TOPIC◎熊本・陣内病院の研究チームが解明 インスリンクリアランス亢進型の糖尿病とは 日本人2型糖尿病患者において、インスリンクリアランスが亢進している症例が存在し、それは未治療2型糖尿病患者の約44%に上ることが判明した。熊本県の陣内病院(陣内秀昭院長)の研究チームが前向き観察研究で明らかにし、このほどNEJM Evidence誌で論文を発表した。インスリンクリアランス亢進型… 2022/05/09 代謝・内分泌
NEWS◎カルディオインテリジェンスのSmartRobinが進化 心電図解析ソフトにAI搭載、期外収縮との判別も見やすく表示 カルディオインテリジェンス(東京・港区)は2022年4月26日、人工知能(AI)によって心電図データを自動解析し、心房細動を起こしている波形を検出するソフトウエア「SmartRobin AIシリーズ」のサービス提供を開始した。… 2022/04/26 循環器
Lancet誌から 培養細胞で筋ジスの進行を抑制できる可能性 Cardiosphere由来細胞の静注を繰り返し12カ月後まで追跡した臨床試験 米国California大学Davis校のCraig M McDonald氏らは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者に、cardiosphere由来細胞(CDCs)を調整した治療薬候補のCAP-1002を静注して、上肢の機能と心機能への影響を調べる第2相臨床試験HOPE-2を行い、1年後の機能低下を遅らせていたと報告した。結果はL… 2022/04/07 骨・関節・筋
トレンド◎臓器移植はさらに進歩する 機能低下を最小限に移植用心臓を長時間保存せよ 体外で臓器を修復してから移植に使う研究も進む 現在のところ、移植用の臓器をレシピエントに届けるまでは冷保存するのが一般的だ。しかし最近、体温と同じ37℃で、かつ一定の負荷を掛けることで心機能をできるだけ温存する、長時間保存可能な方法の開発が進んでいる。既に1つは米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、実地診療で使われ始めて… 2022/04/04 先端医学
NEWS◎上皮に生じた1つの前癌細胞を観察 前癌細胞が排除されるか腫瘍を形成するかの分かれ道は? 上皮に生じた前癌細胞が上皮から排除されるか、それとも周囲の細胞を巻き込み腫瘍を形成していくか。この癌の発生超初期における腫瘍形成の機序の一端が解明された。大阪大学微生物病研究所教授の石谷太氏らのグループの研究結果で、Nature Communications誌に2022年3月18日掲載された。… 2022/03/24 癌
心臓のマクロファージが突然死を予防する? マクロファージは炎症や線維化を起こし、心臓の病態発現に悪い影響をもたらすと考えられています。一方、心臓在住マクロファージが電気信号の伝導を促進するという、良い影響を与えることも知られています(関連記事:「心臓在住マクロファージ」の役割)。このほど、東京大学の藤生克仁氏、小室… 2022/03/03 循環器
JAMA誌から 肺移植を受けたCOVID-19患者30症例の報告 米国で肺移植を受けた患者の症例シリーズ研究で約1年後の生存率100% 米国Northwestern大学の栗原知多流氏らは、同大学医療センターで、COVID-19関連呼吸窮迫症候群(ARDS)により肺移植を受けた患者と、それ以外の疾患により肺移植を受けた患者の臨床特性や転帰を比較する症例シリーズ研究を行い、COVID-19関連肺移植患者の転帰は良好だったと報告した。結果は2022… 2022/02/22 感染症
心臓Naチャネルの活性化・不活性化メカニズムが明らかに 心臓のナトリウム(Na)チャネルは、1ミリ秒以内に活性化して活動電位を発生します。その後、2~3ミリ秒で不活性化し、次の活動電位発生の準備をします。この際、心臓Naチャネルは閉鎖状態→活性化状態(開口状態)→不活性化状態という状態変化を取ります。この状態変化のうち、閉鎖状態と不活性… 2022/01/19 循環器
EWS◎造血幹細胞からNK細胞を分化誘導して投与 肝細胞癌治癒切除後の再発予防を目指しNK細胞の臨床試験始まる 肝細胞癌では治癒切除を行っても、術後2年以内にしばしば肝内転移が起こり、生存率が低下することが知られている。この術後再発を減らすため、造血幹細胞由来のナチュラルキラー細胞(NK細胞)を作製し、患者に投与する第2種再生医療等技術を使った臨床試験が始まった。2021年12月27日、広島大学… 2021/12/28 消化器
緩和ケア発祥の地、英国に留学します 連載をお休みしている間に、ずいぶん冷え込むようになり、また世界情勢も随分と様変わりしました。皆さまはどんな年末をお過ごしでしょうか。私はこのたび、5年9カ月勤めた飯塚病院を退職し、留学することに決めました。ご報告も兼ねて、誤嚥性肺炎の医療的な側面と、医療では届かないところへの探… 2021/12/24 呼吸器
がんゲノムプロファイリング検査の今後は? 11月26日から28日に、横浜市とWEBとのハイブリッド形式で開催された第62回日本肺癌学会学術集会。遺伝子検査を行い、分子標的薬を投与するいわゆるプレシジョン・メディシンが最も進んでいるのが肺癌領域である。しかも直前に新たな標的遺伝子としてLTK融合遺伝子の発見が報告されたこともあって… 2021/12/22 癌
何が心臓の性差を生むのか 心臓の形態や機能、そして様々な心疾患の罹患率において、明らかな男女の違いが見られます。心疾患に罹患した場合の転帰は、男性に比べて女性の方が悪いことが知られています。そのメカニズムは主に性ホルモンの違いによると考えられています。先天性心疾患でも性差が見られます。例えば、心房中… 2021/12/20 循環器
NEJM誌から 血友病Aに対する遺伝子治療の第1/2相臨床試験 第VIII因子の発現が2年以上持続し、出血回数の減少を観察 米国Children's Hospital of PhiladelphiaのLindsey A. George氏らは、血友病A患者に対してアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターのSPK-8011を用いて、肝細胞に血液凝固第VIII因子のゲノムを挿入する遺伝子治療の第1/2相臨床試験を行い、参加した18人の患者のうち16人で第VIII因子の発現が見られ、治… 2021/12/17 血液内科
ゲノム編集「可食部増量マダイ」を食べてみた ゲノム編集による水産物の品種改良と養殖を手掛ける、リージョナルフィッシュ(京都市左京区、梅川忠典社長)が販売した「可食部増量マダイ」を試食した。2021年11月19日、日経バイオテク編集部に届いたものを編集部メンバーで実食。先行して入手した読者の方もいることと思うが、ご参考に、食リ… 2021/12/01 先端医学
シリーズ◎第6波のインパクトを占う4つの視点 第6波はどんなウイルス株が主役となるのか 既知の変異株のリバウンドも警戒 国立感染症研究所の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ゲノムサーベイランスによると、日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、流行の波ごとに主役のウイルス株が入れ替わっている。第4波はアルファ株が中心で、そのリバウンド(再燃)が起こりかけたすきをついてデルタ株が急拡大し第5波を… 2021/11/22 感染症
房室弁口で心臓弁はどのように形成されるのか? ずり応力によるCa2+シグナルが重要な役割 心血管系には、流体ずり応力(shear stress)と張力(stretching force)という2つのタイプの機械的力がはたらきます。機械的力は、「機械的シグナル変換経路(mechano-transduction)」と呼ばれる経路で心内皮細胞に伝えられ、心臓弁の形成に関与すると考えられていますが、その詳細な分子メカニ… 2021/11/22 循環器
日本人らしさが生かせる「再生医療」と「培養肉」の共通点 再生医療研究者が続々と培養肉開発に参戦、組織化が共通項 動物細胞を培養して作る「培養肉」の開発競争が、世界で激化している。国内外で多数の大学やスタートアップがしのぎを削り、一部外国では商用化もかなった。一見すると食品生産の分野だが、培養肉の研究者は再生医療の研究者でもあることが多い。特に日本では、細胞工学に基づく再生医療製品の開… 2021/11/15 先端医学
リポート◎インスリン投与量を自動で増減、「人工膵臓」の最前線【後編】 日本で開発進む究極の「貼るだけ人工膵臓」 持続的なインスリンの投与を「貼るだけ」で実現する新技術の開発が進んでいる。後編は、機械式のポンプに頼らないパッチ式のデバイスについて。生体材料を用いたコインサイズのパッチを腹部などに貼り付けることで、適切な量のインスリンを常時投与できる「貼るだけ人工膵臓」のプロトタイプが完… 2021/11/10 代謝・内分泌
JAMA Surgery誌から 蛍光イメージングは触知困難小型肺癌の術中同定に有用 触知困難小型肺癌の同定という難題に対して、新たな術中蛍光イメージング(IMI)が有用となる可能性が探索的研究で示された。IMIにより病変を同定でき、術中に設定したマージンは術後の病理診断結果とほぼ一致していた。この結果は、JAMA Surgery誌8月25日号オンライン版で報告された。… 2021/10/18 外科
不整脈源性心筋症での線維化はなぜ起こる? 不整脈源性心筋症(Arrhythmogenic Cardiomyopathy; ACM)は右室主体に病変が見られることから、従来は不整脈源性右室心筋症(Arrhythmogenic Right ventricular Cardiomyopathy; ARVC)と呼ばれていました。ところが、近年では左室にも病変が及ぶことから、ACMと呼ぶことも多いようです。 ACMで… 2021/10/14 循環器
結局、PMDAはNature誌に屈したのか? 英Nature誌がこれまでに何度か、日本の再生医療に関する制度を批判する記事を掲載してきたことは読者の方々もご存じでしょう。批判の内容はおおむね再生医療等製品の審査に関するもので、ランダム化比較試験(RCT)のデータが無いのに承認するのはどうなのか、といった点がやり玉に挙げられてきま… 2021/10/06 医薬品
《日経バイオテクより》 2021年のノーベル生理学・医学賞は「温度と接触の受容体の発見」 スウェーデンのKarolinska Institutetは2021年10月4日、2021年のノーベル生理学・医学賞を、David Julius氏とArdem Patapoutian氏に授与すると発表した。受賞理由は「温度と接触の受容体の発見」。 2021/10/05 先端医学
トレンド◎RNAの巻き方は自然免疫系の活性化制御に関わる なぜウイルスRNAだけが排除されるのか? RNAウイルスなど外来のRNAを感知し、自然免疫系を刺激する機序の一端がこのほど明らかになった。RNAの巻き方が自己と非自己のRNAを見分けるというもので、通常は右巻きとなる2本鎖RNAが一部左巻きになることで適切なRNAの編集が起こり、自己のRNAとして自然免疫系を惹起させないという仕組みだ。… 2021/10/01 感染症
《日経バイオテクより》 厚労省、新型コロナに2つ目の軽症・中等症向け中和抗体を特例承認 厚生労働省は2021年9月27日、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催し、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症を適応症として、グラクソ・スミスクラインの中和抗体である「ゼビュディ点滴静注液」(ソトロビマブ)の特例承認を了承した。それを受けて、厚労省は同日夜、「ゼビュディ… 2021/09/28 感染症
リポート◎「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」、年内にも保険適用へ 「やっと承認」された乳癌再発予測プログラム、どう使われる? 厚生労働省は2021年8月10日に乳癌の再発リスクを判定し、治療方針の決定を補助する多遺伝子検査「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」(以下、オンコタイプDX)を承認した。早ければ12月に保険収載される予定で、これまで自由診療下で行われてきた検査の普及が一気に加速することが予想さ… 2021/09/21 癌
何が心臓での交感神経・副交感神経の優位性を決めるのか 心臓に内在する神経叢(心臓神経叢)は、求心性神経(狭心症時に胸痛を感じる知覚神経など)・交感神経・副交感神経からなり、「little brainを形成する」と表現されます。心臓神経叢の研究は、心臓神経叢刺激による血圧や脈拍数への影響など、主に生理学的に行われています。一方、これら3種類の… 2021/09/17 循環器
Ann Surg誌から ドローンによる移植臓器輸送、展望と課題は? 摘出された臓器を最大限に活用するとともに、航空機事故などのリスクを最小限に抑えるため、米メリーランド大学の研究者らは、移植臓器輸送におけるドローンの活用について検証した。ドローンによる初の移植臓器輸送研究の結果は、Ann Surg誌9月号に掲載された。 移植臓器の輸送方法は60年前から… 2021/09/16 外科
LIVE「診断エラー学を語ろう」第4回 9月25日(土)19時からウェビナーで開催します 千葉大学医学部附属病院総合診療科の鋪野紀好先生を講師にお招きして、日経メディカルLIVE「診断エラー学を語ろう」第4回を開催します。テーマは「エキスパートのための診断プロセス──個の力で診断エラーと対峙する」です。… 2021/09/07 救急医療・集中治療
リポート◎新製品が続々登場、「十分に便利」ではあるが… 大腸内視鏡AIの普及に必要なラストピース AI(人工知能)を活用した医療機器の中で、最も実用化が進んでいるといえるのが大腸内視鏡だ。2019年3月には、内視鏡画像診断支援ソフトウエアとして国内初の薬事承認を取得したEndoBRAINが発売。その後も検査やポリペクトミーの際に使える内視鏡AIが相次いで登場している。内視鏡AIを日常診療に… 2021/09/02 消化器
8月2~8日の「話題になった論文」 CRISPR-Cas9をアミロイドーシスの治療に応用する研究 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/08/17 先端医学
心臓周囲の脂肪細胞と心代謝疾患の関係は? 鍵はビタミンA(レチノール)系 脂肪組織の増大は心血管疾患の危険因子であり、両者の相互作用からもたらされる病態を「心代謝疾患(cardio-metabolic disorder)」と呼びます。白色脂肪、皮下脂肪、内臓脂肪の心代謝疾患における役割は徐々に明らかになっており、中でも内分泌組織としての脂肪の役割が重要視されています。… 2021/08/16 循環器
Interview◎東京医科大学教授の落谷孝広氏に聞く コロナ重症化を早期に予測するCOPB2とは リキッドバイオプシーという新たな手法による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の研究が成果を挙げている。東京医科大学医学総合研究所の落谷孝弘氏らの研究グループは、この手法を用いてCOVID-19患者の重症度を早期に予測するバイオマーカーを同定。生体の抗ウイルス応答に関連するエクソソー… 2021/08/12 感染症
コロナワクチンとゲノム編集から考える「分かりやすい科学の伝え方」 2021年7月23日に「東京オリンピック2020」の開会式が開かれましたが、東京における新型コロナウイルスの新規感染者数は連日1000人を超えています。 高齢者の新規感染者数や重症者数が増えていないのが救いで、やはりワクチン普及の効果は大きいことが日本でも認められているということですね。医療… 2021/08/02 先端医学
NEWS◎絹蛋白質と皮膚蛋白質のハイブリッド蛋白質であるシルクエラスチン 難治性の創傷を治療する再生誘導材の開発進む 糖尿病性足潰瘍などの慢性創傷に対し、絹蛋白質であるフィブロインと真皮を構成するエラスチンを組み合わせた人工ハイブリッド蛋白質シルクエラスチンを使った新たな再生誘導治療の開発が進んでいる。京都大学感覚運動系外科学講座形成外科学教授の森本尚樹氏と三洋化成工業のグループはシルクエ… 2021/07/13 皮膚科
2021年7月9日号 心不全に真っ向勝負! 弱った心筋がよみがえる 心筋の収縮力低下という心不全の本質的な病態を改善できる未来が見えてきた。心筋ミオシン活性化薬、再生心筋球移植、心筋直接リプログラミング─。これら心筋をターゲットとした新しい治療が、「心不全パンデミック」を打破する武器として次々と登場しようとしている。… 2021/07/10 循環器
洞調律獲得のカギは細胞接着の減少! 洞結節の細胞数は、作業心筋に比べるとはるかに少ないのですが、少数の細胞からなる洞結節で産生された電気的シグナルが、多数の細胞からなる心臓全体をいかにして興奮させるのかはよく分かっていません。この疑問は「source-sink mismatch」と呼ばれています。 また、洞結節細胞に隣接する心房… 2021/07/09 循環器
トレンド◎名古屋大学が見つけた間葉系幹細胞のマーカー 線維芽細胞に発現するメフリンは臓器の線維化や癌の進行に関わる 特発性肺線維症や心臓線維化の背景にある分子の役割とは? 間葉系幹細胞(MSC)の新しいマーカーとして同定された分子であるメフリンの、疾患における役割が次々と明らかになってきている。癌の進行制御とともに臓器の線維化抑制に関わることが示され、線維芽細胞の中でもメフリンが発現している細胞の発見が新しい治療法の開発に貢献しそうだ。… 2021/06/23 呼吸器
ミトコンドリア障害が炎症反応を引き起こす機序 「ミトコンドリア→核」逆行性情報伝達の役割 ミトコンドリアの機能障害は炎症反応を引き起こし、これが心不全、心房細動、糖尿病などの心代謝疾患の病態に関係することが知られています。そのメカニズムとして酸化ストレスの関与が示唆されていますが、詳細は明らかになっていないのが現状です。 ミトコンドリアには約1500個の蛋白質があり… 2021/06/21 循環器
NEWS◎大阪大が開発、ウイルスを電気的に検出する迅速検査「ナノポア法」 AIが唾液検体の新型コロナウイルスを5分で検出 大阪大学のグループは、唾液検体中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を約5分で検出できる新たな検査法「ナノポア法」を開発した。検体中のウイルスが半導体チップのナノポア(貫通孔)を通過する際の電流変化を、人工知能(AI)で解析することで電気的にウイルスを検出する。2021年6月17日にオ… 2021/06/21 感染症
nature medicine誌から 遺伝子治療で網膜色素変性症患者の視覚を改善 オプトジェネティクスと光刺激ゴーグルにより目前の物体を認識可能に オプトジェネティクスに基づいて、網膜ガングリオン細胞にチャネルロドプシン蛋白質を発現させ、ゴーグルが捉えた目の前の風景を光刺激により網膜色素変性症患者の網膜に投影したところ、失明状態の患者が、テーブルの上にある物体の位置を認識し、数を数えて、手で触れることができるようになっ… 2021/06/21 眼科
NEWS◎日本ではHeartseedが開発し、ノボ ノルディスクと共同で販売へ Heartseed、デンマークNovo社へ他家iPS細胞由来心筋球を導出 Heartseed(東京・新宿、福田恵一社長)は、2021年6月1日、同社が重症心不全を対象に開発している他家iPS細胞由来心筋球(開発番号:HS-001)の全世界での開発・製造・販売について、デンマークNovo Nordisk社と独占的技術提携・ライセンス契約を締結したと発表した。契約一時金、マイルストーン… 2021/06/03 循環器
スマートトイレで精神疾患や肝疾患を診断!? 私は最近、「管の人」となっている。消化器担当記者として、消化器関連のネタを多く扱っているのだが、特に消化管にまつわるトピックスがよく舞い込んでくるのだ。その中でもホットなのが、腸内細菌叢。腸はもちろんのこと、胃にも腎にも肝臓にも、そして脳にまで腸内細菌叢が影響を及ぼす可能性… 2021/06/02 消化器
トレンド◎ニューロフィードバック法の開発進む うつ病や慢性疼痛はMRIの中に入るだけで治療できる うつ病や慢性疼痛に対する新しい治療として、ニューロフィードバック法を応用する開発が進んできた。患者はMRIに寝転んで機能的MRI(functional MRI:fMRI)を測定するだけでよく、脳回路を測定し、望ましい脳活動をしたときに報酬を与えることで脳に学習させる方法だ。ニューロフィードバック法は… 2021/04/16 精神・神経
アンチエイジング食がHFpEFを予防する? ビタミン薬ニコチンアミド(NAM)による心不全予防効果 高齢化の進展とともに、左室駆出率(Ejection Fraction; EF)が正常であるにもかかわらず心不全となる「HFpEF(Heart Failure with preserved EF)」が大きな課題となっています。我が国では、60歳以上の人の20%強がHFpEFだとされています。実臨床ではEFが低下したHFrEF(Heart Failure with red… 2021/04/15 循環器
トレンド◎新型コロナウイルス感染症治療薬の開発の現状は? 国産のCOVID-19治療用核酸医薬の吸入剤、来年臨床試験へ いまだ広がり続ける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。ただし、医療者からワクチン接種が始まるとともに、治療薬についても既存薬の転用で抗ウイルス薬レムデシビルやデキサメタゾンが承認されたが、依然として治療薬の必要性が叫ばれている。そこで海外では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-… 2021/04/12 感染症
リポート◎期待高まる糞便移植、多施設共同研究始まる 糞便移植は再発性CDIに対する最強の治療か? Clostridioides difficile感染症(CDI)に対する一般的な治療は抗菌薬投与だが、再発率が高いのが課題とされている。再発を抑えるために欧米などで行われているのが糞便微生物叢移植(FMT)。海外のガイドラインの中には、複数回のCDI再発例で適切な抗菌薬治療が有効でなかった場合にFMTを強く推… 2021/04/06 消化器
PNAS誌から COVID-19のICU入院リスク減少に関連するハプロタイプが見つかる 解析進むCOVID-19とネアンデルタール人由来の遺伝子の関係 ドイツMax Planck研究所のHugo Zeberg氏らは、現代のヒトに受け継がれているネアンデルタール人由来のハプロタイプが、COVID-19の重症化に関連することを昨年に発表したが、さらにネアンデルタール人由来のハプロタイプで、COVID-19患者のICU入院リスク減少に関係する遺伝子も見つかったと報告し… 2021/04/02 感染症
NEWS◎世界で初めてヒト胃からのヘリコバクター・スイス培養に成功 今後注意すべきはピロリ菌よりハイルマニイ? ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)陰性例における胃疾患の診断・治療法の開発が、今後飛躍的に促進されるかもしれない。世界で初めてヒト胃からのヘリコバクター・スイス培養が実現されるとともに、ヘリコバクター・スイス(Helicobacter suis)がヒト胃における病原細菌であることが証明… 2021/03/26 消化器
トレンド◎ミトコンドリア異常を標的とした治療開発に期待高まる “ミトコンドリア機能改善薬” は糖尿病性腎臓病を改善するか ミトコンドリアは、神経、筋、心臓、肝臓、腎臓の細胞ほか、視覚や聴覚に関わる細胞などが正常に機能するためにATP産生などを介して重要な役割を果たしている。近年、ミトコンドリアの機能異常が様々な疾患の発症要因になっていると考えられるようになり、研究が盛んになってきた。東北大学腎高血圧… 2021/03/16 腎・泌尿器
ゲノム編集で育種した健康トマトがこの春に登場 SDGsやカーボンゼロに向けて不可欠の技術革新 3月11日で東日本大震災から10年が経過しましたが、コロナ禍は続いています。医療関係者への新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。米Pfizer社のワクチンを、1瓶当たり7回接種できる注射器の日本国内生産が3月中にも始まるようですね。首都圏の1都3県の緊急事態宣言は、2週間延長になり… 2021/03/15 サプリ・食品
学会トピック◎第17回日本消化管学会総会学術集会 大腸カプセル内視鏡画像から腫瘍性病変を自動検出するAIモデルを開発 人工知能(AI)を活用することで、大腸カプセル内視鏡の普及・発展や読影医の負担軽減につながるかもしれない──。2月19日から21日にかけてオンラインで開催されたGI Week2021で、東京大学医学部附属病院消化器内科の山田篤生氏は、パネルディスカッション「大腸カプセル内視鏡の普及に向けた工… 2021/02/24 消化器
NEWS◎新たに明らかとなった膵腸連関 大腸炎改善のカギを握るのは膵臓の膜蛋白質? 千葉大学大学院医学研究院イノベーション医学研究領域准教授の倉島洋介氏、東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門特任教授の清野宏氏らの研究結果。同グループは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)や2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使った薬剤誘発性大腸炎モデルを用いた研究により… 2021/02/19 消化器
NEWS◎治療が奏功した患者の細菌叢・ウイルス叢を検討 C.difficile関連腸炎に糞便移植が効くメカニズムが明らかに 再発性Clostridioides difficile(CD)関連腸炎患者に対する糞便移植前後の腸内細菌・ウイルス叢の変化を解析した結果から、CD関連腸炎の病態が改善する機序が明らかにされた。糞便移植は腸内細菌叢をドナーの細菌叢に近づける働きを持つとともに、腸内細菌叢の代謝機能を改善し、それが再発性CD… 2021/02/15 消化器
NEJM誌から シタグリプチンは急性GVHD予防に役立つか 同種幹細胞移植から100日後までのGVHD発症率を調べたフェーズ2試験 米国Indiana大学医学部のSherif S. Farag氏らは、白血病などの治療後に同種幹細胞移植を受ける患者に対して、シロリムスやタクロリムスと共にDPP-4阻害薬のシタグリプチンを投与するフェーズ2試験を行い、100日後までの急性移植片対宿主病(GVHD)の発症リスクを従来よりも低く抑えられそうだと報… 2021/02/09 癌
心筋細胞がストレスに耐えられる秘訣とは? ホメオスタシスを維持する「心筋細胞―マクロファージネットワーク」 体内では毎日、数十億の細胞が死んでいきます。マクロファージには免疫作用以外に、これらの死細胞を除去する作用があり、死滅した分の細胞を細胞分裂により補填することで組織のホメオスタシスが維持されます。 心臓にはマクロファージが豊富に存在しますが、新陳代謝がほとんどないため、細胞… 2021/02/04 循環器
たった1人の患者のために新薬を作る時代が来る 世界でたった1人にしか見つかっていない、超希少な遺伝子変異を持つ難病患者に、その患者にしか効果が期待できない医薬品を設計し、治療を行う──。そんな時代が来るかもしれない。 米食品医薬品局(FDA)は、2021年1月4日、「IND Submissions for Individualized Antisense Oligonucleotide Dr… 2021/02/03 先端医学
Gastroenterology誌から 糞便移植、実地診療でも高い有効性・安全性示す 1カ月後のCDI治癒率90%、6カ月以内の再発率4% 糞便移植(fecal microbiota transplantation:FMT)患者を登録している、北米のFMT National Registryのデータから、FMT実施後のクロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridioides difficile infection:CDI)の治癒率が約9割に上り、実地診療でもランダム化比較試験と同様にFMTの治癒率が… 2021/01/15 消化器
食事のアミノ酸代謝物が心血管イベントの因子に 腸内細菌と交感神経受容体が関与 「2型糖尿病が心血管イベントのリスク因子である」ことに異論がある人はいないでしょう。では、「血糖コントロールの改善は心血管イベントを減らす」という考え方に対してはどうでしょうか? 実は意外なことに、2型糖尿病患者における血糖コントロール状態(HbA1cなど)は心血管イベントと相関せず… 2021/01/07 循環器
リポート◎群馬県立心臓血管センターの挑戦 入院高齢心不全患者に「早期の筋トレ」が効く 回復期から外来、そして在宅へと、心臓リハビリテーションの活躍の場が広がる中、入院早期から心臓リハビリの一環としてレジスタンストレーニング(RT)を導入する動きがあります。群馬県立心臓血管センターは、入院した高齢心不全患者に対してRTを行うためのランダム化比較試験を実施。通常のリハ… 2020/12/24 骨・関節・筋