人生会議ポスター騒動に関する私のナラティヴ 厚生労働省が吉本興業に依頼して作成した「人生会議」のポスターについて、その内容が物議をかもし、即日厚生労働省がその配布を取りやめたことは、全国的なニュースにもなり皆さんも多く認識されていると思います。… 2019/12/03 ターミナルケア
知らないままで仏 私はこんなにも眼光の鋭いお婆さんをほかに知らない。花江さん(仮)は二つの目をはっきり開けて、ベッドの上からまっすぐに私を見上げていた。九十歳を過ぎて何年も経つのに、思考の緩みが一切感じられない人だった。… 2019/11/15 癌
死にゆく人に看護師ができること 日本での1日の死亡者数は、約3700人だそうです。何ものにも代え難い命が、毎日、こんなにも失われているという事実に驚かされます。誰かの死が、周りの人に与える影響は計り知れません。身内はもちろん、その人に関わるすべての人にとって「人の死」は大きな出来事なのです。… 2019/11/01 ターミナルケア
JAMA Network Open誌から 腎不全患者の終末期ケアの質を評価する研究 死亡前に透析を中止するか、ホスピスを利用すると遺族の評価が高い 米国退役軍人省のClaire A. Richards氏らは、維持透析を受けている慢性腎不全患者に対する終末期ケアを遺族がどう感じたかを調べる後ろ向きコホート研究を行い、死ぬ前に透析を中止した患者の遺族の方が終末期ケアの評価が良好で、透析を継続していた患者ではホスピスを利用した患者の遺族の方が… 2019/10/31 ターミナルケア
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part V エビデンスに基づいた「お看取り」を 「患者が大切な人に伝えたいことを伝えたか」に注力を まず症例を提示します。皆さんも、このような場面に遭遇したこがあるかもしれません。あなたが当直医であれば、どのような看取りを行い、家族にどのような態度で接するでしょうか。 2019/10/30 救急医療・集中治療
学会トピック◎第23回日本心不全学会学術集会 心不全緩和ケアトレーニングHEPTが学会公認に 日本心不全学会は10月4日までに、心不全緩和ケアトレーニングコースである「HEPT(HEart failure Palliative care Training program for comprehensive care provider)」(外部リンク)を、学会公認の緩和ケア推進委員会オフィシャルコースとして採択した。今後、学会としてHEPTの活動をサポート… 2019/10/07 循環器
学会トピック◎第47回日本救急医学会総会・学術集会 心肺停止で救急搬入、事前のDNAR確認は16.2% 心肺停止で救急外来に搬入される高齢患者のうち、事前のDNAR(心肺蘇生を希望しない意思)の提示が確認された割合は16.2%に過ぎないことが報告されました。 2019/10/07 救急医療・集中治療
おびえる母と「人生会議」はできるのか 私事だが、先日父が急性心筋梗塞を起こし、緊急入院となった。幸い救命に成功し、現在は社会復帰もした。ただ、今回は復帰できたが、いざというとき父や母はどう意思決定をしたいのか、家族内でこれまで話せてこなかった。今回の父の罹患をきっかけに、私は家族と「人生会議」を行うべく、決心を… 2019/09/30 ターミナルケア
ご家族と一緒に患者さんの死後の処置を行ってもいいの? こんにちは。内科病棟の看護師です。先日、病棟で患者さんが亡くなりました。死後の処置を行う時に、先輩看護師が「ご家族の方も一緒にされてみてはどうですか?」と声を掛けました。私は、死後の処置には料金を頂いているし、亡くなったばかりのご遺体に家族が触れるのは倫理的におかしいのではな… 2019/09/30 コメディカル
死亡診断書の「死亡場所」の整理に異議あり! 医療・介護の経営情報誌『日経ヘルスケア』編集部は今年7月、在宅医療の経営や運営のノウハウをまとめた書籍『在宅医療 経営・実践テキスト』を発行した。在宅医療の制度や診療報酬、診療枠に応じた収入の目安、診療体制、集患策や訪問看護・介護事業者との連携のポイントなどについて、(株)メデ… 2019/09/18 行政・制度
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(11)消化管閉塞 栄養補給の「ギアチェンジ」のタイミングは? 消化管閉塞は、消化管がんなどで将来的に起こる可能性が高い場合には、あらかじめステントを入れたり、バイパスや人工肛門(ストーマ)を作ったりするなど、終末期に困らないような対策を取っておくことが多くなっています。例を一つ挙げると、結腸の肝弯曲の辺りに将来詰まりそうな部位があり、回… 2019/09/18 ターミナルケア
私以外私じゃないの そもそも私が僻地医療に赴いたのは、「地域に在宅ホスピスを作りたい」という目標があったからだ。日々、慢性期外来や肺炎の診療などを忙しく行っているが、その一方でがん末期患者の紹介も少なくはない人数を受けて、在宅緩和ケア・看取りを行っている。… 2019/09/13 医師・患者関係
患者さんが心停止! どう対応したらよかった? 先日、退院を控えた患者さんがいました。21時のラウンドの時は何もなく入眠されていましたが、その後3時のラウンドの時に呼吸が無いことに気がつきました。先輩看護師に報告すると「心停止してる?何時から?」と聞かれましたが、気が動転して何もできませんでした。その後の対応は先輩看護師がして… 2019/09/11 コメディカル
【第25回】大西秀樹(埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター精神腫瘍科教授) 「遺族外来」でがん患者遺族の心の治療とケアを続ける がん患者の遺族を対象に国内初となる「遺族外来」を開設。以来、精神医学・心理学の知識と診療経験を生かして、がん患者とその家族のみならず、遺族の治療とケアにもずっと力を注いでいる。遺族を診ることが、自身の人生に「大きな収穫をもたらした」と言う大西氏。その深意を教えてもらった。… 2019/08/27 癌 医師・医学生限定コンテンツ
トレンド○重度アルツハイマー病への抗認知症薬使用アルゴリズムまとまる 寝たきり患者では抗認知症薬中止の検討を ただし食思不振や幻聴、幻覚などのBPSD再燃に要注意 今年3月、日本精神科病院協会(日精協)は、症状の著しく進行したアルツハイマー病に対する抗認知症薬の使用方法を示すアルゴリズムを取りまとめた。同アルゴリズムは、国内で初めて抗認知症薬の減量・中止の方法を示すもの。減量・中止時には、BPSD(認知症の行動・心理症状)の再燃を注意すべき… 2019/08/27 精神・神経
インタビュー◎看取りの最前線に立つ救急医にこそ緩和ケアの視点を 延命治療の回避に努めるのが医療者の役割 帝京大学高度救命救急センターの伊藤香氏に聞く 救急外来など、重症患者の診療にあたる医師は、思わしくない予後や治療の中止などの難しい会話を患者家族としなくてはならない。しかし日本の医師の多くは、そのために必要な訓練を受けておらず、そのことが無益な延命治療を継続する一因と考える、帝京大学の伊藤香氏。その考えを聞いた(文中敬… 2019/08/19 救急医療・集中治療
第20回 グリーフケアは病棟だけでは完結できない ヤスダさんは65歳の男性。若いころから凄腕の外科医として活躍し、45歳の時に、手術室の看護師だった15歳年下の妻を迎えた。その後、50歳で一人娘を授かり、自身は大学病院の外科部長として順風満帆な人生を送ってきた。しかし、60歳の時に大腸癌が見つかり、手術を受けたが、その3年後に再発。抗… 2019/08/02 ターミナルケア
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(10)腹水 「腹水は抜いてはいけない」とは限らない 腹水は、腹腔内に液体が過剰に貯留した状態を言います。腹腔内には通常、数十mLの腹水が常にあり、腸の蠕動時の潤滑油的な働きをしています。腹水は、腹膜から少しずつ出て再び腹膜から吸収され、通常は一定の量を保っています。何らかの原因で、そのバランスが崩れて腹水の量が増えていくと、腹腔… 2019/07/12 ターミナルケア
特集◎患者を癒す言葉、傷つける言葉《1》 患者の言葉を封じ込める「お変わりないですか」 わたクリニック船堀院長の行田泰明氏に聞く 53歳、在宅医療や緩和ケアに精力的に取り組むさなかに、自身の食道癌が判明――。1年弱の闘病生活を経て、現在は緩和ケア医として復職した行田泰明氏(わたクリニック船堀院長)。自身の癌患者経験や、それ以降患者に対して向き合う中で大事にしている「言葉」について聞いた(文中敬称略)。… 2019/06/25 医師・患者関係
白い巨塔、財前五郎の「これが死か」に抗議する 少し前の話題になりますが、2019年版ドラマ「白い巨塔」をご覧になった方、少なからずいらっしゃったでしょうか。私も現代版と謳われた「白い巨塔」がどのようになるか興味を持って見ていました。前々作、前作と異なるのは、現代における難治性の癌として膵臓癌が扱われたところ。医療訴訟に敗れた… 2019/06/20 癌
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《4》 透析開始直後に事前指示書に署名してもらうコツ 透析患者の終末期の事前指示書を10年以上運用している長崎腎病院に学ぶ 長崎市の中心部に位置する長崎腎病院――。九州で最も多くの透析患者を抱える透析専門の病院の壁に、1枚の張り紙が掲出された。それは公立福生病院(東京都福生市)の透析中止事案が新聞に報道されて間もない、3月11日のこと(写真1)。そこには理事長名で、「極度の状況でない限り、透析の中止… 2019/06/18 腎・泌尿器
行動経済学の視点から なぜ一度始めた生命維持治療はやめられないのか 大阪市総合医療センター緩和ケアセンター長の多田羅竜平氏に聞く 人工呼吸器や血液透析による生命維持治療について、導入の「差し控え」と、いったん開始した治療の「中止」との間には、どのような違いがあるのか。差し控えには寛容だが、中断には強い抵抗がある風潮は、なぜ生じるのか――。大阪市総合医療センター緩和ケアセンター長で、倫理コンサルテーション… 2019/06/17 医師・患者関係
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(9)悪心・嘔吐 使える制吐薬はドンペリドンだけじゃない 悪心・嘔吐が生じる原因には、さまざまなものがあります。がんにおける悪心・嘔吐では、薬剤(モルヒネ、抗がん剤など)の副作用によるもの、消化器系(消化管の機械的閉塞によるものを含む)が原因のもの、前庭神経性(内耳性)によるもの、代謝性のもの(水代謝、電解質代謝など)、頭蓋内腫瘍に… 2019/06/12 ターミナルケア
ニュース◎死因病名に「肺炎」ではなく「老衰」と記載する医師が増加か? 三大死因に「老衰」が初ランクイン 三大死因の1つに、初めて「老衰」が加わった。これは、厚生労働省が、6月7日に発表した、2018年の人口動態統計月報年計(概数)の結果。2018年の統計では、死因の1位、2位は、これまで同様、悪性新生物(腫瘍)、心疾患(高血圧性を除く)だったが、「肺炎」の減少に伴って2017年に3位となった「… 2019/06/10 ターミナルケア
向精神薬減量で認知症患者の意思確認が可能に 国立長寿医療センターEOLケアチームが実践する「生活視点」の処方調整 2019年5月、名古屋市で開催された第3回日本老年薬学会学術大会で、国立長寿医療研究センターのEnd-Of-Life(EOL)ケアチームの活動が紹介された。癌や非癌疾患による身体的・精神的苦痛の緩和のほか、認知機能低下などにより自らの意思を表出するのが難しい患者に対する意思決定支援などに多職種で… 2019/06/05 コメディカル
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(8)食欲不振 がん終末期では体が欲する食事量を尊重すべし 人生の大半はきちんと食事を摂るのが普通ですから、食欲不振は異常な出来事と捉えられ、家族の気持ちに大きな影響を与えます。「食べないから元気になれない」とか「少しでも多く食べれば、それだけ元気になれる」「食べないと死んでしまう」と考える家族は多く、「もう少し食べたら?」と患者さん… 2019/04/15 ターミナルケア
ナルベイン注、在宅癌患者への使用が可能に 中医協で「在宅悪性腫瘍等患者指導管理料」の対象薬剤に追加 厚生労働省は2019年4月10日、癌疼痛治療用注射剤であるヒドロモルフォン塩酸塩(商品名ナルベイン)について、「在宅悪性腫瘍等患者指導管理料」および「在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料」の対象薬剤として追加することを、中央社会保険医療協議会総会に提案し、了承された。… 2019/04/12 コメディカル
短期間に3度のACPを行ったあるご夫婦の事例に学ぶ 意思決定を何度でも支援する米国のEOLケア アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、事前指示書(アドバンスディレクティブ、AD)を作ってしまえば完了、というわけではありません。また、ホスピスケアを受けているからACPは必要ないということもありません。事前指示書はあくまでも本人の意思決定が不可能な場合に有効なのであって、そ… 2019/04/02 ターミナルケア
リポート◎「在宅コンフォートセット」の必要性と課題 普及なるか、患者の痛みを和らげる「置き薬」 苦痛を和らげるための薬のセットである「在宅コンフォートセット」が、在宅医療で注目されている。患者宅に備えておく緊急用の「置き薬」で、特に終末期では重要な役割を担う。その実際と課題を追った。… 2019/03/28 在宅医療
「透析中止事件」で見えてきた法的な論点 東京都福生市の公立福生病院で2018年8月、44歳の女性患者の血液透析を中止したことで約1週間後、患者が死亡した事件に関する報道が続いている。報道ベースではあるが、事実関係が次のように整理されつつある。… 2019/03/25 腎・泌尿器
「ACP取りました!」「グッジョブ!」とならないために 最近、日本では”人生100年時代”の到来に向け、人生設計の見直しが話題になっているようです。個人的には、現在の高齢者が育った時代にはなかった食品添加物、遺伝子組み換えや環境汚染、電磁波、放射線、ストレス等々にさらされているジェネレーションが、そんなに長生きできるのかな? とも思う… 2019/03/21 ターミナルケア
バチカン生命アカデミーのメンバーになって知った欧州式の生命倫理とは 終末期、患者に選択肢を提示するのはタブー 日本赤十字社医療センター救急科の山下智幸氏に聞く かつてガリレオ・ガリレイもメンバーだったというローマ教皇が主宰する科学アカデミー。その後、生命科学の発展と共に新たに設置された「バチカン生命アカデミー」のメンバーとして、日本赤十字社医療センター救急科の山下智幸氏が2017年10月に選出された。「バチカン生命アカデミー」とは何か、… 2019/03/20 救急医療・集中治療
インタビュー◎透析中止で刑事責任を問われますか 自己決定による治療中止に警察は介入しない 武蔵野大学法学部法律学科特任教授の樋口範雄氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で行われた「維持血液透析中止」をめぐる報道が続いている。事実関係は未解明だが、治療の中止が遠くない死を意味する人工透析などでは、治療の差し控えや中止が自殺幇助などの罪に問われないかと危惧する医療者もいることだろう。医療行為と刑事責任について詳しい… 2019/03/18 ターミナルケア
インタビュー◎透析終了は医療倫理に反することですか 「透析しない選択肢」も意思決定支援に必要 東京大学大学院人文社会系研究科上廣死生学・応用倫理講座特任教授の会田薫子氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で行われた「維持血液透析中止」をめぐる報道が続いている。事実関係は未解明だが、この一連の動きの中で、透析療法を行わない選択肢および一旦開始した透析療法を終了する選択肢を患者に提示することは倫理に反するかのような報道もみられる。透析療法を行わない選… 2019/03/12 腎・泌尿器
患者には選ぶ権利がある、今こそ再確認を 人工血液透析の中止や非導入を“事件”ととらえた一般紙の報道が続いている。まるで、透析をしない選択肢を提示したことが“悪”であるかのような論調も散見される。その理由は、日本透析学会のガイドラインを逸脱するから、というのが論理展開だ。 逆を考えてみる。医療者がガイドライン通りの… 2019/03/11 ターミナルケア
「透析中止で死亡」報道を受け、学会が調査に 毎日新聞は、3月7日、公立福生病院(東京都福生市)で「腎臓病患者の女性(当時44歳)に対して人工透析治療をやめる選択肢を示し、透析治療中止を選んだ女性が1週間後に死亡した」と報じた。この報道を受け日本透析医学会は、同日、調査委員会を立ち上げ、今後、病院への立ち入り調査を含めて、本… 2019/03/08 ターミナルケア
リポート◎心不全緩和ケアの第一歩は「真意を探索する対話」から 心不全患者の意思決定支援に「プチACP」を 「やっぱり味噌汁はダメですか?」。心不全増悪で入院歴のある患者が尋ねた。食事指導に注力してきた主治医は「ダメです」と即答した……。飯塚病院緩和ケア科の柏木秀行氏は「こんな時こそ、プチACPを」と語る。… 2019/02/28 循環器
「病院 VS 在宅」の争いはやめませんか 2019年もあっという間に2カ月近くが過ぎ、春がすぐそこまで来ています。さて、1年ぶりに「二刀流の緩和ケア医」が復活します。このコラムでは、病院と在宅の両方で切れ目なく患者に関わる緩和ケア医が、理想論ではなく現実社会における緩和ケアや在宅医療の問題点を論じてきました。連載再開の1回… 2019/02/27 在宅医療
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(7)食欲不振 悪液質症候群になったら栄養と補液をどうする? がんがあって食欲が減少している場合には「悪液質症候群」が関与していることが少なくありません。悪液質症候群とは食欲不振、体重減少、筋肉量の減少を主たる症状とし、疲労感、倦怠感、早期満腹感を伴う症候群です。別の基準では、「筋力低下」「疲労感」「食欲不振」「除脂肪体重の減少」「血… 2019/02/20 ターミナルケア
リポート◎鎮静に新たな概念を導入 終末期癌患者の鎮静に8年ぶりの手引き 可能な限り意識レベルを保ちつつ苦痛緩和を目指す 終末期癌患者に対する苦痛緩和のための鎮静ガイドラインが「2018年版手引き」として8年ぶりに改訂された。終末期の鎮静の位置付けを明確にするため定義を変更。分類も変えて、患者の意識の低下を目的としない「調節型鎮静」を導入した。「手引き」で最も重視しているのは、患者の苦痛緩和に鎮静を… 2019/02/12 ターミナルケア
死亡確認の後、家族に何と声を掛けますか? 「心音、呼吸音の停止、瞳孔の拡大、対光反射の消失を確認しました。これをもちまして、死亡確認とさせていただきます。死亡時刻は○時○分です」。そう言って、主治医と僕は深々と頭を下げました。 長く頭を下げ、家族が少し落ち着いたころ、主治医は患者のこれまでの経過を説明しました。事実… 2019/02/05 医師のキャリア 医師・医学生限定コンテンツ
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III ROSCしました! けどその後どうしますか? 日本救急医学会の中でもエンドオブライフのセッションが設けられるなど、救急集中治療分野においても緩和ケアの重要性が注目されてきている。救急の現場は死と隣り合わせであり、救急医が緩和ケアに精通することは患者のためにもとても素晴らしいことだ。ここでは、心肺停止患者が心拍再開(Retur… 2019/01/31 救急医療・集中治療
「医師に口出ししてよいのか」ケアマネの苦悩 在宅医療を担当する医師と急性期病院の医師とでは、治療に対する考え方や判断が違うため、どう対応すればよいのか分からない――。両者の板挟みになり、悩んでいるケアマネジャーは少なくありません。今回は、現場でよくある悩ましいケースを紹介させていただきます。… 2019/01/30 皮膚科
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「老衰」って何だろう? 筆者の専門は緩和ケアだが、現在は56床の町立病院で地域医療に従事している。当院では超急性期疾患の対応はほとんどなく、お看取りする患者さんは老衰、認知症終末期、誤嚥性肺炎などが大半である。本項では、特に老衰や認知症終末期に関して、地方の小病院で筆者が大切にしていることを述べたい… 2019/01/18 精神・神経
棺桶に入るまでにやりたいことリスト (前編) 「『最高の人生の見つけ方』という映画を知っていますか。先生に是非その映画を見てほしい。そうしたらきっと僕の気持ちを、分かってもらえるんじゃないかなあ」 2019/01/18 癌
人生会議、いつ誰とどこで何をどう話すの? 厚生労働省は昨年11月、自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組みであるACPの愛称を『人生会議』に決定しました。また、11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」とし、人生の最終段階における医療・ケ… 2019/01/15 プライマリケア
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(6)呼吸困難 意識状態を保ちつつ呼吸困難を和らげる難しさ 前回説明したステップ1で楽にならないようであれば、ステップ2に進みます。ステップ2 ではモルヒネを痛みに対する処方と同じように、例えば硫酸モルヒネ徐放剤(商品名MSコンチン他)を20mg/日を朝晩に分けて服用するといったように、定期投与します。痛みと同様に、1日量の6分の1量を目安にレス… 2019/01/14 ターミナルケア
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「この治療は意味があるのかな?」と思ったら 病院総合医はどのように治療中断を考えるか 今年11月23日、福岡県の飯塚病院で若手医師を対象とした第3回救急×緩和ケアセミナーを開催されました。21世紀に真に求められている高齢者急性期医療とは何か、を考えるために実施しているものです。第3回のテーマは「高齢者の救急を考える」。救急医、精神科医、総合内科医、看護師がそれぞれの立… 2018/12/18 救急医療・集中治療
誤嚥性肺炎の「退院」って何だろう? 「退院がゴール」ではないことを忘れないで 「誤嚥性肺炎の患者さんは、どうなれば帰れるんですか」。患者さんを一緒に担当してくれている看護学生さんに先日、こう聞かれました。透き通ったその眼差しに、しばらく答えが出ませんでした。 2018/12/14 呼吸器
2019年1月下旬から5万部を配布 横浜市が事前指示書「もしも手帳」を作ったワケ 横浜市医師会常任理事の赤羽重樹氏に聞く 横浜市は、市医師会の協力の下、このたび「もしも手帳」という事前指示書を作成した。2019年1月下旬から5万部を市民に配布開始する計画だ。市民に、人生の最終段階における医療・ケアを考えるきっかけとしてもらうことが目的だ。この手帳を作成した経緯や手帳の内容について、横浜市医師会常任理… 2018/12/13 老年医学・介護
「目指すべき老衰」を阻むつらい訴えに対応する(5)呼吸困難 「呼吸困難」と「呼吸不全」は切り分けて対応を 呼吸困難の原因はさまざまです。がんによって肺の機能が障害されている場合には、高頻度で呼吸困難が生じます。COPD(慢性閉塞性肺疾患)など、以前から肺の疾患がある場合には、肺にがんがなくても呼吸困難の訴えは当然出てきます。また、特に肺に異常がなくても、がんが進行して体力が落ちてきた… 2018/12/07 ターミナルケア
ACPの愛称は「人生会議」に決定 厚労省の選定委員会が現役看護師の案を採用 厚生労働省は2018年11月30日、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称に関する発表会を開催。選定委員会の総意として「人生会議」を選定したと発表した。併せて11月30日を「いいみとり」「いいみとられ」の語呂にちなんで人生会議の日と定めた。… 2018/12/04 ターミナルケア
シーズン2 第2話 もう、いんじゃね? タクシーが停まると、小西平先生は座ったまま、「ここだ」と顎で指した。「運転手さん、ここでしばらく待機してくれ」 今にも崩れ落ちそうな鉄筋のアパート。側面と正面に耐震補強の梁が申し訳程度に付けられている。あたし達は外に出て、入り口の方へ向かう。「4階の402。アイ先生は先に上って… 2018/11/13 医師のキャリア
本人に代わって意思決定できるのは誰? 前回までのコラムでも、意思決定能力の低下について扱いました。認知症により、本人の意思決定能力が低下し、自分ではしっかりとした判断が難しくなったHさんの事例、慢性呼吸器疾患によりCO2ナルコーシスを生じ、一時的に意思決定が難しくなったAさんの事例を取り上げました。… 2018/11/12 精神・神経
リポート◎在宅高齢者の心停止に蘇生措置しないという選択 院外での心停止、全例にCPRは必要ですか? 救急搬送における高齢者の占める割合が増加している。国内で搬送される心停止例は年間約12万3000人に上るが、蘇生の可能性がほとんどなく死亡診断のために搬送される高齢者は多い。ある一定の条件を満たせば、「蘇生措置しない」「救急搬送しない」ことについて議論が進んでいる。… 2018/11/09 救急医療・集中治療
インタビュー◎近藤和子さん(マザーリング&ライフマネジメント研究所所長、看護師) 「看取りのドゥーラは、終末期医療に必要な“寄り添いの支援”を行う新しい専門職です」 人生の最期に、誰か1人でも自分を理解してそばにいてくれる味方がいたら、どんなに心強いだろう──。1990年代以降、妊娠・出産・育児の時期にある女性に寄り添う「出産ドゥーラ」(産後ドゥーラ)は、安産や母乳育児成功の鍵を握る新しい非医療職として、欧米を中心に広がってきた。近年、アメリカ… 2018/11/09 コメディカル