近い将来、国民の1割近くが認知症に!? 先日、名古屋大学と岐阜大学の法人統合に関して取材した(関連記事:名古屋大学と岐阜大学の法人統合の中身は?)。来春、名古屋大学と岐阜大学は、「東海国立大学機構」という法人の下に入り、経営の効率化などを進めていく。東海国立大学機構の初代機構長に就任した松尾清一氏は、日本の人口減… 2019/12/09 精神・神経
医師3826人に聞いた「認知症の告知の在り方は?」 自分の認知症「どんな状況でも告知を」は6割 認知症の告知についてのディベートセッションが、2019年11月7~9日に東京都内で開催された第38回日本認知症学会学術集会で開催された。「認知症は告知すべき?すべきではない?」と題した同セッションで「告知すべき」の立場で登壇した新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター遺伝子機能解析… 2019/11/25 精神・神経
シリーズ◎2020診療報酬改定 認知症ケア加算1は専任常勤医の要件緩和へ 加算2には専門看護師の配置要件が追加か 厚生労働省は2019年11月20日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、2020年度診療報酬改定に向けて認知症ケア加算やせん妄予防に関して議論した。 厚労省は、認知症ケア加算1の算定要件である「精神科・精神内科5年以上など要件を満たす専任の常勤医師の配置」の緩和を提案。加えて、… 2019/11/25 行政・制度
JAMA Neurology誌から 若い時の血管リスクが高齢期の脳容積に影響 英国の長期コホート研究で69~71歳の脳画像と36歳時の血管リスクに相関 英国University College LondonのChristopher A. Lane氏らは、1946年に始まった長期追跡コホート研究を利用して、参加者が36歳・53歳・69歳時点の血管危険因子を評価し、69~71歳の時点で実施したMRIやPET画像による脳の形態学的変化との関連を調べ、若年成人期の血管リスクと高齢期の脳の形態的… 2019/11/18 循環器
JAMA Network Open誌から 高齢者の飲酒量は認知機能に関係するか? まったく飲まない人と大量飲酒者は認知機能低下リスクが高そう 米国Harvard公衆衛生大学院のManja Koch氏らは、米国の市中在住の高齢者を対象に、自己申告された飲酒量と認知症の発症、および認知機能の低下の関係を調べる前向きコホート研究を行い、まったく飲酒しない人と大量飲酒者は、少量飲酒者に比べ認知機能スコアが低下しやすく、軽度認知機能障害(MC… 2019/10/21 精神・神経
第11回 高齢者の抗凝固薬で気になる「転倒・服薬アドヒアランス」 抗凝固薬の服用を怖がる患者にどう説明する? 指導医 前回のカンファレンスで、転倒や服薬アドヒアランスが問題になりました。まず転倒リスクについて、エビデンスはありましたか?研修医 はい。それが意外にも、抗凝固薬は転倒による出血リスクには影響しない1、2)、あるいは出血リスクよりも予防効果が上回る3)とする研究が多かったのです… 2019/10/15 循環器
JAMA Network Open誌から 認知症介護者の睡眠時間と質を調べる研究 介護者の睡眠時間は対照群より短く質も低いが、介入で改善できる 認知症患者を介護する家族は慢性的なストレスを感じている。米国Baylor大学のChenlu Gao氏らは、介護者の睡眠について調べた研究のメタアナリシスを行い、介護者の睡眠時間は年齢がマッチする非介護者に比べ短く、睡眠の質も低いが、安価な介入により改善が期待できると報告した。詳細は、JAMA Ne… 2019/09/13 精神・神経
JAMA誌から 中年期の高血圧が後の認知症リスクに関連 ARIC研究のコホートを長期追跡して血圧変動パターンと認知症の関係を分析 中年期の人々の血圧を24年間にわたって定期的に測定し、変化のパターンと認知症発症の関係を検討した米国Johns Hopkins大学のKeenan A. Walker氏らは、中年期からずっと正常血圧を維持していた人々に比べ、中年期からずっと高血圧だった人と、中年期は高血圧で高齢期には低血圧になっていた人の認… 2019/08/30 循環器
「お福の会宣言」に込められた思い 今年も、夏7月、私が勤める佐久総合病院で「農村医学夏季大学講座」が開かれた。この講座は、夏の信州、山間部の涼しさと静かな環境を利用した市民大学的な学びの場。地域の保健衛生活動の第一線でぶつかる現実的な苦難や困難に着目し、市民的な集いの中で基本的人権と民主的精神をよりどころに学… 2019/08/30 精神・神経
BMJ誌から 外科手術は認知機能低下に影響するか? 影響はあるが内科疾患による入院より小さい 外科手術を受けると、長期的な認知機能の低下に悪影響が及ぶ可能性が考えられている。米国Wisconsin大学のBryan M Krause氏らは、英国で行われたWhitehall IIスタディのデータを利用したコホート研究を行い、外科手術による入院は認知機能の低下に関連するが、その影響は内科疾患での入院よりも小… 2019/08/29 外科
トレンド○重度アルツハイマー病への抗認知症薬使用アルゴリズムまとまる 寝たきり患者では抗認知症薬中止の検討を ただし食思不振や幻聴、幻覚などのBPSD再燃に要注意 今年3月、日本精神科病院協会(日精協)は、症状の著しく進行したアルツハイマー病に対する抗認知症薬の使用方法を示すアルゴリズムを取りまとめた。同アルゴリズムは、国内で初めて抗認知症薬の減量・中止の方法を示すもの。減量・中止時には、BPSD(認知症の行動・心理症状)の再燃を注意すべき… 2019/08/27 精神・神経
JAMA Network Open誌から 難聴は認知症の修正可能な危険因子 台湾のコホート研究で45~64歳の難聴はリスクが高い 国立台湾師範大学のChin-Mei Liu氏らは、難聴と診断された台湾の45歳以上の成人と、条件をマッチさせたペアを追跡して認知症の発症リスクを比較するコホート研究を行い、難聴がある患者は認知症を発症しやすく、特に年齢が若い時点で難聴を発症した人は認知症リスクが高くなると報告した。結果はJ… 2019/08/23 耳鼻咽喉科
第12回 認知症の睡眠障害で介護者に伝えたい8箇条とは 認知症患者では不眠症はもちろんのこと、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚(レストレスレッグス)症候群、レム睡眠行動障害、周期性四肢運動障害、薬剤の副作用による睡眠障害などさまざまな睡眠障害に罹患しています。脳器質障害のため複数の睡眠障害が併存していることもまれではなく、治療に入る… 2019/08/08 精神・神経
JAMA Intern Med誌から 抗コリン薬の長期使用は認知症を増やすか? 抗精神病薬、過活動膀胱治療薬、抗うつ薬などでリスク上昇 抗コリン薬が短期的な認知機能に害を及ぼすことは知られているが、長期間の使用が認知症発症率の上昇に関係するかどうかは明らかではなかった。英国Nottingham大学のCarol A. C. Coupland氏らは、イングランドの患者を対象とするネステッドケースコントロール研究を行い、抗コリン作用が強力な薬… 2019/07/12 精神・神経
JAMA Network Open誌から 内臓脂肪、エストラジオール、認知機能の関係 全身性の炎症が脳にも悪影響を及ぼし、エストラジオールが軽減する 内臓脂肪は、血管疾患と代謝性疾患の危険因子であることが知られているが、内臓脂肪が認知機能の低下に関係するという報告もある。ドイツMax Planck InstituteのRachel G. Zsido氏らは、ドイツの成人男女を対象に、内臓脂肪、エストラジオール、認知機能と、主に記憶に関係する脳内ネットワーク構… 2019/07/11 精神・神経
学会トピック◎第34回日本老年精神医学会 認知症疾患医療センターの課題を集中討議 量の確保から質の確保へ 全国的に整備が進む認知症疾患医療センターの課題は何か。第34回日本老年精神医学会大会(6月6日~8日、仙台)では、同センターの各類型(基幹型、地域型、連携型)のそれぞれの観点から現状報告があった。… 2019/07/02 精神・神経
学会トピック◎第34回日本老年精神医学会 若年性認知症の診断後支援が不足 医療と福祉の連携が求められる 第34回日本老年精神医学会大会では、若年性認知症に対する医療、福祉の課題が話し合われた。 2019/07/01 精神・神経
第11回 認知症の睡眠問題は「診立て」が肝心 認知症では多様なBPSDが見られます。被害妄想、感情失禁、自閉、拒絶、幻覚、抑うつなど様々です。これらと並んで、夜間の不眠、昼間の強い眠気、昼夜逆転などの睡眠-覚醒リズムの異常はとても頻度が高く、多くの調査では頻度の高いBPSDのトップ3に入っています。認知症の睡眠問題は他のBPSDを悪化… 2019/06/27 精神・神経
2025年までの取り組みと目標がまとまる 認知症大綱、6万人の薬剤師に研修受講を かかりつけの役割持つ薬局は7割を目標に 2019年6月19日、認知症施策推進関係閣僚会議(第2回)が開催され、「認知症施策推進大綱」が取りまとめられた。 2019/06/24 コメディカル
BMJ誌から 運動不足は認知症リスクとは無関係か? 認知機能の低下による活動量低下を考慮したメタアナリシス 身体的に不活発であることと認知症リスクの関係は明らかになっていない。英国University College LondonのMika Kivimaki氏らは、運動不足が認知症の危険因子かどうかを検討するために、10年以上の長期追跡を行っている前向きコホート研究から個々の患者のデータを統合するメタアナリシスを行い、… 2019/05/15 精神・神経
NEJM誌から アミロイドβ阻害薬は認知症進行を抑制せず BACE-1阻害薬のベルベセスタットとプラセボを比較したRCT 米国Merck社のMichael F. Egan氏らは、認知症と診断される前の軽度認知障害の患者を対象に、アミロイドβ阻害薬のベルベセスタットとプラセボの認知症進行抑制効果を比較するランダム化比較試験を行い、104週間の追跡で認知症スコアを改善することはできなかったと報告した。結果はNEJM誌2019年4… 2019/05/10 精神・神経
「BPSDの原因が便秘」は決してまれではない 前回まで痛みについて取り上げてきました。疾患自体の問題や治療・処置に痛みがつきまとうことから、BPSD(認知症の行動・心理症状)を疑う場面でも最初に痛みの有無を検討しなければならないことを理解いただけたかと思います。それでは、BPSDを疑う場面で、痛みの次に検討すべき症状は何でしょ… 2019/04/17 精神・神経
2019年3月5日~24日 ボノプラザンの重大な副作用にTEN、SJS追加 アリピプラゾールの後発品「サワイ」にうつ病・うつ状態の効能追加 2019年3月5日~24日における添付文書の主な改訂情報をお知らせします。プロトンポンプ阻害薬(PPI)のボノプラザンフマル酸塩(商品名タケキャブ)、およびボノプラザンを配合したボノサップ(一般名ボノプラザン・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン)、ボノピオンパック(ボノプラザン・ア… 2019/04/03 眼科
BMJ誌から 長期のホルモン補充療法はアルツハイマー病リスクに関係する フィンランドで16万人を比較したケースコントロール研究 フィンランドHelsinki大学病院のHanna Savolainen-Peltonen氏らは、同国の全国民を対象にしたデータベースから、1999~2013年にアルツハイマー病(AD)と診断された女性全員と、条件をマッチさせたADを発症していない女性を比較するケースコントロール研究を行い、全身投与するタイプのホルモン補… 2019/03/28 精神・神経
第3回 オピオイド無効の疼痛患者ではせん妄を疑え! 第1回、第2回では、BPSDの原因が「痛み」である場合を紹介しました。一般診療では、「身体は身体、認知は認知」と別々に取り上げられがちではありますが、両者が意外にも影響し合っていることを感じていただけたのではないでしょうか。… 2019/03/26 精神・神経
学会トピック◎第53回糖尿病学の進歩 糖尿病合併認知症の血糖変動パターンに要注意 糖尿病合併の認知症の中でも、その発症と進行に糖代謝異常が関与している病態では、2つの特徴的な血糖変動パターンが存在する――。第53回糖尿病学の進歩(3月1~2日、開催地:青森県青森市)で東京医科大学病院高齢総合医学分野主任教授の羽生春夫氏らが、適切な血糖コントロールによって認知機… 2019/03/11 代謝・内分泌
第2回 癌による疼痛で落ち着かず”徘徊”していた一例 オキシコドンでBPSDが消失!? その訳は 第1回では、BPSDを生じる原因の代表例として「痛み」の症例を紹介しました。一般診療において、BPSDが疑われる事例のうち6~8割において、痛みなどの身体的苦痛と薬剤が関連していたとの報告があります。実際、外来・入院を問わず、治療的な処置や疾患による身体症状として痛みを感じている患者が… 2019/03/06 精神・神経
トレンド◎増加する高齢ドライバー、リハビリで運転能力向上を目指す 日本初の「自動車運転外来」って何をするの? 高知県にある愛宕病院は「自動車運転外来」を開設した。日本初となる自動車運転外来では、運転に不安を抱える高齢者を対象に、低下した認知機能を向上させるためのリハビリテーションを実施している。… 2019/02/21 精神・神経
第1回 痛みをうまく表現できずBPSDを生じているケースも 「認知症患者は痛くない」は大きな誤解 「『BPSD(認知症の行動・心理症状、behavioral and psychological symptoms of dementia)』って、言い方は変わっても結局『問題行動』でしょう。教科書には非薬物療法って書いてあるけれども、病棟は介護施設ではないし、看護スタッフも忙しい。結局薬で対応するしかないのでは?」 急性期医療… 2019/02/12 精神・神経
インタビュー◎てんかん患者の約4割が高齢者 高齢者のてんかんを見逃す2つの落とし穴 国際医療福祉大学神経内科教授の赤松直樹氏に聞く 小児の疾患というイメージもあるてんかんだが、約1800万人のレセプトデータの解析から、日本のてんかん患者の44%であることが分かった。この研究を主導した赤松直樹氏(国際医療福祉大学神経内科教授)に、認知症と混同されやすいという高齢者のてんかんの特徴や、見落とさないための注意点につ… 2019/01/28 精神・神経
どこまでやる? 訪問看護の線引き 訪問看護でさまざまなお宅に伺っていると、室内はゴミだらけ、電球は切れっぱなし、冷蔵庫は期限切れの食品しかないというお宅のなんと多いことか! 介護保険や医療保険でお伺いしている訪問看護師は、掃除や買い物などの生活支援は基本的には行わないことになっています。日常生活の支援が必要な… 2019/01/24 コメディカル
認知症患者による事故で最大2億円を賠償 神戸市、認知症患者への事故救済制度を新設 賠償責任がなくても被害者に見舞金を支給 神戸市は2019年4月から、認知症患者が事故に遭った際の新たな救済制度を開始する。これは、同市の「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例(神戸モデル)」を一部改正して実施するもの。救済制度では、認知症患者が事故を生じた際に賠償し、被害者にも見舞金を支給するもの。… 2019/01/21 精神・神経
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「老衰」って何だろう? 筆者の専門は緩和ケアだが、現在は56床の町立病院で地域医療に従事している。当院では超急性期疾患の対応はほとんどなく、お看取りする患者さんは老衰、認知症終末期、誤嚥性肺炎などが大半である。本項では、特に老衰や認知症終末期に関して、地方の小病院で筆者が大切にしていることを述べたい… 2019/01/18 精神・神経
口腔内細菌は万病の元!? 近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が進展し(関連記事)、メディアなどでも頻繁に取り上げられているが、最近では「口腔内細菌叢(口腔内フローラ)」にも注目が集まり始めている。歯周病菌や虫歯菌などの口腔内細菌が、実は全身の多様な疾患に悪影響を及ぼしているというのだ。… 2019/01/14 感染症
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「精神疾患患者は受け入れたくない」と言う前に 精神科でも終末期医療ニーズは増加、他科の協力が必須に 現在、精神科においても看取りを含め身体疾患への対応を要する状況も増加しているが、そこには精神科特有の困難も存在する。精神科では「よくある」ことでも、他科の先生方にとっては「困る」「だから精神疾患患者の受け入れはしたくない……」と否定的な感情、スティグマ(偏見)につながること… 2019/01/10 精神・神経
シーズン2 第3話 母さん、帰ってきたよ 鈴木アイと鈴木ユウ。 母が名付けたらしいが、その理由を知ることはもう無理だろう。 自分としては、双子だからといって特別な感じはないのだが、友達からは「顔は似ているけど、まるきり違う性格ね」と、よく言われた。確かにそうかもしれない。 例えば、兄のユウは無口で優しい。あたしは逆… 2018/11/20 医師のキャリア
本人に代わって意思決定できるのは誰? 前回までのコラムでも、意思決定能力の低下について扱いました。認知症により、本人の意思決定能力が低下し、自分ではしっかりとした判断が難しくなったHさんの事例、慢性呼吸器疾患によりCO2ナルコーシスを生じ、一時的に意思決定が難しくなったAさんの事例を取り上げました。… 2018/11/12 精神・神経
JAMA Network Open誌から 慢性炎症がアルツハイマーの危険因子か? CRP軽度上昇が持続するとApoE4保有者のAD発症リスクが上がる 米Boston大学医学部のQiushan Tao氏らは、Framingham Heart Studyの第2世代コホート参加者のデータを調べ、軽度の慢性的な炎症がアポリポ蛋白E4遺伝子(ApoE4)保有者のアルツハイマー病(AD)発症リスクを上昇させ、発症時期を早めている可能性が高いと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子… 2018/11/05 精神・神経
学会トピック◎第37回日本認知症学会学術集会 てんかんによる「治療可能な認知症」に要注意 顕著なてんかん発作を伴わずに、持続的な認知機能低下と精神症状を呈する症例に注意が必要――。第37回日本認知症学会学術集会(10月12~14日、開催地:北海道札幌市)で北海道大学神経病態学講座精神医学教室の堀之内徹氏らが、外見からは認知症との区別が困難だが薬物治療可能な認知機能障害と… 2018/10/19 学会速報
JAMA誌から タウ蛋白標識PETを用いた認知症診断の研究 アルツハイマーと神経変性疾患の識別能力は高い スウェーデンLund大学のRik Ossenkoppele氏らは、タウ蛋白のイメージング用に開発された[18F]flortaucipirを用いたPET検査で、アルツハイマー病(AD)とその他の神経変性疾患を識別する能力を調べる横断研究を行い、この検査の識別能は高かったと報告した。データは、JAMA誌電子版に2018年9月18日… 2018/10/09 医療機器
リポート◎認知症診断時の甲状腺機能検査実施率はわずか33% その高齢者の物忘れ、甲状腺機能低下症では? 甲状腺機能低下症が認知機能障害を引き起こすことがある。そのため、認知症の診断時には甲状腺機能検査の実施が推奨されているが、実際に検査を受けている認知症患者は3人に1人にすぎないとの全国調査の結果が今年7月に発表された。高齢者では、疲労や倦怠感の原因が甲状腺機能異常というケースもあ… 2018/09/06 代謝・内分泌
インタビュー◎意思決定能力法の下、意思決定能力の評価が浸透 英国では認知症患者の意思をどう尊重しますか? 英国ハマートンコート認知症ケア・アカデミーのヒューゴ・デ・ウァール氏に聞く 厚生労働省による「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(関連記事:認知症であっても本人の意思確認は必須です)に大きな影響を与えたのが、英国の意思決定能力法(The Mental Capacity Act 2005)だ。同法は、現場の認知症ケアにどのような影響をもたらしているの… 2018/08/24 精神・神経
インタビュー◎アルツハイマー病に紛れ込む神経原線維変化型老年期認知症 記憶障害のみでゆっくり進行する認知症とは 発見者の金沢大学脳老化・神経病態学(神経内科学)教授山田正仁氏に聞く アルツハイマー病(AD)に似ているが、アミロイドβ(Aβ)の沈着をほとんど認めない認知症として、1990年代に発見された神経原線維変化型老年期認知症(SD-NFT)。臨床的にADと診断された患者の2割前後がSD-NFTに該当することが近年、明らかになっている。SD-NFTは、ADと比較して進行が緩徐で、… 2018/08/17 精神・神経
BMJ誌から 中年期以降の飲酒量と認知症のリスク 大量飲酒者だけでなく飲まない人もリスクが高い 英国のWhitehall IIスタディのコホートを利用して、中年期から初老期までの飲酒量を調べ、その後の認知症リスクとの関係を調べた仏Paris-Saclay大学のSeverine Sabia氏らは、1週間の飲酒量が1~14ユニットの人に比べ、非飲酒者(たまにしか飲酒しない人を含む)と、14ユニットを超える量を飲酒す… 2018/08/17 精神・神経
逃亡した患者さんを追え はいっ!どーも!!在宅医療には地域の方々の協力が不可欠だということを改めて実感した新井です。今回は、認知症と前立腺癌を患っている男性患者Sさん(80代)とのエピソードをご紹介します。 2018/08/06 精神・神経
300人超の大動脈内部を血管内視鏡で観察 大動脈プラーク自然破綻は日常的に起きている? 冠動脈疾患がある、または疑われる324例に対し、血流維持型血管内視鏡検査を施行し大動脈内部を観察したところ、8割の患者に自然破綻した大動脈プラークが見つかった。NPO法人日本血管映像化研究機構理事長の児玉和久氏(大阪警察病院[大阪市天王寺区]名誉院長)らのグループが、米国心臓病学会… 2018/07/31 循環器
第18回 糖尿病による合併症、忘れてはいけない認知症 厚生労働省の発表によると全国の認知症の患者数は、2012年の時点で約462万人。65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症でした。ですが、このまま日本の高齢化が進むと2025年には認知症患者数が約700万人となり、65歳以上の高齢者は約5人に1人が認知症を発症する推計になっています。国も2012年に「… 2018/07/19 代謝・内分泌
JAMA Neurology誌から 網膜の神経線維層と認知症の関係 オランダのコホート研究で1SD菲薄化すると発症リスクが上昇 アルツハイマー病(AD)患者やモデルマウスでは、網膜にもアミロイドβの蓄積が起こることが報告されている。オランダErasmus医療センターのUnal Mutlu氏らは、非侵襲的な光干渉断層撮影(OCT)検査により、網膜の神経線維層や内網状層の厚さを調べ、神経線維層が薄い人はADを発症するリスクが高… 2018/07/13 精神・神経
ポリファーマシーが認知症を複雑化させている 日本では、高齢化の進展に伴い認知症患者が増え続けています。認知症対策が、国を挙げて取り組むべき重要な課題であることは明らかですが、一方で世間で言われている「認知症の脅威」なるものの本質はどこにあるのだろう、と考えさせられます。 6月14日から京都で開催された第60回日本老年医学会… 2018/07/10 精神・神経
第16回 食べられない高齢者にはこう介入する 高齢者向けの“食べるスイッチ”マジック(後編) フジイキョウコさんは89歳の認知症の方。在宅で夫が介護していたが、「食事を食べなくなってしまった」という主訴で精密検査目的の入院となり、内科の医師が担当になった。しかし、いくら調べてみてもこれといった身体の異常は見つからない。ただ、確かに食事はほとんど食べられず、看護師がスプ… 2018/06/22 精神・神経
シリーズ◎日本の医療に貢献した薬【認知症編】 初のコリンエステラーゼ阻害薬アリセプトに圧倒的支持 従来、効果的な治療薬がないとされてきたアルツハイマー病(AD)は、コリンエステラーゼ阻害薬の登場によって治療が一変した。シリーズ企画「日本の医療に貢献した薬」の第14回は、認知症治療薬を取り上げる。治療貢献度が高い薬として、初のコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル(商品名ア… 2018/06/20 精神・神経
新発売のメマリードライシロップ、その味は? はいっ!どーも!!プロトンポンプ阻害薬(PPI)初の顆粒製剤の記事(ネキシウム懸濁用顆粒が発売、その実力は?)を書いて、新剤形から目が離せない新井です。 今回は、6月6日に発売されたメマリー(一般名メマンチン塩酸塩)のドライシロップ剤についてレビューしたいと思います(写真1、関連… 2018/06/12 在宅医療
認知症の人の意思決定支援ガイドラインまとまる 認知症であっても本人の意思確認は必須です ガイドラインを取りまとめた、中京大学法科大学院教授の稲葉一人氏に聞く 厚生労働省による「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」が、このほどまとまった。これは、認知症を対象にその意思を尊重するためのプロセスを示した初のガイドラインで、2017年度老人保健事業推進費等補助金事業で作成されたもの。同事業の実施責任者で、ガイドラ… 2018/06/07 精神・神経
第15回 高齢者向けの“食べるスイッチ”マジック(前編) フジイキョウコさんは89歳の認知症の方。在宅で夫が介護していたが、食事を食べなくなってしまったという主訴で精密検査目的に入院となり、内科の医師が担当になった。しかし、いくら調べてみてもこれといった身体の異常は見つからない。ただ、確かに食事をほとんど食べられないのは確かで、看護… 2018/06/05 プライマリケア
JAMA Intern Med誌から 認知症患者の股関節骨折を手術するべきか? 手術で短期死亡率は減らせるが、ケアの目標が判断を複雑に 股関節骨折には通常は外科的修復が行われるが、認知症が進行し、機能的な障害もあって、予測余命が短い患者については、緩和ケアの適用も検討される。米Harvard 大学医学部のSarah D. Berry氏らは、後ろ向きコホート研究を実施して、認知症患者でも骨折を外科的に修復すると6カ月以内の死亡率は減… 2018/05/28 精神・神経
特集◎あなたが防ぐ急性増悪《認知症周辺症状》 問題行動の背景を見える化、ケア計画を 認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の増悪に介護者が対応できなくなり、入院に移行するケースは多い。これを防ぐため、病院の医師や看護師がかかりつけ医らに引き継ぐ「移行期ケア」や、ケア計画をチームで作成・共有できる「BPSDケアプログラム」が効果を上げている。… 2018/05/28 在宅医療
JAMA Psychiatry誌から 握力は気分障害患者でも認知機能の指標になる 認知機能テストの5項目に対して、握力が正と負の相関 オーストラリアWestern Sydney大学のJoseph Firth氏らは、英国のコホートで住民ベースの研究を行い、筋力を評価するための客観的な指標である握力は、一般集団のみならず大鬱病や双極性障害患者でも、認知機能のマーカーになりうると報告した。結果はJAMA Psychiatry誌電子版に2018年4月18日に掲… 2018/05/15 精神・神経
トレンド◎悩ましい認知症患者の不眠への対処法 ベンゾで認知機能低下のリスク、代替薬は? 認知症の行動・心理症状(BPSD)の中で最も頻度が高く、家族や介護者を悩ませる睡眠障害。ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬が処方されることが多いが、認知機能低下や転倒のリスクを高め、今回の診療報酬改定でもその長期処方が大幅減額された。とはいえ、安易な中止は離脱症状を引き起こす。では… 2018/04/11 精神・神経
JAMA Neurology誌から 過剰な昼間の眠気とアミロイドβの蓄積が相関 PETで調べた沈着の進行を比較したコホート研究 加齢は昼間の過度の眠気(EDS)と関係しており、昼間の眠気は認知機能の低下との関連が知られている。米国Mayo ClinicのDiego Z. Carvalho氏らは、脳の特定部位へのアミロイドβ(Aβ)の沈着の進行と、高齢者のEDSに相関があったと報告した。結果は、JAMA Neurology誌電子版に2018年3月12日に掲… 2018/04/03 精神・神経
特集◎終末期医療の三原則《6》インタビュー 治療の中止には厳しい前提条件を 日本臨床倫理学会理事長 新田 國夫氏 今回の診療報酬改定で終末期医療への評価が拡充され、多くの医師にその実施が求められている。だが安易な治療中止は、患者の生きる権利を奪い訴追されるリスクもある。その際どういうプロセスを踏めばよいのか。日本臨床倫理学会を設立し、在宅で1000人以上を看取ってきた新田氏に聞いた。… 2018/03/26 ターミナルケア
リポート◎診療報酬改定で向精神薬処方がしにくくなる!? ベンゾ長期処方が大幅減額、その対策は? 処方の長期化と多剤併用により依存を作ってしまい、多彩な副作用に悩まされやすいのが向精神薬治療。安易な長期処方や多剤併用を回避するよう、ここ数年の診療報酬改定でも向精神薬の多剤長期処方について処方料・処方せん料が減点されてきたが、今回はさらに一歩踏み込んだ改定が行われた。… 2018/03/22 精神・神経
インタビュー◎認知症の合併症を予防しQOLを改善する現場の知恵とは 無理な食事介助が誤嚥性肺炎を生む 江別すずらん病院認知症疾患医療センター長の宮本礼子氏に聞く 医師でありながら、毎朝、認知症患者の食事介助に加わり、医療と介護の在り方の最善を模索している宮本氏。「認知症にだけはなりたくない」という社会の風潮に危機感を覚える同氏に認知症を取り巻く介護と医療、社会の在り方はどうあるべきかを聞いた。… 2018/03/15 精神・神経
難航する認知症治療薬開発にFDAが新指針 米食品医薬品局(FDA)が早期のアルツハイマー病(AD)に対する治療薬開発に関わるガイダンスを2018年1月29日に公表しました。 ADの治療薬開発は困難を極めています。ADの病理学的な特徴として、アミロイドβ(Aβ)の蓄積によって生じる老人斑の出現、リン酸化タウの蓄積による神経原線維変化の… 2018/03/12 精神・神経
身元不明の徘徊高齢者の救急搬送が増えている 警視庁によると、2016年における「認知症または認知症の疑い」による行方不明者数は1万5000人以上といわれています。地域住民や警察に保護されたとしても、認知症が進んでいた場合、自分の名前や住所が答えられないことも多いため、どこの誰なのかを突き止めるのが難しくなっています。徘徊中に動… 2018/03/08 精神・神経
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《5》 拘束ゼロ実現のための合言葉は「KYT」 インシデントリポートと対処法検討の繰り返しが鍵 拘束ゼロ実現のためにスタッフが交わしている合言葉が「KYT」――。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で日々、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏は、危険予知トレーニング(KYT)こそが「拘束ゼロ」の決め手だと断言します。… 2018/03/08 精神・神経
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《4》 「借用書のIさん」が逝き、看護師は泣いた 「認知症の人は、今という瞬間を生きている」 認知症の人は、今という瞬間を生きている――。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で日々、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏も、常に感じることだといいます。そんな瞬間、瞬間を生き抜いた患者さんが亡くなられたとき、見守り続けた看護師た… 2018/03/01 精神・神経
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《3》 肝臓癌で余命半年と宣告された認知症患者 「認知症もいいものですね」――。これは、認知症のFさんを看取った奥さんの言葉です。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏にとって、忘れられない言葉の1つです。… 2018/02/22 精神・神経
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《2》 「拘束ゼロ」なんて初めは信じられなかった 「赴任当初、『拘束ゼロ』は信じられなかった」――。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏は、こう振り返ります。重度の認知症患者が入院する同病院は、2006年の開院当初から「拘束ゼロ」に取り組み、試… 2018/02/15 精神・神経
シリーズ◎2018年度診療・介護報酬同時改定 【認知症】かかりつけ医とサポート医の連携を評価 身体拘束を最小限にする取り組みを入院料の算定要件に 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)総会は2月7日、2018年度診療報酬改定案を了承し、加藤勝信厚生労働大臣に答申した。認知症患者への適切な医療提供体制に対する評価の概要が明らかになった。このうち認知症診療に関する改定項目は、(1)認知症に対する診療連携の評価、(2)認知症… 2018/02/10 精神・神経
第111回 レビー小体型認知症診療を再考する(3) レビー型認知症への薬物療法をどう進めるか 今回は、レビー小体型認知症の薬物療法について臨床診断基準第4版での記載と、私の実体験を基に考えてみたいと思います。 中核症状に関する記述は非常に簡潔になっています。メタ解析の結果からは、リバスチグミンとドネペジルの使用は認知機能や全般性機能、日常生活動作を改善し、さらに改善が… 2018/02/09 精神・神経
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《1》 レビー小体型認知症と闘ったある紳士の最期 「認知症の患者にもホスピスケアを」――。これは、認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で、内科医師として認知症患者の診療に当たる高野正孝氏の訴えです。10年以上にわたって認知症のホスピスケアに挑んできた高野氏に、重度の認知症患者を診る意味を語… 2018/02/08 精神・神経
身体拘束ゼロ病院の理想と現実 激しく暴れる認知症患者を家族だけで介護することに限界があるのは確かだろう。しかし、「認知症で暴れるので病院で看てほしい」「身体拘束は許容できない」「身体機能や認知症の悪化はさせないで」「院内転倒などケガも絶対にさせないでほしい」といった家族の要望を全て叶えるのは、現状の医療… 2018/02/02 精神・神経
JAMA誌から アルツハイマー病の新薬候補は効果示せず idalopirdineとコリンエステラーゼ阻害薬併用のフェーズ3試験 アルツハイマー病(AD)に対する治療薬候補として期待を集めていた、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬であるidalopirdineを、コリンエステラーゼ阻害薬と併用した3件のフェーズ3試験は、いずれも有効性を示せなかった。米California Pacific Medical CenterのAlireza Atri氏らは、結果をJAMA誌2… 2018/01/26 精神・神経
第110回 レビー小体型認知症診療を再考する(2) レビー小体型の診断でダットスキャンは必要? 2017年にレビー小体型認知症の臨床診断基準第4版が公表されましたが、今回の改訂では神経放射線学的検査を主とするバイオマーカーの役割に比重を置いたものになっています(関連記事)。今回は、レビー小体型認知症診断における神経放射線学的検査「ダットスキャン」について再考してみたいと思… 2018/01/26 精神・神経
特集◎今年こそ!一歩進んだ連携を《7》【ケースに学ぶ2】 認知症患者の服薬状況をこまめに共有 大分大学医学部附属病院×永冨調剤薬局 院外処方箋を発行する病院でも、病院薬剤師が外来に関わることにより、保険薬局からの情報を有効活用して治療に当たる──。大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科の「物忘れ外来」での取り組みだ(図3)。 医師が薬剤部に協力を依頼したことをきっかけに2015年から始まった。病院薬剤師が… 2018/01/23 コメディカル
第109回 レビー小体型認知症診療を再考する(1) レビー小体型認知症の診断、改訂ポイントは? 2017年6月にレビー小体型認知症に関する国際ワークショップがレビー小体型認知症(DLB)の臨床診断基準第4版(以下、改訂版と略す)を公表しました。今回の改訂版を基にレビー小体型認知症の臨床診断について再度、考えてみたいと思います。 表1に今回の改訂版の意訳を示しました。以下に従来の… 2018/01/12 精神・神経
年末スペシャル◎あのニュース、どうなった?2017 道路交通法改正で認知症診療はどう変わった? 2017年3月に道路交通法が改正され、運転免許証更新時の認知機能検査で「認知症のおそれ」(第1分類)と判定された75歳以上の高齢者は全て、臨時適性検査の受検か、医師による認知症の診断を求められるようになった(関連記事:免許更新の認知症診断に医療機関は対応できるか。この改正によって、… 2017/12/26 精神・神経
第108回 認知症診療の建前と本音(3) 認知症患者に睡眠衛生指導は有効か? 認知症診療で家族あるいは介護施設から相談を受ける主な行動障害・精神症状は、睡眠障害と暴言・暴力行為だと思います。睡眠障害は、患者もつらいかと思いますが、それ以上に夜間患者が寝ないことによる介護家族の精神的、身体的負担の方が大きな問題であろうと推定されます。今回は、この睡眠障… 2017/12/22 精神・神経
抗認知症薬:ドネペジルの断トツ人気続く リバスチグミンの食欲増進効果を評価する声も 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、抗認知症薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、4分の3の医師がドネペジル(商品名アリセプト他)と回答した。第2位のメマンチン(商品名メマリー)は12.3%、第3位のガランタミン(商品名レミニール)は9.5%、第4位のリバスチグミン(商品名… 2017/12/09 精神・神経
第107回 認知症診療の建前と本音(2) 「非薬物療法が第一」は実際の現場で可能か? 認知症診療における解決困難な問題として、患者さんが示す行動障害・精神症状(BPSD)への対策が挙げられます。原則は非薬物療法であることに異論を挟む医療関係者はいないと思いますが、臨床の現場で「非薬物療法が第一」との考えは本当に成り立つのでしょうか。今回は、この問題について考えて… 2017/12/08 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 レビー小体病理で脳幹を回避して大脳皮質に進むケースもある レビー小体型認知症は、レビー小体病の一種で、その病理は嗅球で初発するとされているが、その後の進展には不明な点も多い。そこで公立松任石川中央病院(石川県白山市)神経内科の吉長知史氏がレビー小体型認知症患者の嗅覚を含む臨床的検討を行った結果を、11月24日から金沢市で開催された第36… 2017/12/08 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 有効な薬剤開発を目指して認知症早期段階の定義確立進む 東北大学加齢医学研究所脳科学研究部門教授・荒井啓行氏 「アルツハイマー病の治療薬開発を目指して、バイオマーカーを用いて認知症早期段階を詳しく定義しようという動きが進んでいる。最も新しいものは、症状とは無関係に、アミロイド、タウ、神経細胞死の3つのバイオマーカーで患者を分類するものが提唱されている」。11月24日から金沢市で開催された… 2017/12/06 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 運転能力の評価は立場によって大きく違う 2017年3月に施行された改正道路交通法による認知症診療では、生活障害がある人を認知症と診断する必要があることや、運転を中断することで抑うつ状態や、うつ病を発症する可能性があることを念頭に置く必要があることが強調された。「認知症ではない人を認知症と診断して、本来運転能力がある人の… 2017/12/04 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 ロスマリン酸の認知症発症予防効果を大規模試験で検証中です 金沢大学神経内科教授・山田正仁氏の会長講演より 11月24日から金沢市で開催された第36回日本認知症学会学術集会の会長講演では、会長を務めた金沢大学脳老化・神経病態学(神経内科学)教授の山田正仁氏が、現在同グループで取り組んでいる認知症予防に資する生活習慣の解明研究や北陸地域で取り組んでいる認知症プロフェッショナル医養成プログ… 2017/12/04 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 「認知症のおそれ」で免許自主返納したのは3割 2017年3月に施行された改正道路交通法にあわせて警察庁は、運転適性相談窓口に看護師など医療系職員を配置する取り組みを強化しており、2017年9月時点で20都府県に36人を配置したことを報告した。11月24日から金沢市で開催された第36回日本認知症学会学術集会で、警察庁交通局運転免許課・高齢運… 2017/12/01 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 糖尿病性認知症、アルツハイマー型病理少なくタウ蛋白異常がメイン 糖尿病性認知症(DrD)の背景病理は、加齢に伴う海馬領域を中心に神経原線維変化が出現するタウ蛋白異常症(primary age-related tauopathy;PART)がメインで、アルツハイマー型病理は少ないことが示された。11月24日から金沢市で開催された第36回日本認知症学会学術集会で、東京医科大学高齢総… 2017/12/01 精神・神経
学会トピック◎第36回日本認知症学会学術集会 高齢発症の身体症状症患者は認知症のハイリスク 50歳以降に発症する身体症状症例では認知障害併存率が高く、高齢発症の身体症状症は認知症のハイリスクと考えられる結果が示された。11月24日から金沢市で開催された第36回日本認知症学会学術集会で、新潟大学精神科の横山裕一氏が発表した。… 2017/11/30 精神・神経
第106回 認知症診療の禁じ手 脳画像検査で認知症の診断をしてはならない! 認知症診療は、「詳細な病歴聴取」と「丁寧な問診・診察」、「神経心理検査」「脳画像検査」の4つのステップから成り立っているものです。その中で、「脳画像検査」の位置付けをどのようにするかはそれぞれの医師によって異なるかと思います。私は、脳画像検査は認知症を診断するための補助診断に… 2017/11/29 精神・神経
第105回 認知症診療の建前と本音(1) 「早期診断が重要」って本当にできるの? 今回から数回にわたって「認知症診療の本音と建前」について考えていきたいと思います。最初にお断りしておきますが、相当辛口の論調になるかと思いますのでどうかご容赦いただければと思います。 2017/11/17 精神・神経
「オンジは認知症に効果なし」と日医も強調 日本医師会は2017年11月8日の会見で、厚生労働省が10月31日に連絡した「オンジ製剤の広告等における取り扱い」に触れ、同製剤は認知症の予防や治療に用いるものではないことを改めて強調した。 2017/11/15 医薬品
日経メディカル 書籍紹介 かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ かかりつけ患者のニーズに応える形で「もの忘れ外来」を始め、認知症患者の総合的なケアに取り組む医師の現場からのリポート。かかりつけ医がどのように認知症患者をサポートできるかを記す。 2017/11/14 精神・神経
改訂された「認知症疾患診療ガイドライン2017」を読み解く 抗認知症薬の使用・選択の5つの考え方 2017年8月に「認知症疾患 診療ガイドライン2017」(以下、診療ガイドライン)が発刊されました。今回は、このガイドラインに掲載されているアルツハイマー型認知症の薬物療法と道路交通法に焦点を当て、批判的立場から私の意見を述べてみたいと思います。… 2017/10/27 精神・神経
第103回 改正道路交通法の現況と問題点(4) 免許更新の診断書、医学的診断とに不整合あり 2017年9月末までに私の外来に運転免許更新に関連する診断書作成依頼が40件ありました。前医の診断書に疑義がるとのことで臨時適性検査として回ってきた事例も10件ほどです。今回はこの40件のデータを解析しながら診断書作成の問題点を考えていきたいと思います。… 2017/10/13 精神・神経
精神・心身医学疾患 ガイドライン外来診療◆認知症 認知症の治療・ケアは原因疾患に基づいて行う。根治が困難な認知症に対しては、患者と家族のQOLの維持・改善を目標とする。介護サービスなどを積極的に利用して、廃用症候群を予防する。アルツハイマー病――認知機能障害の進行抑制に関しては、認知症が軽度ならコリンエステラーゼ阻害薬であるドネ… 2017/10/13 精神・神経
JAMA Neurology誌から 睡眠呼吸障害は認知障害リスクを上昇させる 住民ベースの研究を抽出したメタアナリシス 高齢者に多い睡眠呼吸障害(SDB)と認知機能の関係を調べるために、住民ベースの前向き研究と横断的研究を対象とする系統的レビューとメタアナリシスを行った米California大学San Francisco校のYue Leng氏らは、SDBと診断されていた人の認知障害リスクは、SDBではない人に比べて26%高かったと報… 2017/09/25 精神・神経
第102回 改正道路交通法の現況と問題点(3) 免許更新時、認知症の診断ができないケースとは 前回、運転免許更新に関連した診断書の疑義事例では、診断書作成の手順や決まり事を医師が理解していない実情を紹介しました。今回は、認知症の診断ができていない事例を中心に解説をしていきます。この問題は、恐らく運転免許更新に関連した診断書作成の場合だけではなく、通常の認知症診療にも… 2017/09/22 精神・神経
JAMA Neurology誌から 厳格降圧の方が認知機能の低下が少ない 収縮期血圧の達成値別に10年後の認知機能スコアを比較 高齢の高血圧患者の降圧目標については議論がある。収縮期血圧(SBP)の目標値の設定が認知機能に及ぼす影響を調べるために、住民ベースのコホート研究に参加した高齢の男女を10年間追跡した、米国Emory大学医学部のIhab Hajjar氏らは、SBP120mmHg以下を目標にすると、より緩やかな降圧目標の患者… 2017/09/15 循環器
日経メディカル 書籍紹介 ひと目でわかる認知症画像診断ハンドブック 認知症診断の補助検査に用いられる脳画像検査の基礎と、認知症の種類ごとに活用のポイントを詳述する。形態画像であるCTやMRI、機能画像である脳血流SPECTや脳代謝PETの基本などを示した上で、アルツハイマー病や血管性認知症、レビー小体型認知症などにおける特徴的な画像所見を説明する。… 2017/09/12 精神・神経
第101回 改正道路交通法の現況と問題点(2) 免許更新の診断書作成における「決まり事」とは 私の施設は愛知県公安委員会の認定施設になっており、運転免許更新時の臨時適性検査をしばしば請け負うことがあります。2017年3月12日の改正道路交通法の運用開始後、4カ月の間で運転免許に関する診察を受けた者が現在までに29人いますが、そのうち7人が公安委員会からの依頼によるもので、6人は… 2017/09/08 精神・神経