TOPIC◎日本小児科学会のレジストリ調査から 小児コロナ症例、重症化傾向に変化はあるのか 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の日本国内の小児例において、臨床症状と重症度の変遷が明らかになった。2020年2月から2021年7月の流行初期に40%ほどに認めた発熱は、オミクロン株流行期に入って80%に増加。また、肺炎の合併頻度は成人に比べて低率で推移し、デルタ株やオミクロン株の流行… 2022/03/22 小児科
5歳児にアモキシシリンを1回大量投与する理由 ある日の夕方、近医から「先天性心疾患の子が歯科治療をするので、処方箋を出します。対応よろしくお願いします」と電話がありました。しばらくして、5歳4カ月(体重14kg)の女児を連れた母親が持ってきた処方箋は「アモキシシリン細粒10%700mg 1日1回 朝食後」というものでした。… 2022/01/04 小児科
シリーズ◎第6波のインパクトを占う4つの視点 小児COVID-19の実態と第6波への課題 12歳未満へのコロナワクチン接種の議論を 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児例は、感染者数そのものが少ない上に、ほとんどが無症状で症状があっても軽症──。そんな常識は、デルタ株が流行の主役だった第5波で覆ってしまった。国内の小児COVID-19例の実態を振り返り、第6波へ向けた課題を追った。… 2021/11/17 小児科
NEWS◎国立成育医療研究センターがQ&Aを公表 小児COVID-19の疑問に回答、ワクチン、こころの問題も 国立成育医療研究センターは2021年11月5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のQ and Aをウェブで公開した。小児COVID-19の症状やワクチン接種を含めた感染対策のほか、こころの問題も取り上げているのが特徴。同センターは「新規感染者数が減少している今だからこそ、改めて一般の人が疑問に… 2021/11/09 小児科
8月16~22日の「話題になった論文」 SARS-CoV-2感染小児から家庭内の2次感染を調べた論文に注目集まる 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/08/31 感染症
川崎病患者への低用量アスピリン、ウイルス感染症時の休薬は? 小児科の処方箋で扱う薬は抗アレルギー薬、抗菌薬、止痢薬/止瀉薬、喘息治療薬などが多いのですが、時には成人でもよく使う抗血小板薬が出されることがあります。その代表が川崎病です。川崎病は乳幼児に発症する急性熱性疾患で、血管炎を主病変とした血管炎症候群です。無治療では約25~30%の… 2021/08/26 小児科
インタビュー◎ハイリスク児へのパリビズマブ投与で入院患者激減 RSV対策は新規抗体医薬の登場でさらに進化!? 「小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021」監修代表の吉原重美氏に聞く 今年、患者が激増しているRSウイルス感染症。そのRSウイルス感染症に関する初めての診療ガイドライン「小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021」がこの6月に発行された。監修代表を務めた獨協医科大学副院長で、小児科学主任教授の吉原重美氏に、RSウイルス感染症の実像を聞いた(文中敬… 2021/08/25 小児科
インタビュー◎コンセンサスステートメント作成委員長の宮入烈氏に聞く 小児COVID-19関連多系統炎症性症候群の特徴 国内発症例あり、8歳前後に好発。発熱+腹部症状や循環不全は鑑別を 日本小児科学会、日本小児感染症学会など5学会は共同で、「小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)診療コンセンサスステートメント」を作成し、5月19日に公開した。MIS-C/PIMSの国内患者数はこれまでのところ1ケタと限られるものの、ゼロではない。MIS-C/PIMSのポイントについて、作成… 2021/07/12 感染症
BMJ誌から 小児がいる家庭のCOVID-19感染リスクは高いか? 英国で小児がいる家庭といない家庭の成人の感染リスクを比較 英国London大学衛生熱帯医学大学院のHarriet Forbes氏らは、同国での感染拡大の第1波と第2波の期間中に、同一世帯内に小児がいた家庭といなかった家庭で、成人のSARS-CoV-2感染リスクとCOVID-19アウトカムに違いがあったかどうかを検討する住民ベースのコホート研究を実施した。その結果、第2波の… 2021/04/14 感染症
トピック◎大阪府が医療非常事態宣言を発表 ワクチン間に合わず、COVIDタイフーン迫る 「COVIDハリケーン」という言葉をご存じだろうか。2021年1月末に、米国三大ネットワークの1つであるNBCの長寿番組Meet the Pressで、出演者のミネソタ大学感染症研究政策センター所長のMichael Thomas Osterholm氏が発した警鐘だ。4月7日に新規コロナ感染者数が878人と過去最多を記録した大阪府。知… 2021/04/09 感染症
トピック◎神戸市の変異株監視体制 コロナ変異株の検出率、38.8%に上昇の意味 「市中に広がっているとまでは言えない」のだが…… 独自の新型コロナウイルス変異株監視体制を展開する神戸市は2021年3月11日、2月26日から3月4日までの1週間に英国変異株(N501Y変異)の検出例が26件確認されたと発表しました。この期間に市内で新規陽性者数は97人で、このうち変異株検査数67のうち変異株確認数は26となり、変異検査件数に占める割… 2021/03/16 感染症
新型コロナウイルス変異株のインパクト 変異株の検出例、10歳未満13%は多いのでは 英国発の新型コロナウイルスの新規変異株が日本で確認されたのが、2020年12月25日でした。あれから2カ月。国内で確認された変異株の検出例は、南アフリカ変異株、ブラジル変異株を含めると2021年2月19日までに173例まで増えました。今回、検出例の年齢に着目て健検討したところ、驚いたことに10歳未… 2021/02/26 感染症
6歳未満の調剤、12点加算に必要な感染対策は 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、小児科の処方箋を主に応需している調剤薬局では処方箋枚数が激減しており、収入面でとても大変です。私の働いている薬局も、薬剤師と医療事務、全自動散剤分包機の「2人+1台」だけの体制となりました。 そのような中、小児患者では特別の院… 2021/02/22 小児科
Lancet Child & Adolescent Health誌から SARS-CoV-2感染小児の中枢神経異常の特徴 MRIやCT画像は急性散在性脳脊髄炎などを示唆する 米国California大学San Francisco校のCamilla E Lindan氏らは、SARS-CoV-2感染小児の中枢神経系の症状について分析するために、世界中から症例データを集めて神経画像データを中心に検討し、それまで健康に成長していた小児でも、SARS-CoV-2感染に関連した急性期または遅発型の中枢神経系異常が見… 2021/01/13 感染症
JAMA Pediatrics誌から NICU患者の大腸菌の抗菌薬感受性の変遷 2009~17年の耐性割合に経時的変化はないが、アンピシリン耐性は6割以上 大腸菌(Escherichia coli)は新生児期の重篤な感染症の起炎菌として最も頻度が高い。米国Philadelphia小児病院のDustin D. Flannery氏らは、2009年から2017年までの期間に、米国内のNICUに入院していた患者から分離された大腸菌株の薬剤感受性の実態と経時的な変化について検討し、JAMA Pediatri… 2020/11/30 小児科
トピック◎感染研が感染症発生動向調査を基に分析 20歳未満COVID-19例、重篤肺炎2例、死亡ゼロ 「小児はSARS-CoV-2に感染しにくいとは判断できない」 日本で確認された20歳未満の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例では、重篤肺炎例は2例にとどまり、死亡例はなかったことが明らかになりました。また、18歳未満の小児の報告数は少ない一方で、19歳の報告数は18歳以下の2~3倍だった点も特徴の1つでした。国立感染症研究所が9月16日、感染症… 2020/09/18 感染症
Journal of Pediatrics誌から 無症候の小児でもCOVID-19の感染源になり得る 米国の研究で小児の鼻咽頭ウイルス量が成人のCOVID-19患者を上回る 米国Massachusetts総合病院(MGH)のLael M. Yonker氏らは、学校再開がCOVID-19の流行に与える影響を評価するために、米国の小児のSARS-CoV-2ウイルス量、ACE2発現レベル、血清抗体価などを調べ、軽症や無症候の小児でも成人のCOVID-19入院患者よりウイルス量が多かったことを報告した。結果はJou… 2020/09/18 感染症
トピック◎国立感染症研究所と医薬基盤・健康・栄養研究所が発表 アボカドから抗エンテロウイルスD68化合物発見 国立感染症研究所と医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループが、アボガドの中に、高活性の抗エンテロウイルスD68(EV-D68)化合物が多く含まれることを発見。6月22日付で、ACS Infectious Diseases誌のウェブ版に論文が発表されました。今後の研究によって、食物由来の物質でウイルス感染を制御す… 2020/06/26 小児科
JAMA誌から 全身の炎症を起こしたCOVID-19小児患者の症例 米国では川崎病やTSSに似た症状と異なる特徴の両方あり 小児のCOVID-19発症は成人に比べ少ないと考えられているが、まれにCOVID-19関連と見なされる川崎病または毒素性ショック症候群(TSS)の特徴を示す小児患者の発生が報告されている。米国Columbia大学Irving医療センターのEva W. Cheung氏らは、COVID-19に感染し、重度の炎症性疾患を起こしたニュ… 2020/06/25 感染症
JAMA Pediatrics誌から COVID-19小児患者の系統的レビュー 1065人のほとんどが軽症、1~2週間で回復、PICU入院は1例 SARS-CoV-2の感染予防戦略や、COVID-19に対する最適な治療を明らかにするための努力が続けられているが、成人患者に比べ小児患者に関する情報は少なかった。イタリアFondazione IRCCS Policlinico San MatteoのRiccardo Castagnoli氏らは、2019年12月1日から2020年3月3日までに公開された論文の中… 2020/05/19 感染症
NEWS◎日本川崎病学会による緊急アンケート速報 川崎病症状を伴うCOVID-19、日本では認めず 英国、米国、フランス、イタリア、スペインなどの欧米各国において、川崎病に類似した症状を呈する小児例が相次いで報告され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が指摘されている。これを受けて、日本川崎病学会は5月1日~2日にかけて、同学会運営委員56人を対象にメールによる調査を… 2020/05/08 感染症
トピック◎こんなときどうする? 新型コロナウイルス感染症における悩ましいケース COVID-19、親PCR陽性で子は陰性、どう対応? 母子家庭、祖父母は基礎疾患あり……読者調査結果を識者が読み解く 母子家庭の親がPCR検査陽性となり、小さな子どもは陰性だった。祖父母は遠い田舎にいるが、基礎疾患があり呼び寄せるのは難しそうだ。親は重症ではないが、無症状というわけでもない──こんなケースにどう対応するべきか……。 小児では軽症例が多いことなどもあり、新型コロナウイルス感染症(… 2020/05/04 感染症
NEJM誌から 武漢小児病院の入院患者171人の特徴 重症化する患者は少ないが腸重積があった1人は死亡 中国政府から武漢市で16歳以下のSARS-CoV-2患者の治療施設に指定されていた武漢小児病院のXiaoxia Lu氏らは、1月28日から2月26日までに同病院に入院したSARS-CoV-2感染確定例171人の特徴を、NEJM誌電子版のCORRESPONDENCEに2020年3月18日に報告した。… 2020/04/02 感染症
JAMA Pediatrics誌から CRPは新生児の遅発型感染症の診断を助けない 結果が陽性でも診断確定に近づかず、陰性でも除外できない 出生から72時間を過ぎて発症する遅発型感染症は、早期に診断し、治療することが大切だ。英国York大学のJennifer Valeska Elli Brown氏らは、血清C反応性蛋白質(CRP)値の診断における有用性を検討する系統的レビューとメタ分析を実施したが、CRPの利用を支持する結果は得られなかった。詳細は、J… 2020/02/25 小児科
厚生労働省が第2版をウェブサイトに公表 乳幼児編が加わった「抗微生物薬適正使用の手引き」公開 厚生労働省健康局結核感染症課は12月5日、『抗微生物薬適正使用の手引き』の第2版を厚労省のウェブサイト上で公開した。第2版では、第1版で対象外としていた生後3カ月から学童期未満の乳幼児に対する注意点などを加えた。… 2019/12/11 感染症
医師3636人に聞いた「ゾフルーザを小児に使いますか」 医師の半数強が「ゾフルーザは小児に使わない」 「積極的に使う」との回答はわずか0.9% 12歳未満の小児に対し、抗インフルエンザ薬のバロキサビル マルボキシル(商品名ゾフルーザ)をどう使うか―─。日本感染症学会が「慎重投与」、日本小児科学会が「積極使用を推奨しない」とする中、本誌調査では医師の55.6%が「使用しない」とし、「積極的に使用する」との回答は0.9%だった。日… 2019/12/06 感染症
今シーズンのインフルエンザ治療指針を発表 日本小児科学会、ゾフルーザは「小児への積極的な投与を推奨しない」 日本小児科学会は10月21日、「2019/2020シーズンのインフルエンザ治療指針」を発表した。インフルエンザ治療指針は、同学会の新興・再興感染症対策小委員会などがまとめたものだ。 2019/10/23 感染症
NEWS◎標準的な接種期間は初回が生後2カ月から ロタウイルスワクチンの定期接種化、来年10月に開始 第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 厚生労働省は2019年9月26日、第34回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(部会長=国立感染症研究所長の脇田隆字氏)を開催した。この中で、ロタウイルスワクチンの定期接種化に向けて具体的な規定や接種方法について審議し、一部の項目を除いて、おおむね了承した。… 2019/09/27 感染症
2018/19シーズン・インフルエンザ治療レビュー調査(その2) ゾフルーザ処方医師の12%が症状遷延を経験 「小児への使用は避けるべき」は63.8%が支持 昨シーズン、ゾフルーザを処方した医師1580人のうち12.0%が,発熱などの症状が遷延した症例を経験していました。 2019/09/03 感染症
2018/19シーズン・インフルエンザ治療レビュー調査(その1) 主に使った抗インフルエンザ薬の第1位は 本格的なデビューシーズンだったゾフルーザは3位 昨シーズン、医師が主に使用した抗インフルエンザ薬の第1位は、タミフル(49.4%)だった。2位はイナビル(22.8%)で、新薬であるゾフルーザは15.6%で3位に入った。 2019/09/02 感染症
小児感染症科の10年を振り返って 寄稿◎堀越裕歩(WHO疫学コンサルタント) 2010年にトロント小児病院での臨床留学から帰国し、東京都立小児総合医療センターで感染症科を立ち上げて、当時の日本国内では珍しい、網羅的に小児の感染症を研修できる環境を整備してきた同時に日本小児感染症学会では、小児感染症の専門医制度の創設に携わるというチャンスにも恵まれた。2017… 2019/08/21 小児科
第28回 もう逢えない??僧帽弁狭窄症のこの頃 「もう逢えないかもしれない」という曲。 1985年、菊池桃子。 グリコ・ポッキーのCMに使われました。 黄色いセーターを着て、駅を発つ電車を追いかける姿がカワイかった。 YouTubeで見てください。 TBSのザ・ベストテンで最高3位。 そんなわけで……。 今回は「もう逢えないかも知れない弁… 2019/04/01 循環器
乳幼児の咽頭炎診断における注意点は? 前回は、学童期以降の小児や成人のA群β溶血性レンサ球菌(GAS)による急性咽頭炎に対する治療を中心に解説しました。今回は、乳幼児の急性咽頭炎の原因について解説します。急性咽頭炎は、咽頭痛や咽頭の発赤、腫脹、滲出物、潰瘍、水疱などを伴う急性炎症疾患です。定義は分かりやすいのですが… 2019/03/13 感染症
JAMA Pediatrics誌から 発熱乳児の不要な腰椎穿刺を減らすリスク予測 尿検査、好中球数、プロカルシトニンで感度97.7% 米国California大学Davis校のNathan Kuppermann氏らは、発熱して救急部門を受診した生後60日以内の乳児の中から、重篤な細菌感染症(SBI)ではない患者を同定し、不要な入院治療や腰椎穿刺を減らすための簡単な予測ルールの構築を試みた。その結果、尿検査陰性、好中球数が4090個/μL未満、血清プ… 2019/03/11 小児科
トレンド◎再流行する小児の急性弛緩性麻痺 1肢の脱力でも急性弛緩性脊髄炎を念頭に 種々の病原体の感染により小児に弛緩性の運動麻痺症状を起こす急性弛緩性麻痺。5類感染症の全数把握疾患である同疾患は2018年、3年前の多発時を上回る報告数となった。その発症部位は様々で、四肢のみの麻痺と考えていると見逃す恐れがある。集団発生時の迅速な対策につなげるためにも、早期の確… 2018/12/27 精神・神経
JAMA Pediatrics誌から 米国で急性弛緩性脊髄炎の定義見直し提案 現在の定義では横断性脊髄炎や脊髄虚血を識別しにくい 急性弛緩性脊髄炎(AFM:acute flaccid myelitis)は、2014に米国でエンテロウイルスD68(EV-D68)感染症の流行と同時に発生したポリオ様の麻痺を、サーベイランスの対象とするために定義された疾患だ。米国Johns Hopkins大学医学部のMatthew J. Elrick氏らは、米国内で発症しCDCの定義に合わせて… 2018/12/14 小児科
急性弛緩性麻痺が108例に、15年多発時に迫る 1歳が20例で最多、エンテロウイルスD68型が原因は1例のみ 11月に入ってからも、急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis:AFP)を呈する症例の増加が続いている。国立感染研究所が集約している感染症発生動向調査(週報)の速報値によると、第45週(11月5~11日)までの累計で108例と、2015年の多発時の115例に迫っている。… 2018/11/19 感染症
ゾフルーザは十分なデータなく小児への使用は「検討」 処方制限解除のタミフル、10代も「推奨」に 日本小児科学会は、このほど2018/2019シーズンのインフルエンザ治療指針を更新した。学会は治療選択薬として、オセルタミル(商品名タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)の4剤について、表1のように年齢別で推奨度を区分している。… 2018/11/08 感染症
トレンド◎ワクチン型が激減、重症例は高齢にシフト 肺炎球菌感染症の「常識」が変わる 2010年に小児への肺炎球菌結合型ワクチン接種が導入されて以降、ワクチンが対象とする肺炎球菌は激減し、非ワクチン型が台頭。一方で、重症例の高齢者シフトが鮮明になるなど、肺炎球菌感染症の「常識」は崩れつつある。… 2018/10/10 感染症
治らない子どものかぜは遷延性か?反復性か? 子どもは大人と比べて頻繁にかぜ(ここではかぜを、急性のウイルス性気道感染症と定義)を引く。その頻度は特に2歳未満で高く、年に8回から10回かぜを引くといわれている [1]。ヒトは一度ウイルスに感染すると、そのウイルスに対する抗体を産生できるようになるため、普通は同じウイルス感染症に… 2018/08/29 感染症
JAMA Pediatrics誌から ロタウイルスによる世界の小児死亡数を推定 2016年に2億5800万件の下痢を起こし12万8500人が死亡 ロタウイルス感染症は、世界の5歳未満の小児の下痢関連の合併症と死亡の主な原因となっている。米Institute for Health Metrics and EvaluationのChristopher Troeger氏らは、Global Burden of Disease Study 2016(GBD 2016)のデータを分析し、世界各国の5歳未満の小児のロタウイルス感染症発症… 2018/08/28 小児科
【漫画】ヨクイニンでいぼ取り 子どものお稽古事といえば水泳(スイミング)が思い浮かびます。ベビースイミングといって、0歳時から泳げるスイミングスクールもあるくらい、人気のお稽古事のようです。 私の娘も一時期スイミングスクールに通っていましたが、不特定多数の子と道具を共有するためか、見事に病気をもらってきま… 2018/08/01 皮膚科
乳幼児のかぜ診療で失敗しないコツ おそらくほとんどの内科医にとって、乳幼児の診療は避けて通りたい道なのではないだろうか。「乳幼児は症状を自分で訴えることができないので病歴が取れない」「成人と体の構造が違う」「成人で出会うことの少ない疾患を鑑別しなくてはならない」などがその主な理由だろう。また、実際に内科医が… 2018/07/25 感染症
学会トピック◎第29回日本小児科医会総会フォーラム in 横浜 小児科外来の抗菌薬適正使用で声明発表 日本小児科医会(会長:松平隆光氏)は6月23日、第29回日本小児科医会総会フォーラム in 横浜で「小児科外来での抗菌薬使用を考える」と題するシンポジウムを開催。その中で、医会の公衆衛生委員会担当副会長を務める柳忠道氏が、小児科外来での抗菌薬適正使用のための遵守項目をまとめた「日本小… 2018/06/29 感染症
リポート◎「小児抗菌薬適正使用支援加算」は「細菌感染見逃支援加算?」 抗菌薬不要の説明に加算も細菌感染見逃す恐れ 2018年度の診療報酬改定で「小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設された。抗菌薬不要と判断した際に文書による情報提供を行うことで算定できる。一方、加算目的で安易に細菌感染症を「ウイルス性」と診断する恐れもある。ウイルス性のかぜ症候群を普段診ることが多い小児科などの臨床現場は今回の… 2018/04/12 小児科
結核予防のため訪日外国人の入国前検査強化へ 多剤耐性結核にベダキリンの使用認める 厚生労働省は2月26日、外国からの入国者への結核対策を強化する目的で、90日以上と長期に日本に滞在する訪日外国人に対し、ビザの申請時に「結核非罹患証明」か「結核感染性消失・治癒証明」の提出を求める方針を厚生科学審議会結核部会で提案。大筋で了承された。 これは、日本に滞在する外国人… 2018/02/26 感染症
シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定 【感染症】抗菌薬の適正使用への取り組みを新たに評価 「小児抗菌薬適正使用支援加算」80点が新設 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)が2月7日の総会で答申した2018年度診療報酬改定案では、薬剤耐性(AMR)対策として抗菌薬の適正使用や感染防止対策をより推進していきたい考えから、抗菌薬の適正使用の取り組みを評価する「抗菌薬適正使用支援加算」(100点[入院初日])と「小児… 2018/02/09 感染症
インフルエンザ脳症ガイドライン2018年版案に見る インフルエンザ脳症を疑う3つのポイント 家族の「普段と違う」は危険信号 インフルエンザの流行拡大に伴い重症例の報告が目立ってきた。中でもインフルエンザ脳症は年末から増加しはじめ、1月半ばで既に55例に上る。今後も増加が懸念されるが、インフルエンザ様疾患の患者が受診した場合に、インフルエンザ脳症を疑うポイントは何なのか――。日本医療研究開発機構(AMED… 2018/02/02 感染症
新生児の尿で検査可能、既存の抗体薬に比べて高感度 サイトメガロウイルスのDNA検査薬が保険収載 先天性のサイトメガロウイルス(CMV)感染の診断を目的とした体外診断薬(商品名ジェネリス CMV)が1月1日、保険収載された。検査の対象となるのは、先天性サイトメガロウイルス感染が疑われる生後3週間以内の新生児で、尿中のサイトメガロウイルスDNAを検出する。等温核酸増幅法により2時間以… 2018/01/19 感染症
トレンド◎重症化の頻度はインフルエンザと同等 意外に怖いRSウイルス、乳児に加え高齢者も 子どもの病気と捉えられがちな「RSウイルス感染症」だが、呼吸器関連の基礎疾患がある高齢者でも、病状悪化の引き金になることが分かってきた。高齢者で重症化するリスクは、インフルエンザと同程度というデータもある。2017年は季節外れの夏場にRSウイルス感染症が大流行したが、年末に向けてもう1… 2017/11/21 感染症
日本小児栄養消化器肝臓学会がガイドライン草案を公開 「胃癌予防目的での小児のピロリ除菌療法は推奨しない」 日本小児栄養消化器肝臓学会は、胃癌予防を目的とした無症状の小児ピロリ陽性者への除菌療法を行わないことを推奨する見通しであることが分かった。これは同学会が改訂を進めている「小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン2017」の草案の中に盛り込まれた。… 2017/11/17 消化器
JAMA Pediatrics誌から VCMとTAZ・PIPC併用は小児でもAKIが増える 米国の小児病院データベースを用いた研究 重症感染症が疑われて入院した小児患者のデータを分析したところ、適用された抗菌薬レジメンによって、入院中の急性腎障害(AKI)リスクに差があること、AKIリスクはバンコマイシンとピペラシリン・タゾバクタム(TZP)の組み合わせが高いことが示唆された。米Philadelphia小児病院のKevin J. Dow… 2017/10/25 感染症
医師3981人に聞く「かぜ患者への抗菌薬処方」その2 抗菌薬の適正使用が最も進んでいる診療科は? 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に行ったかぜ診療に関する調査の結果を、かぜ患者を診る機会の多い、内科、小児科、耳鼻咽喉科に分けて集計したところ、抗菌薬の適正使用を心掛けている医師が最も多いのは、小児科である可能性が示された。… 2017/09/21 感染症
小児科学会が安定供給までの対応指針を公表 日本脳炎ワクチン不足で接種見送りの検討を 日本脳炎ワクチンの供給不足が続いていることを受け、日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会は7月6日、「医療施設における対応」を公表した。日本脳炎ワクチンの未接種者と1回接種者は合計2回の接種を行い、2回あるいは3回接種している子どもでは、ワクチンが安定供給されるまで、接種を見… 2017/07/19 感染症
「薬剤師さんごっこ」に感激! 皆さん、はじめまして。栃木県宇都宮市の調剤薬局で管理薬剤師をしている船見と申します。月刊誌『日経ドラッグインフォメーション』で、何度か日経DIクイズの出題を担当させていただいたご縁から、このたびコラムを担当させていただくことになりました。… 2017/06/26 コメディカル
学会トピック◎第91回日本感染症学会・第65回日本化学療法学会 ムンプスワクチンの定期接種化に向け検討を おたふくかぜ(ムンプス)の流行は繰り返されており、6年間に513例の小児ムンプス患者が来院し、その約2割が入院を要し、入院例の半数以上が髄膜炎を生じていたことを、江南厚生病院こども医療センター小児科部長の後藤研誠氏が4月8日まで都内で開催された第91回日本感染症学会総会・学術講演会・… 2017/04/13 感染症
じいちゃん・ばあちゃん世代は要注意か 乳児ボツリヌス症で男児死亡、1カ月間離乳食にハチミツ 東京都は4月7日、都内に住む生後5カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡したことを明らかにした。国内で同症に関する記録が残っている1986年以降、初めての死亡例という。男児は発症する1カ月ほど前から、離乳食としてハチミツを混ぜた市販のジュースを習慣的に飲んでおり、そのハチミツが乳児ボツリ… 2017/04/10 感染症
トレンド◎診療科間連携で妊婦・新生児を徹底チェック サイトメガロウイルス感染、早期発見への挑戦 ウイルスなどの母子感染により出生児に様々な障害が生じる先天性感染症「TORCH症候群」。最も頻度が高いのはサイトメガロウイルス感染症だが、ワクチンによる母子感染の予防はできず、抗ウイルス薬による治療には早期診断が欠かせない。出生以降の早期介入につなげるため、胎児期から小児期にわたり… 2017/04/04 感染症
トレンド◎母子感染対策に死角あり 見逃される先天性感染症「TORCH症候群」 妊娠中にウイルスなどが母体を通じて胎児に感染し、出生児に様々な障害が生じる先天性感染症(TORCH症候群)。特に妊娠中に初感染すると胎児に恒久的な障害が生じる可能性があるが、疾患によっては妊婦健診でのチェックや母子感染した子どもの拾い上げの体制は心許ないのが現状だ。見逃されてきた子… 2017/04/03 感染症
乾燥に強いノロウイルス、加熱調理しない刻みのりに付着 刻みのり集団食中毒の原因は「新型ノロ」 東京都は2月28日、立川市で起きた集団食中毒は新型ノロウイルス(GII.17)が原因であることを明らかにした。これに先立ち、ウイルスを媒介したのは、給食で使用された「刻みのり」だったことも公表している。… 2017/03/02 感染症
Lancet誌から 小児下痢患者の診断に新しいPCRが有効 アジアとアフリカで89.3%の病原微生物を同定 世界的には5歳未満の小児の死因の第2位が下痢だ。米Virginia大学のJie Liu氏らは、アジアとアフリカの小児下痢患者の大規模症例対照研究であるGEMS研究の標本に対して、32種類の病原体を検出できる新たな定量的リアルタイムPCR検査(qPCR)で再検査したところ、従来の検査法より病原体の同定精度… 2016/10/19 小児科
シリーズ◎ワクチン最前線2016 麻疹の感染拡大は思ったより小さく収まるか 川崎市健康安全研究所長の岡部信彦氏に聞く 7月末以降、麻疹の感染拡大が続いている。感染報告は、関西国際空港や大阪市立大学病院など集団感染事例のあった関西圏に限らず、東京都や千葉県、三重県、福岡など全国から寄せられている。川崎市健康安全研究所長で、厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の分科会長でもある岡部… 2016/10/03 感染症
医師2697人に聞く「人獣共通感染症の診療経験」 ペットが原因の感染症、動物の治療費はいくら? 平成27年度の犬と猫の推計飼育頭数は約1979万頭で、15歳未満人口の1617万人をこえている。日経メディカル Onlineの医師会員を対象にウェブアンケートを実施したところ、14%の医師に人獣共通感染症(ズーノーシス)を診察した経験があった。診察で苦労した経験を聞いたところ、飼い主(患者)への… 2016/09/28 感染症
JAMA誌から 小児の発熱でウイルスと細菌を高度に識別 マイクロアレイでRNAを調べる血液検査が有望 小児の発熱は、ほとんどが自然に軽快するウイルス感染症に起因するが、一部に生命を脅かしうる細菌感染症の患者も含まれる。迅速にこれらを識別する方法の開発をめざした英国Imperial College LondonのJethro A. Herberg氏らは、マイクロアレイを用いて患者全血中に含まれる2つの遺伝子の転写物の… 2016/09/14 小児科
JAMA Ophthalmology誌から ジカウイルスは乳児の眼にも異常をもたらす 妊娠初期の感染でリスクが高い 子宮内でジカウイルスに感染したと見なされる小頭症児40人に検眼鏡検査などを行ったブラジルAltino Ventura FoundationのCamila V. Ventura氏らは、網膜や視神経の異常が高頻度に見られること、眼底異常児の母親は妊娠初期にジカウイルス感染を示唆する症状を経験していたことを報告した。詳細は… 2016/06/24 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2016年3月) インフルエンザはピーク過ぎ減少 流行性耳下腺炎は引き続き高レベル 月に1度、感染症情報をお伝えするマンスリークリップ。今月取り上げる感染症は、インフルエンザ、流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎(ロタウイルス)、伝染性紅斑です。マダニ刺咬により感染するため、春の行楽シーズンを目前に対策の呼び掛けが必要な重症熱性血小板減少… 2016/04/12 感染症
インフルエンザ脳症が新たに12例、4歳児の死亡例も 今シーズンのインフルエンザ脳症の報告が増えている。2月28日までの1週間で、全国から新たに12例の報告があり、累計で79例となった。死亡報告も4歳児の死亡例が1例あり、計5人となった。死亡報告の割合は6.3%で、2009/10から14/15シーズンの6.8%とほぼ同水準にある。インフルエンザ流行が依然と… 2016/03/14 感染症
国立感染症研究所が診断・治療のポイントを集約 蚊媒介感染症の診療GLにジカ熱の項目が追加 ジカウイルス感染症が、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)の四類感染症に追加されたことを受け、国立感染症研究所は3月11日にジカウイルス感染症の疫学、鑑別のポイント、治療、届出、予防の方法などを追記した「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第2版)」を公… 2016/03/11 感染症
日本小児アレルギー学会が全国調査結果を報告 昨秋の小児喘息の増加はEV-D68流行の影響か EV-D68検出の急性弛緩性麻痺例は4例 昨年9月、全国的に喘息発作入院が増加し、各地で急性弛緩性麻痺(AFP)の散発が報告された。これらの症状はいずれの症状もエンテロウイルスD68型(EV-D68)との関連が疑われたことから、日本小児アレルギー学会は2015年11月から2016年1月に全国調査を実施。3月2日に調査結果を国立感染症研究所の… 2016/03/04 感染症
本当に必要?インフルエンザの登校許可証明書 今シーズンのインフルエンザ患者数は、この5年で2番目に多かったようだわが家では、本格的な流行を迎える前の1月下旬に、小学校1年生の息子がインフルエンザにかかった。3日間学校を休み、ようやく明日から学校に行けるね、と話していた水曜夜、ある問題が発覚した。医師のサインのある登校許可証明… 2016/03/02 公衆衛生・予防医学
小児科学会が見解を発表 日本脳炎、リスク高い小児は6カ月から接種を 日本小児科学会は2月23日、日本脳炎の流行地域に渡航・滞在する小児など、日本脳炎への罹患リスクの高い小児に対して生後6カ月からの日本脳炎ワクチンの接種開始を推奨する見解をウェブサイトで発表した。… 2016/02/26 感染症
B型肝炎ワクチンが10月から定期接種化 化血研のB肝、A肝ワクチンは出荷を再開 厚生労働省は2月5日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本方針部会を開催し、B型肝炎ワクチンを今年10月から定期接種化する方針を決めた。今後、この方針が予防接種・ワクチン分科会で了承されれば、定期接種化が正式に決定する。… 2016/02/05 感染症
JAMA Neurology誌から エンテロウイルス71による神経系疾患の特徴 約10%は12カ月後にも神経症状が残る エンテロウイルス71(EV71)は手足口病の原因として知られているが、一部の患者に神経系の合併症(無菌性髄膜炎、急性弛緩麻痺、致死的脳幹脳炎など)を発症する。オーストラリアSydney小児病院のHooi-Ling Teoh氏らは、2013年に同国で発生したアウトブレイク時に、EV71関連の神経疾患で2病院に入… 2016/02/05 感染症
おっす!オラ、ペネム!!最終兵器は突然に 先日娘が中耳炎になりました。かわいそうなうちの娘……。自分で診察してあげられればいいのだけれども、家に耳鏡なんかないし、かといって救命救急センターを受診するのもなんだかなぁと思ったので、近所の耳鼻科へ。すると、抗菌薬でも飲まないか?ということで、出されたのがメイアクト。セフ… 2016/02/04 耳鼻咽喉科
マンスリークリップ◎感染症情報(2016年1月) 流行性耳下腺炎:4年半ぶりに全国的流行の恐れ 伝染性紅斑が冬季も高レベルで推移 月に1度、感染症情報をお伝えするマンスリークリップ。今月取り上げる感染症は、インフルエンザ、伝染性紅斑、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、流行性耳下腺炎、感染性胃腸炎です。4年半ぶりの流行が懸念されている流行性耳下腺炎については詳報いたします。… 2016/02/03 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年12月) A群溶連菌咽頭炎が最多レベルに 伝染性紅斑の流行も継続 月に1度、感染症情報をお伝えするマンスリークリップ。今月取り上げる感染症は、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、伝染性紅斑、RSウイルス感染症、マイコプラズマ肺炎、感染性胃腸炎です。これまで検出例の少なかったノロウイルスの遺伝子型が相次いで検出され、今後流行の拡大が懸念されている、ノロ… 2015/12/29 感染症
ジカ熱感染による先天性異常、ブラジルで例年の20倍に急増 ジカ熱。デング熱やチクングニヤ熱と同じく、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介する蚊媒介感染症である。原因であるジカウイルスに感染した妊婦からは、これまでにない多数の小頭症の子どもが生まれている。ブラジル政府の発表を受け、WHO地域事務局(PAHO)もアラートを出す騒動になっている… 2015/12/03 小児科
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年11月) 伝染性紅斑の流行続く RSウイルス感染症は同時期の過去最多に 月に1度、1カ月の感染症発生動向調査をお届けするマンスリークリップ。今回は、伝染性紅斑、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、流行性角結膜炎、マイコプラズマ肺炎を取り上げます。国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、伝染性紅斑の第47週(11月16~22日)の定点当たり報… 2015/12/02 感染症
ブラジルの小頭症、疑い例含め患児数が1200人超に、7人死亡 ブラジル保健省は11月30日、同国東北部で急増している小頭症の患児は、疑い例を含め1248人となり、うち7人の死亡が確認されたと発表した。 2015/12/01 小児科
インフルエンザの2峰性の発熱 今年も年末が近づき、「今シーズンのインフルエンザはどうだろうね?」、「タミフルやイナビルはどのくらい入れておこうか?」などと薬局で話しています。今年からインフルエンザの予防接種が3価(A型2種類、B型1種類)から4価(A型2種類、B型2種類)になります。この変更により値段が上がるので… 2015/11/09 コメディカル
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年10月) マイコプラズマ肺炎がじわり増加 流行性角結膜炎も例年より高いレベルに 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、マイコプラズマ肺炎の第42週(10月12~18日)の定点当たり報告数は0.61人。低いレベルで推移していた過去2年の同時期より報告数が多くなっている。定点当たり報告数が多い都道府県は、岐阜県(3.00人)、石川県(1.80人)、静岡県(1.70人)、愛知県… 2015/10/29 感染症
東京都立小児総合医療センターが小児4症例を報告 気管支喘息様症状の小児入院例からEV-D68が検出 昨年8月には米国で治癒後に麻痺を生じた例も 昨年、米国各地で呼吸器疾患のアウトブレイクが発生し、その後にポリオ様の急性弛緩性麻痺を来した入院患者が相次いだことで注目されたエンテロウイルスD68(EV-D68)。2015年9月、東京都立小児総合医療センターへ気管支喘息様症状による呼吸障害で入院する小児患者4人からこのEV-D68が検出された… 2015/10/02 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年9月) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行が継続 手足口病は減少するも例年より高レベル 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の第38週(9月14~20日)の定点当たり報告数は1.69人。第34週から増加に転じ、例年よりも高いレベルのまま推移している。定点当たり報告数が多い都道府県は、鳥取県(4.26人)、静岡県(3.98人)、山口県(2.79人)、島… 2015/09/30 感染症
0歳男児が発症、意識障害と脳神経麻痺に 千葉県内で25年ぶりに日本脳炎の報告 感染研や県は蚊への対策とワクチン接種を勧奨 千葉県は9月11日、県北東部に住む0歳の男児が、日本脳炎を発症したことを公表した。県内での発生は1990年以来の25年ぶり。 2015/09/16 感染症
診療体制の整備完了と『診療の手引き』発刊を受け 日産婦学会がHPVワクチン接種勧奨再開を要望 「子宮頸癌予防のために必須」と強調 日本産科婦人科学会は8月29日、2013年6月以降接種勧奨が中止されているヒト・パピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種勧奨を再開するよう求める声明を発表した。同学会はかねてから、接種後に生じた症状で苦しむ患者への診療体制を早急に整備し、その上で接種勧奨を再開するよう要望していた。… 2015/09/08 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年8月) 大流行の手足口病は減少へ マイコプラズマ肺炎が増加に転じる 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、手足口病の第34週(8月17~23日)の定点当たり報告数は5.90人。今夏は2011年および13年と同程度の大きな流行となったが、減少に転じた。定点当たり報告数が多い都道府県は、新潟県(16.41人)、長野県(14.53人)、青森県(13.10人)、宮城県(12.… 2015/08/28 感染症
解熱薬は熱性痙攣を予防?それとも誘発? 熱性痙攣は熱が上がって起こるのだから、解熱薬で熱を下げれば痙攣は起こらないだろう──。こうした考えに基づく小児の発熱時における解熱薬の投与は昔から行われてきた。子育て中の筆者も、子どもが38.5℃以上の熱を出したときは、「熱性痙攣を予防するために必要」と思って解熱薬を使ってきた… 2015/08/05 小児科
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年7月) 手足口病が最多レベルの大流行 伝染性紅斑も4年ぶりの流行続く 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、手足口病の第30週(7月20~26日)の定点当たり報告数は9.38人。過去最多の報告数となった2011年、および13年と同程度の大きな流行となっている。定点当たり報告数が多い都道府県は、石川県(19.24人)、埼玉県(18.16人)、福島県(16.93人)、栃… 2015/08/04 感染症
罹って分かった「大人の手足口病」の相違点 日経メディカル Onlineでお伝えしている通り、今夏は「手足口病」が大流行している。筆者の娘が通う保育園でも1歳児クラス全員が手足口病に感染する事態(当然、娘も感染)になるなど、患者数は現在も増えていると思われ、今後も感染拡大に注意を払う必要があるだろう。… 2015/07/17 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年6月) 手足口病が2年ぶり急増 伝染性紅斑も4年ぶりの高レベル続く 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、手足口病の第25週(6月15~21日)の定点当たり報告数は3.49人。大きな流行となった2011年、13年に並ぶ立ち上がりを見せている。定点当たり報告数が多い都道府県は、徳島県(16.09人)、香川県(9.57人)、山口県(7.02人)、兵庫県(6.91人)、福… 2015/07/03 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年5月) A群溶連菌咽頭炎の流行続く 手足口病が早い立ち上がり 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の第21週(5月18~24日)の定点当たり報告数は3.40人。例年よりもかなり高いレベルで推移している。その他、現在流行の動向が注目される、伝染性紅斑、手足口病、咽頭結膜炎、水痘について報告者数の推移を紹介する。… 2015/06/03 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年4月) 伝染性紅斑が4年ぶりに流行の兆し A群溶血性レンサ球菌咽頭炎も高いレベル続く 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、伝染性紅斑の第17週(4月20~26日)の定点当たり報告数は0.78人。大きな流行となった2011年と並ぶレベルで、今後の推移が注目される。 2015/05/08 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年3月) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が高水準で推移 ロタウイルス胃腸炎と伝染性紅斑の報告数も目立つ 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の第12週(3月16~22日)の定点当たり報告数は2.94人。過去5年よりも高いレベルで推移している。定点当たり報告数が多い都道府県は、石川県(7.07人)、鳥取県(6.47人)、山形県(6.13人)、島根県(5.22 人)、新潟県(4… 2015/03/30 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年2月) 例年より早くインフルエンザ収束へ 定期接種化後、水痘の報告数は低レベル続く 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、インフルエンザの第8週(2月16~22日)の定点当たり報告数は8.26人。今シーズンの流行は立ち上がりが早かったが、ピークを越えてからの減少のペースも例年より早くなっている。定点当たり報告数が多い都道府県は、福井県(19.69人)、高知県(17.2… 2015/03/02 感染症
20~30代の10日以上の長期旅行者で頻度高く 動物咬傷後、半数が狂犬病ワクチン接種せず 成田空港検疫所には3日に2人の頻度で相談に 成田空港検疫所は2月24日、2013年に成田空港検疫所で対応した国外での動物咬傷に関わる健康相談事例の検討結果を国立感染症研究所のウェブサイトで報告した。 検疫所が動物咬傷に関して対応した日本国籍者192人を対象に、発生頻度や国を解析したところ、世界保健機構(WHO)で定められた狂犬病罹… 2015/02/26 感染症
Lancet誌から 小児麻痺が集団発生!原因はエンテロウイルスD68か 14年8~10月に流行地で急性弛緩性麻痺の発生率が3倍に 米国のミズーリ州とイリノイ州で2014年8月、エンテロウイルスD68による呼吸器疾患のアウトブレイクが発生し、コロラド州を含む全米に広がった。時を同じくして、米コロラド小児病院に、急性弛緩性麻痺や脳神経障害を発症した小児患者が次々と入院。同病院のKevin Messacar氏らは、これらの神経障… 2015/02/18 感染症
マンスリークリップ◎感染症情報(2015年1月) インフルエンザの流行、ピーク越え RSウイルス感染症は例年と比べ微増 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、インフルエンザの第5週(1月26~2月1日)の定点当たり報告数は29.11人。今シーズンの流行は立ち上がりが早く、年明け以降も例年より高い報告数が続いていたが、ピークを越して減少傾向となった。定点当たり報告数が多い都道府県は、大分県(58.50… 2015/02/06 感染症