「偽性コロナ後遺症」という病い 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し数週間が経過しても何らかの症状が残っているケースに僕が初めて遭遇したのは2020年3月。以前から当院をかかりつけ医にしている30歳代の女性が最初の患者だった。当時から、COVID-19に対する不安から様々な不定愁訴を訴える患者は少なくなかったが、… 2022/05/23 感染症
「医師はカネでしか動かない」になぜ怒らない? 認可されたものの一向に普及が進まないリフィル処方に対して、日経新聞は2022年5月2日、「リフィル処方の一律拒否を認めるな」という社説https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60476450S2A500C2PE8000/を掲載した。その中に「リフィル処方を拒む医療機関は収入源である再診患者が減るのがいやな… 2022/05/16 プライマリケア
アルコール依存症、暴言、支払い拒否…厄介なケースを解決に導くノウハウ教えます! 「『総合診療』とはなんぞや」──この問いに、あなたは自信を持って答えられるだろうか。日経メディカル Onlineの医師会員7971人を対象としたアンケートで、「総合診療」がどういう領域かを明確に理解できている医師は1割強にとどまったことを鑑みるに、回答できる医師は少数だと思われる(関連… 2022/05/11 プライマリケア
【第37回】 爪白癬治療の成功率高める “爪アート”の鑑賞法 本連載が書籍化されました! 爪白癬は 皮膚科ではおなじみの疾患。罹患率は約10%なので、日本には1000万~1200万人の患者がいる計算だ。ただし、罹患していても治療を受けていない潜在患者が多く、爪白癬治療薬を開発した製薬企業からすると、「巨大な潜在市場」であり、医師から見れば「膨大に放置された患者たち」が存在… 2022/05/10 皮膚科
コモンなのに薬がなかった「酒さ」に朗報! ありふれたcommon diseaseなのにもかかわらず、ドクターショッピングを繰り返すことが多い皮膚疾患の代表、それが酒さ(rosacea)だ。 僕が皮膚科で研修を受けていた頃の記憶で言えば、外来の初診患者の150人に1人くらいが酒さだった。150人に1人は少ないと思われるかもしれないが、皮膚科は他科… 2022/05/09 皮膚科
2022年4月28日号 「攻めの片頭痛治療」へギアを上げよ 急性期治療・予防療法の両輪が進化! 片頭痛の予防療法を激変させた抗体医薬の普及が進み、急性期治療には約20年ぶりの新薬が登場。片頭痛治療の両輪に新たな武器がそろったことで、実地医家で積極的に頭痛患者を拾い上げ、新薬も含めた適切な治療につなげる「攻めの片頭痛治療」の重要性が高まっている。… 2022/04/28 精神・神経
NEWS◎オンライン診療スタート時の手引きも作成 日医、新たな「かかりつけ医」のあり方を公表 日本医師会は2022年4月27日の記者会見で、「かかりつけ医」に対する日医の考えを取りまとめた「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」を公表。新たなかかりつけ医のあり方およびその機能を明らかにした。 新型コロナウイルス感染症の流行下でかかりつけ医機能の重要性が指摘され、国民のニーズ… 2022/04/28 プライマリケア
トレンド◎片頭痛の新規急性期治療薬ラスミジタンが薬価収載 片頭痛急性期治療に約20年ぶりの新薬、実力は? 2022年4月20日、片頭痛急性期治療薬ラスミジタン(商品名レイボー)が薬価収載された。既存の急性期治療薬であるトリプタンとは異なる種類のセロトニン(5-HT)受容体に作用する、世界初の5-HT1F受容体作動薬(ditan系薬)。予防療法に用いる抗体医薬とは異なり、非専門医でも処方できるため、一… 2022/04/27 精神・神経
新型コロナ、大阪では実質的に理想の5類相当へ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まった2年前の春、当院は(というより僕は)ほとんど毎日のように保健所と激しいやり取りを交わしていた。あまりにも通り一辺倒なその機械的な対応についつい大声をあげ(そうになっ)たことも一度や二度ではない。 「臨床的にはまずCOVIDで間違… 2022/04/25 感染症
「○○したくない患者」をどうする!? 先日Twitterで、「開業したから分かる苦労」みたいなつぶやきが話題になっていました。外来に話が結構通じにくい人が来るんだけど、病院にはそういう人があまり来なかったので、開業医でしっかり対応して病院に来ずに済んでいたのかなぁ、みたいな内容でした。 僕はそこまで共感はできませんでし… 2022/04/21 救急医療・集中治療
新型コロナ患者の第6波を振り返り、春の人事異動に憂う 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が落ち着いてきて、当院も日常の診療風景に戻ってきた。忙しかったのは、発熱、感冒症状の患者が多かったためだが、診療そのものよりも書類作成により多くの時間を取られていたように思う。 まず、「診療・検査医療機関」の指定を受けている診療所で… 2022/04/05 感染症
マナー違反の注意に逆ギレ「ブス!」を連呼する患者にスタッフは… 20代後半のその女性は診察室に呼び入れるときからどこか様子がおかしかった。 僕は患者を診察室に入れるときには、必ず自分でドアを開けて廊下の椅子に座っている患者の名前を呼ぶことをルールとしている。初診患者の場合は特に注意深く観察を行う。ドアをガラっと開けたときにこちらを見るか、… 2022/04/04 プライマリケア
第5回 風呂に入るのを嫌がる…って、そんな病気ホントにあるの? 金曜の夜、帰宅すると、父が待ち構えていた。「さあ凛子、これから温泉へ出掛けるぞ」「えっ、パパ……そんな予定なかったよね」「風呂の温水器が急に故障して、お湯が出なくなった。風呂に入れないなんて、耐えられないからな。この週末は温泉宿へ避難して、大きな風呂を満喫するのだ」「ママは… 2022/04/01 血液内科
コンビニより多い診療所、でも医師は足りない! 去る3月12日、日経メディカル Onlineの読者を対象としたウェブオフ会のようなウェビナーを行った。終了した現在はほっとしているが、開始前そして開始中も緊張が取れず気が気でなかった。僕は人前で話をすることにさほどプレッシャーを感じない方だが、オンラインはどうも苦手だ。症例報告のよう… 2022/03/28 プライマリケア
まるでイデオロギー闘争、医師間のコロナ分断 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の登場以降、患者から医師や医療機関の不平・不満を聞く機会が各段に増えた。出現したばかりの2020年前半の時点では、「中国から戻って来たというだけで10軒以上の医療機関から診療拒否された」(2020年1月31日、この事例が当院の発熱外来第1号となった)、… 2022/03/21 プライマリケア
HPVワクチンに賛同する教師の思いと現実、ではどうする? 去る2月某日、大阪府下の保健関係の教育者を対象とした講演をした。タイトルは「若者の性・性感染症の現状~梅毒・HPVワクチンなどについて~」。日頃、当院で診ている患者の現状や、患者からよく受ける質問などについての話をした。 2021年11月12日に開催された第72回厚生科学審議会予防接種・… 2022/03/14 感染症
「正直者がバカをみる」コロナの現状を打開する方法 「先月、微熱と喉の痛みがあってコロナかな?と思ったんやけど、感染確定したらいろいろとややこしそうやから検査受けんかったんですわ。隔離? まあ自分なりのカクリですわ……」 「この前、ダンナが会社でコロナにかかって、あたしも喉痛かったんですけど、子どもは保育園に送らなあかんし、… 2022/03/07 感染症
コロナ「みなし陽性」の取り扱いで右往左往の現状報告 前回のコラムで1日の陽性者数が十人程度と書いたが、30人を超える日も出てきた1 月のある日。厚生労働省は、自治体ごとの判断で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のいわゆる「みなし陽性」を認めてもよいという事務連絡を出した。 みなし陽性とは、1)自主検査で陽性、2)濃厚接触者となっ… 2022/03/04 感染症
ボクシングジム振動問題、ついに裁判が始まる 谷口氏を囲むオフ会としてウェビナー開催 過去のコラム「緊急事態宣言よりも、苦しんでいる患者よりも大事な“ユメ”って何だ?」で報告したように、おかまいなしに振動を巻き散らす階上のボクシングジムによる診療妨害を当院は一年以上に渡り受け続けている。 高齢者や病気で苦しんでいる患者が階下にいてもそんなことはまったく意に介… 2022/02/28 プライマリケア
第4回 気温が下がるとヘモグロビンも下がる…って、そんな貧血あるの? 「ただいま、パパ。あら、足湯タイムですか」「うぅ、寒いのは嫌いだ。足が氷のように冷えてしまう……」 繰り返し言うが、わたしの父は、ちょっと面倒くさい人だ。 今日も、帰宅してみるとリビングにフットバスを置いて、両足を突っ込んでいる父の姿が目に入った。大げさなガウンを着込み、ホッ… 2022/02/22 血液内科
患者内で加熱する「イベルブーム」に思う 「ニキビに効く『イベル』ってどんな薬なんですか?」 これは過去1週間で3人の患者から尋ねられた質問だ。以前から尋常性ざ瘡、あるいは酒さに対してイベルメクチン外用(クリーム)が有効だという話があり(例えばこの論文)、過去にも何度か患者から質問を受けたことがある。だが、その頻度は… 2022/02/21 感染症
医師8533人に聞いた帯状疱疹/帯状疱疹後神経痛への漢方薬活用の現状 「帯状疱疹/PHNに漢方薬を処方」は約1割 漢方薬の処方を学びたいとの声に応えてウェビナーを2月26日に開催 高齢化や水痘ワクチン定期接種化に伴い患者数が増加している帯状疱疹(関連記事:帯状疱疹が若者に急増中! その理由とは)。その治療は、抗ウイルス薬と鎮痛薬の併用が基本となるが、漢方薬を併用することで、PHNの発症を予防したり、発症後でも症状の改善効果を得ている医師が存在する(関連記… 2022/02/16 麻酔科
医療者が患者に寄り添える限度~医師銃殺事件からの考察~ 全ての医療者を震撼させた事件と言っても過言ではないだろう。ふじみ野市で起こった医師銃殺事件だ。僕自身は殉職されたこの医師と面識はないが、報道から察するにどこまでも患者に寄り添うとても優しい医師だったに違いない。今回は若くして他界されたこの先生の冥福を祈念すると同時に、この事… 2022/02/14 プライマリケア
ポストコロナ症候群とME/CFSの共通性 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した後、長期にわたり症状が持続するという事例を当院で初めて経験したのが、2020年の春。その後も似たような訴えが相次ぎ、後遺症は確実に起こり得ると考え、連載(長期的視野で「ポストコロナ症候群」に備えよ!)を掲載したのが2020年5月8日。その… 2022/02/08 感染症
新型コロナ、2類でも5類でも、これだけはお願いしたいこと 最近、メディアの記者やジャーナリストから「5類への格下げ反対の理由を詳しく教えてほしい」という取材を繰り返し受けている。「なんで感染症専門医ではなく単なるGPの僕に聞くの?」というのが気になるところだが、ある記者から、本連載の過去コラム(新型コロナ、僕が「5類格下げ」に反対する… 2022/01/31 感染症
第6波だからこそ、国民と我々開業医の品格を問いたい! 前回、「診療検査医療機関による健康観察等支援事業」について書いた。この開始時はこんなことになると思わなかった。これがかなり厄介なのである。保健所を助ける事業のはずが、医療機関も共倒れになりかけている。 なぜか、第6波では予想以上に患者が増えてしまったのだ。当院のような町の小さ… 2022/01/28 感染症
第3回 「MCV110は分水嶺」って、何を分けるの? 「いらっしゃいませ。今宵はどのようなカクテルをお作りしましょうか?」「パ、パパ……。ふつうのやつでお願いします」「かしこまりました。では、お客さまにお似合いの華やかなものを」「わたし、お客さま……?」 ここは、都心のしゃれたバー……ではなくて、わが家のダイニングキッチン。 何… 2022/01/26 血液内科
新型コロナの検査拒否は「必然」!? 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査拒否が増えている。もっとも、この問題は以前から存在し、本連載でも一度取り上げたことがある(関連記事:新型コロナ、患者に検査を拒否させる要因は?)。 最近は、検査拒否どころか、「先週、発熱と咳があってコロナかと思ったんですけど、検査受けた… 2022/01/24 感染症
コロナの発生届と健康観察で3万円の協力金! 東京都は、12月末、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性の自宅療養者の健康観察を医療機関が担った場合に協力金を支給すると発表した(都の関連サイト)。自院の受診患者に対してSARS-CoV-2検査を実施し陽性で、自宅療養となった患者に対しては、症状が悪化していないかなど、患者と連絡を取り… 2022/01/19 感染症
リポート◎治療薬の選択肢が増えたアトピー性皮膚炎診療【外用薬編】 アトピーへの第三の外用薬を使いこなせ! 刺激はほとんどないが、速効性はステロイドに劣る ステロイド、タクロリムスに次ぐ第3のアトピー性皮膚炎の外用薬として2020年に登場した外用JAK阻害薬のデルゴシチニブ(コレクチム軟膏)。2021年3月に2歳以上の小児に適応を拡大したことで、小児から成人まで幅広い年齢層で使用できる外用薬となった。ステロイドやタクロリムスで危惧される副作… 2022/01/18 アレルギー・免疫
ポストコロナ症候群の患者指導にウエアラブルデバイスを活用 ポストコロナ(ワクチン)症候群の診察には時間がかかる。ポストコロナ症候群の場合は、胸部X線上の異常陰影が残存していたり、Dダイマー高値が持続していたりすることもあるが、それらは少数であって、たいていは検査をしても何の異常もない。ポストコロナワクチン症候群の場合は接種側の腋下リ… 2022/01/17 プライマリケア
リポート◎治療薬の選択肢が増えたアトピー性皮膚炎診療【注射・経口薬編】 半数が無治療!アトピー患者に新薬の恩恵を アトピー性皮膚炎の診療では、皮膚科専門医が「患者の人生を変える治療薬」と評価する新薬がこの数年、相次いで実用化している。外用薬では効果不十分の中等症以上の患者を対象にした注射薬や経口薬だ。ただし、疫学調査から患者の半数以上が医療機関で治療を受けていない現状も明らかになってい… 2022/01/17 アレルギー・免疫
インタビュー◎日本地域医療学会の小野剛理事長に聞く 地域総合診療専門医、医師偏在解消につなげたい 2022年1月、日本地域医療学会が発足した。地域総合診療専門医を立ち上げ、総合診療領域のサブスペシャルティ専門医とすべく育成に取り組む。この発表を受け、「あえて新たな学会・専門医を設立する意図がつかめない」「総合診療領域がさらに細分化されて分かりにくくなる」という否定的な意見も聞… 2022/01/13 医師のキャリア
クリニック放火事件から我々が考えるべきこと このコラムが公開されるのは新年を迎えてからだが、原稿を執筆しているのはあの忌まわしい事件が起こってから数日しかたっていない休診日。2021年12月17日午前10時過ぎに起こった大阪市のクリニック放火事件は、原稿執筆時点では院長を含むスタッフや患者25人が死亡、放火した後も現場にとどまっ… 2022/01/11 精神・神経
コロナワクチン後遺症に高額をつぎ込む患者たち 前回は、コロナワクチン後の後遺症(ワクチンとの因果関係の真偽は別にして)に悩む患者たちに対するいわば「押し売り」とも呼べるような一部のクリニックの“ビジネス”について紹介した。高額の自費の血液検査(なんと7万円!)、高額なサプリメントの販売、自費での繰り返しの超音波検査などの… 2021/12/28 プライマリケア
インタビュー◎順天堂大学医学部総合診療科学講座の上村公介氏に聞く 総合診療医がスポーツ医学に挑む理由 順天堂大学医学部総合診療科が、2022年度から「プライマリケア・スポーツ医」を育成するための総合診療専門医コースを開始する。なぜ総合診療科がスポーツ医の育成に乗り出すのか──。同コース実行チームの先頭に立つ上村公介氏に狙いを聞いた。… 2021/12/27 プライマリケア
2021年12月24日号 かかりつけ医も知っておきたい HFpEF診療の今 苦手意識を持つ医師が多い心不全。治療法が確立していないHFpEFの存在は、心不全診療をより複雑なものにしている。だが、患者が急増する現在、かかりつけ医も主体となって診療に当たる必要がある。実地診療では、HFpEFの薬剤選択や原疾患をどのように考えるべきだろうか。週刊日経メディカルのPDF… 2021/12/25 循環器
NEWS◎呼吸器学会によるlong COVID実態調査、半年後データを公開 新型コロナ罹患後症状は経時的に減少も、筋力低下は2割に残存 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の中等症以上に罹患した患者では、罹患後3カ月では7割程度の患者で何らかの症状が残存すること、ただし、6カ月後には、全ての症状が減少することが明らかになった。これは、日本呼吸器学会による厚生労働科学特別研究事業「COVID-19後遺症に関する実態調査(… 2021/12/22 感染症
吸入中のカラカラ音と振動が達成感をもたらす 吸入薬のアドヒアランスを保つために、患者さん自身が「しっかりと薬を吸入し終わった」という達成感を得ることは重要な要素です。この達成感は、吸入後には症状悪化の心配から解放される安心感に変わり、これが日々繰り返される中で、やがて吸入薬に対する信頼感につながり、吸入療法が良好に維持… 2021/12/22 呼吸器
第2回 やっぱり嘘は罪 「やだ、下がっているじゃない!」 電子カルテを見て、わたしは軽く叫んだ。「下がったって、何が下がったのでしょうか? 凛子センセイ」 端正な顔でこちらを見ているのは、初期研修医1年目の若月葵くんだ。 彼のあだ名は「若さま」。高身長、イケメン、医師という、超ハイスペック男子なのだが… 2021/12/22 血液内科
保健所の負担軽減に舵を切る都のコロナ施策 東京都は、新型コロナ感染症(COVID-19)の次の波に備えて、保健所の負担を減らす方向の政策を打ち出している。1つは、重症化予防のための中和抗体の投与に関するもので、投与を希望する感染者が保健所を介さずに、「東京都中和抗体薬治療コールセンター」に電話することで投与の予約ができるよう… 2021/12/21 感染症
NEWS◎内科専門医が総診専門医を取得するための規定が定まる 2022年度の専攻医は内科、小児科、外科などで減少傾向 日本専門医機構は2021年12月20日、定例の記者会見を実施。2022年4月から研修を開始する専攻医について、1次募集で採用されたのは8658人、2次募集での登録者数は678人になり、内科や小児科などで減少傾向にあると発表した。また、内科専門医が総合診療専門医取得を目指す場合のダブルボード制度の… 2021/12/21 医師のキャリア
“コロナワクチン後遺症”に高額な検査や薬を強要するクリニック 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの長期にわたる後遺症が実際に存在するかどうかは意見が分かれるだろうが、接種後に何らかの症状が出現し、それが長期間持続していると訴える患者は決して少なくない。僕はこれを「ポストコロナワクチン症候群」と勝手に呼んでいるわけだが… 2021/12/20 感染症
リポート◎ポケットエコーの最新事情 ポケットエコーで誰でも診療の“達人”に 超小型の超音波画像診断装置であるポケットエコーは「第二の聴診器」と呼ばれることがある。低侵襲で持ち運びに優れ、診療に役立つ様々な情報を得られるためだ。一方で、「ポケットエコーで何ができるのか分からない」「使いこなせる自信がない」といった理由により、“食わず嫌い”となっている… 2021/12/16 医療機器
国際医療福祉大学成田病院症例カンファレンス 生来健康な中年女性の利き腕の腫れ、炎症所見なしならどうする? 大平 これだけの情報から鑑別疾患を考えてみてください。研修医A 新型コロナウイルスワクチンの副反応。大平 いいですね。他にもありますか。研修医B リンパ浮腫。大平 「腫れ」を浮腫だと考えたわけですね。他は?研修医C 血腫。大平 なるほど。他はどうでしょう。研修医D 蜂窩織炎。ただ… 2021/12/10 プライマリケア 医師限定コンテンツ
当院でHIV曝露前予防開始までの長い道のり 12月1日は世界エイズデイ。最近はHIV/AIDS関連のイベントを開催してもさほど盛り上がらないという話も聞くが、それでもメディアが世界のエイズ事情を取り上げるからなのか、一部のSNSユーザーから注目されるからなのか、毎年この時期になるとHIV関連の質問や相談が増える。最近はPrEP(曝露前予防… 2021/12/06 感染症
JAMA Intern Med誌から 長期の自覚症状は本当にCOVID-19と関連する? 抗体陰性でも感染歴があると思い込んでいる人は症状の訴えが多い フランスINSERMのJoane Matta氏らは、COVID-19パンデミック期間に息切れや疲労感などの症状が長く続いている人を対象に、ELISA法による抗体検査の結果を照合して、報告された症状の多くが「自分はSARS-CoV-2に感染したことがある」という思い込みと関係していたが、実際に抗体検査の陽性者に有意… 2021/12/03 感染症
第1回 「貧血なのに多血」って、どういうこと? 「おい、凛子。お前さん、ちゃんと外来の仕事はできているのかい?」「失礼ね。できているわよ、パパ」 わたしの父は、ちょっと面倒くさい人だ。 父は誰もがその名を知る有名病院で、長年に渡り血液内科医として忙しく働いていた。今は定年退職して、大学の同級生が経営している老人保健施設で雇… 2021/12/03 血液内科
NEWS◎「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改訂が大詰めに オンライン初診を解禁する指針改訂方針を了承 かかりつけの医師以外のオンライン初診は、「診療前相談」の実施が条件に 厚生労働省は2021年11月29日、第19回「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催。「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(以下、指針)の見直し点として、初診からのオンライン診療(以下、オンライン初診)はかかりつけの医師による実施を原則としつつ、そ… 2021/12/02 医療情報
NEWS◎2022年1月に「日本地域医療学会」が設立予定 総診系新サブスペ「地域総合診療専門医」誕生へ 2022年1月、新たな学会が設立される。地域に根差し、地域全体の健康を支えることを目指す「日本地域医療学会」だ。総合診療領域に属するサブスペシャルティ領域専門医として「地域総合診療専門医」を立ち上げ、育成に取り組む予定となっている。 総合診療領域のサブスペシャルティ専門医としては… 2021/12/02 プライマリケア
新型コロナ「小児版ファクターX」は存在する? 現在当院への問合せで最も多いのが「コロナワクチン後の長引く後遺症」について(関連記事:「ポストコロナワクチン症候群」は存在するか)、2番目に多いのが「(5~11歳の)小児へのコロナワクチンの是非」だ。 成人へのワクチンの是非が議論され始めた頃、「重症化するのは高齢者だけなのにな… 2021/11/29 感染症
学会トピック◎第49回日本頭痛学会総会 新・頭痛診療GL、片頭痛予防にCGRP関連薬を強く推奨 8年ぶりに改訂された「頭痛の診療ガイドライン2021」 第49回日本頭痛学会総会(2021年11月19~21日、開催地:静岡市)において、「頭痛診療ガイドライン2021ハイライト」と題されたセッションが開催され、このほど8年ぶりに改訂された「頭痛の診療ガイドライン2021」のポイントが紹介された。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)をターゲットとし… 2021/11/24 精神・神経
「彼」「彼女」「ご主人」「奥さん」「結婚」こんな言葉は慎重に! 過去にも何度か述べたように(例えば、医療者が知らねばならないセクシャルマイノリティの権利)、僕は以前からLGBTという言葉に違和感がある。その理由については既に述べたが、ここでもう一度繰り返しておくと「L、G、B、T、ストレートのいずれにも属さない人が少なくない」ことと「セクシャル… 2021/11/22 プライマリケア
ウィズコロナ時代だから実現? かかりつけ医登録制度 「総合診療」がどういう領域かを明確に理解できている医師は11.8%──。日経メディカル Onlineの医師会員7971人を対象としたアンケートの結果だ(関連記事:総合診療と総合内科の違い「説明できる」は8%)。「まあまあ理解できている」と回答した割合と合わせても52.4%にとどまり、半数近い医師… 2021/11/22 医療提供体制
無症状者がコロナ抗原定性で陽性→届出、〇か×か? 休日診療所で働いていたある日、保健所から電話を受けた。「某医療機関が無症状者に対して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原定性検査を行い、その結果で届出をしており、困惑してます……」。 一瞬、何がいけないのか分からなかった。だって複雑なんだもん。 何が問題かというと、現在、… 2021/11/16 感染症
新型コロナの第6波に備えて我々がすべきこと 2021年10月21日に開催された「第60回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」の議事録が公開されている。同議事録21ページの「新規陽性者と重症・死亡例のワクチン接種歴(令和3年10月17日判明時点)」によると、6月1日から10月17日判明分の期間において、ワクチンを2回接種後14日以降に発症した… 2021/11/15 感染症
若年女性の「青い眼」から想起したいあの疾患 私の勤務地、岡山にはプロ野球の球団がありません。しかし兵庫県の隣県であることに加え、故・星野仙一元監督の出身地ということもあり、阪神ファンが比較的多い印象を受けます。日常生活の中でペナントレースが話題に上がることはほとんどないのですが、ごくまれに、私が名古屋出身であることを知… 2021/11/12 プライマリケア 医師・医学生限定コンテンツ
NEWS◎国立感染症研究所の調査で判明 コロナの影響か、新規AIDS患者が4年ぶりに増加 2020年のHIV感染者年間新規報告数が大幅に減少した一方で、AIDS患者年間新規報告数は4年ぶりに増加していたことがこのたび明らかになった。昨今、癌領域などで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による診療の遅れが指摘されているが(関連記事:パンデミックによる癌の診断遅れは日本… 2021/11/12 感染症
吸入はいきなり「スー」でなく「ホー」から行う トリプル吸入薬で良好なコントロール状態を維持できている高齢の気管支喘息患者さんから、「舌がザラザラするような違和感が常にあるので、薬を変えてほしい」との要望がありました。そこでACT(Asthma Control Test)、呼吸機能検査、呼気一酸化窒素(FeNO)などで喘息状態がコントロールできてい… 2021/11/09 呼吸器
私の視点◎これからのプライマリ・ケアのあり方 コロナ禍で必要なのは「かかりつけ医」登録制度 10月11日の財務省財政制度等審議会財政制度分科会では、欧米と比較して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数や死亡者数が少ないにもかかわらず、医療へのアクセスが制限された他、財政支出の規模と経済損失が大きかったことが問題視された。そんな中、日本プライマリ・ケア連合学会理… 2021/11/08 プライマリケア
医師7971人に聞いた「総合診療」領域への理解度 総合診療と総合内科の違い「説明できる」は8% 2018年にスタートした新専門医制度で基本領域に新設された総合診療専門医。毎年、9000人ほどの専攻医が専門研修を開始する中、総合診療領域を選択するのは200人前後で、志望者数は伸び悩んでいるのが現状だ。 その理由の一つとして、キャリアパスの不透明さが挙げられているが、その根底にあるの… 2021/11/04 医師のキャリア
コロナ第6波に向けて必要なのは自動応答!? 最近、東京都から各医療機関に通達が直接来るようになった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が少ない今のうちに、次の流行に向けた準備を進めたいためだろう。 健康観察に関する保健所との連携についても通達があった。通常は陽性自宅療養者の健康観察は保健所が担当する。しかし、第… 2021/10/27 プライマリケア
当院がオンライン診療に踏み切った理由 過去のコラム(遠隔診療、電話で診るか、オンラインで診るか)で述べたように、僕は元々ビデオを使ったオンライン診療に積極的でない。その最大の理由はビデオ越しの会話ではコミュニケーションがうまく取れないからだ。医療面接というのはビジネス上の面談とは似て非なるもので、患者の発する言… 2021/10/25 プライマリケア
地域へのアプローチを途絶えさせない小さな工夫 前回、タバコをやめたい気持ちはあるものの、なかなか禁煙できない河野さんの背景に「喫煙率が高い」という地域の特徴がある可能性に気付いた七瀬専攻医。喫煙率の高さに介入することは地域の健康増進につながると考え、地域を対象とした活動に取り組むことにしました。まずは地域をアセスメントし… 2021/10/25 医療提供体制
2021年10月22日号 「不定愁訴」診療のアルゴリズムを求めて いくら検査しても異常が見つからず、診断がつかない─。こんな状況に出くわしたとき、とられがちなパターンの一つが、「自分の診るべき患者ではないから、精神科に紹介」ではないだろうか。しかし、医師が自分自身の考え方を変えることで、診断できなくても患者の愁訴を低減できる。週刊日経メデ… 2021/10/23 プライマリケア
インタビュー◎「不定愁訴」の診療スキルを高めるノウハウ 「不定愁訴」は機能性疾患と捉えて適切な対応を 隅々まで検査したが、異常は認めない。しかし、「医学的には異常がない」とどんなに丁寧に説明しても納得してもらえず、自身の不安を切々と訴える──。こんなとき、「不定愁訴」のレッテルを貼り、「自分が診るべき患者ではない」と考えがちではないだろうか。「機能性疾患」だと捉えれば、普段… 2021/10/20 医師・患者関係
インタビュー◎「不定愁訴」の診療技術を学べる教育プログラムの日本版作成中 日常臨床で使える5ステップの「不定愁訴」診療 「不定愁訴」のレッテルを貼られやすいケースとして、身体的な異常が見つからず、診断できない場合が挙げられる。そんな患者を診た際、医師がとり得る選択肢は少ない。医学教育の中で、いわゆる「不定愁訴」の診療技術を学ぶ機会がないからだ。デンマークでは、総合診療医向けの「不定愁訴」診療… 2021/10/19 プライマリケア
NSAIDsやアセトアミノフェンは心の痛みにも有効!? 鎮痛薬の乱用については過去のコラム「悪名高いOTC鎮痛薬、販売継続の謎」で指摘した。麻薬やブロモバレニル尿素の依存性は言うまでもないが、僕は、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンもまた依存物質だと考えるべきだと思っている。今回はその理由について、思い切って大胆な仮… 2021/10/18 精神・神経
リポート◎考えを変えれば「不定愁訴」を診療できる 「診断不可=治療できない」その“常識”を覆せ いくら検査しても異常が見つからず、どうにもこうにも診断がつかない──。こんな状況に出くわしたとき、とられがちなパターンの一つが、「不定愁訴」のレッテルを貼り、「自分の診るべき患者ではないから、精神科に紹介」とする対応ではないだろうか。その背景には、「診断しなければ始まらない… 2021/10/18 医師・患者関係
1日1回の真剣勝負! トリプル吸入薬は吸入達成感が要! 現在、気管支喘息の適応があるトリプル吸入薬は、グラクソ・スミスクラインのテリルジー100と200、ノバルティスファーマのエナジア高用量と中用量の2種類です。いずれも薬の作用時間が24時間を超え、1日1回の吸入で済むため、患者さん自身が自分の生活スタイルに合わせていつ吸入するかを選択でき… 2021/10/11 呼吸器
禁煙困難な高血圧患者、個別介入だけでは不十分 さて、このような場合、どう診療を進めればよいでしょうか? 七瀬専攻医の対応を見てみましょう。七瀬専攻医:河野さん、最近少し血圧が上がってきていますね。以前のカルテによると、タバコを吸っておられるようですが、最近はいかがですか?河野:タバコね、今も吸ってるよ。前よりは少し減らし… 2021/10/11 医療提供体制
学会トピック◎第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 病院総合診療医ってどんな医師? 日本の「病院総合診療医像」を確立するためにはどうすればいいのかの答えを求めて、日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議(JUGLER)のメンバーと市中で活躍する病院総合診療医3名が、第12回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で公開シンポジウム「日本の病院総合診療医像の確立 by JUGL… 2021/10/08 医師のキャリア
国際医療福祉大学成田病院症例カンファレンス コロナワクチン接種後の下腿浮腫、診断はどう進める? 大平 ここまでで鑑別疾患を考えてみてください。研修医A 高齢者なので心不全を考えます。大平 今や心不全はコモンな疾患ですからね。他はどうでしょう。研修医B ネフローゼ症候群。大平 全身性の浮腫ではないかと考えたのですね。他にも挙げられますか。研修医C 甲状腺機能低下症。大平 様々… 2021/10/08 プライマリケア 医師限定コンテンツ
またもやコロナで金儲け?コロナ抗体検査の現状 まずは、最近診察室で交わした当院初診の患者との会話を紹介しよう。 どうやらこの患者、スパイク蛋白に対する抗体(以下「S抗体」とする)があれば新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しないと考えているようだ。もちろん実際にはそんなことが言えるわけではない。S抗体の数値(titer)が十… 2021/10/06 感染症
インタビュー◎プライマリ・ケア医向けの実践ガイドラインを初発行 喘息の診断的治療を認め治療フローを明確化 日本喘息学会ガイドライン作成委員会委員長の相良博典氏に聞く 今年7月、日本喘息学会はプライマリ・ケア医が喘息診療で活用できることを狙った初の『喘息診療実践ガイドライン2021』を発行した。診療の進め方をシンプルなアルゴリズムで示し、専門医紹介のタイミングも明示する。同ガイドラインの作成委員会委員長を務めた昭和大学内科学講座呼吸器・アレルギ… 2021/10/05 アレルギー・免疫
トレンド◎外出自粛やテレワーク普及で患者の訴えに変化 コロナ流行で増えた不眠症にはこう立ち向かう 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まり、国や自治体から外出自粛などが求められるようになってから約1年半が経過した。外出頻度の低下や運動不足、社会的なつながりの希薄化は、いずれも睡眠障害のリスクファクターになる。コロナ禍が不眠症に与えた影響を専門家に聞いた。 「今年… 2021/09/28 精神・神経
小児へのコロナワクチンに国際コンセンサスなし、どうする? 「コロナワクチン不安です。打たないといけないのでしょうか」という相談が増え始めたのが今年の春。相談の内容に変化が起こり始めたのは7月中旬頃。前回のコラム(「ポストコロナワクチン症候群」は存在するか)で紹介したように「ワクチン接種後、体調が戻らないんですが……」という相談が少し… 2021/09/28 感染症
インタビュー◎不眠症に対する認知行動療法 オンライン認知行動療法が不眠症治療を変える 千葉大学付属病院認知行動療法センター長の清水栄司氏に聞く 薬物療法で問題視されがちな副作用がないことから、海外では不眠症治療の第一選択に位置付けられることも多い認知行動療法。保険診療上の問題もあって、国内では普及が進んでいないのが現状だ。精神神経疾患全般への認知行動療法を行う傍ら、オンラインカウンセリングなどの手法も開拓している千… 2021/09/27 精神・神経
超高齢の末期癌、患者との対話を避けていませんか? 90歳男性。佐野幸雄さん(仮名) 主訴:食思不振、体重減少 脂質異常症を指摘されていましたが、通院歴はありません。10年前に妻の静子さんを亡くしてから独居。認知機能に異常なし。ADLは自立し、畑仕事なども行っています。近所に長女の靖子さん一家が住んでおり、週に数回ほど、靖子さんが佐野… 2021/09/27 ターミナルケア
2021年9月24日号 百日咳診療のUp To DATE 先達のワザで百日咳の咳嗽を緩和せよ 日本中が新型コロナに注目する裏側で、各地で小児だけでなく成人にも百日咳が広がっている。ワクチンの効果が減弱しやすいことが背景にある。今年、新たに迅速抗原検査が登場し、その場で検査結果も得られるようになった。百日咳は感染拡大しやすく、かつ長引く咳嗽は患者のQOLを損なう。コロナ禍… 2021/09/25 感染症
医師7217人に聞いた「百日咳の確定検査どうしてる?」 百日咳疑いでも「検査しない」が4割弱 感染症法による報告義務あれど、確定診断後も「報告せず」が3割強 小児のみならず、成人の患者増が指摘されて久しい百日咳だが、今年、6月、百日咳菌を約15分で診断できる抗原検査キット「リボテスト 百日咳」が発売され、拾い上げへの活用が進むと期待されている(関連記事:百日咳の迅速検査キットが登場!どう使う?)。 しかし、日経メディカルが日経メディ… 2021/09/24 感染症
NEWS◎1~2年の追加研修で両専門医を取得可能 内科専門医と総合診療専門医のダブルボード制度を機構が承認 日本専門医機構は2021年9月21日付けで、内科専門医と総合診療専門医のダブルボード制度について、日本内科学会および機構の総合診療専門医検討委員会の最終合意事項を9月17日の理事会で承認した旨をホームページで公表した。いずれかの専門医取得後に、もう一方の専門医取得を希望する際は、条件… 2021/09/24 医師のキャリア
リポート◎漢方薬の活用で百日咳による咳嗽を緩和 百日咳の咳嗽にコレ!先達医師の治療法とは? 「百日咳による咳嗽に有効な薬はなく、鎮咳薬などの対症療法を行っても、咳がなかなか止まらないのは仕方がない」──こう考えていないだろうか。しかし、漢方薬を活用することで、百日咳による咳嗽を改善し、患者のQOLを高めている医師が存在する。そんな医師による咳嗽診療への漢方薬の活用方法… 2021/09/22 感染症
「ポストコロナワクチン症候群」は存在するか ポストコロナ症候群もしくはlong COVID、呼び名や定義は異なったとしても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の何らかの後遺症の存在は、もはや自明と言っていいだろう。では、「ポストコロナワクチン症候群」は存在するのだろうか。この“病名”、僕が今朝思いついたばかりのもので、きち… 2021/09/22 感染症
サージカルマスクの隙を埋めるダブルマスク法 前々回のコラム「コロナ感染予防にマスクはサージカルの徹底を」で紹介したように、現在当院では、患者自身のみならず同伴者や、さらにMRや業者など院内に立ち入る全員に対し、サージカルマスク着用を義務付けている。ポリウレタンマスクや布マスクで受診した場合は1枚10円でサージカルマスクを購… 2021/09/15 感染症
再入院を防ぐスムーズな病診連携を実現するコツ 80歳男性。岩本竜也さん(仮名) 主訴:咳嗽、倦怠感、浮腫 高血圧症、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病、便秘、不眠症で近医に通院中。60歳まで喫煙歴(20~30本/日)がありましたが、呼吸困難が出現したことに加え、孫が産まれたことをきっかけに禁煙しました。禁煙後に呼吸困難は… 2021/09/13 医療提供体制
インタビュー◎日本プライマリ・ケア連合学会初代理事長の前沢政次氏に聞く キャリアを示すだけでは総診専門医は増えない 2021年7月、日本病院総合診療医学会と日本プライマリ・ケア連合学会は合同声明を発表し、総合診療専門医取得後のキャリア形成に向けて協力する意向を示した(関連記事:2学会が総合診療専門医のサブスペシャルティ構築へ)。2010年4月、総合診療の認知度向上などを目的に総合診療関連3学会が合併… 2021/09/13 医師のキャリア
2021年9月10日号 明日から使える、プライマリ・ケア医を助けるAI 医療における人工知能(AI)は、プライマリ・ケア医こそ有効に活用できる。医用画像や問診内容を解析し、病変の検出と診断をサポートするAIは、非専門領域を含めて重篤な疾患を見逃さず、早期治療や重症化予防につなげる上で、プライマリ・ケア医の良き「相棒」となり得るためだ。… 2021/09/11 プライマリケア
リポート◎「EIRL Chest Nodule」発売から1年、見えてきたAIの強みと課題 胸部X線写真の結節影を検出するAIの実力は? 胸部X線写真から、肺癌の候補となる結節影を人工知能(AI)が検出するソフトウエア「EIRL Chest Nodule」が発売されて約1年。読影難度の高い病変も拾い上げられるなど、肺癌の見落とし防止への効果に期待が寄せられる一方、臨床現場で活用する上での課題も見えてきた。… 2021/09/09 放射線科
トレンド◎AIを活用したクラウド心電図解析サービスが提供開始 AIの助けでホルター型心電図検査がもっと身近に 24時間にわたるホルター型心電図検査のデータを人工知能(AI)が解析し、病的意義のある不整脈を検出するクラウドベースのサービスが2021年7月に始まった。大手製薬企業がサービスに参入したことでも注目を集めている。非専門医でも手軽にホルター型心電図検査を実施できるようになることで、プラ… 2021/09/08 循環器
LIVE「診断エラー学を語ろう」第4回 9月25日(土)19時からウェビナーで開催します 千葉大学医学部附属病院総合診療科の鋪野紀好先生を講師にお招きして、日経メディカルLIVE「診断エラー学を語ろう」第4回を開催します。テーマは「エキスパートのための診断プロセス──個の力で診断エラーと対峙する」です。… 2021/09/07 救急医療・集中治療
トレンド◎AI問診・受診相談のUbieが提供する「ユビーリンク」 来院前にAI問診結果が診療所に届くサービス開始 人工知能(AI)を活用した問診・受診相談を手掛けるUbie(東京都中央区)は2021年7月、患者と地域の診療所を結ぶ新サービス「ユビーリンク」の提供を開始した。患者がスマートフォンなどで症状に関する質問に回答していくと、AIが関連病名とその疾患に対応可能な近隣医療機関の情報を表示。また、… 2021/09/07 プライマリケア
第2回 片頭痛 片頭痛の急性期治療には「五苓散+呉茱萸湯」 片頭痛の急性期治療では、トリプタンや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が頻用されています。ただし、一般的には、アセトアミノフェンやイブプロフェンは小児の患者では有効性を感じられるものの、成人になるにつれて効果が減弱していくことが多いと言われています。トリプタンは12歳以上でないと… 2021/09/06 東洋医学
「品川モデル」統一プロトコールで在宅コロナ患者の重症化予防へ 「品川モデル」が大注目されている。品川モデルとは、オンライン診療システムを活用した、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の自宅療養患者に対する診療システムを指し、品川区、品川区医師会、荏原医師会、品川区薬剤師会で導入した。東京都医師会がこのシステムをまねたシステムで、在宅療… 2021/09/02 プライマリケア
コロナ感染予防にマスクはサージカルの徹底を 相次ぐ百貨店での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)集団感染を受け、国立感染症研究所は「百貨店・ショッピングセンター等大型商業施設の事業者、従業員、及び産業保健スタッフの皆さまへの提案(2021年8月12日時点) 」を公表した。 僕のような単なるGPが、同研究所のような権威ある組織に対し、… 2021/09/01 プライマリケア
対談◎合同声明発表の舞台裏 関連2学会の協働で総合診療専門医の増加を狙う 志水太郎氏(日本病院総合診療医学会)× 石丸裕康氏(日本プライマリ・ケア連合学会) 2021年7月16日、日本病院総合診療医学会と日本プライマリ・ケア連合学会が合同声明を発表した(関連記事:2学会が総合診療専門医のサブスペシャルティ構築へ)。という。日本病院総合診療医学会は、日本総合診療医学会が日本プライマリ・ケア連合学会に合流することに反対して設立された経緯があ… 2021/08/31 医師のキャリア
インタビュー◎日本病院総合診療医学会の田妻進副理事長に聞く 病院総合診療専門医、10月頭に専攻医募集開始 2018年にスタートした新専門医制度で基本領域に新設された総合診療専門医だが、専攻医数は伸び悩んでいる。原因の一つとして挙げられるのが、キャリアパスの不透明さだ。この状況を打破すべく、日本病院総合診療医学会と日本プライマリ・ケア連合学会が、協働して総合診療専門医取得後のキャリア… 2021/08/30 医師のキャリア
発熱時の採血で血管が見つかりにくいのはなぜ? 採血をするために血管を探していたのですが、触ってみてもよく分からず先輩に相談すると、「熱が出ているから分かりにくいかもね」と言われました。後から手伝いに来てくれた先輩も同じことを言っていたので、家に帰ってから調べましたが、理由が分かりません。なぜ発熱時に血管を探すのが難しくな… 2021/08/30 感染症
患者からのフィードバックを受け柔軟に処方の見直しを 「漢方は縦横無尽に使うべし!」 大野クリニック(埼玉県比企郡)院長の大野修嗣氏に聞く 漢方薬を日常診療で処方している医師は多く、日経メディカル Onlineの医師会員の7割以上が、「日常的に処方」もしくは「たまに処方」している(関連記事:約3割が漢方製剤の処方で副作用の経験)。漢方薬の使い方には誤解も存在すると指摘する、日本東洋医学会副会長を務めた漢方医学の大家である… 2021/08/30 プライマリケア