トレンド◎CKD診療の最新動向 D-セリンで慢性腎臓病の原因疾患を鑑別 慢性腎臓病(CKD)は何らかの原因疾患によって腎障害が引き起こされた病態を指す。原因疾患には、IgA腎症、微小変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、糖尿病性腎症、腎高血圧症、ループス腎炎などがあるが、これまで原因疾患を鑑別するには腎生検を行うしかなかった。 今回、医薬基盤・健康・栄養… 2021/04/14 腎・泌尿器
トレンド◎ミトコンドリア異常を標的とした治療開発に期待高まる “ミトコンドリア機能改善薬” は糖尿病性腎臓病を改善するか ミトコンドリアは、神経、筋、心臓、肝臓、腎臓の細胞ほか、視覚や聴覚に関わる細胞などが正常に機能するためにATP産生などを介して重要な役割を果たしている。近年、ミトコンドリアの機能異常が様々な疾患の発症要因になっていると考えられるようになり、研究が盛んになってきた。東北大学腎高血圧… 2021/03/16 腎・泌尿器
CTの造影剤を安全に使おう【各論その3】 造影剤腎症update:造影CTはリスクなのか? 造影剤腎症とはヨード造影剤によって引き起こされる急性腎障害のことです。多くの場合は1週間程度で回復する可逆的な腎機能障害ですが、ときとして不可逆的な腎機能障害に至ることがあり、造影CTを実施する際は造影剤腎症の発症に注意する必要があります。また、造影剤腎症は患者さんの生命予後やQO… 2021/03/04 放射線科
高リン血症治療薬◇第2回調査 カルタン首位陥落、ホスレノールがトップに 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、高リン血症治療薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、27.2%の医師が炭酸ランタン水和物(商品名:ホスレノール他)と回答した。 第2位のクエン酸第二鉄水和物(リオナ)は22.3%、第3位の沈降炭酸カルシウム(カルタン他)は21.7%の医師が… 2021/02/27 腎・泌尿器
関節痛? Onsetを洗え! 1年目初期研修医と指導医の2人が、その日に出会った患者さんを通じて、明日からの診断力アップにつながる診断のポイントを対話形式で紹介していきます。今回は、手指関節の腫脹や痛みを訴える58歳男性のケースです。… 2021/02/24 骨・関節・筋 医師・医学生限定コンテンツ
【新薬】モリデュスタット(マスーレッド) 腎性貧血治療薬HIF-PH阻害薬に5剤目登場 2021年1月22日、腎性貧血治療薬モリデュスタットナトリウム(商品名マスーレッド錠5mg、同錠12.5mg、同錠25mg、同錠50mg、同錠75mg)の製造販売が承認された。適応は「腎性貧血」、用法用量は「保存期慢性腎臓病患者:赤血球造血刺激因子(ESA)製剤で未治療の場合は1回25mg、ESA製剤から切り替え… 2021/02/05 医薬品
アミノ酸スコアって何? 腎疾患との関係は? 慢性期腎疾患の患者さんから「いま蛋白質を計算しながら食べているんだけど、同じ蛋白質でも質が違うことってあるの?」という相談がありました。私が答えられないでいると、先輩看護師が私に代わって患者さんの対応をしてくださいました。後で先輩看護師から「腎疾患の患者さんのために、アミノ酸… 2020/11/30 生活習慣
トレンド◎続々登場する腎性貧血治療薬 服用頻度?造血力? HIF-PH阻害薬の使い分けは? 腎性貧血を治療する低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬。昨年から今年にかけて相次いで4剤が承認され、2020年11月23日現在、ロキサデュスタット(エベレンゾ)、バダデュスタット(バフセオ)、ダプロデュスタット(ダーブロック)──の3剤が上市されている。12月8日には4剤目と… 2020/11/26 腎・泌尿器
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2020) 糖尿病合併CKDへのフィネレノン、新たな解析 CVD既往の有無にかかわらず心血管イベントを抑制、FIDELIO-DKD試験 2型糖尿病合併CKD患者を対象に、新規のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(finerenone)の腎保護効果を検討したFIDELIO-DKD試験から、新たな解析結果が発表された。登録患者の心血管疾患の既往の有無にかかわらず、心血管イベントのリスク抑制効果は一貫していた。同試験のあ… 2020/11/25 腎・泌尿器
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2020) SGLT1/2阻害薬は心不全/CKD合併糖尿病に有効 ソタグリフロジンを被験薬としたSOLOIST-WHFとSCORED試験の結果 SGLT1とSGLT2の両方の活性を阻害するソタグリフロジン(sotagliflozin、国内未発売)について、急性心不全の状態にある2型糖尿病患者を対象としたSOLOIST-WHF試験と、慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者を対象としたSCORED試験の結果が明らかになった。研究資金の援助が止まり早期に中止さ… 2020/11/21 循環器
【新薬】エナロデュスタット(エナロイ) 腎性貧血を治療する4番目のHIF-PH阻害薬 2020年9月25日、腎性貧血治療薬エナロデュスタット(商品名エナロイ錠2mg、同錠4mg)の製造販売が承認された。適応は「腎性貧血」、用法用量は「保存期慢性腎臓病患者および腹膜透析患者の場合1回2mgを、血液透析患者の場合1回4mgを開始用量とし、1日1回食前または就寝前に経口投与。以降は患者の… 2020/10/30 医薬品
黄疸を診たら「うっ血性心不全」にも注意せよ 前回のコラムでは、検尿・沈渣の話題をきっかけに、ビリルビン尿や、黄疸の話をした(血尿? いやそれは「黄疸」です)。今回は黄疸を入り口とした診療の実際について解説しようと思う。 一般内科の先生方は、顔色から明らかに分かるような黄疸症例を診察することはまれかもしれないが、消化器内… 2020/10/28 消化器
腎臓内科Q&Aシリーズ《5》 この高K血症患者、積極的に是正すべきか? <呼吸器内科医>お世話になります。高カリウム血症に伴う心電図変化の有無と対応の要否を相談させていただければと存じます。もともと、Cre 2程度のCKDの方が尿路感染症で抗菌薬加療されていた中、倦怠感などで入院となりました。Cre 4、K 5.7であり、心電図は写真の通りです(左は以前のもの、右… 2020/10/21 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
腎臓内科Q&Aシリーズ《4》 97歳の腎不全患者にスピロノラクトンは適切か <皮膚科医>特別養護老人ホームに入所中の97歳女性に関して質問です。下腿浮腫著明で半年前は弾性包帯の巻き上げを毎日実施していました。現在は、特に必要なくなっています。ただ、eGFRが半年前の29から18まで低下していることが分かりました。カリウムは4.5→5.0と上昇傾向で、果物や生野菜を控… 2020/10/12 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
腎臓内科Q&Aシリーズ《3》 脱水で1週間続く高Na血症をどう補正する? <リハビリテーション科医>◆高ナトリウム血症の対応について お世話になります。外勤当直中に遭遇した著明な高ナトリウム血症の対応についてご相談させてください。症例:81歳男性、既往にCKD(ベースCre1.3)、MDS疑いあり汎血球減少あり(Hb9-10、Plt10万前後)。4月24日ごろから意識変容あり… 2020/10/09 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
【新薬】バダデュスタット(バフセオ)/ダプロデュスタット(ダーブロック) 保存期CKDの腎性貧血にも使用できるHIF-PH阻害薬、2剤発売 2020年8月26日、腎性貧血治療薬バダデュスタット(商品名バフセオ錠150mg、同錠300mg)が薬価収載と同時に発売された。本薬は6月29日に製造販売が承認されていた。適応は「腎性貧血」、用法用量は「成人に1回300mgを開始用量とし、1日1回投与。患者の状態により適宜増減するが、最高用量は1日1回6… 2020/09/25 腎・泌尿器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) SGLT2阻害薬ダパグリフロジンがCKD治療薬に CKD患者の腎・心複合イベントを39%抑制、DAPA-CKD試験 SGLT2阻害薬ダパグリフロジンの投与によってCKD患者の腎機能低下が抑制できることを、オランダ・フローニンゲン大学医療センターのHiddo J. L. Heerspink氏らが欧州心臓病学会会議(ESC2020、会期:8月29日~9月1日)で報告した。DAPA-CKD試験の結果で、アストラゼネカは今年3月、「想定を超える有… 2020/09/02 腎・泌尿器
学会トピック◎第63回日本腎臓学会 CKD15万人を5年間追跡できるデータベースが腎臓学会にはある CKD患者のゲノム、血漿、尿のバイオバンクの整備も開始 日本腎臓学会は、国内の慢性腎臓病(CKD)患者のデータベース登録を進めている。このデータベースを使えば、日本におけるCKD患者の診療実態をはじめ、治療内容と予後との相関解析などに用いられるなど、診療に関する新しいエビデンスの発見に繋げられる。大学病院の電子カルテのデータベースから… 2020/08/25 腎・泌尿器
NEJM誌から アロプリノールのCKD進行抑制を示せず 当初の計画まで参加者数を増やせず、プラセボ群と有意差なし 血清尿酸値の上昇は、慢性腎臓病(CKD)の進行に関係することが知られている。オーストラリアGeorge Institute for Global HealthのSunil V. Badve氏らは、尿酸生成抑制薬のアロプリノールを投与することで、CKD患者の状態悪化を抑えることができるかを調べるランダム化比較試験を行い、2年後のeG… 2020/07/20 腎・泌尿器
Diabetes Care誌から 胃バイパス術による減量で心・腎リスクが低下 2型糖尿病の肥満患者を対象とした大規模なコホート研究 2型糖尿病の肥満患者を対象に、胃バイパス術(GBP)による減量によって心臓・腎臓に関連するリスクが低下するかどうか、スウェーデンの全国的なコホート研究で検討された。解析の結果、GBPによる減量によって腎アウトカムや心不全、心血管死亡のリスクが低下し、そのベネフィットは、アテローム性… 2020/07/01 代謝・内分泌
リポート◎国内2000人規模の調査で判明、「糖尿病性腎臓病」の有病率 糖尿病の2人に1人はDKD。どう立ち向かうか 糖尿病が原因となり腎機能が低下する糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease; DKD)。このほど国内の2000人規模のコホート研究で、糖尿病患者の実に2人に1人がDKDであるとの結果が発表された。この中には、正常だった腎機能が急速に低下していく「early decliner」と呼ばれる患者も含まれていた… 2020/06/23 腎・泌尿器
【新薬】ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ) 高カリウム血症に国内初の非ポリマー無機陽イオン交換化合物 2020年3月25日、高カリウム血症改善薬ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(商品名ロケルマ懸濁用散分包5g、同懸濁用散分包10g)の製造販売が承認された。適応は「高カリウム血症」、用法用量は「1回量を水で懸濁して投与する。成人、開始用量として1回10gを1日3回、2日間投与。なお、血清… 2020/05/15 医薬品
DAPA-CKD試験が有効性明らかとして早期終了に ダパグリフロジン、CKD患者の腎機能低下抑制 英アストラゼネカは3月30日、CKD患者を対象にSGLT2阻害薬ダパグリフロジンの腎保護効果を検証した第3相試験DAPA-CKDについて、「試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性が示された」として、独立データモニタリング委員会の勧告に従って早期終了すると発表した。今後の関係学会で詳細を発表す… 2020/04/02 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から 急性腎障害患者のその後のリスクを予測する 尿中アルブミン/クレアチニン比が腎臓病進行予測に有用 米国California大学San Francisco校のChi-yuan Hsu氏らは、入院中に急性腎障害(AKI)を発症した患者を対象に、その後の腎機能低下を予測するための指標として蛋白尿の有用性を検討し、退院から3カ月後の尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)が高い患者は、末期腎疾患に進行するリスクが高かった… 2020/02/14 腎・泌尿器
シリーズ◎2020診療報酬改定 紹介患者の診療情報フィードバックに評価新設 機能強化加算は説明リーフレットの作成が新たに要件に 1月29日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2020年度診療報酬改定の個別改定項目の概要が示された。外来医療については、医療連携を推進する目的から診療情報提供料IIIを新設。現行は、紹介元の医療機関が紹介先に対して患者の診療情報を提供した場合に診療情報提供料Iを算定できるが、提… 2020/01/29 産婦人科
トレンド◎ASN2019で新たな報告相次ぐ RA系抑制とは違う腎保護治療が見えてきた 川崎医科大学腎臓・高血圧内科学教授の柏原直樹氏に聞く これまで腎障害を治療する薬剤はなく、血圧や血糖などの管理のほか、尿蛋白を抑えるRA系阻害薬の使用ぐらいしか選択肢はなかった。 2019/12/16 腎・泌尿器
Eur Heart J誌から 腎神経焼灼術後の降圧効果は長期間持続 腎神経焼灼術(RDN)を受けた高血圧患者から成る最大規模のコホート(Global SYMPLICITY Registry)のデータを解析した結果、臨床現場で施行されたRDNの長期的安全性および有効性が示された。 2019/12/11 循環器
学会トピック◎第31回日本糖尿病性腎症研究会 糖尿病の腎機能低下、老若男女の誰が高リスク? 糖尿病患者の腎機能低下に関わるリスク因子のうち、若ければ女性よりも男性が、高齢になるほど肥満が、強いリスク因子となることが示された。 2019/12/09 腎・泌尿器
JAMA誌から CKD患者はバクロフェンの脳症リスクが高い バクロフェンを新たに処方された高齢CKD患者のコホート研究 バクロフェンを使用した慢性腎臓病(CKD)患者が脳症を発症した症例報告が複数ある。カナダInstitute for Clinical Evaluative SciencesのFlory T. Muanda氏らは、オンタリオ州の患者情報を登録したデータベースを利用して、バクロフェンの使用を開始した高齢のCKD患者の30日以内の脳症発症リスク… 2019/11/26 腎・泌尿器
トレンド◎ネプリライシン阻害薬が国内承認申請 話題の新規心不全治療薬ARNI、日本上陸へ 欧米ガイドラインで推奨も、国内臨床試験ではACE阻害薬との有意差示せず 2019年7月、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)のサクビトリル・バルサルタンが、慢性心不全を適応として日本でも承認申請された。欧米のガイドラインで数年前から推奨されているARNIは、その心保護・腎保護効果に対して臨床医からの期待が高まっている。… 2019/10/17 循環器
Lancet誌から スピロノラクトンを有効にする高K血症抑制薬 CKDのある難治性高血圧患者の治療の幅を広げる可能性 3種類の降圧薬を用いても血圧コントロールが不良な治療抵抗性高血圧患者は、慢性腎臓病(CKD)患者でもあることが多い。治療抵抗性高血圧にはスピロノラクトンが効果を示すことが多いが、CKD患者では高カリウム血症を起こすとスピロノラクトンが使えなくなる。米国Indiana大学のRajiv Agarwal氏ら… 2019/10/08 腎・泌尿器
学会トピック◎第34回日本糖尿病合併症学会 腎障害を進行させないが蛋白質を制限しない食事とは? 一般に慢性腎臓病(CKD)患者では低蛋白質食が推奨されるが、近年、低蛋白質食は栄養障害やサルコペニア、フレイルを介してQOLや生命予後の低下につながりかねないと指摘されている。低蛋白質食が腎障害を進行させない機序を解明すれば、栄養障害を回避しつつ腎障害を進行させない食事療法になる… 2019/10/07 腎・泌尿器
学会トピック◎第25回日本糖尿病眼学会総会 CKD合併糖尿病患者には積極的な眼底検査を 微量アルブミン尿陽性またはGFR30~59で既に3割が網膜症合併 CKD重症度分類の蛋白尿区分(A区分)とGFR区分(G区分)はどちらも糖尿病網膜症の合併頻度や重症度と関連があり、糖尿病を原疾患とするCKDの診断基準となるA2(微量アルブミン尿)またはG3(GFR 30~59mL/分/1.73m2)の段階で、既に3割の糖尿病患者が網膜症を合併していた。この結果から「CKDの診… 2019/10/04 代謝・内分泌
学会トピック◎第67回日本心臓病学会学術集会 初回心不全入院に対するトルバプタンの投与は腎保護効果あり 心不全による初回入院患者に対するトルバプタンの投与は、フロセミド単独治療に比べて腎保護効果があることが示された。 2019/09/24 循環器
学会トピック◎第67回日本心臓病学会学術集会 CKDステージが進むほど高率で心房細動発症 1万人規模の特定健診の調査から 心房細動の新規発症率は、慢性腎臓病(CKD)のステージが進行した患者ほど高い――。東京都多摩市における特定健康診査(特定健診)受診者の心房細動発症率とCKDの重症度との関連性を検証した結果を、日本医科大学多摩永山病院(東京都多摩市)内科・循環器内科の小谷英太郎氏が第67回日本心臓病… 2019/09/18 循環器
トレンド◎衝撃の試験結果に米国ではガイドラインを改訂 SGLT2阻害薬に新効能! 心・腎保護薬へ 糖尿病治療薬として開発されたSGLT2阻害薬。心血管イベントのリスク抑制に加え、最近になり腎機能低下の抑制効果も確認された。血糖降下薬から心不全予防も含めた心・腎保護薬に、SGLT2阻害薬の位置付けが変わろうとしている。… 2019/08/15 代謝・内分泌
J Am Soc Nephrol誌から GFRslopeはCKD進行のエンドポイントになる 47 RCTのメタアナリシスはeGFR値年間0.5~1.0mLが有効と示す 慢性腎臓病(CKD)進行の代替エンドポイントとしてのGFR slope(1年あたりのGFR変化量)の有用性を検討するため、系統検索により、CKDのランダム化比較試験(RCT)47件を集めたデータベースを構築し、治療効果とGFR slopeの関係を評価するメタアナリシスが行われた。… 2019/08/07 腎・泌尿器
第10回 高齢者の抗凝固療法で気になる「腎機能低下・高血圧・多剤併用」 意外と要注意な「NOACの併用薬の減らし方」 研修医 前回、高齢者の出血リスクで定量化できるものとそうでないものを分けて考えなさいと言われたので、まず定量化できるものの代表として、腎機能と抗凝固薬の関係をまとめてみました(図1)。指導医 お、これはよくまとまっていて見やすいね。診察室の壁に貼っておこうかな。研修医 調べてい… 2019/08/05 循環器
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 経口の腎性貧血治療薬「HIF活性化薬」のインパクト 虚血による臓器障害の軽減効果にも期待 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/07/30 腎・泌尿器
Lancet Diabetes Endocrinol誌から ダパグリフロジンは糖尿病性腎臓病の進行を抑制 DECLARE-TIMI 58試験の腎解析結果 DECLARE-TIMI 58試験で副次評価項目として設定されていた腎機能関連の解析から、腎機能が大きく低下していない2型糖尿病患者の腎臓病(糖尿病性腎臓病:DKD)の進行が、ダパグリフロジンにより抑制される可能性が示された。結果は第79回米国糖尿病学会学術集会(ADA2019)で6月9日に発表され、同… 2019/07/19 循環器
インタビュー◎体調不良時はRA系阻害薬、NSAIDs、利尿薬などに注意 CKD患者にもシックデイ・ルールの説明を 名古屋大学先進診療システム学寄附講座准教授の安田宜成氏に聞く シックデイ・ルールといえば糖尿病で有名だが、名古屋大学先進診療システム学寄附講座准教授の安田宜成氏は、体調不良時に発生し得る急性腎障害(AKI)などを予防するため、慢性腎臓病(CKD)に対するシックデイ・ルールを提唱する。CKDのシックデイ・ルールはどのようなものなのか安田氏に聞いた… 2019/07/09 腎・泌尿器
学会トピック◎第62回日本腎臓学会 CKD患者に対する酸化マグネシウム投与は冠動脈石灰化の進展を抑制 透析を行っていない慢性腎臓病(CKD)患者に対する酸化マグネシウム製剤の投与の効果が検証された。 2019/07/08 腎・泌尿器
学会トピック◎第64回日本透析医学会学術集会・総会 原因不明の突然死を防ぐための透析管理が重要 血液透析患者の死因、心血管疾患、感染症、悪性腫瘍の順に多く 日本の血液透析患者の10年間の死因を検討したところ、心血管疾患が36%、感染症が26%、悪性腫瘍が14%の順に多かった。死因別の内訳を見ると、心血管死では原因不明の突然死が最多だった。九州大学病態機能内科学の冷牟田浩人氏らが、第64回日本透析医学会学術集会・総会(6月28~30日、横浜市)で… 2019/07/03 腎・泌尿器
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《5》 透析見合わせ105例から見えてくる課題 非導入理由は併存疾患、認知症、急性増悪、超高齢 市立釧路総合病院(北海道釧路市)は2009年に、泌尿器科から分離した「腎臓外来」を設立。慢性腎臓病患者の腎代替療法の選択と管理を担ってきた。それ以降の7年間で新たに腎代替療法を選択した501例を解析したところ、2割を超える105例が透析を見合わせていた。その理由と患者背景から見えてくる課… 2019/06/26 腎・泌尿器
J Am Soc Nephrol誌から 2型糖尿病の腎構造の早期変化はアルブミン尿の変化と関連 北米先住民を対象とした疫学研究 2型糖尿病では、尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)の変化は腎構造の早期変化を反映しているが、早期からの糸球体濾過率(GFR)の変化と腎構造の変化との関連は弱いことが示された。 2019/06/26 腎・泌尿器
Lancet Diabetes Endocrinol誌から SGLT2阻害薬とDPP4阻害薬の併用で尿蛋白減少 CKD合併2型糖尿病患者を対象としたDELIGHT試験の結果 中等度から重度の慢性腎臓病(CKD)を合併する2型糖尿病患者に、レニン・アンジオテンシン系阻害薬とともにSGLT2阻害薬ダパグリフロジンとDPP-4阻害薬サキサグリプチンを併用投与したところ、血糖降下に加えて尿中アルブミン排泄量減少も認められた。結果はLancet Diabetes Endocrinol誌6月号に掲… 2019/06/21 代謝・内分泌
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 CKD診療の3つの課題の解決法が見えてきた? 医薬基盤・健康・栄養研究所KAGAMIプロジェクト 木村友則氏に聞く 慢性腎臓病(CKD)診療の課題は3つある。 2019/06/11 腎・泌尿器
NEJM誌から カナグリフロジンは糖尿病患者の腎不全を抑制 アルブミン尿のある2型糖尿病患者を対象にした臨床試験 オーストラリアNew South Wales大学のVlado Perkovic氏らは、経口SGLT2阻害薬であるカナグリフロジンを用いた二重盲検のランダム化試験CREDENCEを実施し、腎疾患のある2型糖尿病患者にカナグリフロジンを投与すると、プラセボに比べ、腎不全と心血管イベントのリスクが有意に低下したと報告した。… 2019/06/06 代謝・内分泌
詳説◎改訂高血圧治療ガイドライン(JSH2019)《後編》 新高血圧GL、合併症を有する患者への対応は? 高齢者も合併症次第では130/80mmHg未満を目指す 5年ぶりの改訂となった「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」。前編では、降圧目標の引き下げや、130/80mmHg台を「高値血圧」と改称した狙いなどを紹介した。後編では、過降圧による有害事象が懸念される高齢者や、併存疾患を抱える患者の降圧治療における注意点などについて、前ガイドライ… 2019/06/05 循環器
BMJ誌から 早産児は中年期まで慢性腎臓病リスクが高い スウェーデンの全国コホート研究で最長43年追跡 米国Mount Sinai医科大学のCasey Crump氏らは、スウェーデン国民を対象とした出生登録と病院登録データを照合し、1973~2014年に生まれた子どもを最長で43歳になるまで追跡し、慢性腎臓病(CKD)発症リスクを調べたところ、早産で生まれた子どもは小児期から中年期までにCKDを発症するリスクが高… 2019/05/29 腎・泌尿器
インタビュー◎末期腎不全患者診療の最新動向 34万人の臓器不全患者を救っていることに胸を張れ 新北九州腎臓クリニック(福岡県北九州市)理事長の海津嘉蔵氏に聞く 多額の医療費を使う透析医療は医療費総額を押し上げるものとしてやり玉に挙げられることが多いが、34万人もの臓器不全患者の命を救っていることに腎臓/透析医はもっと胸を張ってよい。患者を救うことと医療費がかかることは別の問題であろう──。長年、透析医療や透析にしない治療を手掛けてきた… 2019/05/28 腎・泌尿器
インタビュー◎透析を始めたことを患者に後悔させないために 透析導入前に患者と話し合うべき4つの選択肢 伊丹腎クリニック(北海道登別市)理事長の伊丹儀友氏に聞く 透析導入が必要となる段階で、医師は患者に対して治療の選択肢を十分に説明できているだろうか。長年、透析医療に携わり、日本透析医学会が2014年に「維持血液透析療法の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」の策定に関わったほか、腎臓病SDM推進協会の理事も務める伊丹腎クリニッ… 2019/05/27 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から 4通りのeGFR計算式の精度を検証する 臨床的に有用だが精度には限界あり 慢性腎臓病(CKD)患者の糸球体濾過量(GFR)を正確に推定することは重要だ。通常は、血漿クレアチニン値を利用する計算式を用いて推定糸球体濾過量(eGFR)を算出する。フランスLyon市民病院のLuciano da Silva Selistre氏らは、高齢者に対する4通りのeGFR計算式の能力を、イヌリンクリアランス… 2019/05/22 腎・泌尿器
インタビュー◎透析医学会の提言の背景にあるもの 透析見合わせを患者と話すときに医療者が心がけるべきことは? 春日井市民病院(愛知県春日井市)統括顧問の渡邊有三氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が血液透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道を機に非難や責任を追及する声が広がった。このときポイントとなった「透析を中止する(見合わせる)」という選択については、日本透析医学会が2014年に「維持血液透析療法の開始と… 2019/05/21 腎・泌尿器
Lancet誌から アトラセンタンは2型糖尿病患者の腎臓病進行を遅らせる ただし薬に反応する患者を選ぶ必要がありそう オランダGroningen大学のHiddo J L Heerspink氏らは、慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者で、高濃度のアルブミン尿がある患者を対象に、選択的エンドセリンA受容体拮抗薬のアトラセンタン、またはプラセボを経口投与して腎不全への進行抑制効果を比較した臨床試験SONARを実施して、アトラセンタンに… 2019/05/14 腎・泌尿器
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 糖尿病患者の腎症進行の原因物質を同定、新たな治療法につながるか 東北大学病態液性制御学分野教授の阿部高明氏に聞く ──これまで慢性腎不全モデルマウスに便秘薬を投与すると腸内細菌叢が改善し、さらに慢性腎臓病(CKD)の進行抑制ができる可能性があると報告されています。 2019/04/24 腎・泌尿器
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 腎障害時に腸内細菌が作るD-セリンが腎臓を守る! 金沢大学腎臓内科学教授の和田隆志氏に聞く 急性腎障害が発生すると腸内細菌がD-セリンを作り、それが腎臓に集まって腎保護作用を示す──。そんな研究結果が最近、報告された。 2019/04/05 腎・泌尿器
Lancet誌から CKD患者の代謝性アシドーシス用の新薬が有望 消化管内の塩酸を吸着するポリマー薬のフェーズ3試験 慢性腎臓病(CKD)が進行した患者では、慢性代謝性アシドーシスが起こりやすい。現在アシドーシス治療に用いられている重炭酸ナトリウムの経口投与は塩酸を中和するだけだが、非吸収性のカウンターイオンフリーなポリマー薬であるveverimerは、消化管内の塩酸に選択的に結合し、除去する作用を持… 2019/04/03 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から 尿中シュウ酸値が高いとCKDが進行しやすい 24時間尿のシュウ酸値別にeGFRの50%低下や透析導入の発症率を比較 米国Harvard大学医学部のSushrut S. Waikar氏らは、尿中のシュウ酸排泄量が多いと慢性腎臓病(CKD)が進行しやすくなるという仮説を検証するため、Chronic Renal Insufficiency Cohort(CRIC)研究に参加している患者の24時間尿のシュウ酸排泄量を測定し、排泄量が多い患者は、CKDが進行しやすく… 2019/03/25 腎・泌尿器
リポート◎中等度腎機能障害にも使える新規MR拮抗薬 注目の第3世代MR拮抗薬、実力は?注意点は? 降圧効果に加えて臓器保護効果も、高カリウム血症には要注意 2019年1月、新規の降圧薬エサキセレノン(商品名ミネブロ)の製造販売が世界で初めて承認され、5月にも発売される見通しだ。同薬はミネラルコルチコイド受容体(MR)をブロックし、アルドステロンの作用を阻害するMR拮抗薬(アルドステロン拮抗薬とも呼ばれる)の第3世代。新薬の登場によって、高… 2019/03/07 循環器
【新薬】エサキセレノン(ミネブロ) 糖尿病や中等度腎障害合併の高血圧患者にも投与可能なMR拮抗薬 2019年1月8日、高血圧症治療薬エサキセレノン(商品名ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg)の製造販売が承認された。適応は「高血圧症」、用法用量は「成人、1日1回2.5mgを経口投与。効果不十分な場合は5mgまで増量可」となっている。… 2019/02/15 循環器
JAMA Intern Med誌から 透析を受けたがらないCKD患者への対応 説得しても透析を受けない場合はあきらめる医師が多い 慢性腎臓病(CKD)が進行しているのに透析を開始しなかった患者と担当医の間でどのようなやり取りが行われ、どのようなケアが提供されたのかを調査した米Veterans Affairs Puget Sound Health Care SystemのSusan P. Y. Wong氏らは、現状では医療従事者が透析を受けるか受けないかで二者択一的な… 2019/02/13 腎・泌尿器
BMJ誌から 肥満は腎機能低下リスクを亢進させる BMIなどの肥満度が高い人はGFRが低下しやすく死亡率が高い 肥満の程度とその後の糸球体濾過量(GFR)の低下の関係を検討する大規模なメタ分析を行った米Kidney Health Research InstituteのAlex R Chang氏らは、BMIが25を超える人々のその後8年間のGFR低下リスクは高く、BMIが大きいほどリスク上昇は傾向を示したと報告した。結果は、BMJ誌電子版に2019年1… 2019/02/01 腎・泌尿器
JAMA誌から リナグリプチンで心血管リスク上昇せず CKD合併2型糖尿病患者を対象としたCARMELINA試験の結果 慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者に対する、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬リナグリプチンの標準治療への上乗せは、プラセボの上乗せに比べて心血管リスクを上昇させなかった。CARMELINA試験の結果で、2018年10月の欧州糖尿病学会(EASD)で発表され、11月9日にJAMA誌オンラ… 2019/01/04 代謝・内分泌
危険がいっぱい! NSAIDsの漫然投与 72歳男性。高血圧のため7年前から内科通院中。「血圧が上昇傾向にあったため、降圧薬を追加した。患者に聞くと、3日前に腰痛のため近所の整形外科クリニックを受診し、薬を飲んだら楽になったとのことだった。患者のお薬手帳を確認したところ、セレコックス(一般名セレコキシブ)の100mg錠が1回1錠… 2018/12/07 循環器
Ann Intern Med誌から 厳格降圧群のCKD発症率上昇は何を意味する? SPRINT試験参加者の尿バイオマーカーを検討 米California大学San Francisco校のWilliam R. Zhang氏らは、SPRINT試験の参加中に慢性腎臓病(CKD)を発症した患者と、同じ試験参加者の中から条件をマッチさせた対照群の腎臓バイオマーカーの変化を比較する研究を行い、血圧の厳格管理群にCKD発症者が多かったのは、主に降圧効果で腎血流量が減… 2018/11/22 循環器
腹部エコー診療の実際5 脈管・腎/副腎/泌尿器・婦人科臓器・その他篇 慢性腎不全 「症例に学ぶ腹部エコー診断のポイント」を全面改訂、内容を一新し、2008年に発売した日経メディカル・ビデオ「腹部エコー診療の実際」から会員限定で収録動画を公開します。 2018/10/26 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から アロプリノールはCKDを悪化させない 痛風患者のステージ3CKD発症率をアロプリノールの有無で比較 腎機能が低下している痛風患者には、アロプリノール投与を躊躇する臨床医は少なくない。ブラジルRio de Janeiro 州立大学のAna Beatriz Vargas-Santos氏らは、腎機能が正常またはステージ2までの慢性腎臓病(CKD)で、初めて痛風と診断された患者を対象とするコホート研究を行い、アロプリノール… 2018/10/22 代謝・内分泌
第51回日本薬剤師会学術大会より 標準化eGFRと個別化eGFRの違い、理解不足 「鹿児島腎と薬剤研究会」の研修で明らかに 患者の腎機能のモニタリングと腎機能に応じた薬物投与量の監査は、薬剤師の重要な役割の1つ。しかし、その重要性はまだ十分認知されておらず、特に腎機能検査値の違いや使い分けを理解している薬剤師が少ないことが明らかになった。金沢市で開催された第51回日本薬剤師会学術大会で、「鹿児島県腎… 2018/10/09 腎・泌尿器
実は身近に起きている「コレステロール塞栓症」 コレステロール塞栓症をご存じだろうか。大動脈内腔に生じた粥状硬化病変のプラークが破綻し内部のコレステロール結晶が遊離・飛散して、末梢の細小動脈に詰まり炎症を起こす疾患で、「コレステロール結晶塞栓症」(cholesterol crystal embolization:CCE)とも呼ばれる。塞栓症状が最も表れやす… 2018/09/25 腎・泌尿器
「正しい情報」だけでは変わらない患者の行動を変えるには 森 維久郎氏(デジタルハリウッド大学大学院、腎臓内科医)に聞く 三重大学医学部卒。腎臓内科医。「回避可能な透析導入を防ぐ腎臓医療」を行うべく、腎臓の情報発信サイト「腎臓内科.com」を運営。人工知能を使った医療現場のソリューションを開発。現在は、国立病院機構千葉東病院に勤務しながら、デジタルハリウッド大学大学院に在籍中。2020年に赤羽で腎症予防… 2018/09/21 腎・泌尿器
学会トピック◎第41回日本高血圧学会総会 糖尿病患者の2人に1人がDKD 全国の大学病院など8施設を受診した糖尿病患者約1万人のデータを解析したコホート研究の結果から、糖尿病患者の52%が糖尿病性腎臓病(DKD)であることが明らかになった。東京大学腎臓内科学・内分泌病態学の吉田唯氏らが第41回日本高血圧学会総会(9月14~16日、開催地:北海道旭川市)で報告し… 2018/09/20 腎・泌尿器
学会トピック◎第66回日本心臓病学会学術集会 CKDで糖尿病合併例はさらに予後不良 冠動脈形成術を行った患者約4600名の予後を約5年間追跡調査した結果から、糖尿病性腎臓病(DKD)を合併していると、慢性腎臓病(CKD)を罹患していない患者や糖尿病非合併のCKD患者よりも、心血管複合イベントのリスクが有意に高いことが示唆された。順天堂大学循環器内科学の遠藤裕久氏らが第66… 2018/09/13 腎・泌尿器
リポート◎慢性腎臓病(CKD)診療ガイドラインが大幅改訂 CKDでは厳格降圧のメリットは小さい 専門医への紹介基準が簡略化、降圧治療の目標や薬の選択も変更 国内に1300万人以上の患者がいるとされる慢性腎臓病(CKD)。高齢化の進展に伴い、CKD治療の考え方は大きく変わってきた。かかりつけ医と専門医の緊密な連携によって、年齢や状態に応じた治療を行うことで、透析導入を食い止める――。そうした治療の上での日常的な疑問に答える形で、かかりつけ… 2018/08/07 腎・泌尿器
300人超の大動脈内部を血管内視鏡で観察 大動脈プラーク自然破綻は日常的に起きている? 冠動脈疾患がある、または疑われる324例に対し、血流維持型血管内視鏡検査を施行し大動脈内部を観察したところ、8割の患者に自然破綻した大動脈プラークが見つかった。NPO法人日本血管映像化研究機構理事長の児玉和久氏(大阪警察病院[大阪市天王寺区]名誉院長)らのグループが、米国心臓病学会… 2018/07/31 循環器
SGLT2阻害薬が糖尿病治療薬ではなくなる日 ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬に、「腎保護薬」という新たな評価が与えられた。米国ヤンセンは7月16日、カナグリフロジンの腎保護効果を検証した大規模臨床試験CREDENCEに関して、中間解析であらかじめ定められた有効性の基準を満たしたため早期終了したと発表した。腎アウトカ… 2018/07/30 代謝・内分泌
JAMA Intern Med誌から 中等度CKD患者にもメトホルミンは使える アシドーシスのリスクが有意に上昇するのはeGFR30未満から メトホルミンは2型糖尿病患者に対する第1選択として推奨されているが、腎機能が低下している患者では、乳酸アシドーシスが発生する可能性がある。米国Johns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのBenjamin Lazarus氏らは、Geisinger Health Systemを利用した地域住民コホートを用いて、乳… 2018/06/25 代謝・内分泌
学会トピック◎第61回日本腎臓学会学術総会 D-アミノ酸はCKDの腎予後予測に有用 長らく生体内には無いと考えられてきた鏡像異性体のD-アミノ酸が、近年、分析技術の進歩によって生体内に存在し、様々な臓器で何らかの役割を担っていることが明らかにされつつある。6月8日から新潟市で開催された第61回日本腎臓学会学術集会で、医薬基盤・健康・栄養研究所KAGAMIプロジェクトプ… 2018/06/13 腎・泌尿器
第16回 糖尿病合併症「しめじ」の診察ポイントは? 今回は糖尿病の慢性合併症について解説します。高血糖の状態で何年も治療されないままでいると、血管が障害されて血流が悪くなり、そこにつながる臓器が障害されていきます。うち、微小な血管が障害されて起こる合併症は「細小血管合併症」と呼ばれ、神経系では糖尿病神経障害として、眼では糖尿… 2018/06/07 腎・泌尿器
学会トピック◎第7回臨床高血圧フォーラム CKDガイドラインと整合性のあるJSH2019に 「蛋白尿の有無にかかわらず130/80mmHg」は否定的 高血圧を伴うCKD患者に130/80mmHg未満への降圧療法は推奨されるか? これは日本腎臓学会が6月に発行する『CKD診療ガイドライン2018』のクリニカルクエスチョン。その推奨内容は、高血圧治療ガイドライン(JSH2019)にも反映される見通しだ。日本腎臓学会理事長を務める川崎医大の柏原直樹氏は、… 2018/05/23 循環器
日経メディカル 書籍紹介 レジデントのための腎臓教室 腎疾患に関する教科書。腎臓の構造・機能から始まり、検査値の読み方、原発性・続発性腎疾患の解説、腎臓病患者への薬物投与の注意点まで腎疾患診療の基本がまとめられている。 2018/03/05 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から CKDのある心不全患者にはICDは推奨しにくい 米国Kaiser Permanente加入者のコホート研究 慢性腎臓病(CKD)がある心不全患者でも、植え込み型除細動器(ICD)を適用すると、予後は改善するのか。米Washington大学のNisha Bansal氏らは、米国で医療保険サービスを展開するKaiser Permanenteの加入者を対象にコホート研究を行い、条件をマッチさせたICD非使用者に比べ、ICDを使用した患者… 2018/02/28 循環器
私の視点◎先進医療Bとなった病腎移植を考える 病気腎移植はドナーのデメリットが多くないか 東邦大学名誉教授の相川厚氏に聞く 2017年10月、厚生労働省の先進医療技術審査部会は、東京西徳洲会病院が申請していた「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植術」について条件付きながら先進医療Bとして認めた。 2018/02/28 癌
医師4371人に聞く「病気腎移植に賛成ですか、反対ですか」 病気腎移植、泌尿器科医では賛否が拮抗 2017年10月、厚生労働省の先進医療技術審査部会は、東京西徳洲会病院が申請していた「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植術」について条件付きながら先進医療Bとして認めた。 2018/02/28 癌
AMED研究班、末期腎不全の代替エンドポイント発表 2~3年間でのeGFRの30~40%低下が指標に かかりつけ医から腎臓専門医・糖尿病専門医への紹介基準も公開 日本人における末期腎不全(ESRD)の代替エンドポイントとして、欧米と同様な推算糸球体濾過量(eGFR)の低下率(2~3年間における30~40%の低下)の採用が決まった。日本腎臓学会と日本医療研究開発機構(AMED)「腎領域における慢性疾患に関する臨床評価ガイドラインの策定に関する研究」班の… 2018/02/27 腎・泌尿器
特集◎生活習慣病 7つの新常識《5》 病像の変化で糖尿病腎症から糖尿病性腎臓病に 近年、糖尿病管理の向上や患者の高齢化を背景に、従来の糖尿病腎症の病像に当てはまらない腎機能低下患者が増えている。こうした変化を捉え欧米では「糖尿病性腎臓病」という疾患概念が提唱され、我が国でも使われ始めた。… 2018/02/21 代謝・内分泌
【インタビュー】 データベースが腎臓診療を進化させる 日本腎臓学会理事長 柏原 直樹氏 日本腎臓学会理事長に就任以降、学会の5カ年計画の策定、全国の施設を受診している慢性腎臓病(CKD)患者の電子カルテ情報を一元化する「J-CKDデータベース」の整備、学会と企業や行政との連携を深めるKidney Research Initiative-Japanの設立など、矢継ぎ早に新たな取り組みを始めている。その取り… 2017/12/20 循環器
JAMA誌から セルトラリンはCKD患者のうつを軽減しない 有効性はプラセボと差がなく悪心・嘔吐、下痢は多い 慢性腎臓病(CKD)で大うつ病の患者に対するセロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRIs)の有効性と安全性について検討する臨床試験を行った米Texas大学Southwestern Medical CenterのS. Susan Hedayati氏らは、セルトラリン12週投与はプラセボに比べうつ症状を軽減していなかったと報告した。JAMA… 2017/11/29 腎・泌尿器
学会トピック◎米国腎臓学会学術集会(ASN2017) バルドキソロンメチルは糖尿病性腎臓病に有効 投与16週後のGFRを改善、第2相試験TSUBAKIの結果 バルドキソロンメチル(BARD)の16週間の投与により、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(糖尿病性腎臓病、DKD)患者の糸球体濾過量(GFR)が有意改善したと、米国腎臓学会学術集会(ASN2017、11月2~5日、開催地:ニューオーリンズ)で東京大学腎臓内分泌内科の南学正臣氏らが報告した。国内第2相試… 2017/11/20 腎・泌尿器
NEJM誌から 重度のCKDがあるC型肝炎患者のSVR達成率 グレカプレビルとピブレンタスビル12週投与が有効 進行した慢性腎臓病(CKD)がありC型肝炎でもある患者を対象に、グレカプレビルとピブレンタスビルの配合錠を投与するフェーズ3試験を行った、ニュージーランドAuckland City HospitalのEdward Gane氏らは、HCVのジェノタイプにかかわらずウイルス学的著効(SVR)達成率は96%だったと報告した。… 2017/11/07 消化器
リポート◎糖尿病患者の降圧治療を再考する(1) 「第一選択はとにかくRA系阻害薬」は正しい? 国内の各種ガイドラインでは、糖尿病を合併する高血圧の降圧治療の第一選択はRA系阻害薬が推奨されている。しかし近年、糖尿病を合併していれば常に“まずはRA系阻害薬”とは言えない知見が明らかになってきた。処方を決める際には尿蛋白の有無を調べることが大切で、さらに処方を開始して2カ月以… 2017/11/01 代謝・内分泌
学会トピック◎第40回日本高血圧学会総会 高血圧発症にはごく軽度の血圧上昇に起因する腎機能低下が関与する 高血圧の発症には、糸球体ろ過量(GFR)の低下や糸球体傷害が関与する。そしてGFRの低下の背景には至適血圧から正常血圧へといった軽度な血圧上昇があると考えられる──。10月20日から愛媛県松山市で開催された第40回日本高血圧学会で、東北労災病院高血圧内科部長・生活習慣病研究センター長の… 2017/10/25 循環器
【特集】腸内細菌叢コントロールで難治疾患に挑む CKDの原因に便秘 便秘薬に腎保護作用 慢性腎臓病(CKD)を治す薬剤は存在しないが、便秘薬を活用することで血清クレアチニン値を改善させられる可能性が出てきた。食事由来成分と腸内細菌により産生される尿毒素を腸内に滞留させないことが、予後改善に有効だ。… 2017/10/19 腎・泌尿器
学会トピック◎第65回日本心臓病学会学術集会 造影剤を大幅に減らせる新しい血管造影法でCKD例でも腎機能を維持 造影剤を10倍ほど希釈し、デジタルサブトラクションアンギオグラフィ-(DSA)を組み合わせて造影撮影するLC-DSA法を活用すれば、保存期慢性腎不全(CKD)患者の末梢動脈疾患カテーテル治療(EVT)において造影剤の使用量を減らし、腎機能を維持できることが示された。国保旭中央病院循環器内科の… 2017/10/05 循環器
JAMA Pediatrics誌から 小児のCKD進行予測に有用なバイオマーカー 血清可溶性ウロキナーゼ受容体濃度は小児でも有望 小児の慢性腎疾患(CKD)患者の腎機能低下のリスクを予測するマーカーとしての血清可溶性ウロキナーゼ受容体(suPAR)の有用性を検討した独Heidelberg大学病院のFranz Schaefer氏らは、推定糸球体濾過量(eGFR)に基づいて軽症から中等症と見なされる小児患者では、suPAR値がその後の腎機能低下リ… 2017/09/29 腎・泌尿器
日経メディカル 書籍紹介 薬剤性腎障害(DKI)診療Q&A 薬剤性腎障害の疾患概念、診断、疫学、治療を示した総論に続き、各論で鎮痛薬や抗菌薬、生活習慣病治療薬などの薬効別に、腎障害の生じやすさや腎障害を有する患者での使い方などを詳説する。 2017/08/17 腎・泌尿器
トレンド◎急性腎障害(AKI)診療ガイドライン発行 急激な腎機能低下を一過性と侮るな 手術後、敗血症、脱水に共通して懸念される予後不良の病態 夏場、暑い盛りに屋外で農作業をしている高齢者に注意すべきは脱水だが、その先にある急性腎障害(AKI;Acute Kidney Injury)にも目をこらす必要がある──。日本腎臓学会、日本集中治療医学会など5学会が合同で刊行したAKI診療ガイドラインでは、様々な患者で起こり得るAKIへの注意を促している… 2017/08/01 腎・泌尿器
トレンド◎腎臓内科医が腸内環境に注目 腎不全予防のターゲットは便秘 最近、腎臓内科医の間で腸内細菌の変化や、腸内細菌が産生する尿毒素の悪影響が腎機能低下を引き起こすことへの注目が高まっている。さらに食事由来成分などの物質輸送能の変化も腎機能に影響を与えることを示唆する知見も得られ始めた。便秘を改善することが末期腎不全への進展を防ぐ治療になる… 2017/07/31 腎・泌尿器
心腎連関の機序に迫る東大の研究 交感神経とマクロファージが関与する 皆さんご存知のように、慢性心不全の患者さんの40%以上が慢性腎疾患(CKD)を持つことから、心臓と腎臓には密接な関連があり、「心腎連関」と呼ばれて注目されています。その機序として、心拍出量の低下による腎血流低下、あるいは腎臓のうっ血が挙げられます。臨床家の先生方は、そのどちらかが… 2017/07/04 循環器