JAMA誌から CKD患者はバクロフェンの脳症リスクが高い バクロフェンを新たに処方された高齢CKD患者のコホート研究 バクロフェンを使用した慢性腎臓病(CKD)患者が脳症を発症した症例報告が複数ある。カナダInstitute for Clinical Evaluative SciencesのFlory T. Muanda氏らは、オンタリオ州の患者情報を登録したデータベースを利用して、バクロフェンの使用を開始した高齢のCKD患者の30日以内の脳症発症リスク… 2019/11/26 腎・泌尿器
トレンド◎ネプリライシン阻害薬が国内承認申請 話題の新規心不全治療薬ARNI、日本上陸へ 欧米ガイドラインで推奨も、国内臨床試験ではACE阻害薬との有意差示せず 2019年7月、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)のサクビトリル・バルサルタンが、慢性心不全を適応として日本でも承認申請された。欧米のガイドラインで数年前から推奨されているARNIは、その心保護・腎保護効果に対して臨床医からの期待が高まっている。… 2019/10/17 循環器
Lancet誌から スピロノラクトンを有効にする高K血症抑制薬 CKDのある難治性高血圧患者の治療の幅を広げる可能性 3種類の降圧薬を用いても血圧コントロールが不良な治療抵抗性高血圧患者は、慢性腎臓病(CKD)患者でもあることが多い。治療抵抗性高血圧にはスピロノラクトンが効果を示すことが多いが、CKD患者では高カリウム血症を起こすとスピロノラクトンが使えなくなる。米国Indiana大学のRajiv Agarwal氏ら… 2019/10/08 腎・泌尿器
学会トピック◎第34回日本糖尿病合併症学会 腎障害を進行させないが蛋白質を制限しない食事とは? 一般に慢性腎臓病(CKD)患者では低蛋白質食が推奨されるが、近年、低蛋白質食は栄養障害やサルコペニア、フレイルを介してQOLや生命予後の低下につながりかねないと指摘されている。低蛋白質食が腎障害を進行させない機序を解明すれば、栄養障害を回避しつつ腎障害を進行させない食事療法になる… 2019/10/07 腎・泌尿器
学会トピック◎第25回日本糖尿病眼学会総会 CKD合併糖尿病患者には積極的な眼底検査を 微量アルブミン尿陽性またはGFR30~59で既に3割が網膜症合併 CKD重症度分類の蛋白尿区分(A区分)とGFR区分(G区分)はどちらも糖尿病網膜症の合併頻度や重症度と関連があり、糖尿病を原疾患とするCKDの診断基準となるA2(微量アルブミン尿)またはG3(GFR 30~59mL/分/1.73m2)の段階で、既に3割の糖尿病患者が網膜症を合併していた。この結果から「CKDの診… 2019/10/04 代謝・内分泌
学会トピック◎第67回日本心臓病学会学術集会 初回心不全入院に対するトルバプタンの投与は腎保護効果あり 心不全による初回入院患者に対するトルバプタンの投与は、フロセミド単独治療に比べて腎保護効果があることが示された。 2019/09/24 循環器
学会トピック◎第67回日本心臓病学会学術集会 CKDステージが進むほど高率で心房細動発症 1万人規模の特定健診の調査から 心房細動の新規発症率は、慢性腎臓病(CKD)のステージが進行した患者ほど高い――。東京都多摩市における特定健康診査(特定健診)受診者の心房細動発症率とCKDの重症度との関連性を検証した結果を、日本医科大学多摩永山病院(東京都多摩市)内科・循環器内科の小谷英太郎氏が第67回日本心臓病… 2019/09/18 循環器
トレンド◎衝撃の試験結果に米国ではガイドラインを改訂 SGLT2阻害薬に新効能! 心・腎保護薬へ 糖尿病治療薬として開発されたSGLT2阻害薬。心血管イベントのリスク抑制に加え、最近になり腎機能低下の抑制効果も確認された。血糖降下薬から心不全予防も含めた心・腎保護薬に、SGLT2阻害薬の位置付けが変わろうとしている。… 2019/08/15 代謝・内分泌
J Am Soc Nephrol誌から GFRslopeはCKD進行のエンドポイントになる 47 RCTのメタアナリシスはeGFR値年間0.5~1.0mLが有効と示す 慢性腎臓病(CKD)進行の代替エンドポイントとしてのGFR slope(1年あたりのGFR変化量)の有用性を検討するため、系統検索により、CKDのランダム化比較試験(RCT)47件を集めたデータベースを構築し、治療効果とGFR slopeの関係を評価するメタアナリシスが行われた。… 2019/08/07 腎・泌尿器
第10回 高齢者の抗凝固療法で気になる「腎機能低下・高血圧・多剤併用」 意外と要注意な「NOACの併用薬の減らし方」 研修医 前回、高齢者の出血リスクで定量化できるものとそうでないものを分けて考えなさいと言われたので、まず定量化できるものの代表として、腎機能と抗凝固薬の関係をまとめてみました(図1)。指導医 お、これはよくまとまっていて見やすいね。診察室の壁に貼っておこうかな。研修医 調べてい… 2019/08/05 循環器
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 経口の腎性貧血治療薬「HIF活性化薬」のインパクト 虚血による臓器障害の軽減効果にも期待 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/07/30 腎・泌尿器
Lancet Diabetes Endocrinol誌から ダパグリフロジンは糖尿病性腎臓病の進行を抑制 DECLARE-TIMI 58試験の腎解析結果 DECLARE-TIMI 58試験で副次評価項目として設定されていた腎機能関連の解析から、腎機能が大きく低下していない2型糖尿病患者の腎臓病(糖尿病性腎臓病:DKD)の進行が、ダパグリフロジンにより抑制される可能性が示された。結果は第79回米国糖尿病学会学術集会(ADA2019)で6月9日に発表され、同… 2019/07/19 循環器
インタビュー◎体調不良時はRA系阻害薬、NSAIDs、利尿薬などに注意 CKD患者にもシックデイ・ルールの説明を 名古屋大学先進診療システム学寄附講座准教授の安田宜成氏に聞く シックデイ・ルールといえば糖尿病で有名だが、名古屋大学先進診療システム学寄附講座准教授の安田宜成氏は、体調不良時に発生し得る急性腎障害(AKI)などを予防するため、慢性腎臓病(CKD)に対するシックデイ・ルールを提唱する。CKDのシックデイ・ルールはどのようなものなのか安田氏に聞いた… 2019/07/09 腎・泌尿器
学会トピック◎第62回日本腎臓学会 CKD患者に対する酸化マグネシウム投与は冠動脈石灰化の進展を抑制 透析を行っていない慢性腎臓病(CKD)患者に対する酸化マグネシウム製剤の投与の効果が検証された。 2019/07/08 腎・泌尿器
学会トピック◎第64回日本透析医学会学術集会・総会 原因不明の突然死を防ぐための透析管理が重要 血液透析患者の死因、心血管疾患、感染症、悪性腫瘍の順に多く 日本の血液透析患者の10年間の死因を検討したところ、心血管疾患が36%、感染症が26%、悪性腫瘍が14%の順に多かった。死因別の内訳を見ると、心血管死では原因不明の突然死が最多だった。九州大学病態機能内科学の冷牟田浩人氏らが、第64回日本透析医学会学術集会・総会(6月28~30日、横浜市)で… 2019/07/03 腎・泌尿器
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《5》 透析見合わせ105例から見えてくる課題 非導入理由は併存疾患、認知症、急性増悪、超高齢 市立釧路総合病院(北海道釧路市)は2009年に、泌尿器科から分離した「腎臓外来」を設立。慢性腎臓病患者の腎代替療法の選択と管理を担ってきた。それ以降の7年間で新たに腎代替療法を選択した501例を解析したところ、2割を超える105例が透析を見合わせていた。その理由と患者背景から見えてくる課… 2019/06/26 腎・泌尿器
J Am Soc Nephrol誌から 2型糖尿病の腎構造の早期変化はアルブミン尿の変化と関連 北米先住民を対象とした疫学研究 2型糖尿病では、尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)の変化は腎構造の早期変化を反映しているが、早期からの糸球体濾過率(GFR)の変化と腎構造の変化との関連は弱いことが示された。 2019/06/26 腎・泌尿器
Lancet Diabetes Endocrinol誌から SGLT2阻害薬とDPP4阻害薬の併用で尿蛋白減少 CKD合併2型糖尿病患者を対象としたDELIGHT試験の結果 中等度から重度の慢性腎臓病(CKD)を合併する2型糖尿病患者に、レニン・アンジオテンシン系阻害薬とともにSGLT2阻害薬ダパグリフロジンとDPP-4阻害薬サキサグリプチンを併用投与したところ、血糖降下に加えて尿中アルブミン排泄量減少も認められた。結果はLancet Diabetes Endocrinol誌6月号に掲… 2019/06/21 代謝・内分泌
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 CKD診療の3つの課題の解決法が見えてきた? 医薬基盤・健康・栄養研究所KAGAMIプロジェクト 木村友則氏に聞く 慢性腎臓病(CKD)診療の課題は3つある。 2019/06/11 腎・泌尿器
NEJM誌から カナグリフロジンは糖尿病患者の腎不全を抑制 アルブミン尿のある2型糖尿病患者を対象にした臨床試験 オーストラリアNew South Wales大学のVlado Perkovic氏らは、経口SGLT2阻害薬であるカナグリフロジンを用いた二重盲検のランダム化試験CREDENCEを実施し、腎疾患のある2型糖尿病患者にカナグリフロジンを投与すると、プラセボに比べ、腎不全と心血管イベントのリスクが有意に低下したと報告した。… 2019/06/06 代謝・内分泌
詳説◎改訂高血圧治療ガイドライン(JSH2019)《後編》 新高血圧GL、合併症を有する患者への対応は? 高齢者も合併症次第では130/80mmHg未満を目指す 5年ぶりの改訂となった「高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)」。前編では、降圧目標の引き下げや、130/80mmHg台を「高値血圧」と改称した狙いなどを紹介した。後編では、過降圧による有害事象が懸念される高齢者や、併存疾患を抱える患者の降圧治療における注意点などについて、前ガイドライ… 2019/06/05 循環器
BMJ誌から 早産児は中年期まで慢性腎臓病リスクが高い スウェーデンの全国コホート研究で最長43年追跡 米国Mount Sinai医科大学のCasey Crump氏らは、スウェーデン国民を対象とした出生登録と病院登録データを照合し、1973~2014年に生まれた子どもを最長で43歳になるまで追跡し、慢性腎臓病(CKD)発症リスクを調べたところ、早産で生まれた子どもは小児期から中年期までにCKDを発症するリスクが高… 2019/05/29 腎・泌尿器
インタビュー◎末期腎不全患者診療の最新動向 34万人の臓器不全患者を救っていることに胸を張れ 新北九州腎臓クリニック(福岡県北九州市)理事長の海津嘉蔵氏に聞く 多額の医療費を使う透析医療は医療費総額を押し上げるものとしてやり玉に挙げられることが多いが、34万人もの臓器不全患者の命を救っていることに腎臓/透析医はもっと胸を張ってよい。患者を救うことと医療費がかかることは別の問題であろう──。長年、透析医療や透析にしない治療を手掛けてきた… 2019/05/28 腎・泌尿器
インタビュー◎透析を始めたことを患者に後悔させないために 透析導入前に患者と話し合うべき4つの選択肢 伊丹腎クリニック(北海道登別市)理事長の伊丹儀友氏に聞く 透析導入が必要となる段階で、医師は患者に対して治療の選択肢を十分に説明できているだろうか。長年、透析医療に携わり、日本透析医学会が2014年に「維持血液透析療法の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」の策定に関わったほか、腎臓病SDM推進協会の理事も務める伊丹腎クリニッ… 2019/05/27 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から 4通りのeGFR計算式の精度を検証する 臨床的に有用だが精度には限界あり 慢性腎臓病(CKD)患者の糸球体濾過量(GFR)を正確に推定することは重要だ。通常は、血漿クレアチニン値を利用する計算式を用いて推定糸球体濾過量(eGFR)を算出する。フランスLyon市民病院のLuciano da Silva Selistre氏らは、高齢者に対する4通りのeGFR計算式の能力を、イヌリンクリアランス… 2019/05/22 腎・泌尿器
インタビュー◎透析医学会の提言の背景にあるもの 透析見合わせを患者と話すときに医療者が心がけるべきことは? 春日井市民病院(愛知県春日井市)統括顧問の渡邊有三氏に聞く 公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者が血液透析治療を中止する選択をし、その後、死亡に至ったとする報道を機に非難や責任を追及する声が広がった。このときポイントとなった「透析を中止する(見合わせる)」という選択については、日本透析医学会が2014年に「維持血液透析療法の開始と… 2019/05/21 腎・泌尿器
Lancet誌から アトラセンタンは2型糖尿病患者の腎臓病進行を遅らせる ただし薬に反応する患者を選ぶ必要がありそう オランダGroningen大学のHiddo J L Heerspink氏らは、慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者で、高濃度のアルブミン尿がある患者を対象に、選択的エンドセリンA受容体拮抗薬のアトラセンタン、またはプラセボを経口投与して腎不全への進行抑制効果を比較した臨床試験SONARを実施して、アトラセンタンに… 2019/05/14 腎・泌尿器
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 糖尿病患者の腎症進行の原因物質を同定、新たな治療法につながるか 東北大学病態液性制御学分野教授の阿部高明氏に聞く ──これまで慢性腎不全モデルマウスに便秘薬を投与すると腸内細菌叢が改善し、さらに慢性腎臓病(CKD)の進行抑制ができる可能性があると報告されています。 2019/04/24 腎・泌尿器
シリーズ◎腎臓を守る最新の治療戦略 腎障害時に腸内細菌が作るD-セリンが腎臓を守る! 金沢大学腎臓内科学教授の和田隆志氏に聞く 急性腎障害が発生すると腸内細菌がD-セリンを作り、それが腎臓に集まって腎保護作用を示す──。そんな研究結果が最近、報告された。 2019/04/05 腎・泌尿器
Lancet誌から CKD患者の代謝性アシドーシス用の新薬が有望 消化管内の塩酸を吸着するポリマー薬のフェーズ3試験 慢性腎臓病(CKD)が進行した患者では、慢性代謝性アシドーシスが起こりやすい。現在アシドーシス治療に用いられている重炭酸ナトリウムの経口投与は塩酸を中和するだけだが、非吸収性のカウンターイオンフリーなポリマー薬であるveverimerは、消化管内の塩酸に選択的に結合し、除去する作用を持… 2019/04/03 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から 尿中シュウ酸値が高いとCKDが進行しやすい 24時間尿のシュウ酸値別にeGFRの50%低下や透析導入の発症率を比較 米国Harvard大学医学部のSushrut S. Waikar氏らは、尿中のシュウ酸排泄量が多いと慢性腎臓病(CKD)が進行しやすくなるという仮説を検証するため、Chronic Renal Insufficiency Cohort(CRIC)研究に参加している患者の24時間尿のシュウ酸排泄量を測定し、排泄量が多い患者は、CKDが進行しやすく… 2019/03/25 腎・泌尿器
リポート◎中等度腎機能障害にも使える新規MR拮抗薬 注目の第3世代MR拮抗薬、実力は?注意点は? 降圧効果に加えて臓器保護効果も、高カリウム血症には要注意 2019年1月、新規の降圧薬エサキセレノン(商品名ミネブロ)の製造販売が世界で初めて承認され、5月にも発売される見通しだ。同薬はミネラルコルチコイド受容体(MR)をブロックし、アルドステロンの作用を阻害するMR拮抗薬(アルドステロン拮抗薬とも呼ばれる)の第3世代。新薬の登場によって、高… 2019/03/07 循環器
【新薬】エサキセレノン(ミネブロ) 糖尿病や中等度腎障害合併の高血圧患者にも投与可能なMR拮抗薬 2019年1月8日、高血圧症治療薬エサキセレノン(商品名ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg)の製造販売が承認された。適応は「高血圧症」、用法用量は「成人、1日1回2.5mgを経口投与。効果不十分な場合は5mgまで増量可」となっている。… 2019/02/15 循環器
JAMA Intern Med誌から 透析を受けたがらないCKD患者への対応 説得しても透析を受けない場合はあきらめる医師が多い 慢性腎臓病(CKD)が進行しているのに透析を開始しなかった患者と担当医の間でどのようなやり取りが行われ、どのようなケアが提供されたのかを調査した米Veterans Affairs Puget Sound Health Care SystemのSusan P. Y. Wong氏らは、現状では医療従事者が透析を受けるか受けないかで二者択一的な… 2019/02/13 腎・泌尿器
BMJ誌から 肥満は腎機能低下リスクを亢進させる BMIなどの肥満度が高い人はGFRが低下しやすく死亡率が高い 肥満の程度とその後の糸球体濾過量(GFR)の低下の関係を検討する大規模なメタ分析を行った米Kidney Health Research InstituteのAlex R Chang氏らは、BMIが25を超える人々のその後8年間のGFR低下リスクは高く、BMIが大きいほどリスク上昇は傾向を示したと報告した。結果は、BMJ誌電子版に2019年1… 2019/02/01 腎・泌尿器
JAMA誌から リナグリプチンで心血管リスク上昇せず CKD合併2型糖尿病患者を対象としたCARMELINA試験の結果 慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者に対する、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬リナグリプチンの標準治療への上乗せは、プラセボの上乗せに比べて心血管リスクを上昇させなかった。CARMELINA試験の結果で、2018年10月の欧州糖尿病学会(EASD)で発表され、11月9日にJAMA誌オンラ… 2019/01/04 代謝・内分泌
危険がいっぱい! NSAIDsの漫然投与 72歳男性。高血圧のため7年前から内科通院中。「血圧が上昇傾向にあったため、降圧薬を追加した。患者に聞くと、3日前に腰痛のため近所の整形外科クリニックを受診し、薬を飲んだら楽になったとのことだった。患者のお薬手帳を確認したところ、セレコックス(一般名セレコキシブ)の100mg錠が1回1錠… 2018/12/07 循環器
Ann Intern Med誌から 厳格降圧群のCKD発症率上昇は何を意味する? SPRINT試験参加者の尿バイオマーカーを検討 米California大学San Francisco校のWilliam R. Zhang氏らは、SPRINT試験の参加中に慢性腎臓病(CKD)を発症した患者と、同じ試験参加者の中から条件をマッチさせた対照群の腎臓バイオマーカーの変化を比較する研究を行い、血圧の厳格管理群にCKD発症者が多かったのは、主に降圧効果で腎血流量が減… 2018/11/22 循環器
腹部エコー診療の実際5 脈管・腎/副腎/泌尿器・婦人科臓器・その他篇 慢性腎不全 「症例に学ぶ腹部エコー診断のポイント」を全面改訂、内容を一新し、2008年に発売した日経メディカル・ビデオ「腹部エコー診療の実際」から会員限定で収録動画を公開します。 2018/10/26 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から アロプリノールはCKDを悪化させない 痛風患者のステージ3CKD発症率をアロプリノールの有無で比較 腎機能が低下している痛風患者には、アロプリノール投与を躊躇する臨床医は少なくない。ブラジルRio de Janeiro 州立大学のAna Beatriz Vargas-Santos氏らは、腎機能が正常またはステージ2までの慢性腎臓病(CKD)で、初めて痛風と診断された患者を対象とするコホート研究を行い、アロプリノール… 2018/10/22 代謝・内分泌
第51回日本薬剤師会学術大会より 標準化eGFRと個別化eGFRの違い、理解不足 「鹿児島腎と薬剤研究会」の研修で明らかに 患者の腎機能のモニタリングと腎機能に応じた薬物投与量の監査は、薬剤師の重要な役割の1つ。しかし、その重要性はまだ十分認知されておらず、特に腎機能検査値の違いや使い分けを理解している薬剤師が少ないことが明らかになった。金沢市で開催された第51回日本薬剤師会学術大会で、「鹿児島県腎… 2018/10/09 腎・泌尿器
実は身近に起きている「コレステロール塞栓症」 コレステロール塞栓症をご存じだろうか。大動脈内腔に生じた粥状硬化病変のプラークが破綻し内部のコレステロール結晶が遊離・飛散して、末梢の細小動脈に詰まり炎症を起こす疾患で、「コレステロール結晶塞栓症」(cholesterol crystal embolization:CCE)とも呼ばれる。塞栓症状が最も表れやす… 2018/09/25 腎・泌尿器
「正しい情報」だけでは変わらない患者の行動を変えるには 森 維久郎氏(デジタルハリウッド大学大学院、腎臓内科医)に聞く 三重大学医学部卒。腎臓内科医。「回避可能な透析導入を防ぐ腎臓医療」を行うべく、腎臓の情報発信サイト「腎臓内科.com」を運営。人工知能を使った医療現場のソリューションを開発。現在は、国立病院機構千葉東病院に勤務しながら、デジタルハリウッド大学大学院に在籍中。2020年に赤羽で腎症予防… 2018/09/21 腎・泌尿器
学会トピック◎第41回日本高血圧学会総会 糖尿病患者の2人に1人がDKD 全国の大学病院など8施設を受診した糖尿病患者約1万人のデータを解析したコホート研究の結果から、糖尿病患者の52%が糖尿病性腎臓病(DKD)であることが明らかになった。東京大学腎臓内科学・内分泌病態学の吉田唯氏らが第41回日本高血圧学会総会(9月14~16日、開催地:北海道旭川市)で報告し… 2018/09/20 腎・泌尿器
学会トピック◎第66回日本心臓病学会学術集会 CKDで糖尿病合併例はさらに予後不良 冠動脈形成術を行った患者約4600名の予後を約5年間追跡調査した結果から、糖尿病性腎臓病(DKD)を合併していると、慢性腎臓病(CKD)を罹患していない患者や糖尿病非合併のCKD患者よりも、心血管複合イベントのリスクが有意に高いことが示唆された。順天堂大学循環器内科学の遠藤裕久氏らが第66… 2018/09/13 腎・泌尿器
リポート◎慢性腎臓病(CKD)診療ガイドラインが大幅改訂 CKDでは厳格降圧のメリットは小さい 専門医への紹介基準が簡略化、降圧治療の目標や薬の選択も変更 国内に1300万人以上の患者がいるとされる慢性腎臓病(CKD)。高齢化の進展に伴い、CKD治療の考え方は大きく変わってきた。かかりつけ医と専門医の緊密な連携によって、年齢や状態に応じた治療を行うことで、透析導入を食い止める――。そうした治療の上での日常的な疑問に答える形で、かかりつけ… 2018/08/07 腎・泌尿器
300人超の大動脈内部を血管内視鏡で観察 大動脈プラーク自然破綻は日常的に起きている? 冠動脈疾患がある、または疑われる324例に対し、血流維持型血管内視鏡検査を施行し大動脈内部を観察したところ、8割の患者に自然破綻した大動脈プラークが見つかった。NPO法人日本血管映像化研究機構理事長の児玉和久氏(大阪警察病院[大阪市天王寺区]名誉院長)らのグループが、米国心臓病学会… 2018/07/31 循環器
SGLT2阻害薬が糖尿病治療薬ではなくなる日 ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬に、「腎保護薬」という新たな評価が与えられた。米国ヤンセンは7月16日、カナグリフロジンの腎保護効果を検証した大規模臨床試験CREDENCEに関して、中間解析であらかじめ定められた有効性の基準を満たしたため早期終了したと発表した。腎アウトカ… 2018/07/30 代謝・内分泌
JAMA Intern Med誌から 中等度CKD患者にもメトホルミンは使える アシドーシスのリスクが有意に上昇するのはeGFR30未満から メトホルミンは2型糖尿病患者に対する第1選択として推奨されているが、腎機能が低下している患者では、乳酸アシドーシスが発生する可能性がある。米国Johns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのBenjamin Lazarus氏らは、Geisinger Health Systemを利用した地域住民コホートを用いて、乳… 2018/06/25 代謝・内分泌
学会トピック◎第61回日本腎臓学会学術総会 D-アミノ酸はCKDの腎予後予測に有用 長らく生体内には無いと考えられてきた鏡像異性体のD-アミノ酸が、近年、分析技術の進歩によって生体内に存在し、様々な臓器で何らかの役割を担っていることが明らかにされつつある。6月8日から新潟市で開催された第61回日本腎臓学会学術集会で、医薬基盤・健康・栄養研究所KAGAMIプロジェクトプ… 2018/06/13 腎・泌尿器
第16回 糖尿病合併症「しめじ」の診察ポイントは? 今回は糖尿病の慢性合併症について解説します。高血糖の状態で何年も治療されないままでいると、血管が障害されて血流が悪くなり、そこにつながる臓器が障害されていきます。うち、微小な血管が障害されて起こる合併症は「細小血管合併症」と呼ばれ、神経系では糖尿病神経障害として、眼では糖尿… 2018/06/07 腎・泌尿器
学会トピック◎第7回臨床高血圧フォーラム CKDガイドラインと整合性のあるJSH2019に 「蛋白尿の有無にかかわらず130/80mmHg」は否定的 高血圧を伴うCKD患者に130/80mmHg未満への降圧療法は推奨されるか? これは日本腎臓学会が6月に発行する『CKD診療ガイドライン2018』のクリニカルクエスチョン。その推奨内容は、高血圧治療ガイドライン(JSH2019)にも反映される見通しだ。日本腎臓学会理事長を務める川崎医大の柏原直樹氏は、… 2018/05/23 循環器
日経メディカル 書籍紹介 レジデントのための腎臓教室 腎疾患に関する教科書。腎臓の構造・機能から始まり、検査値の読み方、原発性・続発性腎疾患の解説、腎臓病患者への薬物投与の注意点まで腎疾患診療の基本がまとめられている。 2018/03/05 腎・泌尿器
JAMA Intern Med誌から CKDのある心不全患者にはICDは推奨しにくい 米国Kaiser Permanente加入者のコホート研究 慢性腎臓病(CKD)がある心不全患者でも、植え込み型除細動器(ICD)を適用すると、予後は改善するのか。米Washington大学のNisha Bansal氏らは、米国で医療保険サービスを展開するKaiser Permanenteの加入者を対象にコホート研究を行い、条件をマッチさせたICD非使用者に比べ、ICDを使用した患者… 2018/02/28 循環器
私の視点◎先進医療Bとなった病腎移植を考える 病気腎移植はドナーのデメリットが多くないか 東邦大学名誉教授の相川厚氏に聞く 2017年10月、厚生労働省の先進医療技術審査部会は、東京西徳洲会病院が申請していた「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植術」について条件付きながら先進医療Bとして認めた。 2018/02/28 癌
医師4371人に聞く「病気腎移植に賛成ですか、反対ですか」 病気腎移植、泌尿器科医では賛否が拮抗 2017年10月、厚生労働省の先進医療技術審査部会は、東京西徳洲会病院が申請していた「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた修復腎移植術」について条件付きながら先進医療Bとして認めた。 2018/02/28 癌
AMED研究班、末期腎不全の代替エンドポイント発表 2~3年間でのeGFRの30~40%低下が指標に かかりつけ医から腎臓専門医・糖尿病専門医への紹介基準も公開 日本人における末期腎不全(ESRD)の代替エンドポイントとして、欧米と同様な推算糸球体濾過量(eGFR)の低下率(2~3年間における30~40%の低下)の採用が決まった。日本腎臓学会と日本医療研究開発機構(AMED)「腎領域における慢性疾患に関する臨床評価ガイドラインの策定に関する研究」班の… 2018/02/27 腎・泌尿器
特集◎生活習慣病 7つの新常識《5》 病像の変化で糖尿病腎症から糖尿病性腎臓病に 近年、糖尿病管理の向上や患者の高齢化を背景に、従来の糖尿病腎症の病像に当てはまらない腎機能低下患者が増えている。こうした変化を捉え欧米では「糖尿病性腎臓病」という疾患概念が提唱され、我が国でも使われ始めた。… 2018/02/21 代謝・内分泌
【インタビュー】 データベースが腎臓診療を進化させる 日本腎臓学会理事長 柏原 直樹氏 日本腎臓学会理事長に就任以降、学会の5カ年計画の策定、全国の施設を受診している慢性腎臓病(CKD)患者の電子カルテ情報を一元化する「J-CKDデータベース」の整備、学会と企業や行政との連携を深めるKidney Research Initiative-Japanの設立など、矢継ぎ早に新たな取り組みを始めている。その取り… 2017/12/20 循環器
JAMA誌から セルトラリンはCKD患者のうつを軽減しない 有効性はプラセボと差がなく悪心・嘔吐、下痢は多い 慢性腎臓病(CKD)で大うつ病の患者に対するセロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRIs)の有効性と安全性について検討する臨床試験を行った米Texas大学Southwestern Medical CenterのS. Susan Hedayati氏らは、セルトラリン12週投与はプラセボに比べうつ症状を軽減していなかったと報告した。JAMA… 2017/11/29 腎・泌尿器
学会トピック◎米国腎臓学会学術集会(ASN2017) バルドキソロンメチルは糖尿病性腎臓病に有効 投与16週後のGFRを改善、第2相試験TSUBAKIの結果 バルドキソロンメチル(BARD)の16週間の投与により、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(糖尿病性腎臓病、DKD)患者の糸球体濾過量(GFR)が有意改善したと、米国腎臓学会学術集会(ASN2017、11月2~5日、開催地:ニューオーリンズ)で東京大学腎臓内分泌内科の南学正臣氏らが報告した。国内第2相試… 2017/11/20 腎・泌尿器
NEJM誌から 重度のCKDがあるC型肝炎患者のSVR達成率 グレカプレビルとピブレンタスビル12週投与が有効 進行した慢性腎臓病(CKD)がありC型肝炎でもある患者を対象に、グレカプレビルとピブレンタスビルの配合錠を投与するフェーズ3試験を行った、ニュージーランドAuckland City HospitalのEdward Gane氏らは、HCVのジェノタイプにかかわらずウイルス学的著効(SVR)達成率は96%だったと報告した。… 2017/11/07 消化器
リポート◎糖尿病患者の降圧治療を再考する(1) 「第一選択はとにかくRA系阻害薬」は正しい? 国内の各種ガイドラインでは、糖尿病を合併する高血圧の降圧治療の第一選択はRA系阻害薬が推奨されている。しかし近年、糖尿病を合併していれば常に“まずはRA系阻害薬”とは言えない知見が明らかになってきた。処方を決める際には尿蛋白の有無を調べることが大切で、さらに処方を開始して2カ月以… 2017/11/01 代謝・内分泌
学会トピック◎第40回日本高血圧学会総会 高血圧発症にはごく軽度の血圧上昇に起因する腎機能低下が関与する 高血圧の発症には、糸球体ろ過量(GFR)の低下や糸球体傷害が関与する。そしてGFRの低下の背景には至適血圧から正常血圧へといった軽度な血圧上昇があると考えられる──。10月20日から愛媛県松山市で開催された第40回日本高血圧学会で、東北労災病院高血圧内科部長・生活習慣病研究センター長の… 2017/10/25 循環器
【特集】腸内細菌叢コントロールで難治疾患に挑む CKDの原因に便秘 便秘薬に腎保護作用 慢性腎臓病(CKD)を治す薬剤は存在しないが、便秘薬を活用することで血清クレアチニン値を改善させられる可能性が出てきた。食事由来成分と腸内細菌により産生される尿毒素を腸内に滞留させないことが、予後改善に有効だ。… 2017/10/19 腎・泌尿器
学会トピック◎第65回日本心臓病学会学術集会 造影剤を大幅に減らせる新しい血管造影法でCKD例でも腎機能を維持 造影剤を10倍ほど希釈し、デジタルサブトラクションアンギオグラフィ-(DSA)を組み合わせて造影撮影するLC-DSA法を活用すれば、保存期慢性腎不全(CKD)患者の末梢動脈疾患カテーテル治療(EVT)において造影剤の使用量を減らし、腎機能を維持できることが示された。国保旭中央病院循環器内科の… 2017/10/05 循環器
JAMA Pediatrics誌から 小児のCKD進行予測に有用なバイオマーカー 血清可溶性ウロキナーゼ受容体濃度は小児でも有望 小児の慢性腎疾患(CKD)患者の腎機能低下のリスクを予測するマーカーとしての血清可溶性ウロキナーゼ受容体(suPAR)の有用性を検討した独Heidelberg大学病院のFranz Schaefer氏らは、推定糸球体濾過量(eGFR)に基づいて軽症から中等症と見なされる小児患者では、suPAR値がその後の腎機能低下リ… 2017/09/29 腎・泌尿器
日経メディカル 書籍紹介 薬剤性腎障害(DKI)診療Q&A 薬剤性腎障害の疾患概念、診断、疫学、治療を示した総論に続き、各論で鎮痛薬や抗菌薬、生活習慣病治療薬などの薬効別に、腎障害の生じやすさや腎障害を有する患者での使い方などを詳説する。 2017/08/17 腎・泌尿器
トレンド◎急性腎障害(AKI)診療ガイドライン発行 急激な腎機能低下を一過性と侮るな 手術後、敗血症、脱水に共通して懸念される予後不良の病態 夏場、暑い盛りに屋外で農作業をしている高齢者に注意すべきは脱水だが、その先にある急性腎障害(AKI;Acute Kidney Injury)にも目をこらす必要がある──。日本腎臓学会、日本集中治療医学会など5学会が合同で刊行したAKI診療ガイドラインでは、様々な患者で起こり得るAKIへの注意を促している… 2017/08/01 腎・泌尿器
トレンド◎腎臓内科医が腸内環境に注目 腎不全予防のターゲットは便秘 最近、腎臓内科医の間で腸内細菌の変化や、腸内細菌が産生する尿毒素の悪影響が腎機能低下を引き起こすことへの注目が高まっている。さらに食事由来成分などの物質輸送能の変化も腎機能に影響を与えることを示唆する知見も得られ始めた。便秘を改善することが末期腎不全への進展を防ぐ治療になる… 2017/07/31 腎・泌尿器
心腎連関の機序に迫る東大の研究 交感神経とマクロファージが関与する 皆さんご存知のように、慢性心不全の患者さんの40%以上が慢性腎疾患(CKD)を持つことから、心臓と腎臓には密接な関連があり、「心腎連関」と呼ばれて注目されています。その機序として、心拍出量の低下による腎血流低下、あるいは腎臓のうっ血が挙げられます。臨床家の先生方は、そのどちらかが… 2017/07/04 循環器
学会トピック◎第60回日本腎臓学会学術総会 国際腎臓学会と共同で仙台宣言、啓蒙や検診の推進などを掲げる 5月26日から28日まで仙台市で開催された第60回日本腎臓学会学術総会で、腎臓病撲滅のための仙台宣言を発表した。日本腎臓学会と国際腎臓学会、第60回日本腎臓学会学術総会が共同で宣言した。 2017/05/29 腎・泌尿器
BMJ誌から ACE阻害薬やARBは死亡リスクを上昇させる 血清クレアチニン値モニターは欠かせない 英国のプライマリケアで、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の処方が開始された患者を対象に、治療前と治療開始後の血清クレアチニン値を比較し、その後のアウトカムとの関係を調べた、英国London大学衛生学熱帯医学大学院のMorten Schmidt… 2017/04/05 循環器
特集◎厳格降圧時代の高血圧診療《3》 合併症アリの患者はどこまで降圧すべき? 我が国の高血圧治療ガイドライン(JSH2014)が定める降圧目標(表4)は、おしなべてSPRINT厳格降圧群の目標値より高い。合併症や年齢を問わず、一律に厳格降圧を目指すべきなのか。利尿薬をどう活用すべきなのか。… 2017/02/10 循環器
特集◎厳格降圧時代の高血圧診療《2》 120まで下げて有害事象は増加しない? SPRINTの主要評価項目を構成する個々の評価項目の成績と、使われた降圧薬の内訳を比べると、厳格降圧群の「勝因」が見えてくる。個々の評価項目で有意に減少していたのは、心不全と心血管死亡の2つだけ(表1)。中でも強く寄与したと考えられるのが心不全で、その原動力になったと見られるのが利… 2017/02/09 循環器
Kidney International誌から eGFR低下は日本人でも末期腎不全の代替指標に 欧米人と同様に日本人の慢性腎臓病(CKD)患者でも、1~2年間における推算糸球体濾過量(eGFR)の30~40%の低下は、末期腎不全(ESRD)の代替評価指標として有用であることが明らかになった。米国ジョンスホプキンス公衆衛生大学院の松下邦洋氏らの検討結果で、Kidney International誌2016年11月… 2017/02/09 腎・泌尿器
NEWS◎米FDA提唱の「eGFR30~40%低下」を我が国でも採用 末期腎不全の新しい代替エンドポイント案が発表 日本人慢性腎臓病(CKD)患者における末期腎不全(ESRD)の代替エンドポイント案として、「2~3年後の推算糸球体濾過量(eGFR)の30~40%の減少」が提案された。現状の代替エンドポイントである血清クレアチニンの2倍化よりも発生頻度が高く、腎エンドポイントを比較検討する臨床試験の迅速化が… 2017/02/09 腎・泌尿器
特集◎厳格降圧時代の高血圧診療《1》 「血圧は低ければ低いほどいい」って本当? 米国で行われた大規模臨床試験SPRINTの結果は、心血管疾患を合併した患者や後期高齢者でも「血圧値はより低い方が好ましい(the lower, the better)」ことを明確に示したエビデンスとして、世界中の臨床医に衝撃を与えた。だが、多様な合併症を持つ個々の患者に対し、実臨床でどこまで血圧を下げら… 2017/02/08 循環器
トレンド◎レセプト・健診データ使いハイリスク住民に受診勧奨 埼玉県で糖尿病の新規受診率が倍増した理由 「あなたは糖尿病(疑い)ですが、医療機関を受診していません。糖尿病を放置すると透析、失明、下肢切断などになってしまうので医療機関を受診してください。なお、お近くにはA医院、Bクリニックなどがあります」。こうした通知が届いて新たにクリニックを受診する糖尿病患者が来年から全国で急… 2016/11/17 腎・泌尿器
日本高血圧学会(JSH2016)より LCZ696は降圧とともに腎障害や心不全を改善 アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の作用とともに、ナトリウム利尿ペプチドの分解酵素である中性エンドペプチダーゼ(NEP)のネプリライシンを阻害する作用を有するアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNi)のLCZ696。今、同薬剤が持つ臓器保護作用に注目が集まっている。第39… 2016/10/18 循環器
BMJ誌から 心房細動は様々な心血管リスクを上昇させる メタアナリシスで有意差がなかったのは脳出血だけ 心房細動(AF)は総死亡と脳卒中のリスクを上昇させる。英Oxford大学のAyodele Odutayo氏らは、系統的レビューとメタアナリシスを行って、AFは脳梗塞以外のさまざまな心血管疾患や腎疾患のリスクも上昇させると報告した。結果はBMJ誌電子版に2016年9月6日に掲載された。… 2016/10/04 循環器
特集◎リハビリが変わる、医療が変わる《3》 腎臓リハ◆腎臓病も運動で透析遅らせ予後改善 「CKDに対する運動の在り方は、コペルニクス的転回点にある」。東北大学内部障害学教授の上月正博氏は、慢性腎臓病(CKD)に対する運動の利点が明らかになり、運動制限から運動推奨に大きく転換しつつある現状をこう表現する。… 2016/07/25 腎・泌尿器
JAMA誌から CKD患者のNa排泄量が多いと心血管リスクは高い 24時間尿のNaが多いとうっ血性心不全と脳卒中のリスクが上昇 慢性腎疾患(CKD)患者における尿中ナトリウム排泄量と心血管疾患(CVD)罹患率の関係を調べる前向きコホート研究を行った米国Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのKatherine T. Mills氏らは、尿へのナトリウム排泄量が多い患者ではCVDのリスクが上昇していること… 2016/06/21 腎・泌尿器
【適応追加】ビキサロマー(キックリン) リン吸着ポリマー製剤が保存期CKDにも使用可能に 2016年2月29日、高リン血症治療薬ビキサロマー(商品名キックリンカプセル250mg)の適応が拡大された。新しい適応は「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」で、1回500mgを開始用量として、1日3回食直前に投与する。最高用量は1日7500mg。本薬は2012年6月から「透析中の慢性腎不全患者での高… 2016/03/18 医薬品
JAMA誌から スタチンは心臓手術後の急性腎障害を減らさない 米国のプラセボ対照RCTで委員会が登録中止勧告 周術期にアトルバスタチンを投与しても、心臓手術後に急性腎障害(AKI)を合併するリスクを減少させることはできないという研究が報告された。これは、米国Vanderbilt大学のFrederic T. Billings氏らが行ったプラセボ対照の二重盲検の無作為化試験によるもので、結果はJAMA誌電子版に2016年2月23… 2016/03/18 外科
Ann Intern Med誌から 腎性貧血のHb値が高くてもQOLは向上しない エリスロポエチン系薬の治療目標は低めが好ましい エリスロポエチン系薬(ESA)を用いた慢性腎疾患に伴う腎性貧血の治療で、ヘモグロビンの目標値を高く設定しても、患者のQOLはそれ以上改善しないという研究が報告された。これはカナダManitoba大学のDavid Collister氏らが系統的レビューとメタアナリシスを行ったもの。詳細は、Ann Intern Med誌… 2016/03/08 腎・泌尿器
特集◎糖尿病治療薬 戦国時代《5》インタビュー 「高齢者糖尿病は個別の管理目標を」 東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授 門脇 孝氏 2型糖尿病に対する薬剤開発はSGLT2阻害薬の上市で一段落し、各薬剤のエビデンスも出そろってきた。年齢や病態に応じた治療が求められる中、これまでのエビデンスをどのように診療に生かせばよいのか。日本糖尿病学会理事長で、糖尿病診療のオピニオンリーダーの1人である門脇氏に聞いた。… 2016/02/16 代謝・内分泌
特集◎糖尿病治療薬 戦国時代《1》 SGLT2阻害薬◆高評価の欧米 日本では後手 2015年9月、朝晩は既に肌寒くなった北欧ストックホルムで開催された第51回欧州糖尿病学会(EASD2015)。その最大のトピックスが、SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名ジャディアンス)の心血管安全性を評価した「EMPA-REG OUTCOME試験」(以下EMPA-REG)の発表だった。2000席以上あろうかという… 2016/02/10 代謝・内分泌
JAMA Internal Medicine誌から PPIの使用でCKDのリスクが上昇する H2ブロッカーではリスク上昇が見られず プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用が、その後の慢性腎疾患(CKD)発症リスクを有意に上昇させるという研究が報告された。これは米Johns Hopkins大学のBenjamin Lazarus氏らが、大規模多施設前向きコホート研究のデータを解析したもの。詳細はJAMA Internal Medicine誌電子版に2016年1月11日に掲… 2016/01/28 腎・泌尿器
ソクラテス流・CCrとeGFRの使い分け こんにちは。「薬局にソクラテスがやってきた」を執筆している山本雄一郎です。この連載が始まって、もうすぐ丸2年となります。皆様の応援、誠にありがとうございます。おかげさまで、今年も昨年同様、22本の記事を掲載することができました。来年もこのペースでお届けできればと思っています。… 2015/12/16 コメディカル
腎障害時は減量だけで万全?リリカの副作用対策 医療用麻薬の講習会を終え、薬局へ戻る。こういう勉強会は、だいたい平日の昼間に開催される。現場の医療者にとって、勉強会というものは業務時間外に開催するのが常識なのだが、お役人様にはそういう感覚はないのだろう。まあ、ウチには頼もしいメンバーがいるので心配はないが、一人薬剤師のと… 2015/12/02 医薬品
【新薬】スクロオキシ水酸化鉄(高リン血症治療薬) ピートル:透析患者用のリン吸収阻害薬 2015年11月27日、高リン血症治療薬スクロオキシ水酸化鉄(商品名ピートルチュアブル錠250mg、同チュアブル錠500mg)が発売された。適応は「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」で、1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。症状、血清リン濃度の程度により適宜増減し… 2015/11/27 腎・泌尿器
第100回薬剤師国家試験に異議あり! 午前最後の患者さんを見送ったあと、薬局の大きな窓から高く澄み渡った青空を眺める。患者さんが少なく、何事もないのは良いことなのだが、そんな時ほど、この薬局という狭い箱から飛び出したくなる。そんな感傷に浸っていると、休憩室から楽しそうな話し声が聞こえてきた。どうやら、かこちゃん… 2015/10/19 コメディカル
ループ利尿薬:フロセミドが圧倒的な人気 第2位はアゾセミド、第3位はトラセミド 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、最も処方頻度の高いループ利尿薬を聞いたところ、第1位はフロセミド(商品名オイテンシン、ラシックス他)だった。医師の73.8%がフロセミドを挙げ、最も人気のあるループ利尿薬であることが分かった。… 2015/06/25 循環器
ループとの併用でサイアザイドが復活する理由 「ちょうどサイアザイド系利尿薬について勉強していたところなんです」。あゆみさんが、午前診療のラストの患者Gさんの薬歴を書き終え、こちらを見た。「Gさん、透析になるかもしれないって、大学病院の腎臓内科に紹介されていたじゃないですか」。… 2015/06/23 循環器
第11回 蛋白尿ある糖尿病患者、どうフォローする? こんにちは! ホンマでっか症例帳のお時間です。第11回となりましたが、様々な診療科の先生にバトンを渡しつつ、診療のコツをご紹介させていただきます。さて今回、「ヨコバン」こと横林賢一と対談してくださるのは、大町土谷クリニック(広島市安佐南区)の松原由紀子先生です。… 2015/04/09 腎・泌尿器
久山町研究の疫学データから明らかに 尿酸値5.0mg/dL以上はCKDの発症リスク 公益社団法人久山生活習慣病研究所と帝人ファーマは、2015年2月25日、久山町研究の疫学データから、5.0mg/dL以上の尿酸値高値で慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが有意に高まることが明らかになったと発表した。研究成果は、2015年6月に名古屋市で開催される第58回日本腎臓学会学術総会で発表される… 2015/02/26 腎・泌尿器
Circulation誌から SAVOR試験における心不全入院増、既往者やCKD合併がリスク ジペプチルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬サキサグリプチンの心血管安全性とイベント抑制効果を評価したSAVOR-TIMI 53試験では、主要評価項目に関してプラセボ群とサキサグリプチン群の間に有意な差は見られなかった。ところが心不全による入院についてはサキサグリプチン群の方が27%、有意に増加… 2014/12/10 代謝・内分泌
私の処方◎花房規男(東京大学腎疾患総合医療学講座特任准教授) リン高値はリン吸着薬を開始、降圧薬は就寝前投与がベター 患者は58歳男性である。8年ほど前に高血圧や高脂血症、糖尿病を指摘され、治療を受けてきたがコントロールは不良。腎機能が低下して当院腎臓内科に紹介受診となった。 2014/12/01 腎・泌尿器