は心血管イベントを増加 Hg値10g/dL以下で出血した患者でのみ利益、後ろ向きコホートより 米国で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者のデータを分析した結果、輸血により、心筋梗塞、脳卒中、死亡のリスクが有意に上昇することが示された。ただし、PCI前のヘモグロビン値が10g/dL以下でPCI時に出血した患者では利益が見られた。米Duke Clinical Research InstituteのMatt… 2014/03/18 循環器
厚労省は「HIV検査目的の献血は控えて」と強調 輸血後のHIV感染、もう1人の受血者は陰性 厚生労働省は11月29日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した献血者の血液を輸血された80歳代女性について、HIVに感染していなかったと発表した。同じ献血者の血液を輸血された60歳代男性でHIV感染が確認されたため、検査していた。… 2013/12/02 感染症
厚労省はより高感度の検査体制を導入へ HIV感染者の献血で1人の受血者の感染確認 もう1人の受血者の感染の有無は確認中 厚生労働省は11月26日、血液事業部会運営委員会を開き、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が、2人の患者に輸血されていたことを明らかにした。 2013/11/27 感染症
Lancet誌から 輸血関連急性肺損傷の予防に制限的輸血戦略が有効 過去約30年間に報告された文献のレビューの結果 輸血のまれな合併症と考えられていた輸血関連急性肺損傷(TRALI)は、この約10年間の研究の進展により、輸血関連死亡の主な原因と見なされるようになっている。オランダAmsterdam大学医療センターのAlexander P J Viaar氏らは、TRALIの発生機序、罹患率、危険因子、臨床像、治療法、予防策などの… 2013/10/01 血液内科
国内の献血から2例目のシャーガス病の抗体陽性例 シャーガス病、渡航歴基に過去の血液製剤を調査へ 厚生労働省は9月20日、薬事・食品衛生審議会第2回血液事業部会安全技術調査会(委員長は広島大名誉教授の吉澤浩司氏)を開催。同調査会では、先ごろ初めて確認されたシャーガス病感染者の過去の献血による血液製剤の遡及調査の結果が発表されたほか、安全対策が取られる以前の献血による血液製剤に… 2013/09/20 感染症
トレンドビュー◎シャーガス病を知っていますか? 心疾患や消化器疾患の原因が寄生原虫だった!? 今回献血からシャーガス病の抗体陽性例が確認されたことを契機に、知られざる国内の感染者の実態が露わになる可能性もある。 2013/09/20 感染症
厚生労働省は9月末に関連会議の開催を予定 国内の献血から初のシャーガス病の抗体陽性例 輸血による感染拡大の実態調査へ 厚生労働省薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会は8月14日、国内の献血から初めてシャーガス病の抗体陽性例が確認されたと発表した。 2013/09/12 感染症
BMJ誌から 鉄剤の静注は赤血球輸血の回避に有効 ただし感染症リスクは上昇、経口投与または投与なしとの比較の結果 鉄剤静注の有効性と安全性を鉄剤経口投与または鉄剤投与なしと比較したシステマティックレビューとメタ解析の結果、鉄剤静注がヘモグロビン値を有意に高め、赤血球輸血のリスクを有意に減らすことが示された。ただし、あらゆる感染症のリスクは有意に上昇した。オーストラリアRoyal Pert病院のEdw… 2013/09/02 救急医療・集中治療
急性上部消化管出血に対して最善の輸血戦略は? 【原題】Which Transfusion Strategy Is Best for Acute Upper Gastrointestinal Bleeding? A restrictive transfusion approach led to superior clinical outcomes,including a better survival rate. 2013/04/06 消化器
JAMA Intern Med誌から 心筋梗塞患者への輸血は死亡リスク上昇に関係 10件の研究を対象としたメタ分析の結果 心筋梗塞患者に対する輸血は、全死因死亡とその後の心筋梗塞のリスク上昇に関係することが、米Brown大学のSaurav Chatterjee氏らが行ったメタ分析で明らかになった。論文は、JAMA Internal Medicine(旧Archives of Internal Medicine)誌2012年12月24日号に掲載された。… 2013/01/15 循環器
iPS細胞で何が治せる?(その2) 血小板生産にも期待、卵子・精子への誘導も iPS細胞から作製した細胞や組織を臨床で使おうとする場合、問題となるのは腫瘍化などのリスクをいかに低くできるか。その点で、いち早く臨床研究のスタートが見込まれるのは加齢黄斑変性に対する網膜色素上皮細胞の移植だが、iPS細胞から血小板製剤を作る技術も早期の実用化が有望視されている。… 2012/11/09 先端医学
Arch Intern Med誌から 「エホバの証人」の心臓手術で術後合併症や死亡リスクは上昇しない 輸血を拒否する信者と輸血した一般患者の転帰を比較 厳格な血液管理の下、輸血なしで心臓手術を実施した患者は、輸血ありで心臓手術を受けた患者と比較して、術後合併症や長期の死亡リスクの上昇は見られず、一部の術後合併症や院内死亡、1年死亡のリスクは有意に低いことが明らかになった。米Cleveland ClinicのGregory Pattakos氏らが、信仰に基づ… 2012/07/12 外科
術後の赤血球輸血:多いほど良いとは限らない 【原題】Postoperative RBC Transfusions: More Is Not Better A liberal red blood cell transfusion strategy did not improve outcomes after hip fracture surgery. 2012/03/25 血液内科
NEJM誌から 心血管リスクの高い高齢者の術後輸血、積極的に適用しても転帰改善せず 開始指標をヘモグロビン8g/dLと10g/dLで比較した無作為化試験の結果 高齢で心血管リスクが高い大腿骨頸部骨折患者において、術後の輸血開始の指標を、ヘモグロビン値8g/dLに設定しても、より高い閾値(ヘモグロビン値10g/dL)に設定しても、術後の転帰に差はなく、輸血の頻度は8g/dL群で有意に下がることが明らかになった。米New Jersey医科歯科大学のJeffrey L. Ca… 2012/01/10 外科
輸血関連急性肺障害 【原題】Transfusion-Related Acute Lung Injury Presence of antibodies in transfused blood was a risk factor. 2011/10/05 血液内科
JAMA誌から CABG周術期の輸血率、施設間で大きな差 輸血率の高さは予後に影響しないが費用面からは是正が必要 米国で冠動脈バイパス術(CABG)を施行した約10万例を対象に、周術期における輸血の実施状況を分析したところ、同種赤血球(RBC)をはじめとする輸血用血液製剤の使用には施設間で大きなばらつきが見られた。ただし、施設ごとのRBC輸血率と総死亡の間に有意な関連はなかった。米国デューク大学な… 2010/10/20 循環器
新型インフルエンザと輸血の問題をもっと議論しよう―日赤プレスリリースに思うこと― 成松宏人(東大医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門客員研究員) 今春の新型インフルエンザ騒動は、医療関係者に危機管理について課題を突きつけました。2009年5月、関西地区で献血者数が34%も減少したのです(朝日新聞 2009/5/23)。これは新型インフルエンザの感染拡大により外出を控える人が増え、献血が減ったことが原因でした。… 2009/08/22 行政・制度
日本で輸血ができなくなる日―新型インフルエンザ問題から学ぶ危機管理 成松宏人(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門客員研究員) この度の新型インフルエンザ問題は、輸血製剤など医療に必須の医薬品が非常事態には安定供給されない懸念が、現実のものになりうることを示しました。我々医療関係者は、医薬品の安定供給に関する危機管理体制を早急に確立するため、議論を始める必要があります。… 2009/06/15 行政・制度