2月21~27日の話題になった論文 英国でSARS-CoV-2感染後の待機的手術ガイドラインが更新 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2月21~27日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の「Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescents… 2022/03/08 感染症
2月7~13日の話題になった論文 COVID-19は軽症でも1年後までの心血管リスクが増加する 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2月7~13日に最もツイート数が多かったのは、Nature Medicine誌の論文「Long-term cardiovascular outcomes of COVID-19」(新型コロナ… 2022/02/22 感染症
圧迫骨折でADL制限がある患者の洗髪・清拭方法は? 看護学生です。圧迫骨折の患者さんへ洗髪を行いたいのですが、ベッドアップ45度までとされています。圧迫骨折でADL制限のある患者さんの洗髪・清拭方法が知りたいです。 2022/02/07 コメディカル
BMJ誌から デキサメタゾンが関節置換手術後の疼痛を軽減 術前と術後の2回投与で鎮痛用オピオイド使用量が有意に減少 デンマークNaestved, Slagelse and Ringsted HospitalsのKasper Smidt Gasbjerg氏らは、人工膝関節全置換術を受ける患者の治療にデキサメタゾン静注を追加すると、より優れた疼痛軽減効果が得られるかを調べる臨床試験を行い、デキサメタゾンを2回投与すると、プラセボ群よりモルヒネ使用量を減ら… 2022/02/01 骨・関節・筋
JAMA Surgery誌から 非心臓手術後のせん妄は多因子的予防プログラムで有意に減少 様々な待機的大手術を受けた70歳以上の患者の術後せん妄発生率が、多因子的な非薬理学的せん妄予防プログラムによって有意に低下したことがこれまでで最大規模の試験で明らかにされた。ただし、心臓手術を受けた患者では有意なリスク減少が見られなかった。ドイツの研究者らによる研究結果は、202… 2022/01/21 外科
診療報酬改定2022 周術期における薬剤師の業務に評価か 手術室がある病院の半数超で薬剤師が手術関連業務に関与 中央社会保険医療協議会(中医協)総会が2021年12月8日に開催され、2022年度診療報酬改定に向けて医療機関における薬剤師業務に関する評価を巡り、議論が交わされた。このうち、周術期における薬学的管理業務が論点に示され、診療側、支払い側委員共に、評価に対しておおむね賛同する意見が挙がった… 2021/12/13 薬剤師
縮瞳する? それとも散瞳? 緑内障手術 私が勤務している施設では、緑内障単独手術の場合、サンピロを点眼して縮瞳させます。ところが、緑内障と白内障の同時手術になると、ミドリンで散瞳させます。同時手術だと、なぜ散瞳させるのかが分かりません。教えてください。… 2021/12/06 眼科
JAMA Network Open誌から 術中デクスメデトミジン投与は高齢者の腹部手術後の回復を早める 中国で行われたRCTで、術後のガス排出までの時間や入院期間が短縮 中国First Affiliated Hospital of Anhui Medical UniversityのYao Lu氏らは、高齢者の腹部手術中にデクスメデトミジン(DEX)を投与して、術後の回復をプラセボ(生理食塩水)と比較する臨床試験を行い、DEXの使用が排ガスまでの時間や入院期間の有意な短縮をもたらしたと報告した。結果は2021年… 2021/11/10 老年医学・介護
術前に高カロリー輸液を維持輸液に変更する理由 経口摂取ができず、中心静脈栄養で高カロリー輸液を投与している患者さんがいます。手術のため、高カロリー輸液から維持液へと変更になりました。医師のカルテには、「維持液の方が妥当であるため変更する」との記載がありました。中心静脈栄養を行っている患者さんが、なぜ術前に維持液に変更した… 2021/11/01 外科
JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌から デキサメタゾン術前投与は甲状腺摘出後の低カルシウム血症と音声障害を減らす パキスタンで行われたランダム化比較試験 英国Royal Infirmary Hospital Edinburgh のAdeel Abbas Dhahri氏らは、甲状腺摘出手術を受ける患者の術前にデキサメタゾンを投与すると、術後の低カルシウム血症や音声障害のリスクを減らすことができたと報告した。結果は2021年9月2日のJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌電子版に掲載された。… 2021/09/30 代謝・内分泌
JAMA Network Open誌から 非心臓手術後の腎代替療法を要する急性腎傷害の予測モデル 術前に利用可能な15種類のデータからリスクスコアが計算可能なモデル カナダCalgary大学のTodd A. Wilson氏らは、主要な非心臓手術を受けた患者が術後に腎代替療法(KRT)を要する急性腎障害(AKI)を発症するリスクを、術前に得られるデータから予測するモデルを構築し、外部コホートで検証した結果、術後にKRTが必要になる患者を高い精度で予測できたと報告した。… 2021/09/14 外科
裁判官として医療訴訟の難しさを改めて感じた事例 今回は、手術後の経過観察が問題となった事例として、最高裁平成15年11月14日判決(判例タイムズ1141号143ページ)を取り上げます。患者Aは、平成6年11月14日、Y病院で食道癌と診断され、同年12月12日から13日にかけて、約18時間にわたって食道癌の手術を受けました。手術後は気管内挿管のままI… 2021/08/25 医療安全
Surgery誌から 周術期口腔ケアは非心臓手術後の肺炎抑制に有用 予後不良につながる術後肺炎(POP)の発生率は、クロルヘキシジンによる周術期口腔ケアで有意に低下し、また、歯科医療従事者が主導するよりも、看護師主導で実施した方が簡便で費用を削減できることが明らかになった。非心臓手術患者を対象とした初めての系統的レビューとメタアナリシスの結果が… 2021/07/14 外科
食上げ時の腹部症状観察は大腸の術後でも必要? 消化器外科で働く看護師です。術後は食事形態が三分粥から五分粥、五分粥から全粥というように段階的に上がっていきます。この食上げ時に腹部症状の観察をしますが、消化機能に影響がなさそうな部位の手術でも観察を行うことになっています。例えば膵頭十二指腸切除術では、胃内容排出遅延の症状を… 2021/04/19 外科
Ann Surg誌から トラネキサム酸の術前単回投与は周術期の出血と輸血を抑制 合成抗線溶薬であるトラネキサム酸(TXA)を術前に単回投与すると、術中の出血量が減少し(-153.33mL)、輸血率が低下する(-72%)ことが初のメタアナリシスで明らかになった。周術期の出血および輸血は、有害事象/重篤な合併症/機能障害の増加、入院期間の延長、医療費の増大と関連しているため… 2021/02/02 外科
糖尿病患者はどんな術後合併症を起こしやすい? 肺癌で右肺下葉切除術を控えた患者さんがいます。糖尿病の既往があり、現在も治療中です。糖尿病の方が手術を受ける場合、どのような点に気を付けなければならないでしょうか。また、術後は何を重点的に観察すればいいのかについても教えてください。… 2021/01/18 代謝・内分泌
整形外科Q&Aシリーズ《23》 骨頭挿入術後3カ月のX線写真、脱臼リスクは? <リハビリテーション科医>大腿骨頸部骨折術後の単純X線写真について 3カ月前に右大腿骨人工骨頭挿入術(前側方アプローチ)を実施後、回復期リハビリテーション病院で疼痛なくリハビリを継続しています。フォロー目的で単純X線を撮影したのですが、もともと術前から、臼蓋の形が悪くないでしょう… 2021/01/13 骨・関節・筋 医師限定コンテンツ
JAMA Surg誌から 脳トレアプリで高齢者の術後せん妄発生率が低下 非心臓/非神経外科領域の大手術を受ける予定の高齢者が術前脳機能訓練を実施したところ、介入群の術後せん妄発生率は対照群より有意に低下した──。米国の前向き単盲検ランダム化並行群間比較試験で、一般に利用されている脳トレアプリを術前に使用することで、術後せん妄の発生率にどのような影… 2020/12/25 外科
自然気胸の術後に胸腔ドレーンを入れない選択肢 Asian Journal of Surgeryから 気胸診療の世界は“less is more”になりつつあって、へいへいオイラそんな簡単に胸腔ドレーンなんて入れないぜ! という流れになっています。多分。虚脱率が3割以上という大きめの気胸であっても、胸腔ドレナージはおろか、穿刺脱気もしないという保存的戦略の有効性が示されています1)。こんな時… 2020/12/22 呼吸器
JAMA Surg誌から 乳癌手術の種類で術後の心理社会的健康が異なる 片側乳癌と診断され、広範囲の手術を選択した若い女性では、小規模手術を選択した女性よりも術後1~5年目のQOLおよび心理社会的健康が劣ることが、米国のコホート研究で明らかになった。このことから、若い女性が乳癌手術を選択する際には、各タイプの手術が及ぼす短期的・長期的影響を理解し、サ… 2020/11/02 外科
痛み評価「10段階中の10!」への英国流対処法 看護師免許を取得して以来7年間、ほとんどを外科部門で勤務してきた私にとって、手術前後の患者が訴える痛みへの対処は日常的な仕事だ。そこには何年たっても忘れられないエピソードがたくさんある。今回は待機手術や緊急手術など様々な外科病棟での経験を基に、英国NHS病院における術後患者の痛み… 2020/10/22 海外
術後のシバリング、体内で何が起きている? 外科病棟に勤務している1年目看護師です。術後の患者さんが身体を震わせていることが多々あります。先輩に相談すると「シバリングが起きているから温めてあげてね」と指導を受けたので、布団を追加したり、ホットパックを使用したりしていますが、シバリング中に体内でどんなことが起きているのか分… 2020/09/28 外科
術前のルート確保に太い注射針を使う理由は? 外科病棟に勤務する看護師です。先日、術前の患者さんに末梢点滴を確保するときに、なかなか末梢点滴を確保することができず、24ゲージ(G)の注射針でルート確保をしました。手術室の看護師から「細すぎる針での点滴はやめてほしい。もし可能なら、より末梢側でお願いします」と言われました。なぜ… 2020/08/10 外科
トレンド◎ランダム化比較試験で消毒薬の感染予防効果を検証 オラネキシジンによる消毒で手術部位感染を半減 慶應義塾大学医学部外科学教室のグループは、消毒薬オラネキシジングルコン酸塩(商品名オラネジン)が手術部位感染のリスクを半減させるとのランダム化比較試験(RCT)結果を発表した。日本では手術時にヨウ素系消毒薬などが使用されることが多いが、手術部位感染の低減が医療費削減にもつながる… 2020/07/20 外科
なぜアルコール綿で? 排液バッグの排出口清拭 私が勤務する病棟では、ドレーンバッグや尿道カテーテルのバッグから排液を捨てた後、排出口をアルコール綿で拭くことになっています。一方で自宅に帰る患者様には、アルコール綿が入手できなければウエットティッシュでいいとお伝えしています。ドレーンや尿道カテーテルのバッグから排液を排出し… 2020/07/13 外科
教えて!術後せん妄に対する看護法 ICU病棟に勤務している看護師です。緊急手術後の患者さんが多く入室されますが、かなり高い確率で、術後せん妄になってしまいます。術後せん妄の状態にある患者さんと、どのように関わればよいのか分からず、困っています。術後せん妄に対して、どんな看護をしたらいいかを教えてください。… 2020/06/15 外科
呼吸器症状のない患者に術前の呼吸機能検査は必要? 症例:69歳男性。冠動脈バイパス術(CABG)を受けるために入院中。喘息などの呼吸器疾患はない。「心臓血管外科にて研修ローテーション中に、指導医から「来週CABGをする患者さんの術前検査のオーダーを入れておくように」と指示された。研修医の僕は、ルーチンで行う術前セット検査を入力したが、… 2020/05/11 外科
術前剃毛はカミソリよりバリカンの方がいい? 消化器外科に配属された、1年目の看護師です。私の病院では術前の剃毛を実施していて、T字カミソリを使用しています。しかし、バリカンの方が術後の感染が少ないと聞いたことがあり、気になっています。術前の剃毛は、カミソリを使用した方がいいのでしょうか? それともバリカンの方がいいのでし… 2020/02/10 外科
胃管の固定テープが汗ですぐ剥がれてしまう 心室細動(VF)からの蘇生後で意識障害があり、気管切開し人工呼吸器による管理中、全身発汗が著明な患者さんがいます。その患者さんにはNGチューブ(経鼻胃管)が入っているのですが、汗のせいでテープ固定がすぐ剥がれてしまい、何回も貼り直さなくてはいけません。チューブやカテーテルをテープ… 2020/01/06 コメディカル
第25回 開頭術後の頭痛、低髄液圧症候群以外も鑑別に 2年前の開頭術施行後から継続する頭痛が主訴の患者。今回は頭痛外来での指導医(柴田)と研修医(石山すみれ、イラストも)との対話を通して開頭術後に新規発症する頭痛について解説する。 2019/12/19 精神・神経
看護で夜間せん妄を予防したい! 混合病棟で働いている1年目の看護師です。夜勤をするようになり、昼間は穏やかな患者さんが、夜になると急に人が変わったように騒いだり暴力的になったりすることに戸惑っています。それが夜間せん妄だということは分かってきたのですが、せん妄にならないようにはできないのかと思い、質問させてい… 2019/12/09 老年医学・介護
JAMA Surgery誌から 術後30日間の感染症は長期成績に影響する 30日間の感染非経験者よりも術後1年目までの感染症と死亡のリスクが高い 米国VA BostonのWilliam J. O'Brien氏らは、2008~15年に大手術を受けた退役軍人患者のデータを分析し、術後30日間に感染症を経験した患者では、そうでない患者に比べ、術後31~365日の間の感染症リスクが3.2倍に、死亡リスクは1.9倍になっていたと報告した。結果は、JAMA Surgery誌電子版に2019… 2019/11/22 外科
「セファゾリンの悪夢」に現場が学ぶべきこと 「えっ、周術期の抗菌薬、これからどうするの?」今年3月、国内シェアの約6割を占める日医工(富山県富山市)がセファゾリンの供給を停止したというニュースを目にした時、そんな言葉が浮かんだ。 2019/11/19 感染症
術後の早期離床はなぜ必要? どう看護すべき? 外科に勤務する新人看護師です。私のいる病棟では術後に早期離床を促しており、すぐにリハビリテーションが開始されています。しかし、目的や方法に自信がなく、なかなか早期離床を援助する看護が行えないので、もっと学びたいと思っています。… 2019/11/11 看護師
今さら聞けない!?「術後ベッド」の作り方 こんにちは。今度、全身麻酔の患者さんの術後を見ることになりました。先輩たちが手術内容を見て術後ベッドを作成していることは何となく分かるのですが、具体的に何を基準にして作っているのかが分かりません。どのようなことを基準に術後ベッドを作成しているのか、教えてください。… 2019/10/21 外科
Ann Intern Med誌から コールドポリペクトミーは抗凝固療法中も安全 ヘパリンブリッジ+ホットポリペクトミーと比較した日本のRCT 大阪国際がんセンターの竹内洋司氏らは、抗凝固薬の投与を継続しつつコールドポリペクトミー(CSP)を行う場合(CA+CSP)と、周術期のヘパリンブリッジ(HB)と従来のホットスネアポリペクトミーを適用した場合(HB+HSP)の、出血リスクを比較するランダム化比較試験(RCT)を行い、1cm未満の大… 2019/08/07 癌
いつまで続ける? スライディングスケールでのインスリン量調節 77歳男性。3週間前に脳梗塞を発症し、病院で緊急手術が行われた。入院時の血液検査で糖尿病が指摘された。「術後はスライディングスケール法でインスリンを投与してきた。病状も安定してきたのでそろそろ退院が見込まれるが、退院後もスライディングスケール法を続けるべきだろうか」。… 2019/08/06 代謝・内分泌
JAMA誌から 睡眠時無呼吸は術後の心血管リスクを増やす 本人が気付いていない重度のOSA患者でイベント発生率が有意に増加 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、高血圧、心筋虚血、心不全、不整脈、脳卒中、心臓突然死などのリスクを高めることが知られている。香港中文大学のMatthew T. V. Chan氏らは、前向きの多施設コホート研究を行って、重度のOSAがある人では、非心臓手術後の心血管イベント発症率が高いと報告した。結… 2019/06/05 外科
Lancet誌から 手術前日の貧血・鉄欠乏症治療が役立つ 待機的心臓手術患者の周術期の赤血球輸血を減らす 心臓手術が予定されている患者にはしばしば、貧血と鉄欠乏症が認められる。スイスZurich大学病院のDonat R Spahn氏らは、手術前日にカルボキシマルトース鉄、エリスロポエチンα、ビタミンB12、葉酸を投与すると、プラセボ群よりも術後7日間および90日間の赤血球輸血の必要性が有意に低下すると報… 2019/05/20 外科
JAMA Network Open誌から 全身麻酔と長時間手術が術後せん妄を増やす 股関節骨折患者を調べたカナダのコホート研究 カナダToronto大学のBheeshma Ravi氏らは、オンタリオ州の医療保険データベースから股関節骨折を起こして治療を受けた患者の記録を調べるコホート研究を行い、手術時間が長いことと全身麻酔の適用が、術後せん妄リスク上昇に関連していたと報告した。結果は、JAMA Network Open誌電子版に2019年2… 2019/03/20 外科
JAMA誌から アセトアミノフェンは心臓手術後のせん妄を減らす CABGや弁置換術を受ける60歳以上の患者の臨床試験 心臓手術後には、50%の患者に術後せん妄が見られるとの報告がある。せん妄リスクに対する鎮痛薬の影響を検討するランダム化対照試験を行った米Harvard大学医学部のBalachundhar Subramaniam氏らは、プロポフォールまたはデクスメデトミジンとともにアセトアミノフェンを静注すると、プラセボに比… 2019/03/12 外科
JAMA Network Open誌から 術後の歩数カウントにウェアラブル機器が有効 1日の歩数が増えると入院延長のリスクが低下する 早期離床と歩行開始は、大手術を受けた患者の回復において重要だ。米Cedars-Sinai Medical CenterのTimothy J. Daskivich氏らは、術後の覚醒時点から患者の手首にウェアラブル活動量計を着けてもらい、退院までの歩数をモニターして、入院期間延長リスクとの関係を検討する前向きコホート研究を実… 2019/02/27 外科
ケーススタディー◎睡眠マネジメントで術後せん妄を防ぐ静岡がんセンター 「基本3点セット」でせん妄をコントロール 術後のせん妄リスクが特に高い食道癌や頭頸部癌の患者。静岡がんセンター食道外科・頭頸部外科では、新規睡眠薬や抗うつ薬、抗精神病薬を用いた睡眠マネジメントを行って術後せん妄の発症や重症化を防いでいる。外科としては使い慣れない薬剤も、精神腫瘍科の協力を得て処方感覚をつかみ、今では… 2018/12/18 精神・神経
JAMA Network Open誌から 大腸手術後のSSIを最も減らす方法を比較 ネットワークメタアナリシスで機械的腸管処置+経口抗菌薬の組み合わせが良好 待機的な大腸手術の前の、機械的腸管処置(MBP)と抗菌薬の経口投与(OAB)の適用に対する関心が再び高まっている。これまで、MBP+OAB、OABのみ、MBPのみ、前処置なしという4通りのアプローチの有効性を同時に比較する研究は行われていなかった。オーストラリアSydney大学のJames W. T. Toh氏ら… 2018/10/31 外科
麻酔科専門医の更新要件変更で広がったある憶測 最近書いた記事の中で、読者から大きな反響があったものの1つが、「麻酔科専門医の要件『単一施設に週3日以上勤務』へ」だ。このニュースでは、日本麻酔科学会が7月10日付けで、2019年度から開始する麻酔科専門医の更新要件を「申請時点で単一の医育機関病院や病院施設に週3日以上勤務し、麻酔科… 2018/08/06 外科
術前のルーチンの心電図検査、本当に必要? 20歳女性。フットサルの試合中に衝突・転倒し、右前十字靭帯を断裂。前十字靱帯再建術を受けるため入院した。「病室を訪れると、ポータブル心電計を手にした検査技師と患者が険悪な雰囲気になっていた。検査技師は『手術の前に心電図を取るのは病院の決まりだと言っても聞いてくれないんです』と言… 2018/07/06 循環器
トレンド◎麻酔科学会が周術期管理チーム養成に本腰 手術件数増加に伴う麻酔科医不足の切り札とは 日本麻酔科学会が、周術期医療をより安全に効率良く提供するため、術前から術後までの知識やスキルを持った医療者からなる多職種連携チームの養成に力を入れている。その背景には、手術件数増加に伴う麻酔科医の不足や医療安全の向上がある。将来的に周術期管理チームの設置に関する診療報酬点数… 2018/07/05 外科
JAMA Surgery誌から 周術期の赤血球輸血は術後のVTEを増やす 輸血回数が増えるほどリスクも増加する用量依存的な関連 外科手術を受けた患者で、周術期に赤血球輸血を受けた人と受けなかった人の術後30日間の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクを比較した米New York Presbyterian HospitalのRuchika Goel氏らは、赤血球輸血を受けた患者はVTE発症リスクが高く、輸血回数が多いほどリスクが増加する用量依存的な関連が見つ… 2018/07/04 外科
Lancet誌から 非心臓手術後の心筋障害にダビガトランが有望 プラセボ対照のRCTで大出血を増やさずに合併症を減少 非心臓手術後の心筋障害(MINS)と判断された患者を対象に、ダビガトランまたはプラセボを投与するランダム化対照試験を行ったカナダMcMaster大学のP J Devereaux氏らは、ダビガトランは大出血リスクを上昇させることなく、MINS患者の主要な心血管合併症を減らしていたと報告した。結果はLancet誌… 2018/07/02 循環器
NO TUBE!その尿道カテーテルは本当に必要? 85歳、男性。認知症。2日前から肺炎のため入院中。「抗菌薬の点滴治療を開始して一度は熱が治まったのだが、今日になって再度発熱し、せん妄状態になっているとの報告を受けた。慌てて抗菌薬の変更を指示しようとしたところ、病棟師長から『先生、入院したときからずっと尿道カテーテルが付いていま… 2018/06/04 腎・泌尿器
BMJ誌から 術前の理学療法で術後呼吸器合併症が減る 待機的に開腹手術を受ける患者を理学療法と資料のみで比較 上腹部開腹手術の合併症で、最も多く見られるのが術後呼吸器合併症(PPC)だ。豪州Launceston総合病院のIanthe Boden氏らは、理学療法士によるPPC予防のための教育と訓練を術前に30分間行う場合と、説明資料のみ配付した場合を比較するランダム化対照試験を行って、術前指導により術後14日間のPPC… 2018/02/15 外科
BMJ誌から 外科医は男性と女性で手術成績に差があるか? カナダの研究でわずかだが女性外科医の術後30日死亡率が低い カナダToronto大学のChristopher JD Wallis氏らは、2007~15年に同国オンタリオ州で手術を受けた患者を対象にレトロスペクティブなコホート研究を行い、手術を行ったのが男性外科医か女性外科医かで術後30日間の転帰を比較したところ、女性外科医が担当した患者の方が死亡率が有意に低かったと報… 2017/11/06 外科
JAMA誌から ワルファリンの投与量はSNPsで変更すべき 関節置換術後のワルファリン使用で出血などを減らせる 米国Washington大学(St. Louis)のBrian F. Gage氏らは、ワルファリンの作用や代謝にかかわる一塩基多型(SNPs)に基づいて投与量を調節すると、関節形成術後の血栓予防目的で使用するワルファリンの有害事象を減らせると報告した。結果はJAMA誌2017年9月26日号に掲載された。… 2017/10/20 骨・関節・筋
シリーズ◎その手術部位感染対策、合っていますか?(2) Q.大腸手術では前処置と経口抗菌薬併用が有効? 2016年秋に発刊されたWHOのガイドラインや米国外科学会(ACS)・米国外科感染症学会(SIS)合同のSSIガイドラインでは、待機的大腸手術に対して腸管の機械的処置と経口抗菌薬の併用が推奨されている。これは、術前に下剤などで機械的に腸管内の便を排出させた上で経口抗菌薬を術前日に数回に分け… 2017/08/08 感染症
サルコペニアにコミット 東大とライザップが胃癌手術前後のトレーニングで臨床試験 東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの社会連携講座「肥満メタボリックケア」は、東京大学とライザップ株式会社の共同研究として「運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」を9月から始める。… 2017/08/07 老年医学・介護
トレンド◎急性腎障害(AKI)診療ガイドライン発行 急激な腎機能低下を一過性と侮るな 手術後、敗血症、脱水に共通して懸念される予後不良の病態 夏場、暑い盛りに屋外で農作業をしている高齢者に注意すべきは脱水だが、その先にある急性腎障害(AKI;Acute Kidney Injury)にも目をこらす必要がある──。日本腎臓学会、日本集中治療医学会など5学会が合同で刊行したAKI診療ガイドラインでは、様々な患者で起こり得るAKIへの注意を促している… 2017/08/01 腎・泌尿器
JAMA Surgery誌から 腹部手術後のケアでせん妄リスクを減らす 見当識訓練、早期離床、口腔ケアと食事指導を組み合わせる 腹部手術後の高齢者はせん妄を経験することが多い。せん妄は回復を遅らせ、入院期間延長をもたらし、医療費を上昇させる。国立台湾大学のCheryl Chia-Hui Chen氏らは、看護師がmodified Hospital Elder Life Program(mHELP)を実施すると、標準ケアに比べ、術後せん妄リスクが56%減少すると報告… 2017/06/23 癌
BMJ誌から デキサメタゾン投与で術後の悪心嘔吐が減少 待機的に腸切除術などを受けた患者のRCT 手術の合併症として最も多く見られるのが術後の悪心と嘔吐で、30%を超える患者がこれを経験する。英国Birmingham大学のL Magill氏ら、DREAMS Trial CollaboratorsとWest Midlands Research Collaborativeのメンバーは、待機的な腸の手術を受ける患者を対象にランダム化対照試験を行い、麻酔導入… 2017/05/18 消化器
「医療イラストの職人」たちが学会立ち上げ 医学書や医学雑誌を開くと、組織や構造などを示したイラストが目に飛び込んでくる。私たち編集者にとってもなじみ深いこれらの図版は、「メディカルイラストレーション」と呼ばれている。 2017/03/07 外科
Anesthesiology誌から 添付文書とガイドラインと常識と 術前の降圧薬中止について 手術の際、ACE阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を一時的に切るというのは常識だと思っていた。循環血漿量を減らし低血圧や腎機能障害のリスクを高めるから、というのが理由だ。多くの病院では似たようなマニュアルになっているのではないだろうか。ACE阻害薬とARBの添付文書には、「… 2017/01/26 循環器
インタビュー◎手術後機能障害に関するコホート研究を開始 「手術をしないという選択が堂々とできる社会をつくりたい」 奈良県立医科大学麻酔科学教授の川口昌彦氏に聞く 患者の高齢化が進むとともに、手術そのものは成功しても、その後、身体機能や認知機能が十分に回復せず要介護状態になる患者が増えているといわれる。奈良県立医科大学麻酔科学教授の川口昌彦氏らは、このような手術後機能障害に関連する因子を明らかにすることを目指したコホート研究を開始して… 2016/12/19 麻酔科
JAMA Ophthalmol誌から LASIK患者の術後調査で新たな眼症状が発症 患者の満足度は高いが、医師に訴えない症状も レーザー角膜内切削形成術(LASIK)の有効性と安全性は示されているが、治療後にドライアイの症状や、視覚の異常、手術に対する不満などを訴える患者がいる。米国FDAのMalvina Eydelman氏らは、質問票を用いたウェブベースの調査をLASIKの前と後に行い、術後に新たにドライアイを発症する患者が3… 2016/12/16 眼科
第4回 手術部位感染防止 「SSIは起こってもしょうがない」はウソ! 今回は術後感染症の防止を取り上げます。手術は多かれ少なかれ患者に侵襲を与え、様々な合併症を起こすことがあります。中でも、手術で切開し縫合した皮膚や皮下組織、それに筋層や手術操作部位に発生する感染症は、頻度も多く、しかも重篤になりやすい合併症です。… 2016/11/30 感染症
NEJM誌から 帝王切開後の感染リスクは予防投与で減らせる アジスロマイシンの追加でリスクが半減 米Alabama大学Birmingham校のAlan T.N. Tita氏らは、破水後または分娩の途中で非待機的帝王切開を行うことになった妊婦に、セフェム系抗菌薬の予防投与にアジスロマイシンを追加した場合とプラセボ追加を比較するランダム化対照試験を行った。その結果アジスロマイシンの追加で母親の術後感染相対… 2016/10/27 産婦人科
抗凝固薬:ワルファリンが半数割るも首位キープ 第2位はアピキサバン、第3位はリバーロキサバン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、抗凝固薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、42.6%の医師がワルファリン(商品名ワーファリン他)と回答した。第2位のアピキサバン(エリキュース)は19.7%、第3位のリバーロキサバン(イグザレルト)は15.9%、第4位のエドキサバン(リクシア… 2016/09/15 循環器
Lancet誌から デクスメデトミジンは術後せん妄を減らす 中国の大学病院で65歳以上の術後ICU入室患者のRCT 中国北京大学のXian Su氏らは、非心臓手術で術後すぐにICUに移された65歳以上の患者に対して、選択的α2アドレナリン受容体作動薬のデクスメデトミジンを投与する、二重盲検ランダム化プラセボ対照試験を行い、この薬が高齢患者の術後せん妄リスクを減少すると報告した。結果は、Lancet誌電子版に… 2016/09/12 外科
千葉市立海浜病院の心臓血管外科手術後死亡 3カ月で8人死亡の背景にマンパワー不足 「少人数での緊急手術、ハイリスク手術に限界」と指摘 昨年の4~6月の3カ月間に、8人の心臓血管外科手術後死亡があった千葉市立海浜病院は5月末、日本心臓血管外科学会による調査報告書を公表した。報告書は「明らかな医療過誤と思われる事例はなかった」と結論したものの、リスク評価の甘さやインフォームド・コンセントの不徹底を指摘。さらに「少人… 2016/06/06 循環器
NEJM誌から 周術期のスタチン投与に利益なし LDLは下がるが心房細動は減らず、腎障害が増える 中国Peking Union Medical CollegeのZhe Zheng氏らは、待機的心臓手術を受ける患者に対する周術期のロスバスタチン投与の有効性と安全性をプラセボと比較するランダム化試験を行い、スタチンには術後の合併症を減らす効果は見られず、有害事象発生率は高いことを報告した。詳細はNEJM誌2016年5月5… 2016/06/03 循環器
Ann Intern Med誌から 周術期の予防接種は術後の転帰に影響しない インフルエンザワクチンのコホート研究 手術が予定されている患者にも、インフルエンザの予防接種が推奨されているが、接種率は低い。米国Kaiser Permanente Southern California(KPSC)のSara Y. Tartof氏らは、後ろ向きコホート研究を実施して、入院中に予防接種を受けた患者と受けなかった患者の、退院後7日間の再入院や救急部門受… 2016/04/07 感染症
JAMA誌から スタチンは心臓手術後の急性腎障害を減らさない 米国のプラセボ対照RCTで委員会が登録中止勧告 周術期にアトルバスタチンを投与しても、心臓手術後に急性腎障害(AKI)を合併するリスクを減少させることはできないという研究が報告された。これは、米国Vanderbilt大学のFrederic T. Billings氏らが行ったプラセボ対照の二重盲検の無作為化試験によるもので、結果はJAMA誌電子版に2016年2月23… 2016/03/18 外科
リポート◎ハイリスク患者の手術に威力、確実な鎮痛効果も 術中麻酔で活用広がる「末梢神経ブロック」 手術時に、硬膜外麻酔や脊髄クモ膜下麻酔の代わりに末梢神経ブロックを行う鎮痛法が広がっている。高齢者などのハイリスク患者であっても安全な手術が可能になり、また、術後に確実な鎮痛効果が得られることから、麻酔科医にとって欠かせぬスキルの一つになりつつある。… 2016/02/19 外科
トレンド◎術中輸液管理の新手法「GDT」 過剰輸液の回避で術後合併症を防ぐ 循環動態指標を用いて術中の輸液管理を適正化する「GDT」の概念が広がりつつある。過剰輸液による術後合併症を防ぎ早期退院につなげる試みで、手術患者の高齢化や合併症を有するハイリスク症例の増加などに伴い、その重要性が高まっている。… 2016/02/04 外科
JAMA Intern Med誌から 術前からのβ遮断薬服用者は術後死亡率が高い 非心臓手術を受けた高血圧患者を対象とした分析で示唆 高血圧のため術前からβ遮断薬を服用している人については、周術期リスクに関する十分なデータがない。心臓以外の手術を受けた高血圧患者について、服用降圧薬ごとに術後30日の総死亡率や主要心血管有害事象(MACE)の発生率を比較したところ、β遮断薬の服用者では死亡やMACEのリスクが有意に高… 2015/10/23 循環器
特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《誤認・遺残》 タイムアウト形骸化で手術部位の左右取り違え 「ちょっと待って」が言いやすい環境作りを 手術に関連したミスの典型は、患者や手術部位の誤認や、ガーゼや手術器具などの体内遺残。個々の医療機関で防止策が講じられているが、一方で対策の形骸化も散見される。デバイスの誤使用が元で患者に危害を与えてしまうケースもある。… 2015/09/15 外科
Lancet誌から 術後の痛みや不安、音楽療法で軽減 周術期に音楽を聴かせると効果あり、ランダム化比較試験のメタアナリシスで示唆 外科手術を受ける患者にヘッドフォンなどを用いて音楽を聴かせると、術後の疼痛と不安が軽減されることが明らかになった。音楽を患者に選ばせるか否かといった音楽の選択法などによらず有効で、手術前から音楽を聴かせ始めると特に疼痛軽減効果が高かったという。… 2015/09/02 外科
トレンドビュー◎大規模試験「AVERT III」で急性期リハに新エビデンス 脳卒中「超早期離床で転帰悪化」の波紋 病型や病態に応じた離床時期の見極めが重要に 脳卒中の発症後24時間以内に離床を始め、1日6回計30分のリハビリテーションを行う「超早期離床」では、3カ月後の転機が“通常ケア”(24~48時間以内に離床、1日3回計10分のリハ)より劣る──。Lancet誌2015年7月4日号に掲載されたAVERT III試験の結果が、急性期リハビリテーションの現場に波紋… 2015/08/06 循環器
NEJM誌から 周術期のヘパリンブリッジングは不要か ワルファリン使用中の心房細動患者、周術期のヘパリンブリッジングで血栓イベント不変、大出血リスク増大 慢性的な心房細動患者が待機的な手術または侵襲的な介入を受ける場合には、ワルファリン(商品名ワーファリン他)の使用を中断するが、その間に低分子ヘパリンを用いたブリッジングを行わなくても、動脈血栓塞栓イベントの有意な上昇は見られず、大出血リスクはブリッジングを行った場合に比べ有… 2015/07/09 循環器
JAMA誌から 胸部術後の呼吸管理にネーザルハイフロー フェースマスクを用いた間欠的BiPAP管理と同等の効果 胸部術後の非侵襲的な呼吸管理法として広く行われている二相性陽圧(BiPAP)モードでの間欠的な酸素投与と、高流量の酸素を鼻腔から投与する「ネーザルハイフロー」とで、再挿管などの実施率(治療失敗率)に有意差はなく、治療効果は劣らないことが明らかになった。… 2015/06/01 呼吸器
Lancet誌から 脳卒中後の超早期離床、かえって転帰を悪化 脳卒中ユニットへの入院患者2000人を対象とした多施設共同ランダム化試験AVERTで判明 オーストラリアなど5カ国、56箇所の急性脳卒中ユニットが参加して行われたランダム化比較試験AVERT(A Very Early Rehabilitation Trial for stroke)のフェーズ3研究で、脳卒中の発症から24時間以内に離床を開始する超早期離床群に割り付けられた患者では、3カ月後に自立した生活を送れるレベル… 2015/05/01 循環器
経口抗凝固薬:一番人気はやはりワルファリン 第2位はアピキサバン、第3位はダビガトラン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、最も処方頻度の高い経口抗凝固薬を聞いたところ、第1位はワルファリン(商品名ワーファリン他)となった。医師の58.1%がワルファリンを挙げ、最も人気のある経口抗凝固薬であることが分かった。… 2015/03/26 循環器
特集◎痛みに先手を打て《4》術後疼痛 術前からの鎮痛薬で術後の痛みを予防 「痛みに先手を打つ」という考え方がいち早く導入されたのが、周術期の「先行鎮痛」。最近では、人工呼吸器装着後、より早く予防的に鎮痛薬を投与する手法の有効性を示唆するデータが出ており、注目されている。… 2015/02/12 麻酔科
看護師が「治療の視点」を持つということ このたび、NP(Nurse Practitioner)についてエッセー執筆のお話をいただきました。NPは、「特定看護師」や「診療看護師」と訳されます。新たな資格ではなく、法律上の身分は看護師ですが、看護師として臨床経験を持つ者が大学院で生理学や薬理学から診断学に及ぶ医学的知識や、後述する特定行為… 2015/01/23 救急医療・集中治療
NEJM誌から アンチセンス薬が術後VTEリスクを低減 肝臓での第XI因子mRNAの発現を特異的に阻害する第二世代薬 血液凝固第XI因子に対するアンチセンス薬を待機的な人工膝関節全置換術を受ける患者に投与したところ、出血の増加なしに、エノキサパリン以上の静脈血栓塞栓症(VTE)リスク低減効果があることが第2相臨床試験の結果として示された。オランダAmsterdam大学のHarry R. Buller氏らが、NEJM誌電子版… 2015/01/06 循環器
JAMA誌から アスピリンに術後急性腎障害の予防効果なし クロニジン投与にも予防効果なし、RCTの結果 アスピリンまたは降圧薬のクロニジンを周術期に投与すると、急性腎障害のリスクが下がることが示唆されていたが、盲検化したランダム化比較試験(RCT)の結果、アスピリン、クロニジンとも術後の急性腎障害を予防しないことが示された。カナダLondon health Sciences CentreのAmit X. Garg氏らが… 2014/12/10 外科
BMJ誌から 術前のSIRS・敗血症は術後血栓症のリスク 動脈・静脈の血栓症リスクは約3倍、米国での大規模調査の結果 術前48時間の全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)または敗血症は、術後30日の動脈血栓症、静脈血栓症の独立した危険因子であることが、米国のデータベースに登録された情報の解析結果として示された。スイスBern大学病院のJacques D Donze氏らが、BMJ誌電子版… 2014/10/02 循環器
BMJ誌から トラネキサム酸投与で輸血リスクが約3分の1に 人工股関節・人工膝関節全置換術を対象とした後ろ向きコホート研究より 整形外科手術を受ける患者に対するトラネキサム酸静脈内投与の有効性と安全性を評価した後ろ向きコホート研究の結果、トラネキサム酸投与で輸血リスクが約3分の1になること、血栓塞栓症や急性腎不全などのリスクは上昇しないことが示された。米国Icahn School of Medicine at Mount SinaiのJashva… 2014/09/04 外科
KEY PERSON INTERVIEW 高齢者の予後を左右する輸液 体液バランスは尿電解質で把握を あだち入谷舎人クリニック院長、日本医大名誉教授 飯野靖彦氏 人口高齢化に伴い、病棟では輸液を受ける高齢者が増え、その期間も長期にわたる場合が少なくない。 2014/07/28 救急医療・集中治療
NEJM誌から 周術期のクロニジン投与に利益なし 非心臓手術を受ける患者への投与で低血圧や心停止が増加、RCTの結果 これまで、非心臓手術を受ける患者に対して、周術期にクロニジンを投与すると心筋梗塞や死亡のリスクが下がると考えられてきた。しかし、このほど行われたランダム化比較試験(RCT)は、これを否定したばかりか、クロニジンの投与により低血圧や非致死的心停止のリスクが有意に上昇することが示さ… 2014/04/23 循環器
急性期看護◎第4回 56歳男性。術後の一過性意識消失 56歳男性。直腸癌に対し低位前方切除術を行った。手術翌日、バイタルサインの安定を確認した後(脈拍60回/分、血圧100/60mmHg、呼吸12回/分、SpO2 96%)、初回歩行に向けてまずは端座位となった。ほぼ自力で端座位になることができたが、少しふらつきが見られた後、急に脱力して看護師にもた… 2014/02/24 看護師
急性期看護◎第2回 40歳女性。全身麻酔手術後の呼吸困難 右肺区域切除術のため手術室へ入室。「全身麻酔+硬膜外麻酔」にて手術が予定され、気管挿管が試みられた。挿管に手間取り3回目にようやく挿入された。手術は4時間で無事終了し、換気の状態も問題なかったため手術室で抜管され、その直後は呼吸困難もなかった。回復室で経過観察していると、「息… 2014/01/04 看護師
急性期看護 78歳男性。胃癌術後の悪寒と上腹部痛 外科病棟入院中で、胃噴門側切除後1日目。1時間前から悪寒と上腹部痛を訴えている。バイタルサインは脈拍124回/分、血圧78/52mmHg、呼吸32回/分、体温37.5℃、SpO2 92%(Room Air)。少し震えているようで、「寒いし痛い」と苦しそうな表情をしている。腹部の圧痛ははっきりせず、反跳痛や筋… 2013/12/02 看護師