JAMA Neurology誌から 新規アルツハイマー病治療薬の費用対効果は不良 抗アミロイドβ抗体の予想価格からQALYsやICERsを算出したシミュレーションの結果 米国Massachusetts総合病院のEric L. Ross氏らは、アミロイドβに対するモノクローナル抗体アデュカヌマブと、次に承認される可能性のあるドナネマブを早期のアルツハイマー病(AD)患者に適用した場合の費用対効果を検討し、現在予測されている価格ではどちらも費用に見合う効果を挙げることは難… 2022/04/20 精神・神経
JAMA Network Open誌から 肥満は認知機能低下の独立した危険因子か? 体脂肪率やMRIによる内臓脂肪容積と認知機能スコアを調べたカナダの横断研究 カナダMcMaster大学のSonia S. Anand氏らは、参加者の電気的インピーダンスによる体脂肪率やMRI検査による内臓脂肪容積を測定していた2件のコホート研究のデータを利用した横断研究を行い、体脂肪と内臓脂肪の四分位群に分けた場合の認知機能スコアを比較して、心血管や脳血管疾患のリスクを補正… 2022/03/02 代謝・内分泌
トレンド◎中規模病院でもアルツハイマー病の診断が可能に 頭部専用の“ヘルメット型PET”が登場 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫、以下「量研」)とアトックス(東京都港区、代表取締役社長:矢口敏和)が、半球状の検出器配置を採用した小型・高性能なヘルメット型の陽電子放射断層撮影(PET)装置を開発、製品化した。脳腫瘍やてんかんの検査やアルツハイマー病な… 2022/01/28 医療機器
JAMA Intern Medicine誌から 白内障手術は高齢者の認知症リスク減少と関連 緑内障手術ではリスク減少が見られず、視力改善が影響か? 米国Washington大学Seattle校のCecilia S. Lee氏らは、登録した高齢者を認知症と診断されるまで追跡するコホート研究を利用して、白内障と認知症の関連を調べ、白内障患者が水晶体摘出手術を受けた場合、手術を受けなかった患者よりも認知症のリスクが低かったと報告した。結果は2021年12月6日のJ… 2022/01/05 精神・神経
NEWS◎厚労省部会、新規アルツハイマー病治療薬の承認見送り アデュカヌマブ承認されず、追加試験後に再審議 2021年12月22日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、新規アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブ(商品名アデュヘルム点滴静注170mg、同300mg)の承認可否について審議された結果、現時点での承認は見送られ継続審議となった。現時点で得られたデータからは有効性を明確に… 2021/12/23 精神・神経
JAMA Network Open誌から 閉経前の両側卵巣切除術は後の認知機能低下と関連する 切除後のエストロゲン補充療法は認知機能に対する影響が見られず 米国Mayo ClinicのWalter A. Rocca氏らは、軽度認知障害(MCI)の有病率や危険因子を調べるためのコホート研究Mayo Clinic Study of Aging(MCSA)に参加した地域住民のデータを利用して、一般の女性に比べ閉経前に両側の卵巣切除術を受けた女性では、約30年後にMCIと診断されるリスクが高かった… 2021/12/13 精神・神経
NEWS◎シーメンスの医療プラットフォーム上で内視鏡・頭部MR画像のAI解析が可能に 国内3社の診断支援AIが共通プラットフォームに搭載へ シーメンスヘルスケアが提供する医療プラットフォーム「teamplay digital health platform」において、国内3社が開発した、人工知能(AI)を活用した診断支援ソフトウエアが利用できるようになる。使用可能となるのは、上部内視鏡検査で胃癌を鑑別および検出するAIソフトウエア(開発元:AIメディ… 2021/11/15 医療機器
JAMA Intern Med誌から 甲状腺機能障害と認知機能低下に有意な関連は見られない 7万4565人の甲状腺機能検査値に基づいて患者を再分類してリスクを比較 オランダLeiden大学のNicolien A. van Vliet氏らは、23件のコホート研究に参加した7万4565人の甲状腺機能と認知機能の関係を検討し、甲状腺機能亢進症や機能低下症と、認知症や認知機能低下に関連は見られなかったと報告した。結果は2021年9月7日のJAMA Intern Med誌電子版に掲載された。… 2021/10/06 精神・神経
抗認知症薬◇第5回調査 抗認知症薬市場でドネペジルが圧倒的な人気もシェアは減少 2位メマンチン、3位ガランタミン、4位リバスチグミン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、抗認知症薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、69.1%の医師がドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト他)と回答した。 第2位のメマンチン塩酸塩(メマリー他)は17.2%、第3位のガランタミン臭化水素酸塩(レミニール他)は9.9%、第4位のリ… 2021/09/18 精神・神経
EClinicalMedicine誌から ロックダウンが認知症患者に及ぼした悪影響 認知機能が低下し、新たな症状を誘発し、ADLに支障を来した例が多数 英国London大学Queen Square Institute of NeurologyのAida Suarez-Gonzalez氏らは、COVID-19対策としてのロックダウンや行動制限が認知症患者に与えた影響を検討するために系統的レビューを行い、こうした政策の影響で認知機能の低下、新たな症状の発症、ADLの減少などが観察されたと報告した。… 2021/08/26 感染症
EClinicalMedicine誌から COVID-19回復患者に重症度依存的な認知機能低下の可能性 英国BBCが番組で行った大規模認知機能テストとCOVID-19の病歴を調べた研究 COVID-19の後遺症の1つとして、brain fogと呼ばれる現象が報告されている。英国Imperial College LondonのAdam Hampshire氏らは、主に英国の人々がインターネットを通じて回答した認知機能テストの結果とCOVID-19の病歴を検討し、回復後の患者にCOVID-19の重症度に応じた認知機能の低下を示唆する… 2021/08/16 感染症
医師7685人に聞いた「アルツハイマー病治療薬の承認をどう思う?」 アデュカヌマブの承認を納得できるのは3分の1 でも半数は「日本でも承認される」 米食品医薬品局(FDA)は2021年6月7日、アルツハイマー病(AD)治療薬としてアデュカヌマブを迅速承認した。臨床的な効果ではなく、代替評価項目として、脳内アミロイドβプラークが減少したことに基づいた。 迅速承認は、生命を脅かす重篤な疾患を対象に、代替評価項目で有意な効果が証明され、… 2021/08/16 精神・神経
[CASE16] 在宅がん患者は認知症。疼痛管理を行う家族をどう支援? Pさん、80歳男性。膵臓がんが末期の状態で見つかり、手術は不可能なレベルであったため、通院にて内服による対症療法を行い経過観察中である。認知症があるため、どの程度の痛みがあるのかがはっきりせず、また家族は麻薬を用いた疼痛コントロールに困惑気味である。高齢なため進行は遅いだろうと医… 2021/07/28 癌
JAMA Neurology誌から タウPETはAD患者の認知機能低下を予測する能力が高そう スウェーデン、米国、韓国で行われたコホート研究 スウェーデンLund大学のRik Ossenkoppele氏らは、タウ蛋白に結合する放射性トレーサーを用いたPET(タウPET)検査がアルツハイマー病(AD)患者の認知機能低下を予測する能力を、アミロイドPET検査やMRI検査と比較するコホート研究を行い、ベースラインからのMini-Mental State Examination(MMSE… 2021/07/26 精神・神経
学会トピック◎日本臨床倫理学会がワクチン接種の意思決定で手引き 認知症や意思疎通困難な人のワクチン接種に指針 日本臨床倫理学会(理事長・新田國夫氏)は2021年6月末、『認知症や意思疎通が困難な人の新型コロナワクチン接種のための意思決定の手引き』を公表した。「医療行為には本人の同意が前提」とする国の見解があるものの、本人から有効な同意が得らない入所者への対応は施設に任されているのが現状。こ… 2021/07/13 感染症
認知症+末期癌患者の帰宅願望のかなえ方、退院だけが答えじゃない さて、このような場合、どのように診療を進めればよいでしょうか。八木研修医の対応を見てみましょう。八木研修医:白井さん、どこか痛いところはありますか?白井:ないよ。いつ帰れる?八木研修医:(……本当にどこも痛くないのかな)帰宅については、ご家族とも相談しないといけませんね。白… 2021/06/28 ターミナルケア
米国でのアデュカヌマブ迅速承認は何が問題か? 米食品医薬品局(FDA)がアルツハイマー病の治療薬として、米Biogen社の「Aduhelm」(アデュカヌマブ)を迅速承認してから約1週間。今回の迅速承認を巡っては、患者や家族、医療・介護者などから歓迎の声が上がる一方、今もなお専門家や業界関係者の間で物議を醸している。 報道によれば、2021年… 2021/06/17 精神・神経
アデュカヌマブの適正価格はいくら? 抗アミロイドβ抗体医薬のアデュカヌマブ(商品名Aduhelm)が、アルツハイマー病治療薬として米国で迅速承認されました。アルツハイマー病の治療に新たな手段が加わったことは大変素晴らしいことです。ただ、みなさんも気になっていますよね、年間5万6000ドル(610万円)という価格設定が。 米Bi… 2021/06/16 精神・神経
認知症の利用者が看護を拒否。どう対応する? 病院の内科病棟から老人ホームに転職した3年目の看護師です。入所している方はほとんどが認知症(脳血管性認知症が多いです)で、重症度もまちまちですが、看護や介護を強く拒否する方がいて戸惑っています。ヘルパーさんの言うことは聞くのに看護師の言うことは聞いてくれない……ということが何度… 2021/05/24 精神・神経
レポート◎コロナ対応の死角を追う 一人暮らしの認知症の人がコロナに、誰が診る? 日本は独居の認知症の人が新型コロナに感染した場合を想定していない。コロナ対策に「認知症」という視点がスッポリ欠落している──。こう訴えるのは、「尼崎の町医者」を自認する長尾クリニック(兵庫県尼崎市)院長の長尾和宏氏。つい最近、自院に不定期に外来通院していた一人暮らしの認知症の… 2021/04/22 感染症
NEWS◎フィリップスが脳ドック用プログラム「BrainSuite」の提供を開始 「脳ドック+α」で認知症リスクを可視化 AIが海馬体積を測定、生活習慣改善のアドバイスも提示 フィリップス・ジャパン(東京都港区)は、人工知能(AI)による脳MR画像解析、認知機能テストなどの結果を組み合わせることで、脳の健康状態や認知症発症予防へのアドバイスを提示する脳ドック用プログラム「BrainSuite」の販売を開始した。医療機関における脳ドック検査へのオプションとして提… 2021/04/16 精神・神経
JAMA Neurology誌から アルツハイマー病の新薬候補で認知機能が低下 治療中止から6カ月で機能は回復したものの、atabecestatの開発は中止に βセクレターゼ阻害薬のatabecestatを、アミロイドβの沈着が進んでいる発症前のアルツハイマー病患者に投与したフェーズ2b/3試験EARLYは、プラセボ群に比べ高用量atabecestatを投与された患者の認知機能が低下するという想定外の結果になり、開発は中止された。米国Brigham and Women's Hospital… 2021/02/17 精神・神経
JAMA Network Open誌から 100歳を過ぎても認知機能が衰えない人の研究 オランダの調査で神経病理学的変化があるのに認知機能が保たれる人も オランダAmsterdam自由大学のNina Beker氏らは、100歳以上で認知機能を維持している人々を対象に、最長4年後まで認知機能の変化を調べ、病理解剖ではアルツハイマー病の特徴などが見つかった人でも、認知機能の低下は見られず、センテナリアンは認知機能の低下に対するレジリエンスを持っている可… 2021/02/16 精神・神経
精神科Q&Aシリーズ《11》 ホーム入居者の収集癖、薬物治療は可能か <循環器内科医>施設入居者の窃盗癖(?)・収集癖への対応 訪問診療をしている老人ホームの患者さんについて、相談を受けました。もともと独居で飲酒後に転倒を繰り返すような70代男性で、上腕骨骨折を機に、昨年末から施設入所となっています。最近になり、スタッフルームなどからトイレットペ… 2021/01/28 精神・神経 医師限定コンテンツ
[CASE11-02] 認知症独居者のBPSDに訪問看護は何ができる? お料理好きで温厚な性格の72歳女性Kさん。糖尿病管理で訪問看護が入っていたが、毎回用意される手料理を受け取れないとお断りしたあたりから、Kさんの態度に変化が現れた。もともと「誰かに見張られている」などの精神症状らしい発言はみられていたものの、料理を断わったことをきっかけに、妄想的… 2021/01/06 精神・神経
認知症へのリスペリドンは何をチェック? 社内研修会は、まだ続きます~。桜井「じゃあ、続いてDさん、お願いするっス。Dさんの店舗からは、こんな症例を選んでみたっス」D「この患者さんは、約15年前から高血圧と2型糖尿病を、約5年前から睡眠障害を治療しています。約3年前から認知機能の低下が見られ、ドネペジル塩酸塩(商品名アリセ… 2021/01/04 精神・神経
JAMA Neurology誌から 大気汚染がアミロイドβ沈着を促進する可能性 PM2.5濃度が高い地域の高齢者はPET検査で脳にアミロイドが見つかりやすい 米国California大学San Francisco校のLeonardo Iaccarino氏らは、認知障害がある高齢者のアミロイドPETスキャン検査結果と、居住地域の大気汚染状況(PM2.5濃度と地上オゾン濃度)の関係を検討し、地域のPM2.5濃度が高い地域に居住する高齢者ほどアミロイドPET陽性となる割合が高かったと報告した… 2020/12/21 精神・神経
[CASE11-01] 認知症の悪化は訪問時の食事を断ったせい!? 72歳女性のKさん。娘は1人いるが遠方に住んでおり1人暮らしである。始めは糖尿病の血糖値管理を目的に訪問看護が入っていた。もともと料理人のため、手料理で人をもてなすことが大好きで温厚な方であった。訪問時も「ちょっと煮物を作ったから食べてみてほしい」と言われ、断ると哀しい顔をされるた… 2020/11/26 精神・神経
Diabetes Care誌から メトホルミンで認知症リスクが低下、高齢者を対象とした前向き観察研究より メトホルミン投与と認知機能低下および認知症発症との関連が前向き観察研究で検討された。メトホルミン服用の糖尿病患者は、メトホルミン非服用患者よりも認知機能の低下が遅く、認知症の発症リスクが低かった。この結果はDiabetes Care誌11月号に掲載された。 2型糖尿病は、認知機能障害および… 2020/11/13 代謝・内分泌
JAMA Network Open誌から 睡眠は短くても長くても認知機能低下に関連 英国と中国の大規模な高齢者コホートのデータを分析 中国北京大学のYanjun Ma氏らは、睡眠時間と認知機能の関係を調べるために、英国と中国の高齢者を代表する2つのコホート研究のデータをプール解析し、夜の睡眠時間が7時間の人に比べ、4時間以下または10時間以上の人は認知機能低下リスクが高かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に… 2020/10/08 精神・神経
精神科Q&Aシリーズ《8》 レビー小体型認知症による幻覚への対応法 <総合診療医>レビー小体型認知症の幻覚に対して有効な治療法(薬、生活環境改善など)と、家族への伝え方があれば教えていただきたいです。UpToDateでは、イクセロンパッチにある程度の効果があると記載されており、現在9mgまで増量していますが今のところあまり効果は見られていません。幻視より… 2020/09/14 精神・神経 医師限定コンテンツ
JAMA Network Open誌から ロチゴチンはアルツハイマー病に好影響あり? 軽症から中等症のAD患者のフェーズ2試験で副次評価項目に有意差 イタリアSanta Lucia Foundation Istituto di Ricerca e Cura a Carattere Scientifico(IRCCS)のGiacomo Koch氏らは、軽症から中等症のアルツハイマー病(AD)患者に経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤ロチゴチンとプラセボパッチを用いるフェーズ2試験を行い、主要評価項目に有意差は見られなか… 2020/08/05 精神・神経
トレンド◎アルツハイマー病創薬戦線異状あり DIAN-TU研究の失敗が意味するもの 遺伝性のアルツハイマー病患者を対象に行われた国際的な臨床研究(DIAN-TU)で主要評価項目を達成できなかったことが、2020年2月に発表された。 2020/03/23 精神・神経
日経ヘルスケア 新製品紹介 圧刺激で落ち着きをもたらす重り入りの掛け布団 ウェイテッド Hug ふとん ポリエステル繊維の束からなる重りを入れた、重さ6kgの掛け布団。同社が施設等の協力を得て臨床評価を行い、5年かけて開発した。 2020/02/26 精神・神経
シリーズ◎2020診療報酬改定 【認知症】長谷川式スケール、MMSEなどの算定は原則「3カ月に1回」に 認知症ケア加算は3段階に、専任の常勤医師・看護師の要件は緩和 中央社会保険医療協議会(中医協)は2月7日の総会で、2020年度診療報酬改定案を了承し、加藤勝信厚生労働相に答申した。認知症を有する患者への対応、認知症診療に関する報酬項目の見直しとしては、(1)認知症ケア加算の見直し、(2)認知機能検査等の算定要件の新設──などがある。… 2020/02/11 精神・神経
誤嚥の原因は1つとは限らないのです 「いつもと違うところはないか」と問い続けよう 我々は答えを1つ見つけただけで、その後の探求心を失ってしまいがちです。でも、そこには大きな落とし穴が隠れていることがあります。何事も、答えが1つとは限りません。誤嚥性肺炎の診療も例外ではないのです。判断を急ぐあまり、つい忘れがちなこのことを気づかせてくれたのも、この症例でした。… 2020/02/11 呼吸器
東大の“超早期認知症オンライン研究”に一般人3000人が登録 アルツハイマー病治療薬評価のインフラ構築へ第一歩 東京大学のグループが2019年10月31日より開始した認知症のプレクリニカル期・プロドーマル期(MCI期)を対象にしたオンライン研究に2020年1月末の時点で登録件者が3000人を超えたことが明らかになった。認知症疾患修飾薬の効果検証のためのコホートづくりの第1歩となる。… 2020/01/30 精神・神経
トレンド◎HIV感染者の4人に1人が有する「HIV関連神経認知障害(HAND)」 HIV感染者の認知機能障害、原因は? 治療は? 東京医科大学病院臨床検査医学科主任教授の木内英氏に聞く HIV感染症は、抗ウイルス薬など治療の進歩によって直ちに死に至る病ではなくなった。重篤な神経認知障害を来す患者も激減する一方で、治療が比較的順調な患者でも軽度の認知障害を呈するケースが明らかとなり、HIV関連神経認知障害(HIV-associated neurocognitive disorder:HAND)という新たな… 2020/01/16 感染症
抗認知症薬◇第4回調査 ドネペジルの断トツ続くもシェアは漸減 2位メマンチン、3位ガランタミン、4位リバスチグミン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、抗認知症薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、70.6%の医師がドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト他)と回答した。 第2位のメマンチン塩酸塩(メマリー)は13.0%、第3位のガランタミン臭化水素酸塩(レミニール)は11.2%、第4位はリバ… 2020/01/11 精神・神経
日経ヘルスケア12月号特集「胎動する認知症マーケット」より 見守りシステム刷新で重大事故が10分の1に激減 国が認知症対策に本腰を入れる一方、認知症分野で商品・サービスの開発に乗り出す一般企業も目立ってきました。医療・介護現場でも、認知症に対して「効果的・効率的ケア」「予防」の両面からのアプローチが広がりつつあります。医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』の12月号特集「胎動する認知… 2019/12/27 医療経営
医療・介護現場を支える「認知症ビジネス」の実力 国が認知症対策に本腰を入れています。認知症予防の分野を中心に商品・サービスの開発に乗り出す一般企業も目立ち始めました。医療・介護現場でも、「予防」「効果的・効率的ケア」の両面からのアプローチが広がりつつあります。 認知症施策には長い歴史があります(表1)。そのターニングポイン… 2019/12/25 精神・神経
ニュース追跡◎タウ凝集と脳の萎縮を加速する「CAPON」 アルツハイマー病治療に新たな標的が浮上 今年11月に開催された日本認知症学会で、ひときわ注目を集めたセッションがある。シンポジウム「タウオパシーの成因と病態」がそれだ。中でも参加者の関心が高かったのが、理化学研究所脳神経科学研究センター神経老化制御研究チームの橋本翔子氏らの発表だった。… 2019/12/24 精神・神経
学会トピック◎第38回日本認知症学会学術集会 認知症診療では誤診が深刻 高齢者タウオパチーを忘れてはならない アルツハイマー病やレビー小体型認知症の脳機能イメージング研究が蓄積し、連続剖検の知見も蓄積し、研究のレベルでは詳細な認知症の鑑別が可能になった。その結果日常診療における“誤診”の実態が浮かび上がってきた。… 2019/12/18 精神・神経
近い将来、国民の1割近くが認知症に!? 先日、名古屋大学と岐阜大学の法人統合に関して取材した(関連記事:名古屋大学と岐阜大学の法人統合の中身は?)。来春、名古屋大学と岐阜大学は、「東海国立大学機構」という法人の下に入り、経営の効率化などを進めていく。東海国立大学機構の初代機構長に就任した松尾清一氏は、日本の人口減… 2019/12/09 精神・神経
医師3826人に聞いた「認知症の告知の在り方は?」 自分の認知症「どんな状況でも告知を」は6割 認知症の告知についてのディベートセッションが、2019年11月7~9日に東京都内で開催された第38回日本認知症学会学術集会で開催された。「認知症は告知すべき?すべきではない?」と題した同セッションで「告知すべき」の立場で登壇した新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター遺伝子機能解析… 2019/11/25 精神・神経
シリーズ◎2020診療報酬改定 認知症ケア加算1は専任常勤医の要件緩和へ 加算2には専門看護師の配置要件が追加か 厚生労働省は2019年11月20日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開催し、2020年度診療報酬改定に向けて認知症ケア加算やせん妄予防に関して議論した。 厚労省は、認知症ケア加算1の算定要件である「精神科・精神内科5年以上など要件を満たす専任の常勤医師の配置」の緩和を提案。加えて、… 2019/11/25 行政・制度
JAMA Neurology誌から 若い時の血管リスクが高齢期の脳容積に影響 英国の長期コホート研究で69~71歳の脳画像と36歳時の血管リスクに相関 英国University College LondonのChristopher A. Lane氏らは、1946年に始まった長期追跡コホート研究を利用して、参加者が36歳・53歳・69歳時点の血管危険因子を評価し、69~71歳の時点で実施したMRIやPET画像による脳の形態学的変化との関連を調べ、若年成人期の血管リスクと高齢期の脳の形態的… 2019/11/18 循環器
JAMA Network Open誌から 高齢者の飲酒量は認知機能に関係するか? まったく飲まない人と大量飲酒者は認知機能低下リスクが高そう 米国Harvard公衆衛生大学院のManja Koch氏らは、米国の市中在住の高齢者を対象に、自己申告された飲酒量と認知症の発症、および認知機能の低下の関係を調べる前向きコホート研究を行い、まったく飲酒しない人と大量飲酒者は、少量飲酒者に比べ認知機能スコアが低下しやすく、軽度認知機能障害(MC… 2019/10/21 精神・神経
第11回 高齢者の抗凝固薬で気になる「転倒・服薬アドヒアランス」 抗凝固薬の服用を怖がる患者にどう説明する? 指導医 前回のカンファレンスで、転倒や服薬アドヒアランスが問題になりました。まず転倒リスクについて、エビデンスはありましたか?研修医 はい。それが意外にも、抗凝固薬は転倒による出血リスクには影響しない1、2)、あるいは出血リスクよりも予防効果が上回る3)とする研究が多かったのです… 2019/10/15 循環器
JAMA Network Open誌から 認知症介護者の睡眠時間と質を調べる研究 介護者の睡眠時間は対照群より短く質も低いが、介入で改善できる 認知症患者を介護する家族は慢性的なストレスを感じている。米国Baylor大学のChenlu Gao氏らは、介護者の睡眠について調べた研究のメタアナリシスを行い、介護者の睡眠時間は年齢がマッチする非介護者に比べ短く、睡眠の質も低いが、安価な介入により改善が期待できると報告した。詳細は、JAMA Ne… 2019/09/13 精神・神経
JAMA誌から 中年期の高血圧が後の認知症リスクに関連 ARIC研究のコホートを長期追跡して血圧変動パターンと認知症の関係を分析 中年期の人々の血圧を24年間にわたって定期的に測定し、変化のパターンと認知症発症の関係を検討した米国Johns Hopkins大学のKeenan A. Walker氏らは、中年期からずっと正常血圧を維持していた人々に比べ、中年期からずっと高血圧だった人と、中年期は高血圧で高齢期には低血圧になっていた人の認… 2019/08/30 循環器
「お福の会宣言」に込められた思い 今年も、夏7月、私が勤める佐久総合病院で「農村医学夏季大学講座」が開かれた。この講座は、夏の信州、山間部の涼しさと静かな環境を利用した市民大学的な学びの場。地域の保健衛生活動の第一線でぶつかる現実的な苦難や困難に着目し、市民的な集いの中で基本的人権と民主的精神をよりどころに学… 2019/08/30 精神・神経
BMJ誌から 外科手術は認知機能低下に影響するか? 影響はあるが内科疾患による入院より小さい 外科手術を受けると、長期的な認知機能の低下に悪影響が及ぶ可能性が考えられている。米国Wisconsin大学のBryan M Krause氏らは、英国で行われたWhitehall IIスタディのデータを利用したコホート研究を行い、外科手術による入院は認知機能の低下に関連するが、その影響は内科疾患での入院よりも小… 2019/08/29 外科
トレンド○重度アルツハイマー病への抗認知症薬使用アルゴリズムまとまる 寝たきり患者では抗認知症薬中止の検討を ただし食思不振や幻聴、幻覚などのBPSD再燃に要注意 今年3月、日本精神科病院協会(日精協)は、症状の著しく進行したアルツハイマー病に対する抗認知症薬の使用方法を示すアルゴリズムを取りまとめた。同アルゴリズムは、国内で初めて抗認知症薬の減量・中止の方法を示すもの。減量・中止時には、BPSD(認知症の行動・心理症状)の再燃を注意すべき… 2019/08/27 精神・神経
JAMA Network Open誌から 難聴は認知症の修正可能な危険因子 台湾のコホート研究で45~64歳の難聴はリスクが高い 国立台湾師範大学のChin-Mei Liu氏らは、難聴と診断された台湾の45歳以上の成人と、条件をマッチさせたペアを追跡して認知症の発症リスクを比較するコホート研究を行い、難聴がある患者は認知症を発症しやすく、特に年齢が若い時点で難聴を発症した人は認知症リスクが高くなると報告した。結果はJ… 2019/08/23 耳鼻咽喉科
第12回 認知症の睡眠障害で介護者に伝えたい8箇条とは 認知症患者では不眠症はもちろんのこと、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚(レストレスレッグス)症候群、レム睡眠行動障害、周期性四肢運動障害、薬剤の副作用による睡眠障害などさまざまな睡眠障害に罹患しています。脳器質障害のため複数の睡眠障害が併存していることもまれではなく、治療に入る… 2019/08/08 精神・神経
JAMA Intern Med誌から 抗コリン薬の長期使用は認知症を増やすか? 抗精神病薬、過活動膀胱治療薬、抗うつ薬などでリスク上昇 抗コリン薬が短期的な認知機能に害を及ぼすことは知られているが、長期間の使用が認知症発症率の上昇に関係するかどうかは明らかではなかった。英国Nottingham大学のCarol A. C. Coupland氏らは、イングランドの患者を対象とするネステッドケースコントロール研究を行い、抗コリン作用が強力な薬… 2019/07/12 精神・神経
JAMA Network Open誌から 内臓脂肪、エストラジオール、認知機能の関係 全身性の炎症が脳にも悪影響を及ぼし、エストラジオールが軽減する 内臓脂肪は、血管疾患と代謝性疾患の危険因子であることが知られているが、内臓脂肪が認知機能の低下に関係するという報告もある。ドイツMax Planck InstituteのRachel G. Zsido氏らは、ドイツの成人男女を対象に、内臓脂肪、エストラジオール、認知機能と、主に記憶に関係する脳内ネットワーク構… 2019/07/11 精神・神経
学会トピック◎第34回日本老年精神医学会 認知症疾患医療センターの課題を集中討議 量の確保から質の確保へ 全国的に整備が進む認知症疾患医療センターの課題は何か。第34回日本老年精神医学会大会(6月6日~8日、仙台)では、同センターの各類型(基幹型、地域型、連携型)のそれぞれの観点から現状報告があった。… 2019/07/02 精神・神経
学会トピック◎第34回日本老年精神医学会 若年性認知症の診断後支援が不足 医療と福祉の連携が求められる 第34回日本老年精神医学会大会では、若年性認知症に対する医療、福祉の課題が話し合われた。 2019/07/01 精神・神経
第11回 認知症の睡眠問題は「診立て」が肝心 認知症では多様なBPSDが見られます。被害妄想、感情失禁、自閉、拒絶、幻覚、抑うつなど様々です。これらと並んで、夜間の不眠、昼間の強い眠気、昼夜逆転などの睡眠-覚醒リズムの異常はとても頻度が高く、多くの調査では頻度の高いBPSDのトップ3に入っています。認知症の睡眠問題は他のBPSDを悪化… 2019/06/27 精神・神経
2025年までの取り組みと目標がまとまる 認知症大綱、6万人の薬剤師に研修受講を かかりつけの役割持つ薬局は7割を目標に 2019年6月19日、認知症施策推進関係閣僚会議(第2回)が開催され、「認知症施策推進大綱」が取りまとめられた。 2019/06/24 コメディカル
BMJ誌から 運動不足は認知症リスクとは無関係か? 認知機能の低下による活動量低下を考慮したメタアナリシス 身体的に不活発であることと認知症リスクの関係は明らかになっていない。英国University College LondonのMika Kivimaki氏らは、運動不足が認知症の危険因子かどうかを検討するために、10年以上の長期追跡を行っている前向きコホート研究から個々の患者のデータを統合するメタアナリシスを行い、… 2019/05/15 精神・神経
NEJM誌から アミロイドβ阻害薬は認知症進行を抑制せず BACE-1阻害薬のベルベセスタットとプラセボを比較したRCT 米国Merck社のMichael F. Egan氏らは、認知症と診断される前の軽度認知障害の患者を対象に、アミロイドβ阻害薬のベルベセスタットとプラセボの認知症進行抑制効果を比較するランダム化比較試験を行い、104週間の追跡で認知症スコアを改善することはできなかったと報告した。結果はNEJM誌2019年4… 2019/05/10 精神・神経
「BPSDの原因が便秘」は決してまれではない 前回まで痛みについて取り上げてきました。疾患自体の問題や治療・処置に痛みがつきまとうことから、BPSD(認知症の行動・心理症状)を疑う場面でも最初に痛みの有無を検討しなければならないことを理解いただけたかと思います。それでは、BPSDを疑う場面で、痛みの次に検討すべき症状は何でしょ… 2019/04/17 精神・神経
2019年3月5日~24日 ボノプラザンの重大な副作用にTEN、SJS追加 アリピプラゾールの後発品「サワイ」にうつ病・うつ状態の効能追加 2019年3月5日~24日における添付文書の主な改訂情報をお知らせします。プロトンポンプ阻害薬(PPI)のボノプラザンフマル酸塩(商品名タケキャブ)、およびボノプラザンを配合したボノサップ(一般名ボノプラザン・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン)、ボノピオンパック(ボノプラザン・ア… 2019/04/03 眼科
BMJ誌から 長期のホルモン補充療法はアルツハイマー病リスクに関係する フィンランドで16万人を比較したケースコントロール研究 フィンランドHelsinki大学病院のHanna Savolainen-Peltonen氏らは、同国の全国民を対象にしたデータベースから、1999~2013年にアルツハイマー病(AD)と診断された女性全員と、条件をマッチさせたADを発症していない女性を比較するケースコントロール研究を行い、全身投与するタイプのホルモン補… 2019/03/28 精神・神経
第3回 オピオイド無効の疼痛患者ではせん妄を疑え! 第1回、第2回では、BPSDの原因が「痛み」である場合を紹介しました。一般診療では、「身体は身体、認知は認知」と別々に取り上げられがちではありますが、両者が意外にも影響し合っていることを感じていただけたのではないでしょうか。… 2019/03/26 精神・神経
学会トピック◎第53回糖尿病学の進歩 糖尿病合併認知症の血糖変動パターンに要注意 糖尿病合併の認知症の中でも、その発症と進行に糖代謝異常が関与している病態では、2つの特徴的な血糖変動パターンが存在する――。第53回糖尿病学の進歩(3月1~2日、開催地:青森県青森市)で東京医科大学病院高齢総合医学分野主任教授の羽生春夫氏らが、適切な血糖コントロールによって認知機… 2019/03/11 代謝・内分泌
第2回 癌による疼痛で落ち着かず”徘徊”していた一例 オキシコドンでBPSDが消失!? その訳は 第1回では、BPSDを生じる原因の代表例として「痛み」の症例を紹介しました。一般診療において、BPSDが疑われる事例のうち6~8割において、痛みなどの身体的苦痛と薬剤が関連していたとの報告があります。実際、外来・入院を問わず、治療的な処置や疾患による身体症状として痛みを感じている患者が… 2019/03/06 精神・神経
トレンド◎増加する高齢ドライバー、リハビリで運転能力向上を目指す 日本初の「自動車運転外来」って何をするの? 高知県にある愛宕病院は「自動車運転外来」を開設した。日本初となる自動車運転外来では、運転に不安を抱える高齢者を対象に、低下した認知機能を向上させるためのリハビリテーションを実施している。… 2019/02/21 精神・神経
第1回 痛みをうまく表現できずBPSDを生じているケースも 「認知症患者は痛くない」は大きな誤解 「『BPSD(認知症の行動・心理症状、behavioral and psychological symptoms of dementia)』って、言い方は変わっても結局『問題行動』でしょう。教科書には非薬物療法って書いてあるけれども、病棟は介護施設ではないし、看護スタッフも忙しい。結局薬で対応するしかないのでは?」 急性期医療… 2019/02/12 精神・神経
インタビュー◎てんかん患者の約4割が高齢者 高齢者のてんかんを見逃す2つの落とし穴 国際医療福祉大学神経内科教授の赤松直樹氏に聞く 小児の疾患というイメージもあるてんかんだが、約1800万人のレセプトデータの解析から、日本のてんかん患者の44%であることが分かった。この研究を主導した赤松直樹氏(国際医療福祉大学神経内科教授)に、認知症と混同されやすいという高齢者のてんかんの特徴や、見落とさないための注意点につ… 2019/01/28 精神・神経
どこまでやる? 訪問看護の線引き 訪問看護でさまざまなお宅に伺っていると、室内はゴミだらけ、電球は切れっぱなし、冷蔵庫は期限切れの食品しかないというお宅のなんと多いことか! 介護保険や医療保険でお伺いしている訪問看護師は、掃除や買い物などの生活支援は基本的には行わないことになっています。日常生活の支援が必要な… 2019/01/24 コメディカル
認知症患者による事故で最大2億円を賠償 神戸市、認知症患者への事故救済制度を新設 賠償責任がなくても被害者に見舞金を支給 神戸市は2019年4月から、認知症患者が事故に遭った際の新たな救済制度を開始する。これは、同市の「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例(神戸モデル)」を一部改正して実施するもの。救済制度では、認知症患者が事故を生じた際に賠償し、被害者にも見舞金を支給するもの。… 2019/01/21 精神・神経
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「老衰」って何だろう? 筆者の専門は緩和ケアだが、現在は56床の町立病院で地域医療に従事している。当院では超急性期疾患の対応はほとんどなく、お看取りする患者さんは老衰、認知症終末期、誤嚥性肺炎などが大半である。本項では、特に老衰や認知症終末期に関して、地方の小病院で筆者が大切にしていることを述べたい… 2019/01/18 精神・神経
口腔内細菌は万病の元!? 近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)の研究が進展し(関連記事)、メディアなどでも頻繁に取り上げられているが、最近では「口腔内細菌叢(口腔内フローラ)」にも注目が集まり始めている。歯周病菌や虫歯菌などの口腔内細菌が、実は全身の多様な疾患に悪影響を及ぼしているというのだ。… 2019/01/14 感染症
短期集中連載◎なぜ今『救急×緩和ケア』なのか part III 「精神疾患患者は受け入れたくない」と言う前に 精神科でも終末期医療ニーズは増加、他科の協力が必須に 現在、精神科においても看取りを含め身体疾患への対応を要する状況も増加しているが、そこには精神科特有の困難も存在する。精神科では「よくある」ことでも、他科の先生方にとっては「困る」「だから精神疾患患者の受け入れはしたくない……」と否定的な感情、スティグマ(偏見)につながること… 2019/01/10 精神・神経
シーズン2 第3話 母さん、帰ってきたよ 鈴木アイと鈴木ユウ。 母が名付けたらしいが、その理由を知ることはもう無理だろう。 自分としては、双子だからといって特別な感じはないのだが、友達からは「顔は似ているけど、まるきり違う性格ね」と、よく言われた。確かにそうかもしれない。 例えば、兄のユウは無口で優しい。あたしは逆… 2018/11/20 医師のキャリア
本人に代わって意思決定できるのは誰? 前回までのコラムでも、意思決定能力の低下について扱いました。認知症により、本人の意思決定能力が低下し、自分ではしっかりとした判断が難しくなったHさんの事例、慢性呼吸器疾患によりCO2ナルコーシスを生じ、一時的に意思決定が難しくなったAさんの事例を取り上げました。… 2018/11/12 精神・神経
JAMA Network Open誌から 慢性炎症がアルツハイマーの危険因子か? CRP軽度上昇が持続するとApoE4保有者のAD発症リスクが上がる 米Boston大学医学部のQiushan Tao氏らは、Framingham Heart Studyの第2世代コホート参加者のデータを調べ、軽度の慢性的な炎症がアポリポ蛋白E4遺伝子(ApoE4)保有者のアルツハイマー病(AD)発症リスクを上昇させ、発症時期を早めている可能性が高いと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子… 2018/11/05 精神・神経
学会トピック◎第37回日本認知症学会学術集会 てんかんによる「治療可能な認知症」に要注意 顕著なてんかん発作を伴わずに、持続的な認知機能低下と精神症状を呈する症例に注意が必要――。第37回日本認知症学会学術集会(10月12~14日、開催地:北海道札幌市)で北海道大学神経病態学講座精神医学教室の堀之内徹氏らが、外見からは認知症との区別が困難だが薬物治療可能な認知機能障害と… 2018/10/19 学会速報
JAMA誌から タウ蛋白標識PETを用いた認知症診断の研究 アルツハイマーと神経変性疾患の識別能力は高い スウェーデンLund大学のRik Ossenkoppele氏らは、タウ蛋白のイメージング用に開発された[18F]flortaucipirを用いたPET検査で、アルツハイマー病(AD)とその他の神経変性疾患を識別する能力を調べる横断研究を行い、この検査の識別能は高かったと報告した。データは、JAMA誌電子版に2018年9月18日… 2018/10/09 医療機器
リポート◎認知症診断時の甲状腺機能検査実施率はわずか33% その高齢者の物忘れ、甲状腺機能低下症では? 甲状腺機能低下症が認知機能障害を引き起こすことがある。そのため、認知症の診断時には甲状腺機能検査の実施が推奨されているが、実際に検査を受けている認知症患者は3人に1人にすぎないとの全国調査の結果が今年7月に発表された。高齢者では、疲労や倦怠感の原因が甲状腺機能異常というケースもあ… 2018/09/06 代謝・内分泌
インタビュー◎意思決定能力法の下、意思決定能力の評価が浸透 英国では認知症患者の意思をどう尊重しますか? 英国ハマートンコート認知症ケア・アカデミーのヒューゴ・デ・ウァール氏に聞く 厚生労働省による「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(関連記事:認知症であっても本人の意思確認は必須です)に大きな影響を与えたのが、英国の意思決定能力法(The Mental Capacity Act 2005)だ。同法は、現場の認知症ケアにどのような影響をもたらしているの… 2018/08/24 精神・神経
インタビュー◎アルツハイマー病に紛れ込む神経原線維変化型老年期認知症 記憶障害のみでゆっくり進行する認知症とは 発見者の金沢大学脳老化・神経病態学(神経内科学)教授山田正仁氏に聞く アルツハイマー病(AD)に似ているが、アミロイドβ(Aβ)の沈着をほとんど認めない認知症として、1990年代に発見された神経原線維変化型老年期認知症(SD-NFT)。臨床的にADと診断された患者の2割前後がSD-NFTに該当することが近年、明らかになっている。SD-NFTは、ADと比較して進行が緩徐で、… 2018/08/17 精神・神経
BMJ誌から 中年期以降の飲酒量と認知症のリスク 大量飲酒者だけでなく飲まない人もリスクが高い 英国のWhitehall IIスタディのコホートを利用して、中年期から初老期までの飲酒量を調べ、その後の認知症リスクとの関係を調べた仏Paris-Saclay大学のSeverine Sabia氏らは、1週間の飲酒量が1~14ユニットの人に比べ、非飲酒者(たまにしか飲酒しない人を含む)と、14ユニットを超える量を飲酒す… 2018/08/17 精神・神経
逃亡した患者さんを追え はいっ!どーも!!在宅医療には地域の方々の協力が不可欠だということを改めて実感した新井です。今回は、認知症と前立腺癌を患っている男性患者Sさん(80代)とのエピソードをご紹介します。 2018/08/06 精神・神経
300人超の大動脈内部を血管内視鏡で観察 大動脈プラーク自然破綻は日常的に起きている? 冠動脈疾患がある、または疑われる324例に対し、血流維持型血管内視鏡検査を施行し大動脈内部を観察したところ、8割の患者に自然破綻した大動脈プラークが見つかった。NPO法人日本血管映像化研究機構理事長の児玉和久氏(大阪警察病院[大阪市天王寺区]名誉院長)らのグループが、米国心臓病学会… 2018/07/31 循環器
第18回 糖尿病による合併症、忘れてはいけない認知症 厚生労働省の発表によると全国の認知症の患者数は、2012年の時点で約462万人。65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症でした。ですが、このまま日本の高齢化が進むと2025年には認知症患者数が約700万人となり、65歳以上の高齢者は約5人に1人が認知症を発症する推計になっています。国も2012年に「… 2018/07/19 代謝・内分泌
JAMA Neurology誌から 網膜の神経線維層と認知症の関係 オランダのコホート研究で1SD菲薄化すると発症リスクが上昇 アルツハイマー病(AD)患者やモデルマウスでは、網膜にもアミロイドβの蓄積が起こることが報告されている。オランダErasmus医療センターのUnal Mutlu氏らは、非侵襲的な光干渉断層撮影(OCT)検査により、網膜の神経線維層や内網状層の厚さを調べ、神経線維層が薄い人はADを発症するリスクが高… 2018/07/13 精神・神経
ポリファーマシーが認知症を複雑化させている 日本では、高齢化の進展に伴い認知症患者が増え続けています。認知症対策が、国を挙げて取り組むべき重要な課題であることは明らかですが、一方で世間で言われている「認知症の脅威」なるものの本質はどこにあるのだろう、と考えさせられます。 6月14日から京都で開催された第60回日本老年医学会… 2018/07/10 精神・神経
第16回 食べられない高齢者にはこう介入する 高齢者向けの“食べるスイッチ”マジック(後編) フジイキョウコさんは89歳の認知症の方。在宅で夫が介護していたが、「食事を食べなくなってしまった」という主訴で精密検査目的の入院となり、内科の医師が担当になった。しかし、いくら調べてみてもこれといった身体の異常は見つからない。ただ、確かに食事はほとんど食べられず、看護師がスプ… 2018/06/22 精神・神経
シリーズ◎日本の医療に貢献した薬【認知症編】 初のコリンエステラーゼ阻害薬アリセプトに圧倒的支持 従来、効果的な治療薬がないとされてきたアルツハイマー病(AD)は、コリンエステラーゼ阻害薬の登場によって治療が一変した。シリーズ企画「日本の医療に貢献した薬」の第14回は、認知症治療薬を取り上げる。治療貢献度が高い薬として、初のコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル(商品名ア… 2018/06/20 精神・神経
新発売のメマリードライシロップ、その味は? はいっ!どーも!!プロトンポンプ阻害薬(PPI)初の顆粒製剤の記事(ネキシウム懸濁用顆粒が発売、その実力は?)を書いて、新剤形から目が離せない新井です。 今回は、6月6日に発売されたメマリー(一般名メマンチン塩酸塩)のドライシロップ剤についてレビューしたいと思います(写真1、関連… 2018/06/12 在宅医療
認知症の人の意思決定支援ガイドラインまとまる 認知症であっても本人の意思確認は必須です ガイドラインを取りまとめた、中京大学法科大学院教授の稲葉一人氏に聞く 厚生労働省による「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」が、このほどまとまった。これは、認知症を対象にその意思を尊重するためのプロセスを示した初のガイドラインで、2017年度老人保健事業推進費等補助金事業で作成されたもの。同事業の実施責任者で、ガイドラ… 2018/06/07 精神・神経
第15回 高齢者向けの“食べるスイッチ”マジック(前編) フジイキョウコさんは89歳の認知症の方。在宅で夫が介護していたが、食事を食べなくなってしまったという主訴で精密検査目的に入院となり、内科の医師が担当になった。しかし、いくら調べてみてもこれといった身体の異常は見つからない。ただ、確かに食事をほとんど食べられないのは確かで、看護… 2018/06/05 プライマリケア
JAMA Intern Med誌から 認知症患者の股関節骨折を手術するべきか? 手術で短期死亡率は減らせるが、ケアの目標が判断を複雑に 股関節骨折には通常は外科的修復が行われるが、認知症が進行し、機能的な障害もあって、予測余命が短い患者については、緩和ケアの適用も検討される。米Harvard 大学医学部のSarah D. Berry氏らは、後ろ向きコホート研究を実施して、認知症患者でも骨折を外科的に修復すると6カ月以内の死亡率は減… 2018/05/28 精神・神経
特集◎あなたが防ぐ急性増悪《認知症周辺症状》 問題行動の背景を見える化、ケア計画を 認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の増悪に介護者が対応できなくなり、入院に移行するケースは多い。これを防ぐため、病院の医師や看護師がかかりつけ医らに引き継ぐ「移行期ケア」や、ケア計画をチームで作成・共有できる「BPSDケアプログラム」が効果を上げている。… 2018/05/28 在宅医療
JAMA Psychiatry誌から 握力は気分障害患者でも認知機能の指標になる 認知機能テストの5項目に対して、握力が正と負の相関 オーストラリアWestern Sydney大学のJoseph Firth氏らは、英国のコホートで住民ベースの研究を行い、筋力を評価するための客観的な指標である握力は、一般集団のみならず大鬱病や双極性障害患者でも、認知機能のマーカーになりうると報告した。結果はJAMA Psychiatry誌電子版に2018年4月18日に掲… 2018/05/15 精神・神経