血液内科Q&Aシリーズ《6》 交差適合試験と不規則抗体検査は両方必要? <内科医A>赤血球輸血の際の検査に関して 大量出血などではなく、「検査をする余裕はあるけれど輸血は必須」という状態にあると考えられる症例に関する質問です。また、輸血歴はない患者さんです。(1)赤血球輸血の際に、交差適合試験と不規則抗体スクリーニングは両方必須なのでしょうか(2)不… 2021/03/08 血液内科 医師限定コンテンツ
Withコロナ時代の輸血戦略 「自覚症状なき貧血」への輸血は本当に必要? 81歳女性。貧血のため紹介受診。「自覚症状はなく、結膜は貧血様であるが明らかな出血は見られない。バイタルは安定している。末梢血のヘモグロビン値は6.8g/dL、平均赤血球容積(MCV)は135fLと高値であった。『取りあえず輸血しましょう』と患者に説明し、赤血球製剤2バッグ(4単位)を依頼したと… 2020/10/19 血液内科
血小板製剤の振盪、輸血時には本当に不要? 血小板製剤はすぐに使用しないときは振盪(しんとう)させながら保存することになっていますが、輸血するときは振盪させていません。振盪しなくても成分の変化はないのでしょうか? また、血小板用の輸血セットがない場合、赤血球用のフィルター付きポンプセットを使っても問題ないのでしょうか?… 2020/09/07 血液内科
【新薬】ボニコグ アルファ(ボンベンディ) von Willebrand病の止血療法に世界初の遺伝子組換え製剤が登場 2020年5月20日、von Willebrand病治療薬ボニコグ アルファ(商品名ボンベンディ静注用1300)が薬価収載された。本薬は3月25日に製造販売が承認されていた。適応は「von Willebrand病患者における出血傾向の抑制」、用法用量は「添付の溶解液10mLで溶解し、4mL/分を超えない速度で緩徐に静注。18… 2020/07/31 血液内科
JAMA誌から 重篤なCOVID-19患者に回復期血漿は期待薄? 輸血を追加しても標準治療群と臨床的改善に有意差が付かず 中国Chinese Academy of Medical SciencesのLing Li氏らは、重症または生命を脅かされているCOVID-19患者を対象に、武漢市でオープンラベルのランダム化比較試験を行い、標準治療のみの群と回復期血漿を追加した群の28日以内の臨床的改善効果を比較したが、回復期血漿群に有意なアウトカムの改善… 2020/06/19 感染症
リポート◎会長が語った第81回日本血液学会学術集会“部分中止”の教訓 「学会の主催者には危機管理対策が必要だ」 2019年の第81回日本血液学会学術集会は、会場があった東京を直撃した台風19号のため、部分的な中止を余儀なくされた。新型肺炎感染の拡大に伴い学術集会・大会の中止、延期が相次いでいるが、今後学会はこうした不測の事態を考慮していく必要があり、日本血液学会の経験は貴重な経験といえる。改め… 2020/03/26 血液内科
NEJM誌から 血友病Aに対する遺伝子治療を3年後まで追跡 出血イベントが減り凝固第VIII因子治療の中止が可能に 単一遺伝子疾患に対する治療の選択肢として、アデノ随伴ウイルス(AAV)を利用した遺伝子治療が注目を集めている。英国Barts and the London School of Medicine and DentistryのK. John Pasi氏らは、凝固第VIII因子を組み込んだAAV5-hFVIII-SQベクターを、重症の血友病A(第VIII因子濃度が1 IU/d… 2020/01/21 血液内科
血液内科Q&Aシリーズ《5》 多発性骨髄腫を疑う徴候は? 必要な検査は? <脳外科医>長文すみません。多発性骨髄腫をどのように疑うかについて質問です。患者様は、他科で最大径53mmの壁在血栓を伴うAAA指摘され心臓血管外科に紹介された77歳男性です。既往に多発腎嚢胞、心房細動(アブレーションで洞調律復帰、心内血栓なし)、慢性的な腰痛があります。症状は腰痛のみ… 2020/01/20 血液内科 医師限定コンテンツ
血液内科Q&Aシリーズ《4》 免疫グロブリン製剤、実臨床での投与基準は? <その他の診療科医>免疫グロブリン製剤についてです。DLBCL(double hit lymphoma)に対しR-DA-EPOCH療法2コース後の方が、3コース目施行目的に入院。入院時採血でIgG 250。専修医「400以下なのでポリグロビン入れますか?」→上級医「外来では80くらいの人も普通にいるしみんな入れてたらキリがな… 2020/01/17 血液内科 医師限定コンテンツ
血液内科Q&Aシリーズ《3》 骨髄球の検出が1年以上続くケースへの対処法 <内科医>【骨髄球どう対応すべきですか?】【症例 38歳女性】#2型糖尿病 #高血圧 #高コレステロール血症 #肥満症(BMI 43.2) 内服薬:ミカムロBP、リバロ2mg、ジャディアンス10mg。末梢血に骨髄球がみられています。何らかの炎症に伴う一過性のものと考えておりましたが、患者さんは元気でありま… 2020/01/15 血液内科 医師限定コンテンツ
血液内科Q&Aシリーズ《2》 クロザピンによる好中球減少症をどう管理? <総合診療医>#緊急 薬剤性好中球減少症(クロザリル)の方への抗菌薬選択およびにフィルグラスチムの投与についてご助言いただけましたら幸いです。統合失調症で昨年から当院に入院中の66歳男性です。精神症状の変動が大きく、クロザリル200mg、バルプロ酸400mg、炭酸リチウム600mg投与で精神症… 2020/01/13 血液内科 医師限定コンテンツ
血液内科Q&Aシリーズ《1》 敗血症疑い例の血小板数が0.3万! すぐ血小板輸血してよい? <その他の診療科医>#緊急 77歳女性、重症血小板減少。うつ病で他院入院中。胆嚢炎/腸炎からの敗血症性ショック疑いで転院。来院時血小板0.3万。口腔内出血あり。血液内科連絡困難。恐らく敗血症性DICか薬剤性血小板減少かと思いますが、血小板輸血の是非やその他治療についてご助言頂ければ幸い… 2020/01/10 血液内科 医師限定コンテンツ
【新薬】ロキサデュスタット(エベレンゾ) HIFを活性化し腎性貧血を治療する初の経口製剤 2019年9月20日、腎性貧血治療薬ロキサデュスタット(商品名エベレンゾ錠20mg、同錠50mg、同錠100mg)の製造販売が承認された。適応は「透析施行中の腎性貧血」、用法用量は「(赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合)成人に1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与。患者の状態により適宜増減する… 2019/11/15 医薬品
【新薬】ベネトクラクス(ベネクレクスタ) 慢性リンパ性白血病に初のBCL-2阻害薬が登場 2019年9月20日、抗悪性腫瘍薬ベネトクラクス(商品名ベネクレクスタ錠10mg、同錠50mg、同錠100mg)の製造販売が承認された。適応は「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」。用法用量は「用量漸増期は20mg(第1週目)、50mg(第2週目)、100mg(第3週目)、200mg(… 2019/11/01 医薬品
【新薬】ツロクトコグ アルファ ペゴル(イスパロクト) ペグ化で半減期を延長した第3の血液凝固第VIII因子製剤 2019年9月20日、血液凝固第VIII因子製剤ツロクトコグ アルファ ペゴル(商品名イスパロクト静注用500、同静注用1000、同静注用1500、同静注用2000、同静注用3000)の製造販売が承認された。製剤としては、各薬剤含有量に加えて、添付溶解液(生理食塩液)4mL付きのプレフィルドシリンジとなってい… 2019/10/25 血液内科
トレンド◎日本の研究グループでは初、ゲノム解析手法で明らかに 新たなヒト血液型「KANNO」を発見 今年8月、国立国際医療研究センター、日本赤十字社、福島県立医科大学が報告した新しい血液型「KANNO」が国際輸血学会によって37種類目の新たな血液型だと認定された。 2019/10/15 先端医学
経口鉄剤◇第3回調査 経口鉄剤:フェロミア断トツ、シェア7割を維持 2位がフェロ・グラデュメット、3位がフェルム 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、経口鉄剤のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、76.6%の医師がクエン酸第一鉄ナトリウム(商品名:フェロミア他)と回答した。 第2位の乾燥硫酸鉄(フェロ・グラデュメット)は11.1%、第3位のフマル酸第一鉄(フェルム)は8.4%、第4位の溶性… 2019/09/16 血液内科
医師3993人に聞いた「血液関連疾患、診た経験ありますか?」 医師の6割が知っている「血液の世界」 貧血や血友病、血液がんといった血液関連疾患。比較的まれな疾患だが、診療経験を持つ医師は本誌調査で6割に達した。ただし、半数(全体の29.3%)は研修医時代など「過去に診療経験がある」医師。調査には治療の進歩に対する驚きの声も多く寄せられた。こうした血液関連疾患治療の最新トレンドに、… 2019/09/06 血液内科
【新薬】キザルチニブ(ヴァンフリタ) 急性骨髄性白血病に対する第2のFLT3阻害薬が世界初承認 2019年6月18日、抗悪性腫瘍薬キザルチニブ塩酸塩(商品名ヴァンフリタ錠17.7mg、同錠26.5mg)の製造販売が承認された。適応は「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」、用法用量は「成人に1日1回、26.5mgを2週間投与。それ以降は1日1回53mgを投与。なお、患者の状態により適宜減… 2019/08/23 血液内科
最難関の新「造血器腫瘍ガイドライン」をモノにせよ 中国中央病院の長門直です。今回は残りの6領域について、2018~2019年のアップデートと総合内科専門医試験でよく出題されるポイントについて述べていきたいと思います。 2019/08/22 血液内科
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 抗体が2つの標的を同時に認識して得られる革新的な効果 血友病や白血病の治療に使える「二重特異性抗体」 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/20 小児科
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 再生不良性貧血の治療にTPO受容体作動薬登場 高齢化で増える再生不良貧血や免疫性血小板減少症に福音 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/13 血液内科
【新薬】デフィブロチド(デファイテリオ) 肝類洞閉塞症候群治療薬が国内初承認 2019年6月18日、肝類洞閉塞症候群治療薬デフィブロチドナトリウム(商品名デファイテリオ静注200mg)の製造販売が承認された。適応は「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」、用法用量は「1回6.25mg/kgを1日4回、2時間かけて静注」となっている。… 2019/08/09 血液内科
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界:CAR-T細胞療法 強力な“サイボーグT細胞”療法、今後の課題は? 山口大学免疫学講座教授の玉田耕治氏に聞く 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/02 癌
【新薬】ラブリズマブ(ユルトミリス) 既存の抗C5抗体を改良した発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬 2019年6月18日、発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬ラブリズマブ(商品名ユルトミリス点滴静注300mg)の製造販売が承認された。適応は「発作性夜間ヘモグロビン尿症」、用法用量は「成人に、以下の体重により初回2400~3000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回3000~3600mg、以降8週ごとに1回300… 2019/08/02 血液内科
【新薬】カルボキシマルトース第二鉄(フェインジェクト) 週1回投与で鉄欠乏性貧血を治療する静注鉄製剤 2019年3月26日、鉄欠乏性貧血治療薬カルボキシマルトース第二鉄(商品名フェインジェクト静注500mg)の製造販売が承認された。適応は「鉄欠乏性貧血(経口鉄製剤の投与が困難又は不適当な場合)」、用法用量は「成人、1回500mgを週1回、緩徐に静注又は点滴静注。総投与量は患者の血中ヘモグロビン… 2019/05/24 血液内科
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part IV 化学療法と緩和ケアは患者さんを支える両輪 “Hope for the best, and prepare for the worst”の重要性 血液疾患の終末期を考える中で、全ての疾患の診療において必要な、“Hope for the best, and prepare for the worst”(最善を期待し最悪に備える) に基づいた、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の重要性が見えてくると筆者は考える。普段、血液疾患や癌診療に携わることが少ない医療者にこそ… 2019/05/20 救急医療・集中治療
湘南鎌倉総合病院「ER総合内科合同カンファレンス」 76歳女性の大球性貧血と血小板減少、鑑別は? iryoo.comより 症例は、76歳の女性です。主訴は、倦怠感です。現病歴です。心臓血管外科の手術を10年前に施行され、その後、葉山ハートセンターの循環器科定期受診中です。1カ月前から食欲低下、10日前から体調不良、前日から倦怠感、気分不快、めまいを認め、受診されました。… 2019/04/30 救急医療・集中治療
Ann Intern Med誌から 退院時の中等度貧血患者に赤血球輸血は不要 6カ月以内の輸血、再入院、死亡は増えない 近年、入院中の赤血球輸血を制限した方が、患者の転帰は良好になることが示され、入院中の短期的な貧血を容認するようになった。米Kaiser Permanente Northern CaliforniaのNareg H. Roubinian氏らは、入院中の輸血を制限することが、退院後6カ月間の患者の転帰に与える影響について検討する後ろ… 2019/01/15 血液内科
【新薬】ギルテリチニブ(ゾスパタ) 急性骨髄性白血病に世界初のFLT3阻害薬が登場 2018年12月3日、抗悪性腫瘍薬ギルテリチニブフマル酸塩(商品名ゾスパタ錠40mg)が発売された。本薬は、9月21日製造販売が承認、11月20日薬価収載されていた。適応は「再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」、用法用量は「成人に1日1回120mg。なお、患者の状態により適宜増減す… 2018/12/21 医薬品
【新薬】ブリナツモマブ(ビーリンサイト) T細胞を白血病細胞に誘導して攻撃させる二重特異性抗体 2018年11月27日、抗悪性腫瘍薬ブリナツモマブ(商品名ビーリンサイト点滴静注用35μg)が発売された。本薬は、9月21日製造販売が承認され、11月20日に薬価収載されていた。 2018/12/14 血液内科
【新薬】イカチバント(フィラジル) 発作時に皮下注射で浮腫を軽減するHAE治療薬 2018年11月20日、遺伝性血管性浮腫治療薬イカチバント(商品名フィラジル皮下注30mgシリンジ)が薬価収載と同時に発売された。本薬は、9月21日に製造販売が承認されていた。適応は「遺伝性血管性浮腫の急性発作」、用法用量は「1回30mgを腹部に皮下注。効果不十分な場合又は症状が再発した場合は… 2018/12/07 血液内科
【新薬】ダモクトコグ アルファ ペゴル(ジビイ) ペグ化により半減期を延長した2番目の血液凝固第VIII因子製剤 2018年11月20日、血液凝固第VIII因子製剤ダモクトコグ アルファ ペゴル(商品名ジビイ静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000)が薬価収載された。本薬は、9月21日に製造販売が承認されていた。 2018/11/23 医薬品
シリーズ◎忘れられないカルテ 私が大学病院に勤務している意味 順天堂大学眼科准教授 根岸貴志 医師なら誰にでも「忘れられないカルテ」がある。後日、冷や汗をかいた症例、奇跡的にうまくいった自慢の症例、「なぜあのとき…」と今でも後悔している症例、などなど。ことあるごとに思いだし、医師としての自分の成長を支え続けている、心に残るエピソードを集めた。… 2018/10/25 眼科
【新薬】ノナコグベータペゴル(レフィキシア) 第IX因子をペグ化し半減期を延長させた血友病B治療薬 2018年7月2日、ペグ化遺伝子組換え型血液凝固第IX因子製剤ノナコグベータペゴル(商品名レフィキシア静注用500、同静注用1000、同静注用2000)の製造販売が承認された。薬剤バイアルと専用溶解用液(L-ヒスチジン溶液)プレフィルドシリンジからなる製剤である。適応は「血液凝固第Ⅸ因子欠乏患者… 2018/08/03 血液内科
NEJM誌から 妊娠初期から分娩時まで血小板数は減少する 妊娠中に血小板数が10万/μLを下回る妊婦は約1% 米国Oklahoma大学のJessica A. Reese氏らは、同大の医療センターを受診した妊婦の血小板数の変化を調べ、血小板数の減少は妊娠初期から全ての妊婦で始まり、血小板減少症の目安である10万/μL未満の場合は、妊娠以外にも何らかの合併症があると考えられると報告した。詳細は、NEJM誌2018年7月5日… 2018/07/30 血液内科
Lancet誌から 代謝性アシドーシスにNaHCO3点滴は有効か? ICUのアシデミア患者を対象にしたランダム化試験 仏INSERMのSamir Jaber氏らは、ICUに入院している代謝性アシドーシス患者に重炭酸ナトリウムを静注し、動脈血のPHを7.30以上に保つ治療を行うランダム化対照試験を行ったが、28日死亡と7日以内の臓器不全を減らすことはできなかった。しかし、Acute Kidney Injury Network(AKIN)スコアが2または… 2018/07/05 救急医療・集中治療
JAMA Surgery誌から 周術期の赤血球輸血は術後のVTEを増やす 輸血回数が増えるほどリスクも増加する用量依存的な関連 外科手術を受けた患者で、周術期に赤血球輸血を受けた人と受けなかった人の術後30日間の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクを比較した米New York Presbyterian HospitalのRuchika Goel氏らは、赤血球輸血を受けた患者はVTE発症リスクが高く、輸血回数が多いほどリスクが増加する用量依存的な関連が見つ… 2018/07/04 外科
【新薬】エミシズマブ(ヘムライブラ) 血友病Aに週1回皮下注射の抗体医薬登場 2018年5月22日、血友病A治療薬エミシズマブ(商品名ヘムライブラ皮下注30mg、同皮下注60mg、同皮下注90mg、同皮下注105mg、同皮下注150mg)が発売された。適応は「血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」、用法用量は「1回3mg/kg… 2018/06/22 血液内科
シリーズ◎抗体医薬は医療に何をもたらしたか(血友病編) 凝固因子2つに結合する抗体が血友病治療に革命 奈良県立医科大学小児科学教室教授の嶋緑倫氏に聞く 今年3月、血友病Aに対する抗体医薬であるエミシズマブ(商品名ヘムライブラ)が承認され、いよいよ使用可能になる。血液凝固カスケードのうち第VIII因子が担っている役割を抗体で代替するこの抗体医薬は、今までの抗体医薬の機序にはない新しい作用で血友病Aの治療を可能にした。長らく血友病診療… 2018/05/21 血液内科
トレンド◎進化する多発性骨髄腫の治療戦略 新薬相次ぎ多発性骨髄腫では死なない時代へ 早期から多剤併用の総力戦で腫瘍細胞の根絶を目指す いまだ完治困難とされる多発性骨髄腫の治療が、最近の相次ぐ新薬の登場で大きく前進している。この背景には病態の解明が進み、個々の患者における腫瘍細胞の多様性が明らかになってきたことがある。新薬を組み入れた積極的治療で早期から腫瘍細胞を徹底的に減らし再発を抑える。多発性骨髄腫では… 2018/03/29 血液内科
鉄補充だけで治らないスポーツ貧血がある!? スポーツ貧血の主な原因は「鉄欠乏」と説明してきました。「溶血」が一部関与することもありますが、やはり主因は何といっても「鉄欠乏」です。そのため、基本的には鉄を補充することでスポーツ貧血は改善するはずです。しかし実際には、鉄剤を十分量内服してもヘモグロビンやフェリチンが上昇し… 2018/03/06 血液内科
アスリートの貧血、指針通りには診断できず スポーツ貧血は、基本的には一般的な鉄欠乏性貧血と同様の考え方で診断するものの、診断基準となるヘモグロビン(Hb) 値などが一般人と少し異なるという認識が必要です。アスリートでは酸素の需要が多いため、一般人よりやや高めの基準にすべきと考えられますが、その基準値はどう判断すべきなの… 2018/02/06 血液内科
【新薬】ロノクトコグ アルファ(エイフスチラ) 体内での安定性を向上させた血友病A治療薬 2017年9月27日、血液凝固第VIII因子製剤ロノクトコグ アルファ(商品名エイフスチラ静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用1500、同静注用2000、同静注用2500、同静注用3000)の製造販売が承認された。適応は「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」であり、1回10~30国際… 2017/11/17 血液内科
日経メディカル 書籍紹介 血液内科ただいま診断中! 非専門医を主な読者対象とした血液疾患の診断に関する参考書。外来で緊急対応が必要な血液疾患を見分けるポイントとして症状や疫学情報、血液生化学検査や血算、凝固検査所見の診方をまず解説し、赤血球系、白血球系、出血・凝固系の血液疾患別に、症例ベースで診断に至るプロセスを詳述する。… 2017/11/17 血液内科
第33回 ミミッキング抗体と輸血 赤血球に吸着されるのに溶血は起きないの? ミミッキング(mimicking)とは「物まね、模倣」の意味ですが、赤血球に対する抗体としてミミッキング抗体の存在が、輸血検査に混乱を生じさせることがあります。血液型抗原に対する抗体には、真の抗原に反応する抗体だけでなく、別の抗原に反応しているが検査では真の抗原に反応する抗体のように… 2017/10/30 検査
事業譲渡を迫る厚労省に翻弄される化血研 血漿分画製剤やワクチンなど生物学的医薬品の研究開発や製造販売を行う一般財団法人化学及血清療法研究所(熊本市北区)。毎年の売上高は400億円規模で、国内の小規模製薬企業を優に上回る。その化血研で、血漿分画製剤の不正製造が発覚してから、約2年半がたった。… 2017/10/20 組織
【適応拡大】エルトロンボパグ オラミン(レボレード) 再生不良性貧血に経口の造血刺激薬が登場 2017年8月25日、経口造血刺激薬エルトロンボパグ オラミン(商品名レボレード錠12.5mg、同錠25mg)の適応拡大が承認された。追加された適応は「再生不良性貧血」。抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合と、既存治療で効果不十分な場合に使用するが、それぞれ用法用量が異なることに注意する。… 2017/09/22 医薬品
リポート◎年間新規感染者は15万人、免疫抑制下では劇症化リスクも 蔓延するE型肝炎ウイルスを侮るな 輸血によるE型肝炎の感染予防に日赤も動き出す 欧州各国が輸血用製剤におけるE型肝炎ウイルス(HEV)の全数調査に動き出している。日本でも日本赤十字社が、全国でHEVの全数検査(NAT:核酸増幅検査)を開始する意向だ。HEVの年間新規感染者は約15万人と見積もられ、その多くが経口感染と考えられるが、免疫能が低下するような基礎疾患を有する… 2017/09/19 感染症
【新薬】デフェラシロクス(ジャドニュ) 服薬しやすくなった経口の鉄キレート顆粒剤 2017年7月3日、鉄キレート剤デフェラシロクス(商品名ジャドニュ顆粒分包90mg、同360mg)の製造販売が承認された。適応は「輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)」。1日1回12mg/kgを経口投与するが、1日量は18mg/kgを超えないこととなっている。なお、同一成分の懸濁… 2017/09/15 血液内科
【新薬】乾燥濃縮人プロトロンビン複合体製剤(ケイセントラ) 効果が早いワルファリンによる出血傾向の是正薬 2017年8月30日、乾燥濃縮人プロトロンビン複合体製剤(商品名ケイセントラ静注用500、同静注用1000)が薬価収載された。本薬は、3月30日に製造販売が承認されていた。適応は「ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、または重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時… 2017/09/08 医薬品
エリアレビュー◎ICML2017 悪性リンパ腫に対する新薬の開発が活発に 日本でCART療法は臨床導入できるか 悪性リンパ腫の国際的な会議であるInternational Conference on Malignant Lymphoma(ICML)がスイス・ルガノで6月14-17日に開催されました。参加者は今までで最も多く3000人を超えました。 2017/07/11 癌
リポート◎「アルブミン消費大国」の汚名は返上したが… どこまで減らせる?アルブミン製剤 ガイドラインでさらなる使用量削減目指すも、国内自給100%は困難 国策でもある血液製剤の適正使用。国際的に突出していたアルブミン製剤の使用量は年々減り、多い時期の3分の1まで減少した。さらなる適正使用を推進すべく、日本輸血・細胞治療学会はアルブミン製剤の適応疾患や病態を示したガイドラインを2015年に発表。ガイドラインに沿った診療が広がれば、さ… 2017/05/23 血液内科
リポート◎場所を選ばず輸血を行うための最低限のルール 「在宅における赤血球輸血ガイド」誕生 高齢化や国の施策の影響で在宅を含む小規模医療機関における輸血ニーズが増えている。ただし小規模医療機関では、臨床検査技師や輸血業務を担当する薬剤師の配置は困難。交差適合試験を医師自らが実施する施設さえ存在する。そのような施設や在宅で安全に輸血を実施するための輸血ガイドが6月に公… 2017/05/23 血液内科
リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 ついに登場!希釈式自己血輸血 手術前に血液を薄め血液成分のロスを減らす 周術期出血に対する同種血輸血を回避するための自己血輸血。貯血式自己血輸血、回収式自己血輸血に加え、2016年度の診療報酬改定で希釈式自己血輸血が新たに保険適用となった。術前に患者の血液を薄めておくことで、術中の血液成分のロスを減らすというものだ。… 2017/05/22 血液内科
関連学会のガイドライン受け厚労省が大幅に改定 血液製剤の適正使用を求める使用指針を通知 栄養補給目的でのアルブミン製剤の投与は不適切 厚生労働省は3月31日、大幅に改定した「血液製剤の使用指針」を関連機関に通知した。同使用指針は、日本輸血・細胞治療学会による「科学的根拠に基づく輸血ガイドライン」に沿って全面的に改定されたもので、副作用や合併症を生じる血液製剤の危険性を認識した上での適正使用を強く求めている。… 2017/04/06 血液内科
Lancet誌から デング熱では血小板輸血の有効性は否定的 出血予防効果は有意でなく有害事象は増える可能性 デング熱はしばしば血小板減少症を引き起こす。そうした患者には、予防的な血小板輸血が広く行われているが、その有効性を示した強力なエビデンスはなく、逆に有害となる可能性も示唆されていた。シンガポールTan Tock Seng病院のDavid C Lye氏らは、オープンラベルの多施設ランダム化対照試験を… 2017/04/04 感染症
獣医師との交流がもたらす創薬のブレークスルー 『人間と動物の病気を一緒にみる 医療を変える汎動物学(ズーピキティ)の発想』(バーバラ・N・ホロウィッツ、キャスリン・バウアーズ 著/土屋晶子 訳、インターシフト)という本をご存じだろうか。この本をメインで執筆したのは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校医療センターの心臓外科医で… 2017/03/28 癌
学会トピック◎第81回日本循環器学会学術集会 その消化管出血、本当に抗血栓薬が原因ですか? 循環器疾患としての後天性フォンウィルブランド症候群 循環器疾患では、ときに非生理的な速さの血流により過度のずり応力が生じる。その結果、血液凝固因子の1つであるフォンウィルブランド因子(von Willebrand factor;VWF)の分解が亢進し、消化管出血などの出血性イベントを起こすことがあるという。第81回日本循環器学会学術集会(3月17~19日、… 2017/03/27 循環器