学会トピック◎第17回日本消化管学会総会学術集会 大腸カプセル内視鏡画像から腫瘍性病変を自動検出するAIモデルを開発 人工知能(AI)を活用することで、大腸カプセル内視鏡の普及・発展や読影医の負担軽減につながるかもしれない──。2月19日から21日にかけてオンラインで開催されたGI Week2021で、東京大学医学部附属病院消化器内科の山田篤生氏は、パネルディスカッション「大腸カプセル内視鏡の普及に向けた工… 2021/02/24 消化器
NEWS◎新たに明らかとなった膵腸連関 大腸炎改善のカギを握るのは膵臓の膜蛋白質? 千葉大学大学院医学研究院イノベーション医学研究領域准教授の倉島洋介氏、東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門特任教授の清野宏氏らの研究結果。同グループは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)や2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使った薬剤誘発性大腸炎モデルを用いた研究により… 2021/02/19 消化器
NEWS◎治療が奏功した患者の細菌叢・ウイルス叢を検討 C.difficile関連腸炎に糞便移植が効くメカニズムが明らかに 再発性Clostridioides difficile(CD)関連腸炎患者に対する糞便移植前後の腸内細菌・ウイルス叢の変化を解析した結果から、CD関連腸炎の病態が改善する機序が明らかにされた。糞便移植は腸内細菌叢をドナーの細菌叢に近づける働きを持つとともに、腸内細菌叢の代謝機能を改善し、それが再発性CD… 2021/02/15 消化器
NEJM誌から シタグリプチンは急性GVHD予防に役立つか 同種幹細胞移植から100日後までのGVHD発症率を調べたフェーズ2試験 米国Indiana大学医学部のSherif S. Farag氏らは、白血病などの治療後に同種幹細胞移植を受ける患者に対して、シロリムスやタクロリムスと共にDPP-4阻害薬のシタグリプチンを投与するフェーズ2試験を行い、100日後までの急性移植片対宿主病(GVHD)の発症リスクを従来よりも低く抑えられそうだと報… 2021/02/09 癌
心筋細胞がストレスに耐えられる秘訣とは? ホメオスタシスを維持する「心筋細胞―マクロファージネットワーク」 体内では毎日、数十億の細胞が死んでいきます。マクロファージには免疫作用以外に、これらの死細胞を除去する作用があり、死滅した分の細胞を細胞分裂により補填することで組織のホメオスタシスが維持されます。 心臓にはマクロファージが豊富に存在しますが、新陳代謝がほとんどないため、細胞… 2021/02/04 循環器
たった1人の患者のために新薬を作る時代が来る 世界でたった1人にしか見つかっていない、超希少な遺伝子変異を持つ難病患者に、その患者にしか効果が期待できない医薬品を設計し、治療を行う──。そんな時代が来るかもしれない。 米食品医薬品局(FDA)は、2021年1月4日、「IND Submissions for Individualized Antisense Oligonucleotide Dr… 2021/02/03 先端医学
Gastroenterology誌から 糞便移植、実地診療でも高い有効性・安全性示す 1カ月後のCDI治癒率90%、6カ月以内の再発率4% 糞便移植(fecal microbiota transplantation:FMT)患者を登録している、北米のFMT National Registryのデータから、FMT実施後のクロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridioides difficile infection:CDI)の治癒率が約9割に上り、実地診療でもランダム化比較試験と同様にFMTの治癒率が… 2021/01/15 消化器
食事のアミノ酸代謝物が心血管イベントの因子に 腸内細菌と交感神経受容体が関与 「2型糖尿病が心血管イベントのリスク因子である」ことに異論がある人はいないでしょう。では、「血糖コントロールの改善は心血管イベントを減らす」という考え方に対してはどうでしょうか? 実は意外なことに、2型糖尿病患者における血糖コントロール状態(HbA1cなど)は心血管イベントと相関せず… 2021/01/07 循環器
リポート◎群馬県立心臓血管センターの挑戦 入院高齢心不全患者に「早期の筋トレ」が効く 回復期から外来、そして在宅へと、心臓リハビリテーションの活躍の場が広がる中、入院早期から心臓リハビリの一環としてレジスタンストレーニング(RT)を導入する動きがあります。群馬県立心臓血管センターは、入院した高齢心不全患者に対してRTを行うためのランダム化比較試験を実施。通常のリハ… 2020/12/24 骨・関節・筋
NEJM誌から 全身の炎症性疾患を起こす遺伝子変異を同定 ユビキチン活性化酵素E1をコードするUBA1遺伝子のメチオニン変異 成人発症の炎症症候群の多くは、臨床特性は部分的に共通するが、別の病気だと見なされてきた。米国NIHのNational Human Genome Research Instituteに所属するDavid B. Beck氏らは、蛋白質のユビキチン化を開始させるユビキチン活性化酵素E1をコードするUBA1遺伝子のメチオニン-41(p.Met41)に生… 2020/11/17 アレルギー・免疫
Lancet Infectious Disease誌から 米国のSARS-CoV-2再感染患者の遺伝子解析 1回目の感染が治癒した後、遺伝的に異なる株に再感染した可能性が大 SARS-CoV-2に感染するとどの程度の免疫がつくのか、再感染の可能性があるのかについては、いまだ明瞭になっていない。米国Nevada大学のRichard L Tillett氏らは、米国で再感染したと判定された25歳の男性患者に関する情報をLancet Infectious Disease誌電子版に2020年10月12日に報告した。… 2020/10/30 感染症
東京オリパラ、少子化対策、ゲノム編集育種 2020年9月16日の夜に行われた菅新政権の閣僚談話にて、ある閣僚が、新政権の課題として「少子化対策」を挙げていました。この閣僚は、2020年の開催が中止となった東京オリンピック/パラリンピックについて「呪われたオリンピック」とコメントしていた人です。 今回は、東京オリパラと少子化対策… 2020/10/21 先端医学
トレンド◎拒絶反応のメカニズムを解明 移植医療で懸念される拒絶反応の解決に光明 臓器不足の問題がない異種移植も実用化に向けて大きく前進 肝不全や腎不全、心不全に対する根本的な治療である臓器移植の課題にドナー不足がある。その解決のため、血液型の異なるドナーからの臓器移植(血液型不適合移植)が広がりつつあるほか、ブタなどの動物由来の臓器を使った異種移植の研究が進められているが、こうした血液型不適合移植や異種移植… 2020/10/19 先端医学
ライフサイエンスにおけるAIの限界 国内の製薬企業が人工知能(AI)を利用した創薬(AI創薬)の研究を加速させている。人には無い強みを持つAIを利用し、通常は10年かかるとされる医薬品開発を少しでも効率化しようとする狙いだ。 まずは、AIとは何かということや、これまでの経緯について整理しておきたい。一般に「AI」という言… 2020/10/05 先端医学
英AZ社の新型コロナワクチン、米国での第3相中断は「事実」 「詳細が分からず、ワクチンの安全性を結論するのは時期尚早」と業界関係者 英AstraZeneca社が開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン(AZD1222、旧開発番号:ChAdOx1 nCoV-19)について、米国で実施中の第3相臨床試験を自主的に中断していることが明らかになった。 2020/09/09 感染症
学会トピック◎第56回日本肝臓学会総会 iPS細胞由来の完全ヒト脂肪肝モデルでNAFLDの病態解明目指す 「iPS技術を用いたヒト脂肪肝モデルの作製が非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の病態解明につながるかもしれない」──。8月28日から29日にかけて大阪市で開催された第56回日本肝臓学会総会… 2020/09/01 消化器
NEWS◎再生心筋細胞移植の臨床研究を厚労省が承認 iPS細胞由来の心筋球の移植、年内に1例目を実施予定 慶應義塾大学のグループが計画中の「難治性重症心不全患者を対象とした同種iPS細胞由来再生心筋球移植の安全性試験」の実施が厚生労働省によって認められた。同臨床研究は、難治性重症心不全の治療のために移植する再生心筋細胞およびその移植方法の安全性を検討するもの。2020年8月27日、オンラ… 2020/08/28 循環器
循環器医から見た「COVID-19重症患者の全ゲノム関連解析(GWAS)」 新型コロナ重症化に関わる遺伝的因子が持つ意味 2019年に中国・武漢に端を発して広まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、いつ収束するのか全く見当がつきません。COVID-19の厄介なところは、・多くが軽症あるいは無症状である一方、一部重症化する患者がいること・軽症・無症状の患者からも感染する可能性が指摘されていること(Clin.… 2020/08/27 感染症
多遺伝子リスクスコアは心代謝疾患を予測可能か 13万人規模・46年間追跡のコホート研究を解析 心代謝疾患は、健康および医療経済的に大きな社会課題であり、その予防戦略を立てることが極めて重要です。疾患発症のリスク予測は、現時点では臨床情報と検査情報を用いて行われていますが、一方でこれには限界があることも分かってきました。例えば、現在「cardiovascular risk calculator」と… 2020/07/21 循環器
トレンド◎新型コロナウイルスの新たな検査法が開発中 唾液から25分で感染判定可能なSATIC法って? 唾液検体と試薬を混ぜて25分で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性・陰性を目視で判定できる──。PCR法とは異なる新たな核酸増幅法を用いた迅速検査法である「SATIC法(Signal Amplification by Ternary Initiation Complexes)」の開発が進んでいる。既に実際の検体を用いた検証が行… 2020/07/15 感染症
NEJM誌から COVID-19の呼吸不全リスクと血液型に関連 全ゲノム関連解析でA型患者は呼吸不全リスクが高いことを示唆 The Severe Covid-19 GWAS Group研究に参加しているドイツChristian-Albrechts-UniversityのDavid Ellinghaus氏らは、どんな遺伝要因を持つ人がCOVID-19で呼吸不全を起こしやすいかを調べるために、イタリアとスペインの重症患者と健康な対照群の全ゲノム関連解析を行い、遺伝的多型(SNPs)を比… 2020/07/07 感染症
PNAS誌より SARS-CoV-2は普通のコロナウイルスと何が違うのか? ヒトに感染する7種類のコロナウイルスで見つかった遺伝子の違い 米国立衛生研究所(NIH)のAyal B. Gussow氏らは、ヒトに感染する7種類のコロナウイルスのうち、病原性が高いSARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoVと、病原性が低い他の4種類のコロナウイルスのゲノムを比較する研究を行い、両者で異なる特徴を突き止めた。結果はPNAS(Proceedings of the National Ac… 2020/06/17 感染症
寄稿◎透析患者のCOVID-19致死率は8.6%と高く COVID-19から透析・腎移植患者を守る 腎移植患者に発症した新型コロナウイルス肺炎の治療例も 日本の透析患者の新型コロナウイルス感染者数は5月15日時点で95人です。致死率は12.6%(12人)で、日本全体の致死率3%と比べて非常に高くなっています。第2波の流行に備えて、維持透析治療の現場での取り組みを紹介します。合わせて、市中感染でCOVID-19を発症し間質性肺炎も生じたものの、無事に… 2020/06/01 腎・泌尿器
NEWS◎全ゲノム解析によって関連遺伝子を探索 大学横断的なCOVID-19患者の重症化マーカー探索が開始 9月にも第一報が報告の見込み 慶應義塾大学などの研究チームは2020年5月21日、「コロナ制圧タスクフォース」を立ち上げたと発表した。慶應大学を中心に、患者や感染者の血液を採取し、ゲノム解析を行って新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化に関連する遺伝子を同定する。7月までに検体を採取し、8月中に解析、第2波… 2020/05/21 感染症
特別寄稿◎国際血栓止血学会COVID-19暫定ガイダンスの応用 血栓止血学から見たCOVID-19の診断と治療戦略 ISTH interim guidance on recognition and management of coagulopathy in COVID-19 国際血栓止血学会がCOVID-19暫定ガイダンスを発表しました。策定に当たられた札幌東徳洲会病院救急集中治療センター救急センターの丸藤哲氏に血栓止血学から見たCOVID-19の診断と治療戦略を解説いただきました。… 2020/05/06 感染症
どこかで起きていてもおかしくないエラー症例(Case No.6) 急速上向性の感覚障害、それってギラン・バレー症候群? 今回の症例は、他院で精査を受けたのち、診断不明ということで当院を紹介受診した外来患者になります。 2020/04/27 医療の質
成長に適応する人工弁のヒントは静脈弁にあり 先天性心疾患でも再置換手術が不要な人工心臓弁の開発 先天性心疾患を有する子どもは、全世界で毎年135万人誕生しているとも言われています。その25%が心臓弁に異常があり、弁置換手術を必要とします。 使用する置換弁として、現時点ではウシの心膜やブタの大動脈弁を用いた生体弁、もしくはカーボンやチタンでできた人工弁が用いられていますが、こ… 2020/03/13 循環器
トピック◎新型コロナウイルス感染症・診断技術 横市大、患者血清から抗ウイルス抗体検出に成功 横浜市立大学は3月9日、同大学術院教授の梁明秀氏らの研究グループが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の血清中に含まれる抗ウイルス抗体の検出に成功したと発表した。ELISA法やイムノクロマト法を用いる新たな検出法の開発につながるもので、「COVID-19発症後7~10日程度経過した肺炎… 2020/03/10 感染症
陽性変力作用にCaチャネルのリン酸化は不要! 今回は、すぐには臨床には結びつかないものの、今まで当然のこととして捉えてきたことがどうもそうではなさそうだ、という予想外の展開をご紹介します。 興奮したり、運動したりして交感神経が活性化されると、心拍出量と心拍数が増える「陽性変力・変時作用(positive inotropic/chronotropic e… 2020/02/13 循環器
インタビュー◎ゲノム解析による新規着床前診断の臨床研究がスタート 着床前診断で体外受精の成功率を高める!? 藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門教授の倉橋浩樹氏に聞く これまで臨床応用が認められていた着諸前診断には、単一遺伝子疾患や染色体の転座の検査のみだったが、今年からゲノム解析による受精卵の異数体検査の臨床研究がスタートする。不妊治療の成功率を高めたり、流産を減らす効果が期待されている。全国共通で診断精度の高い着床前診断(PGT)の実施を… 2020/02/12 産婦人科
トレンド◎パーキンソン病、アルツハイマー病などもターゲットか シャペロン療法が蛋白変性疾患の特効薬に!? 蛋白質の異常な立体構造を修正するシャペロン療法。その実用化第1弾は、神経難病のファブリー病に対する治療薬で、2018年に実用化した。このシャペロン療法研究の先駆者である、東京都医学総合研究所特別研究員の鈴木義之氏は、蛋白質の変性が原因となるアルツハイマー病やパーキンソン病への応… 2020/02/10 先端医学
医師3845人に聞いた「医学部・大学病院は教育・臨床・研究のどれを重視すべき?」 大学の役割、医師の半数は「研究」推し! 我が国の大学医学部や大学病院が最も注力すべきなのは、研究・臨床・教育の3つのうちどれか――。本誌が医師を対象に行った調査では、ほぼ半数(50.2%)の医師が「研究」を選択。次いで「教育」(26.2%)、「臨床」(23.6%)の順だった。 人口減少時代を迎えた日本で、大学の統合・再編が進む中… 2020/02/07 医師のキャリア
Lancet誌から レーザー白内障手術の優位性は示せず フェムトセカンドレーザーと従来の手術を比較したフランスのRCT フランスBordeaux大学病院のCedric Schweitzer氏らは、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術(FLACS)と従来型の水晶体乳化吸引術(PCS)の術後3カ月時点のアウトカムを比較するランダム化比較試験を(RCT)行い、FLACSのコストは高いが治療成績に差はなかったと報告した。結果はLancet誌2… 2020/02/06 眼科
トレンド◎新型コロナウイルス感染症の臨床試験 新型コロナに対する臨床試験を全調査、ゾフルーザやアビガンの成分活用 2月4日にアップデート、既存のHIV薬やインフル薬を相次ぎ転用 中国の大学病院や研究機関が、新型コロナウイルス(2019-nCoV)への感染が認められた患者や肺炎を起こした患者を対象に、臨床試験を相次いでスタートさせている。 2020/02/05 感染症
JAMA誌から 葉酸と亜鉛は男性の不妊治療を改善しない 不妊治療を希望するカップルの男性をランダム割り付けした臨床試験 米国立小児保健発達研究所(NICHD)のEnrique F. Schisterman氏らは、不妊治療に取り組んでいるカップルの男性が葉酸と亜鉛のサプリメントを摂取すると、精液の質改善や子どもの出生率向上につながるかどうかを調べるランダム化比較試験(RCT)を行い、これらのサプリメントの使用は支持されなか… 2020/01/27 産婦人科
NEJM誌から 血友病Aに対する遺伝子治療を3年後まで追跡 出血イベントが減り凝固第VIII因子治療の中止が可能に 単一遺伝子疾患に対する治療の選択肢として、アデノ随伴ウイルス(AAV)を利用した遺伝子治療が注目を集めている。英国Barts and the London School of Medicine and DentistryのK. John Pasi氏らは、凝固第VIII因子を組み込んだAAV5-hFVIII-SQベクターを、重症の血友病A(第VIII因子濃度が1 IU/d… 2020/01/21 血液内科
線維化の「方向」をそろえれば心不全を防げる? 実は動的構造物だった“scar”が心筋梗塞後心不全の新たな治療標的に 心筋梗塞(MI)の急性期死亡率は、つい数年前までは30%を超えていましたが、再灌流療法の普及により今では6~7%にまで飛躍的に低下しました。では、これで心筋梗塞の治療は万全と言えるのでしょうか? 現在のところは、まだ残念ながらそうとは言えないようです。というのも、急性心筋梗塞生存者… 2020/01/20 循環器
造血幹細胞移植で神経難病の進行抑制に成功 治療効果の得やすい早期患者の拾い上げを実地医家に期待 東京大学医学部附属病院22世紀医療センター分子神経学講座特任教授の辻省次氏、同助教松川啓司氏、同病院血液・腫瘍内科教授の黒川峰夫氏らのグループは、成人期発症の大脳型の副腎白質ジストロフィー患者を対象に造血幹細胞移植を発症早期に行うことで、進行を強力に食い止められるとの研究結果… 2020/01/17 精神・神経
インタビュー◎人口減少時代における大学附属病院の位置付けとは? 医学部から離れた方が大学病院は自由になれる 国立大学協会会長の永田恭介氏に聞く 国立大学協会は、2018年1月に「高等教育における国立大学の将来像(最終まとめ)」を公開。同提言では、大学病院について、「大学との緊密な連携を確保しつつも、国立大学法人の独立した事業部門としての位置付けをより明確にするなどの方策を検討する」と附属病院の自律を求める。持ちつ持たれつ… 2020/01/14 先端医学
JAMA Network Open誌から 遺伝子検査は癌病期分類の精度を改善するか? 非小細胞肺癌で癌遺伝子の発現情報を加味したTNMB分類を検討 米国California大学San Francisco校のGreg J. Haro氏らは、TMN分類の8版に癌関連遺伝子の発現情報を加味したTMNB分類システムを提案し、ステージI~IIICの非小細胞肺癌(NSCLC)で手術を受けた患者を対象に、無病生存率を推定したところ、TMNB分類の方が従来のTMN分類よりも予測精度が高かったと… 2019/12/23 癌
心臓の線維化に対するCAR-T細胞療法は有望か? 心臓の線維化は、高血圧性心疾患、虚血性心疾患など、様々な心疾患で見られる病理変化です。心機能の低下・心不全の発症をもたらし、「リモデリング」あるいは「構造的リモデリング」などと呼ばれます。ところが、ダイレクトに心臓の線維化を標的とした効果的な治療法は今のところありません。… 2019/12/09 循環器
NEWS◎「細胞スプレー法」による虚血性心筋症治療の医師主導治験を開始 心臓に幹細胞を「スプレー」して心不全を治療 大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科のグループは、冠動脈バイパス手術(CABG)の際に、他家脂肪組織由来の間葉系幹細胞を心臓表面にスプレー状に吹き付ける「細胞スプレー法」を用いた、新たな心不全治療法の医師主導治験を開始する。11月29日に大阪大学において行われた記者会見で、同教授… 2019/12/02 循環器
正念場にさしかかるiPS細胞を用いた再生医療 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長が見いだし、2012年のノーベル生理学・医学賞に輝いた、人工多能性幹細胞(iPS細胞)。2020年度の政府の予算編成に向け、最近では、iPS細胞関連の研究費が削減され、iPS細胞が岐路に立たされているといった報道も増えている。そのiPS細胞について、中… 2019/12/02 先端医学
インタビュー◎心不全患者の予後をDNA損傷の程度から予測する手法を開発 心筋細胞染色で早期に心不全の治療応答性を予測 東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授の小室一成氏に聞く 心不全患者の中には、薬物療法が奏功し長期にわたり安定した病態の患者がいる一方で、治療薬にあまり反応せず予後の悪い患者もおり、両者を早期に鑑別することは非常に困難だった。東京大学大学院医学系研究科循環器内科学の研究グループは、心筋生検時に採取する心筋細胞の染色により、心不全患… 2019/11/26 循環器
トレンド◎「日本発の核酸医薬」第1号が来年にも承認か 筋ジストロフィー治療に新風、核酸医薬の実力 9月26日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療薬、ビルトラルセンの製造販売承認申請が行われた。承認されれば、治療法がない難治性疾患であるDMDの予後改善が期待される。新薬がなかなか登場しなかったDMDに対し、ビルトラルセンが申請までこぎ着けたのは、オリゴヌクレオチドを用いた… 2019/11/19 骨・関節・筋
早くて来春に移植、血液透析を受ける3人が対象 3Dプリンターで作った人工血管、臨床研究へ 佐賀大学は11月12日、バイオ3Dプリンターを用いて作製した「細胞製人工血管」を世界で初めてヒトに移植する臨床研究を開始したと発表した。11月7日に再生医療等提供計画を厚生労働省に提出しており、順調に行けば来春にも1例目の移植を行う… 2019/11/18 先端医学
β遮断薬の心筋細胞数増加作用が心不全を予防 成人先天性心疾患・心筋梗塞後心不全を予防する新たなメカニズムを検証 先天性心疾患の出生率は概ね100出産に1件と古今東西変わりませんが、医療の進歩により新生児生存率が飛躍的に改善したため、成人先天性心疾患患者は急増しています。成人先天性心疾患患者は、心不全の発症率、死亡率とも、先天性心疾患を持たない人に比べて有意に高くなっています。これまでは、… 2019/11/14 循環器
平成30年度医療産業イノベーションフォーラム講演より 加速するデジタルヘルス IBMの基礎研究所は、世界に12カ所あります。その本部は、JFK空港から北に約1時間半のニューヨークの郊外、ヨークタウン・ハイツという町にあるTJワトソン研究所です。ワトソンはIBMの創始者の名前です。全体で約3000名の基礎研究員がいます。研究者の専門分野は、コンピュータ・サイエンス、電子… 2019/11/06 先端医学
トレンド◎日本の研究グループでは初、ゲノム解析手法で明らかに 新たなヒト血液型「KANNO」を発見 今年8月、国立国際医療研究センター、日本赤十字社、福島県立医科大学が報告した新しい血液型「KANNO」が国際輸血学会によって37種類目の新たな血液型だと認定された。 2019/10/15 先端医学
弘前COI、健診で糖尿病の1年後の発症を予測するモデルを構築 20種類の検査項目を用いることで、1年後の糖尿病の発症を8割以上の正答率で予測するモデルができつつある――。東京ビッグサイトで開催されている「クロスヘルスEXPO 2019」(主催:日経BP、10月9日から11日)のセミナー「人生100年時代の未来型ヘルスケアサービスの追求」で、弘前大学COI研究推… 2019/10/11 先端医学
令和の今、PCR装置を開発するコニカミノルタのBICな心意気 ウンチを引っかいて15分後には腸内細菌を解析できちゃうイノベーション イノベーションを起こすには高い技術が必要か──その答えは「YES」であり、「NO」であろう。東京ビッグサイトで開催されている「クロスヘルスEXPO2019」(主催:日経BP、10月9日から11日)の会場で、そんなことを考えさせられる製品を目の当たりにした。コニカミノルタが大便サンプルから直接、腸… 2019/10/10 医療機器
学会トピック◎第28回日本組織適合性学会大会 免疫抑制薬を使わず移植臓器予後の改善を目指す T・B細胞の抑制と骨髄移植の組み合わせでドラッグフリーを狙う 近年、免疫抑制薬の進歩によって臓器移植の成績が向上しているが、移植臓器が拒絶されないように免疫抑制薬を生涯服薬し続ける必要がある。最近、国内外で免疫抑制薬を中止するための治療レジメンの検討が進んでおり、海外では腎移植後に免疫抑制薬を中止できているケースが報告されるようになっ… 2019/10/02 腎・泌尿器
疾患iPS細胞を用いた拡張型心筋症の創薬研究 iPS細胞は2007年に山中伸弥氏により開発され、翌年の2008年には、直ちに内閣府からiPS細胞医療応用のロードマップが発表されました。これは大きく分けて(1)薬物の毒性、効果評価系(2)疾患iPS細胞と創薬(3)細胞移植治療の3つの柱からなり、(1)→(2)→(3)の順番で実現するだろうとの予… 2019/09/30 循環器
【新薬】パチシラン(オンパットロ) TTR型FAPを治療する国内初のRNA干渉治療薬 2019年6月18日、トランスサイレチン型アミロイドーシス治療薬パチシランナトリウム(商品名オンパットロ点滴静注2mg/mL)の製造販売が承認された。適応は「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」、用法用量は「成人、3週に1回0.3mg/kg、体重104kg以上では3週に1回31.2mgを点… 2019/08/30 医薬品
トレンド◎⽇本の技術集積で進化する「ゲノムの外科治療」 ゲノム編集で遺伝性疾患の根治的治療が視野に 遺伝性疾患において、標的遺伝子を改変することで根治を目指す「ゲノム編集治療」が注目されている。この分野の第一人者である自治医科大学先端医療技術開発センター長の花園豊氏は、「早老症やハンチントン病だけでなく、筋ジストロフィーさえも根治的治療が実現できるかもしれない」とみる。その… 2019/08/20 先端医学
Circulation誌から 長期宇宙飛行は帰還直後の自由行動下起立耐性に影響を及ぼさない 長時間の自由行動下モニタリングを実施した初の研究 長期宇宙飛行の前、最中、帰還後の24時間自由行動下連続血圧を計測したところ、血圧の変動および分布は微小重力環境からほとんど影響を受けておらず、帰還直後に飛行前の状態に戻るため、起立不耐性を生じないことが米国、カナダの大学研究者とNASAが共同で実施した統合的心血管実験(ICV)により… 2019/08/13 循環器
リポート◎国際共同フェーズ3臨床試験がスタート、日本でも患者登録中 楽天も出資する注目の「光免疫療法」の実力は? 癌特異抗体と近赤外線に反応する色素を組み合わせた近赤外線免疫療法が注目されている。再発頭頸部扁平上皮癌患者を対象にフェーズ3国際臨床試験が始まっており、日本でも患者登録が開始された。「投与開始後、数日で効果がある」といわれる近赤外線免疫療法。その作用機序やこれまでに報告された… 2019/08/08 癌
医師4177人に聞いた「遺伝子パネル検査とゲノム医療」 パネル検査の保険収載で癌ゲノム医療は普及する? 2019年6月1日、癌に関連した複数の遺伝子変異を一度に検出できる「癌遺伝子パネル検査」が保険収載された。今回保険適用されたのは、シスメックスの「OncoGuide NCCオンコパネル」と中外製薬の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」の2種類。どちらも検査実施料は8000点、検査判断・説明… 2019/08/05 癌
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界:CAR-T細胞療法 強力な“サイボーグT細胞”療法、今後の課題は? 山口大学免疫学講座教授の玉田耕治氏に聞く 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/02 癌
心房細動再発を予測する期待のバイオマーカー アブレーション後に増加する傷害関連分子マーカー「S100B」 心房細動に対するアブレーション治療は既にスタンダードな治療法となっていますが、一定程度の再発が起こります。心房細動再発を予測する因子として、患者背景、アブレーションを行った心房細動の特性、左房径などの心臓の状態、アブレーションの手技、遺伝因子など様々な因子が提唱されています… 2019/07/11 循環器