学会トピック◎第28回日本組織適合性学会大会 免疫抑制薬を使わず移植臓器予後の改善を目指す T・B細胞の抑制と骨髄移植の組み合わせでドラッグフリーを狙う 近年、免疫抑制薬の進歩によって臓器移植の成績が向上しているが、移植臓器が拒絶されないように免疫抑制薬を生涯服薬し続ける必要がある。最近、国内外で免疫抑制薬を中止するための治療レジメンの検討が進んでおり、海外では腎移植後に免疫抑制薬を中止できているケースが報告されるようになっ… 2019/10/02 腎・泌尿器
中国腎移植後の診療拒否裁判で考える応召義務 先日、医師の応召義務に関して興味深い判決が出された。中国で腎移植手術を受けた患者が帰国後、フォローアップ治療のために浜松医科大学医学部附属病院を受診した際に病院側が診療を拒否した事案で、患者が不法行為と債務不履行の双方で損害賠償請求を行った訴訟である。この判決が2018年12月14… 2019/07/02 腎・泌尿器
JAMA Network Open誌から 生体腎移植のドナーは長期追跡が必要 ドナーが臓器提供後に腎不全を起こし移植待ち対象者になることも 生体腎移植のドナーとなった人々の、臓器提供後の有害な転帰について長期にわたって追跡した研究は、これまであまりなかった。米California大学San Francisco校のJieming Chen氏らは、生体腎ドナーとなった人々を対象に行われた臨床研究のデータを分析して、有害イベントは提供から2年後以降に多… 2019/05/13 先端医学
インタビュー◎膵島移植とバイオ人工膵島の最前線 進化する膵島移植、来年度の保険適用を目指す 国立国際医療研究センター膵島移植プロジェクト長の霜田雅之氏に聞く 生涯にわたりインスリン注入が必要となる1型糖尿病。その根本治療に向けた取り組みには大きく2つの道筋がある。1つは、インスリンポンプを自動制御し、血糖コントロールを行う体外式の「人工膵臓」(関連記事:インスリンポンプは“自動運転”の時代へ)。そしてもう1つは、インスリンを分泌する… 2019/05/07 代謝・内分泌
NEJM誌から HCV陽性ドナーからの心肺移植は安全に行える 移植から4週後までの抗ウイルス薬治療で感染を予防できる 移植用の臓器不足に対する解決法の1つとして、米Brigham and Women's HospitalのAnn E. Woolley氏らは、C型肝炎ウイルス(HCV)陽性ドナーからHCV陰性患者に対する心臓または肺の移植を行い、直接作用型抗HCV薬を予防的に投与すれば、レシピエントに対するHCV感染を阻止することができ、臓器の生… 2019/04/26 消化器
JAMA Pediatrics誌から 米国におけるPICUでの脳死の実態調査 PICUで死亡した5人に1人が脳死で、約半数が臓器を提供 米国Pennsylvania大学のMatthew P. Kirschen氏らは、米国で脳死を宣告された小児患者の疫学と臨床特性を調べるために、全米の小児病院の患者データを集めたVirtual Pediatric Systemsデータベースを分析して、小児集中治療ユニット(PICU)で死亡した小児患者の5人に1人が脳死宣告を受けており、… 2019/04/10 小児科
トレンド◎適応拡大で対象が3倍に? ACPの進め方など新たな課題も 補助人工心臓が「死ぬまで使う」医療機器に 重症心不全に対して、ポンプ本体を体内に埋め込んで心臓の機能を補う「植込み型補助人工心臓」。現在の適応は心臓移植の待機登録をした患者で、移植までのつなぎとしてしか使用できないが、あと1年ほどで移植適応外の患者にも保険適用される見込みだ。一方、適応拡大によって「死ぬまで使う」医療… 2019/03/26 循環器
Lancet誌から 脳死ドナーからの子宮移植で出産に成功 ブラジルでMRKH症候群の不妊患者が女児を出産 ブラジルSao Paulo大学のDani Ejzenberg氏らは、先天性の子宮性不妊症であるメイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー(MRKH)症候群の患者に、脳死ドナーからの子宮移植を行い、続いて体外授精を行って、健康な女児の出産に成功した。治療の経過はLancet誌電子版に2018年12月4日に掲載さ… 2018/12/20 産婦人科
医師4051人に聞いた「保険適用はいつ?」 iPS治療の実用化、4割は「10年以内」と予測 “夢の治療”の代表格、再生医療。中でもiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた細胞移植治療は、加齢黄斑変性や重症心不全など一部の疾患で臨床研究が始まっている。医師を対象とした調査では、実用化時期を「10年以内」とする予測が最多だった。… 2018/09/07 事件・話題
Ann Intern Med誌から HCV感染ドナーの腎臓は移植に使える 1年後までの追跡でHCVは治癒し腎機能は良好 HCVに感染したドナーの腎臓を、HCV陰性のレシピエントに移植する試みを進めている米Pennsylvania大学のPeter P. Reese氏らは、移植後の抗HCV薬投与によりレシピエントはHCV治癒となり、1年後の時点で移植された腎臓の機能とQOLは良好に維持されていると報告した。結果はAnn Intern Med誌2018年8月… 2018/08/24 腎・泌尿器
特集◎再生医療はここまで来た!《1》 細胞団子を「剣山」に刺して血管を作る 細胞の団子を剣山状の針に並べて刺して固定し、団子同士がくっつくのを待つ──。生きた細胞から立体構造物を作る方法として、斬新なアプローチを行っているのが、佐賀大学医学部教授の中山功一氏らのグループだ。こうしてできた血液透析用の細胞製人工血管を人体に移植する臨床試験が、1~2年後… 2018/08/02 先端医学
Ann Intern Med誌から 生体腎ドナーの中長期リスク上昇はわずか 非ドナーに比べ、総死亡や慢性疾患は増えていない 腎臓を提供した成人ドナーでは、短期的な糸球体濾過率の低下が起こることは知られているが、中長期的な健康リスクは必ずしも明らかではなかった。英国Bristol大学のLinda M. O'Keeffe氏らは、系統的レビューとメタアナリシスを行い、生体腎ドナーを非ドナーと比較しても中長期的な健康リスクの上… 2018/02/27 先端医学
Lancet誌から 脳死ドナーからの陰茎移植の症例報告 24カ月時点で拒絶なく生理機能を回復 世界で初めて、脳死ドナーからの陰茎移植に成功した、南アフリカ共和国Stellenbosch大学のAndre van der Merwe氏らは、移植手術とその後の管理について、24カ月後まで追跡した結果をLancet誌電子版に2017年8月17日に報告した。… 2017/09/13 先端医学
繰り返される移植レシピエントの選定間違い 再開第1例でも発生、20年間改善されてない選定システムに構造的欠陥 1月27日、そのニュースを目にして、まるで筆者の誕生日を狙って天から贈られたプレゼントのごとく、驚き、震えた。レシピエントの待機日数計算を誤ったため、本来心臓移植を受けられるはずだったレシピエント候補者がスキップされてしまい、待機していた後ろの順位のレシピエントに移植が行われて… 2017/01/30 循環器
Lancet誌から 脳死者から顔面移植を受けた患者の長期成績 神経線維腫症、熱傷、銃器損傷患者への移植 世界では、これまでに少なくとも37人の患者に顔面移植が行われたが、1年後以降の追跡結果は報告されていなかった。仏パリ第5大学のLaurent Lantieri氏らは、顔面移植の長期的なリスクと利益を評価するために、1施設で顔面移植を受けた7人の患者の転帰を平均6年間追跡し、Lancet誌電子版に2016年8… 2016/09/23 先端医学
Lancet誌から 造血幹細胞移植の工夫で多発性硬化症が改善 入念な免疫細胞除去後の移植で、自己免疫寛容へ 再発性の多発性硬化症(MS)患者への自家造血幹細胞移植の方法を改良し、疾患活動性の高い患者に適用した、カナダOttawa病院のHarold L Atkins氏らは、移植後の患者を中央値6.7年追跡し、寛解状態が続いていることを報告した。詳細は、Lancet誌電子版に2016年6月9日掲載された。… 2016/07/08 精神・神経
生体肝移植患者死亡報道でダメージ、移植を再開するも… 神戸のKIFMEC、破産申し立てへ 1カ月以内に申し立ての見込み 生体肝移植を行った7例中4例が術後早期に死亡したと2015年4月に報道されて以降、その動向が注目されてきた神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)が破産申し立てをする方針であることが3月17日までに分かった。… 2016/03/18 事件・話題
生体肝移植患者死亡報道の余波で… 「このままだとKIFMECは閉院の憂き目に」 弁護士の山崎祥光氏に聞く 生体肝移植を行った7例中4例が術後早期に死亡したと2015年4月に報道されて以降、その動向が注目されている神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)が存続の危機に立たされている。2015年10月に移植を再開したものの、資金繰りがうまくいかず、11月下旬からは事実上、休院状態となってい… 2016/01/22 先端医学
KIFMEC生体肝移植患者死亡報道を振り返って 私は「この死を無駄にしない」と誓って歩き続ける 神戸国際フロンティアメディカルセンター理事長の田中 紘一氏に聞く 生体肝移植を行った7例中4例が術後早期に死亡したと今年4月に報道されて以降、その動向が注目されている神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)。日本移植学会と日本肝移植研究会が合同で生体肝移植に関する勧告を示したほか、神戸市がKIFMECに立ち入り検査を行い指導(関連記事)。そ… 2015/11/05 先端医学
ドイツで心臓移植数トップの施設で執刀する古川宣行氏にインタビュー 重症心不全に対する心臓移植の現状は? ドイツに留学中の医師として、日本の先生方から多くご質問をいただくのが、ドイツの心臓移植の現状についてです。残念ながら、私が留学中の施設は心臓移植を行っていないため、今回はドイツで最も多くの心臓移植手術を手がけているHerz und Diabeteszentrum(HDZ)NRWに留学中の古川宣行先生をゲ… 2015/10/20 循環器
「手術は無事に終了、容体は安定している」 神戸KIFMEC、移植再開で10例目 生体肝移植手術を受けた9例中5例が移植後早期に死亡した問題で移植を一時中止していた神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市中央区、以下、KIFMEC)は7日までに移植を再開し、10例目の生体肝移植を実施したことを明らかにした。… 2015/10/08 先端医学
8月に発足した第三者委員会が安全性を確認 神戸KIFMEC、生体肝移植継続の意思を表明 昨年11月の開設から今年6月までに生体肝移植手術を受けた9例中5例が移植後早期に死亡した問題で、神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC、兵庫県神戸市)は9月24日会見を開いた。第三者委員会によって安全性が確認されたとして、今後も移植を継続することを表明した。… 2015/09/25 先端医学
神戸KIFMECの生体肝移植騒動を振り返る 「人が死んだら1、2晩じっくり反省すべき」 日本赤十字社医療センター院長の幕内雅敏氏に聞く 今年4月、生体肝移植の第一人者である田中紘一氏が立ち上げた神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC)で生体肝移植後の早期死亡例が続発したことが大々的に報じられた。国民に与えた不安を払拭すべく、肝移植関連の学会が注意喚起を行うなどしたほか、神戸市がKIFMECに対して医療安… 2015/09/17 消化器
小児用補助人工心臓の早期承認に思う「○○ラグ」解消の可能性 2015年8月から、小児用補助人工心臓が保険適用となりました。この補助人工心臓は、欧米では1990年代から使用されて1000例以上の実績がありますが、これまで日本では使えないデバイス(医療機器)でした。 2015/09/10 循環器 医師・医学生限定コンテンツ
ベルリンハート社製「EXCOR Pediatric」 厚労省、小児用補助人工心臓を異例のスピードで保険適用 厚生労働省は8月1日付けで、ドイツのベルリンハート社製の単回使用体外設置式補助人工心臓ポンプ(商品名EXCOR Pediatric 小児用体外設置式補助人工心臓システム)を保険適用した。同製品は、心臓移植待機者が急性循環不全に陥った場合に装着するもので、乳児から使える補助人工心臓装置としては… 2015/08/05 循環器
BMJ誌から 免疫抑制剤の後発品、同等性に疑問符 先発品より「劣る」エビデンスはないものの、比較研究の質が低いことが判明 カナダOttawa大学のAmber O Molnar氏らは、シクロスポリン(商品名サンディミュン、ネオーラル他)、タクロリムス(グラセプター、プログラフ他)、ミコフェノール酸(セルセプト他)の3剤について、先発品と後発品を比較した臨床研究のメタアナリシスを実施。後発品が明らかに劣ることを示すエビ… 2015/07/13 先端医学
造血幹細胞移植のNew standard 三極構造を支える造血細胞移植コーディネーター(HCTC) 移植医療は高度な専門性を有した集学的治療であり、さまざまな職種が関与する究極のチーム医療です。従来の医療は患者と医療スタッフの二極構造ですが、移植医療はドナーが加わるため三極構造となります。近年、ドナー安全性への意識が高まり、造血幹細胞移植を行う過程でコーディネートの重要性… 2015/06/19 血液内科 医師・医学生限定コンテンツ
速報◎8日の立ち入り検査結果を公表 神戸市、KIFMECに安全管理体制の改善を要求 「報告体制の充実と研修の実施を」 神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC、兵庫県神戸市)で生体肝移植を受けた患者9例中5例が術後早期に死亡している問題で、神戸市は6月12日、KIFMECに対して医療安全管理体制を改善するよう指導したことを明らかにした。… 2015/06/12 事件・話題
死亡事例はこれで5例目に KIFMEC、生体肝移植を再開するも患者が死亡 6月1日に新体制にしたばかり 生体肝移植を中止していた神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC、兵庫県神戸市)で9例目となる生体肝移植手術が行われ、その直後に患者が死亡したことが明らかになった。KIFMECが6月5日に公表した。昨年11月の開設からこれまでに9例の生体肝移植手術を行っており、死亡事例は今… 2015/06/05 先端医学
ニュース追跡◎神戸の病院で生体肝移植死亡が続出 7例中4例死亡、第一人者の「夢の施設」に暗雲 患者の不安払拭に学会が対応急ぐ 日本の生体肝移植の第一人者である田中紘一氏が立ち上げた神戸国際フロンティアメディカルセンターを巡る一連の報道で、関係者に動揺が広がっている。患者の不安も高まっているとみて、学会も対応を急いでいる。… 2015/06/05 事件・話題
KIFMEC報道を受けて学術集会で緊急特別企画 肝移植研究会「移植医療の信頼を守りたい」 「将来的には脳死下の臓器提供の推進を」 日本肝移植研究会は5月29日、神戸国際フロンティアメディカルセンター(神戸市中央区、以下、KIFMEC)を巡る一連の報道をきっかけに、学術集会中で急きょ「肝移植における国際貢献のあり方」をテーマにしたプログラムを開催した。司会役を努めた同会当番世話人の具英成氏(神戸大学)、日本移植学… 2015/06/01 先端医学
日本移植学会と日本肝移植研究会が合同で 生体肝移植の施設体制で緊急注意喚起 KIFMECでの生体肝移植をめぐる一連の報道で移植希望患者が減少か 日本移植学会と日本肝移植研究会は5月22日、生体肝移植施設に求められる体制をまとめた緊急注意喚起を出した。それぞれの団体のホームページに掲載している。一連の神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)での生体肝移植をめぐる一連の報道の影響を受け、今回の注意喚起に至ったという… 2015/05/22 先端医学
生体肝移植問題で神戸国際フロンティアメディカルセンターが見解 KIFMEC田中紘一氏、研究会の報告書に反論 副院長が辞職していたことも明らかに 生体肝移植を受けた7例中4例が術後早期に死亡した件で、移植体制の不備を指摘する報告書を受け取った神戸国際フロンティアメディカルセンター(以下、KIFMEC、兵庫県神戸市)院長の田中紘一氏はこのたび、同院ホームページ上に「一連の報道に対する当センターの見解について」と題する文書と動画… 2015/05/15 事件・話題
Lancet誌から 心停止ドナーからの「拍動心移送」で心移植 心停止後に摘出した心臓を拍動している状態で移送するポータブル機器の使用で3件成功 心停止後にドナーから摘出した心臓を、酸素を含む温かい血液で貫流し、拍動している状態で、臓器の状態をモニターしながら遠隔地のレシピエントの元に届けるポータブル機器を使い、豪St Vincent's HospitalのKumud K Dhital氏らは心臓死ドナーからの心臓移植3件に成功した。… 2015/04/28 循環器
小児ドナーの心臓は小児のレシピエントに 小児のドナーからの心臓は、小児のレシピエントに優先提供されることになりそうだ。4月24日から大阪で開催されている第79回日本循環器学会(JCS 2015)で東京医科歯科大学循環制御内科学の磯部光章氏は、同学会心臓移植委員会が受け付けた心移植待機患者の予後(エンドポイントは移植実施または死… 2015/04/25 循環器
BMJ誌から 腎移植後のシロリムス投与で死亡リスク上昇 癌リスクは有意に低下、システマティックレビューの結果 腎移植を受けた患者に対する免疫抑制療法にシロリムスを用いると、特に他のレジメンからシロリムスに切り替えた患者では癌罹患リスクが低下するが、死亡リスクは有意に上昇することがシステマティックレビューとメタアナリシスの結果として示された。カナダOttawa Hospital Research InstituteのG… 2014/12/22 腎・泌尿器
肝移植後の死亡を減らす介入可能な因子は移植前のうつ病 肝移植前のうつ病の重症度が移植患者の長期予後に影響を与える可能性が示された。米University of PittsburghのShari S. Rogal氏らが、自施設における肝移植患者を後ろ向きに解析した結果を、米国肝臓学会議(AASLD2014、11月7~11日、ボストン開催)で報告した。… 2014/11/10 消化器
心臓移植に参加した医学生が得たものは 究極の命のリレーに、ただ涙 はじめまして。アメリカのジョージア州アトランタのエモリー大学(Emory University)で、医学部4年生として学んでいる森誠と申します。日本で生まれ育ち、高校からアメリカで単身寮生活を始めて現地の4年制大学を卒業。そして、エモリー大学医学部に入学しました。現在は心臓外科医を目指し、研… 2014/08/04 循環器
医師2113人に聞く「臓器提供の意思表示をしているか」 臓器提供の意思表示、7割の医師は「していない」 家族への負担から躊躇、1割は「提供の意思はない」と明記 2012年7月以降、新たに発行される運転免許証の裏に、臓器提供に関する意思表示欄が加わっている。また、健康保険証の裏面にも同様の意思表示欄が設けられている。臓器提供の意思表示が、昨今、身近になってきているようだが、臓器提供に関して医師自身はどう考えているのだろうか。… 2014/04/28 先端医学
日本人の心臓移植、2013年の実績は41人と過去最高に 補助人工心臓の位置づけを見直す議論も必要 日本人の心臓移植は、2010年7月の改正臓器移植法の施行を機に国内実施例が増加、2013年は41件と1997年以降で最高となった。その一方で心臓移植委員会適応検討の新規申請数は2013年に127件と急増し、実施例数とのギャップが広がっている現実も浮かび上がった。また、待機期間の長期化に伴い、「心… 2014/03/22 循環器
診療データを宝の持ち腐れにしていないか 先日、日本移植学会が開催したメディア・ワークショップに参加してきた。会場では、同学会の理事で国立病院機構水戸医療センター臓器移植外科医長の湯沢賢治氏による、「日本の臓器移植の現状」と題する国内の臓器移植登録システムについてのプレゼンテーションが印象に残った。… 2014/01/30 先端医学
この患者を生き返らせることはできないが、彼は他の患者を救えるのではないか? 【原題】I Can’t Resuscitate My Patient,but Can He Save Others? In a Canadian study of nearly 3000 patients who died,227 potential organ donors were not referred for consideration. 2013/08/15 先端医学
JAMA Intern Med誌 移植腎機能不全の発生リスクは14~16歳で最多 中でも死体腎移植を受けた公的保険加入者がより高リスク 移植腎機能不全リスクは14~16歳で腎移植を受けた患者で最も高く、移植10年後でも高リスクのままであることが、米Florida大学医学部のKenneth A. Andreoni氏らの研究で示された。論文は、JAMA Internal Medicine誌2013年7月29日号に掲載された。… 2013/08/09 腎・泌尿器
NEJM誌から 腎移植後の拒絶反応は尿中の細胞RNA量で予測可能 米国で行われたCTOT-04試験の結果 腎移植後の患者の尿中に含まれる細胞の3つのマーカーRNA量を指標にすると、急性細胞性拒絶反応の診断がより早期から可能になることを、米Weill Cornell医科大学のManikkam Suthanthiran氏らが前向き観察研究によって明らかにした。RNA量の変化は、腎生検で拒絶反応が確認される約20日前から見られ… 2013/07/18 先端医学
親族以外からの生体腎移植が広がるアメリカ 私は日本とアメリカで、人工透析や移植手術というかたちで腎不全患者とかかわってきました。この領域における両国間での違いを整理したうえで、最近アメリカで見かけるようになった、ちょっと特殊な生体腎ドナーのお話をしてみようと思います。… 2013/02/07 先端医学
「臓器提供の意思表示」について考えませんか? 「Facebook上での臓器提供の意思表示、日本でも可能に」というニュース記事のタイトルを見て、「本人確認はどうするの?」「実際に死に直面したときに、意思確認の手段として本当に使えるの?」と思ったのですが。… 2012/10/12 事件・話題
日経メディカル 米国の医療映画紹介 『ジョンQ 最後の決断』 息子の心臓移植のためにERに立て籠もる父親 米国のマネジドケアを強烈に皮肉った一作 国民皆保険制度が未整備の米国では、民間医療保険が発達している。保険料によってカバーされる医療範囲は当然異なり、安価な保険料では心臓移植といった高度医療はカバーされない。しかも、医療保険者は医療費を適正化する目的で様々な管理手法を用い、医療費が過度に使われないようにする。… 2012/09/07 救急医療・集中治療
インタビュー 著者に聞く ドナーを大事にする社会へ 臓器提供進む体制づくりを 『日本の臓器移植』 相川厚著 臓器移植の意義や脳死の意味について、一般市民にまだまだ理解が得られていないと感じ、現場から声を上げるべきだと思ったのです。 2012/08/03 先端医学
臓器移植で誕生した「100万ドルの男」 私が高校生だった頃、「600万ドルの男」というアメリカのテレビ番組がありました。主人公が大けがをした後にサイボーグとなって悪党どもをやっつけるという筋書きのSFドラマで、サイボーグになるために600万ドルかかったということで、このタイトルが付いていました。… 2012/07/18 先端医学
改正臓器移植法施行から2年、一般の意識を調査 臓器提供の意思、表示は約1割 日本臓器移植ネットワークは7月13日、臓器提供の意思表示に関する意識調査の結果を発表。臓器提供意思表示カードや運転免許証などで、臓器提供の意思表示(「したくない」も含め)をしている人は、全体の11.1%だった。… 2012/07/14 先端医学
日経メディカル2012年6月号「ヒーローの肖像」(転載) 心臓外科医としてドイツで約30年、弁手術や心移植など2万例超を執刀 南 和友 北関東循環器病院(群馬県渋川市)病院長 ドイツ・ボッフム大永代教授 卒後すぐにドイツへ渡り、心臓外科医として2万例以上の手術を手掛けた。2005年に帰国後は、留学を手助けするなど外科医の養成に力を注ぐ。一人前の外科医になるには、多くの症例を経験することが欠かせないと説く。… 2012/06/25 外科
Lancet誌から 喫煙ドナーからの肺移植は、非喫煙肺を待つより死亡リスクが低い 英国の臓器移植登録のデータ分析 喫煙ドナーの肺を移植された患者の3年間の死亡リスクは、非喫煙ドナーから肺移植を受けた患者に比べて有意に高いが、移植を受けずに非喫煙ドナーの登場を待つよりは死亡リスクが有意に低いことが、英国の臓器移植登録のデータ分析で明らかになった。英Birmingham大学病院のRobert S Bonser氏らが… 2012/06/11 先端医学
「医師という立場での犯行を重く考えるのは当然」 養子縁組偽装の臓器売買事件、被告医師の控訴を東京高裁が棄却 慢性腎不全の医師・堀内利信被告が暴力団関係者にドナーのあっせんを依頼し、虚偽の養子縁組によって生体腎移植を受けた事件で、東京高等裁判所(小川正持裁判長)は5月31日、東京地裁の判決を支持し、堀内被告の控訴を棄却した。堀内被告は今年1月、東京地裁で懲役3年の実刑判決を受けていた。… 2012/05/31 事件・話題
日経メディカル2012年5月号「特集 医療界を騒がせた あの事件の顛末」転載 Vol.4 【ケース3:臓器売買事件】腎臓購入に1800万円 昨年6月に発覚すると、医師が主導した上に暴力団関係者も関与したセンセーショナルな事件として耳目を集めた。日本移植学会は生体腎移植の実態調査に乗り出したが、倫理指針の厳格化には消極的だ。 2012/05/15 事件・話題
北国からの脳死臓器提供 50歳代男性が自宅で卒倒したという一報。凍結路面の上をドクターカーが患者宅へ急ぐ。男性は顔面蒼白、痙攣状態だった。「痙攣時間が長い」。そう感じた医師はジアゼパム投与後に気管挿管したが、搬送した八戸ERでの検査の結果、救命不能な巨大な脳出血と判明。そしてその夜、患者の自宅から黄色… 2012/05/14 先端医学 医師・医学生限定コンテンツ
日経メディカル2012年4月号「特集 日本の医療は私が変える」転載 Vol.3 肺移植で国内随一の実績、治療困難な乳幼児の治療に光 岡山大病院呼吸器外科准教授 大藤 剛宏氏(44歳) 国内初の肺移植術に偶然参加し、肺移植の道に進んだ。海外で多数の執刀経験を積み、帰国後は岡山大の肺移植チームを率いる。技術的に困難な術式に挑み続ける。 2012/04/24 医師のキャリア
日経メディカル2012年4月号「特集 日本の医療は私が変える」転載 Vol.2 移植・再生医療を長崎の柱に、後進外科医の育成にも注力 長崎大大学院教授(移植・消化器外科) 江口 晋氏(45歳) 海外で移植の腕を磨いた肝移植のエキスパート。僻地での一般外科医の経験から、地域にはオールラウンドに対応できる外科医が必要と考え、後進の育成にも力を注ぐ。 2012/04/23 医師のキャリア
JAMA誌から 臓器移植患者は癌リスクが2倍に上昇 特定の臓器と癌ではさらに高いリスクの関係も 固形臓器の移植を受けた患者は、あらゆる癌のリスクが2倍になるほか、特定の臓器の移植を受けた患者で特定の癌のリスクが著しく上昇することが、コホート研究で明らかになった。米国立癌研究所のEric A. Engels氏らが、JAMA誌2011年11月2日号に報告した。… 2011/11/22 先端医学
本誌連動◇動き出した臓器移植 Vol.4 グラフで見る日本の臓器移植●生体移植中心でまだ発展途上 2011年8月31日現在の日本臓器移植ネットワークの登録者数は心臓が190人、肝臓が372人、腎臓が1万2072人など、かなりの人数に上る。08年までの移植件数は、心臓では海外渡航移植が多く、肝臓と腎臓では生体移植が中心となっている。… 2011/10/28 先端医学
本誌連動◇動き出した臓器移植 Vol.3 偏在する移植実施施設、移植体制に課題 脳死下臓器提供が増加する中、移植体制の問題点も明らかになってきた。移植実施施設の偏在の解消や、臓器のより適正な配分などが今後の焦点となりそうだ。他の治療法と移植との補完関係も変化しつつある。… 2011/10/27 先端医学
本誌連動◇動き出した臓器移植 Vol.2 臓器提供施設への負担大きく日常診療を圧迫 患者家族への対応、職員や設備の手配、法的脳死判定の準備─。脳死下臓器移植では、提供施設に大きな負担が掛かる。小児の臓器提供に対応できる施設の拡充や移植コーディネーターの増員も喫緊の課題だ。… 2011/10/26 先端医学
本誌連動◇動き出した臓器移植 Vol.1 法改正後、臓器提供急増するも遅れる体制整備 2010年7月、「臓器の移植に関する法律」(臓器移植法)の改正法が施行された。これにより、脳死下臓器移植が本格始動した。一方で臓器提供件数の急増に伴い、提供体制、移植体制双方の課題も浮き彫りになってきた。期待と不安に揺れる移植医療の現場を追った。… 2011/10/25 先端医学
移植学会調査、倫理指針に抵触するケースは確認されず 腎臓提供の意思確認、「レシピエント同席3割」で学会が問題視 日本移植学会は10月10日、2007年以降にわが国で行われた生体腎臓移植について、腎臓移植実施施設を対象に実施したアンケート調査の中間解析結果を公表した。今年6月、東京都内の医師が暴力団に紹介された男性と虚偽の養子縁組を行って生体腎臓移植手術を受けたとして逮捕された事件を受け、学会が… 2011/10/13 先端医学
NEJM誌から 臍帯血移植後の原因不明の下痢症を定義 感染はなく炎症性大腸炎が存在、メトロニダゾールとキノロンに反応 造血幹細胞移植を受けた患者にしばしば見られる合併症の1つが下痢だ。米Brigham and Women’s HospitalのAlex F. Herrera氏らは、臍帯血由来の造血幹細胞の移植を受け、生着した後の患者に、既知の原因のどれもが当てはまらない下痢が見られることを発見。Cord Colitis Syndrome(CCS)と名付けて… 2011/09/21 血液内科
日経メディカル臨時増刊 2011年夏号「cinema guide 米国医療映画8本」 Vol.7 私の中のあなた “姉専用ドナー”の妹が臓器提供を拒否したら…。家族のあり方と終末期医療について考える。 2011/08/16 事件・話題
親族間移植についても妥当性を検証 移植学会、生体臓器移植の倫理指針改定へ 日本移植学会(理事長:国際医療福祉大学熱海病院病院長の寺岡慧氏)は7月31日、親族間の生体移植について、医療機関からの依頼があれば学会の倫理委員会が妥当性を検証する方針を決めた。10月に開催する総会に向けて、検証のあり方を含めた倫理指針の改定案をまとめる。… 2011/08/01 先端医学
ABO血液型不適合腎移植の成績向上、脾摘不要に 献腎移植が少ないわが国では、ドナー適応拡大の切り札としてABO血液型不適合腎移植が早くから注目され、多くの症例に実施されてきた。近年、最大の課題とされた抗体関連型拒絶反応(AMR)も、免疫抑制療法の進歩により解決の道が開け、期待はさらに高まってきた。横浜で開催された日本透析医学会… 2011/06/21 先端医学
日経メディカル2011年5月号「ニュース追跡」(転載) 脳死小児から初の臓器移植 情報公開が臓器提供を萎縮させるとの懸念も 4月12日、国内で初めて15歳未満の小児脳死者から臓器が提供され、心臓以外は成人患者に移植された。臓器提供の経緯の公表が求められる一方、ドナー家族のプライバシー侵害を心配する声も上がる。 2011/05/06 先端医学
改正法施行後に脳死下臓器移植が急増 厚労省委員会、「臓器移植の事後検証の見直しが必要」 厚生労働省の「厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会」(委員長:東京大医学系研究科教授の永井良三氏)は2月1日、約5カ月ぶりに会合を開催。2010年7月に改正臓器移植法が全面施行されて以来、脳死下の臓器移植事例が増加の一途をたどっていることを受け、その適切性を検証する「脳死下での… 2011/02/02 行政・制度
チャリティーやるなら楽しく! 日本を含め北半球の多くの地域では冬本番でしょうが、こちらマイアミではハリケーンシーズンも過ぎて(幸いにもここ数年は、ほとんど被害がありません)ベストシーズンを迎えています。少し前の話になりますが、ある秋晴れの日曜日、マイアミ動物園(Zoo Miami)でチャリティーイベント、Miracle … 2011/01/26 海外
日経メディカル臨時増刊 unmet medical needs特集転載 Vol.14 【重症心不全】国内での心臓移植が可能に 待機小児用人工心臓に期待 拡張型や拘束型の心筋症などの重症心不全患者に対しては、薬物治療や外科的手術などが行われている。治療抵抗性の症例に対しては、心臓移植や植え込み型人工心臓などが選択肢となる。 2011/01/13 先端医学
ついに承認! 植え込み型補助人工心臓 以前、日本のデバイスラグの話題に触れたことがありました。あのときは、私たち東京女子医大心臓血管外科が開発に大きくかかわってきた植え込み型補助人工心臓「EVAHEART」の早期承認を期する思いも込めて書いたのですが、昨年12月8日、ついに厚生労働省から製造販売承認を取得しました。… 2011/01/12 循環器
新しい小型連続フロー型左室補助循環装置、心移植待機者の生存率は従来品と同等、装着後のQOLは有意に向上 小型連続フロー型左室補助循環装置であるHVAD Left Ventricular Assist Device System(HeartWare社製)を、心臓移植待機者について使用したところ、180日生存率は92%、360日生存率90%と、いずれも従来製品と同等であることが分かった。その上、器具を装着して3カ月後の6分間歩行距離が試験開始… 2010/11/16 循環器
盛り上がってきました、移植医療 先日、第29回日本心臓移植研究会に参加しました。改正臓器移植法施行後の状況を反映し、今回の日本心臓移植研究会は例年より熱気を帯びているように感じました。 2010/10/20 先端医学
76%の医師が改正臓器移植法下での脳死移植に賛成 「実施に慎重さを欠くのではないか」と懸念する声も 今年の7月17日に改正臓器移植法が施行され、脳死患者について本人の臓器提供の意思が不明な場合でも、家族の同意が得られればドナーになれるように変更された。 2010/09/24 その他
Lancet誌から 腎移植後の長期転帰、心臓死ドナーと脳死ドナーは同等 腎移植のドナーが心臓死だったか脳死だったかによって移植腎の長期的な転帰に差があるのか。この疑問について、全英で行われた腎移植を分析した英Cambridge大学のDominic M Summers氏らは、初回腎移植患者における移植腎の生着率と機能は、心臓死ドナーからの移植であっても脳死ドナーであっても… 2010/09/07 先端医学
J Heart Lung Transplant誌から 国内心臓移植の予後は海外渡航移植と等しく良好 ドナー・レシピエント間の人種差や周術期管理の質が予後に影響か 7月17日に改正臓器移植法が施行され、小児ドナーが国内でも認められるようになったが、以前は成人でも移植までの待機期間が長く、小児に限らず海外へ渡航して移植を受ける患者が多かった。J Heart Lung Transplant誌オンライン版に掲載された、国立循環器病研究センターと米国カリフォルニア大学… 2010/08/03 先端医学
予測された子どもの死と心臓移植 2009年、私が勤務するトロント小児病院で臓器移植関連の事件が起こり、カナダ中のメディアをにぎわせました。当時は、病院前に取材の車が連日のように押し寄せ、センセーショナルな報道が続きました。 2010/07/22 先端医学
Neurology誌から 米神経学会が成人脳死ガイドラインを改訂 エビデンスベースの脳死基準作成の難しさを示す 米神経学会(AAN)が成人の脳死判定に関するガイドラインの2010年版をまとめた。Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurologyのメンバーである米Mayo ClinicのEelco F.M. Wijdicks氏らが、文献レビューの詳細と判定担当医用の実践用チェックリストと共に、Neurology誌20… 2010/07/05 医の倫理
N Engl J Med誌から 心移植後の拒絶反応監視に末血遺伝子解析が有用 ランダム化試験で心筋生検に対する非劣性を証明 心移植後の拒絶反応のモニタリング法としては心筋生検が標準とされているが、生検に伴う侵襲が問題となる。末梢血単核球の遺伝子発現プロファイリング解析がその代替法として注目されているが、臨床現場における両者の有用性について系統的な比較は行われていなかった。4月22日、N Engl J Med誌オ… 2010/05/13 循環器
JAMA誌から 生体腎ドナーの90日死亡率は高いが長期死亡率は上昇せず 8万人を超える生体腎ドナーと非ドナーを比較した結果 生体腎ドナーの90日死亡率は有意に高いが、長期的な死亡率は上昇しない―。そんな研究結果を、米Johns Hopkins大学のDorry L. Segev氏らがJAMA誌2010年3月10日号に報告した。 2010/03/19 腎・泌尿器
「臓器移植」という名のパンドラの箱 本当はもう少し軽い話題にしたかったのですが、昨年日本の国会で「臓器移植法改正案」が可決(2009年6月に衆議院、7月に参議院にて)され、今年の7月から改正法がいよいよ施行されると聞きました。臓器移植の実施を待っている患者さんやご家族に、少しでも希望の光が照らされることを願ってやみま… 2010/03/16 先端医学
日経メディカル2010年2月号「ニュース追跡」(転載) 生存率はなぜ低かったか? 東京医大が生体肝移植問題で報告書を公表 生体肝移植の生存率の低さが表面化した東京医大八王子医療センター。背景には、高リスク症例を多く受け入れていたことがあるようだ。さらに、チーム医療など体制の不備を指摘する声もある。 2010/02/17 医療の質
脳死移植を感情論のみで語る限り、移植は増えない 日本臓器移植ネットワークによる「第11回東日本支部 臓器提供・移植症例検討会」が昨年12月に仙台で開催され、私も参加してきました。検討会では、積極的に臓器提供を増やそうと頑張っている東日本の3施設(東京医科大学、北里大学、聖マリアンナ大学)の医師、看護師の方々が発表し、私も大変勉… 2010/02/05 先端医学
日経メディカル2009年12月号「ニュース追跡」(転載) 兄弟への移植先指定は無効 親族優先提供に指針案出るも異論多し 厚生労働省は11月、改正臓器移植法で可能になる親族への臓器優先提供に向けた指針案を公表した。提供先を親子と配偶者に限り、提供を親族に限る意思表示は無効とする内容に、反対意見も多い。 2009/12/07 医の倫理
公平順子のあの先生に会いたい 万波 誠(宇和島徳洲会病院・泌尿器科部長) 倫理委員会のOKが出れば病気腎移植を再開します 腎移植の術者として日本有数の実績を持つ万波<先生。2年半前の事件ではマスコミに追い回され、「疲れ果てた」とおっしゃる先生ですが、移植を待つレシピエントのために正式な手続きを踏んで病気腎移植の再開を計画されています。今回は、事件のことだけでなく、病気腎移植の医学的な妥当性やポ… 2009/08/20 医の倫理
日経メディカル2009年8月号「トレンドビュー」(転載) 臓器移植法、抜本改正へ 審議で指摘された終末期医療の充実が課題 現行法の制定から12年、臓器移植法の改正案が成立した。「臓器提供者の確保」に向けて大きく舵を切った改正法の施行をきっかけに、臓器提供施設の現場には何が求められるようになるのか─。 2009/08/10 行政・制度
逆風、順風が入り乱れる中、徳洲会が病気腎移植を再開 宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが、癌治療や動脈瘤などのため摘出した腎臓を別の患者に移植していた病気腎移植問題が今なお波紋を残す中で、徳洲会グループが病気腎移植を臨床研究として再開する方針を決めました。移植手術は、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)あるいは宇和島徳洲会病院で行わ… 2009/07/28 事件・話題
夏の線香花火に「死の瞬間」を思う 連日、臓器移植法案改正案をめぐり「脳死とは人の死であるのか否か」に焦点を当てた議論が盛んに紙上で交わされています。この問題はこれまでにも多くの時間をかけて、国を挙げて議論されてきました。現行の臓器移植法も1983年から14年間もの議論の末に1997年にようやく設定されたものです。… 2009/07/10 医の倫理
脳死移植と満員電車の関係 2009年6月18日、臓器移植法改正A案が衆議院で可決された。A案の骨子は、(1)脳死を一律に人の死と見なす、(2)本人が拒否していない限り、家族(遺族)の同意で提供ができる、(3)提供を15歳以上としていた現在の年齢制限が撤廃される――という特徴を持ち、国際的にも標準的な内容となってい… 2009/07/01 先端医学
「脳死=人の死」の先にある問題―臓器移植法改正案が衆議院を通過 臓器移植法改正案が、6月18日に衆議院を通過しました。先般ブログでこのテーマを扱った時には、4つの改正案を比較して、「衆議院の会期末も迫ってきており、麻生首相が会期延長を口にするなど、微妙な状況を迎えています。果たして今国会で、いずれかの案に決定するのでしょうか?」(2009.5.8「… 2009/06/23 事件・話題
膵臓移植は日本でもドナー不足が深刻、待機期間の長期化で死亡や登録抹消も絶えず 日本の膵臓移植は、欧米以上にドナー不足にあえいでいる。臓器移植法が施行後、2000年4月から2008年12月までに54例の膵臓移植例があった。が、その一方で待機リストに登録された人は154人に上っている。この間、待機中の死亡は23例、重症化によるリストからの末梢例も15例と増えてきている。大阪… 2009/05/23 代謝・内分泌
BMJ誌から 臓器提供に親族の同意を得るために重要な要因とは 十分な情報提供、コーディネーターとの信頼関係などがカギ 臓器の提供を待つ患者は大きく増加しているが、提供者はほとんど増えていない。提供を妨げている要因に、親族の拒絶がある。英国John Radcliffe病院のArabella L Simpkin氏らは、脳死となった患者の臓器提供に関する親族の判断に影響を与える因子を同定するための系統的レビューを実施。臓器提供… 2009/05/19 先端医学
渡航移植制限が進む中、臓器移植法改正の行方に注目 5月18日から27日までジュネーブで開かれる予定の世界保健機関(WHO)の年次総会では渡航移植の制限指針が決議される予定です。既に昨年5月、国際移植学会は、トルコのイスタンブールで開いた国際会議で、移植用臓器の「自給自足」を各国に求める宣言をまとめています。… 2009/05/08 行政・制度
経済状態に左右される心臓移植の転帰 Heart Transplant Outcomes Follow the Money 米マサチューセッツ州における研究によると、所得が低い地区に住む小児心移植患者の転帰は裕福な地区に住む患者よりも悪く、延命効果が低いほか生着不全になるまでの期間も短いことが分かった。 2009/04/24 循環器
問われているのは、経済危機下における医薬品供給の安全保障 鈴木寛(参議院議員) 昨年12月、突然届いた一枚のFAXにより、医療現場は騒然となりました。骨髄移植に不可欠な医療器具である骨髄フィルターの供給停止の知らせでした。送り主は、器具を日本で唯一扱うバクスター・ジャパン社です。… 2009/04/10 先端医学
日本循環器学会2009 第5回心臓移植セミナー 海外渡航移植に依存する日本の心臓移植に警鐘 イスタンブール宣言で渡航移植の門戸が閉じられつつあるのだが・・ 第73回日本循環器学会総会・学術集会の初日(3月20日)、「我が国の心臓移植はどのようにあるべきか―将来への提言」というテーマで第5回心臓移植セミナーが行われ、医療関係者以外からも貴重な報告と提言があった。その概要を筆者の記憶に基づいて再現する。… 2009/04/08 循環器
日本の心臓移植レシピエントは9割が生存、日循の調査で判明 群抜く好成績、医療のフリーアクセスが貢献との指摘も この10年に国内外で心臓移植を受けた日本人は、9割が生存しており、予後が極めて良好であることが分かった。日本循環器学会心臓移植委員会が3月20日、大阪で開催された第73回日本循環器学会総会・学術総会で、記者会見を開いて明らかにした。… 2009/03/22 循環器
日本再生医療学会2009 プロトコール改良で膵島移植の成績が劇的に向上 新規開発保存液の膵管内注入、エクセナチド投与など総合的対策が奏功 2000年のエドモントン・プロトコル発表以来、1型糖尿病への膵島移植治療は600例以上実施されているが、低い膵島移植率と複数回移植、5年後に10%まで落ちる長期インスリン離脱率の低さといったハードルはいまだ解決されておらず、世界中で試行錯誤が続けられている。… 2009/03/12 代謝・内分泌