エリアレビュー・乳癌 転移・再発乳癌の1次化学療法としてS-1は標準療法の1つに【SABCS2014】 国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍内科医長 向井博文氏 転移・再発乳癌に対する1次化学療法として、タキサン系薬剤とS-1を比較したフェーズ3のランダム化比較試験、SELECT BC(Selection of effective chemotherapy for breast cancer)試験は、2005年に原案を作成し、CSPOR(公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンターがん臨床研究支援事業)によ… 2015/02/02 癌
エリアレビュー・多発性骨髄腫 免疫調整剤とプロテアソーム阻害剤の新知見【ASH2014】 札幌医科大学第一内科准教授 石田禎夫氏 多発性骨髄腫の研究は最近非常に注目されており、今回の米国血液学会(ASH2014)でも多発性骨髄腫のセッションは混み合い、会場に人が入りきらないほどでした。その中で特に注目されたのは、免疫調節薬(IMiDs)であるレナリドミドの維持療法で生存の改善が確認されたことです。400人を超える患者… 2015/01/30 癌
エリアレビュー・慢性骨髄性白血病 TKI抵抗性・不耐容のCMLで示されたボスチニブの意義【ASH2014】 秋田大学医学部血液・腎臓・膠原病内科学講座講師 高橋直人氏 第56回米国血液学会(ASH2014)では、前治療のイマチニブチに抵抗性または不耐容となった慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)の患者さんを対象として、経口SRC/ABLチロシンキナーゼ阻害剤のボスチニブを評価した海外のフェーズ1/2試験から、48カ月の最新結果が発表されました。長期のフォローアップ… 2015/01/26 癌
エリアレビュー・肺癌 クリゾチニブ治療はALK肺癌患者に質の高い生存延長をもたらす【肺癌学会2014】 近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門教授 中川和彦氏 ALK 阻害薬クリゾチニブはALK 肺癌のファーストラインにおいて、化学療法よりも有効であることがPROFILE1014 試験で明らかになっています。今回の第55 回日本肺癌学会学術集会では、Tony Mok 氏が同試験のアジア人データを紹介し、その中でクリゾチニブ治療は肺癌に特有な症状の増悪を抑えること… 2015/01/22 癌
エリアレビュー・肺癌 LUX-Lung 8試験とLUX-Lung 5試験からみたアファチニブの役割【肺癌学会2014】 近畿大学医学部外科学呼吸器外科部門 光冨徹哉氏 第55回日本肺癌学会学術集会で、アファチニブの肺癌治療における役割を考えるうえで興味深い臨床試験が2つ報告されました。1つはLUX-Lung 8試験で、肺扁平上皮癌の2nd line治療としてアファチニブはエルロチニブよりも良好な結果が得られました。… 2014/12/22 癌
エリアレビュー・白血病 TKI抵抗性・不耐容に対する新たなCML治療戦略【血液学会2014】 千葉大学医学部附属病院血液内科科長・診療教授 中世古知昭氏 前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病(CML)に対し、ABLおよびSRCチロシンキナーゼを標的とする第2世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ボスチニブが、2014年9月26日に日本で承認された。他の第2世代TKIと同等の有効性があり、かつ第2世代TKIを投与した後でも効果を示すことが臨床試験… 2014/12/15 癌
エリアレビュー・肺癌 日本人Del 19肺腺癌患者におけるアファチニブの意義【肺癌学会2014】 和歌山県立医科大学内科学教授 山本信之氏 エクソン19の欠失変異(Del 19)のある進行肺腺癌患者において、アファチニブの初回治療により全生存期間(OS)が有意に改善することが、アファチニブとペメトレキセド+シスプラチンを比較したLUX-Lung 3試験の日本人サブセット解析で明らかになりました。… 2014/12/15 癌
エリアレビュー・腎癌 進行性腎細胞癌の集学的治療のエビデンスと実際【癌治療学会2014】 山形大学医学部腎泌尿器外科学講座教授 冨田善彦氏、近畿大学医学部泌尿器科学教室教授 植村天受氏 転移を有する腎細胞癌(mRCC)の治療では分子標的薬の導入が進み、日本では6剤が使用可能となった。治療選択肢が広がった現在、より効果が高く、より安全な集学的治療のアプローチを確立するため、エビデンスの集積が進められている。… 2014/10/03 癌
エリアレビュー・胃癌 胃癌治療ガイドライン+αの治療方針【癌治療学会2014】 聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座教授 朴成和氏 日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」が改訂され、2014年5月に第4版が発行された。今回の版では、推奨される治療とは別に、臨床上の重要な問題点について、Clinical questionが設けられ、臨床試験の結果などのエビデンスに基づいた回答がなされている。また9月から胃癌でもオキサリプラチンが… 2014/09/19 癌
エリアレビュー・大腸癌 切除不能大腸癌の予後は早期の腫瘍縮小、効果の深さと相関【WCGC2014】 東京医科歯科大学応用腫瘍学講座准教授 植竹宏之氏 切除不能大腸癌に対するファーストライン治療として、セツキシマブとベバシズマブを直接比較した初のフェーズ3試験がFIRE-3試験(AIO KRK-0306)です。主要評価項目の結果は昨年の第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)で報告され、その際に、本試験に関与しない第三者によるCT画像のIndependent re… 2014/09/01 癌
エリアレビュー・大腸癌 進行大腸癌の最適な一次治療とは?―CALGB/SWOG80405試験より【ASCO2014】 三沢市立三沢病院事業管理者 坂田優氏 今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)では、大腸癌分野でインパクトの大きい発表として、KRAS変異のない進行大腸癌患者を対象にしたファーストライン治療としての化学療法+ベバシズマブと化学療法+セツキシマブとを比較した第III相試験、CALGB/SWOG80405がありました。… 2014/07/16 癌
エリアレビュー・肺癌(VEGF阻害) 非小細胞肺癌治療を組織型や有害事象の点から再考する【ASCO2014】 帝京大学腫瘍内科教授 関 順彦氏 今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)では、肺癌領域で非常に多くの重要な発表が相次ぎました。その中の1つが肺癌における血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬に関する演題で、今後の肺癌治療を考えていく上で示唆に富むものだと思います。… 2014/07/16 癌
エリアレビュー・大腸癌 対談 最新の試験結果から大腸癌の一次治療を考える【ASCO2014】 熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学教授 馬場秀夫氏、愛知県がんセンター中央病院薬物療法部部長 室圭氏 第50回米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO2014)が今年もシカゴで開催された。大腸癌に関しては、まず分子標的薬同士の比較試験であるCALGB/SWOG 80405の結果が報告された。また日本からは、西日本がん研究機構(WJOG)による4407G 試験の結果が発表された。昨年話題になったFIRE-3 試験の追加解析の… 2014/07/14 癌
エリアレビュー・腎細胞癌 新たな知見の集積が進む転移性腎細胞癌治療【ASCO2014】 慶應義塾大学泌尿器科学教室講師 水野隆一氏 米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)は、既存の薬物治療を大きく変えるような新しいエビデンスが世界で初めて発表され、世界中の耳目を集める場ではありますが、一方でエビデンスがほとんどないような、希少な癌やマイナーなサブタイプ、組織型、セッティングなどに対する新しい知見も発表されるという… 2014/07/10 癌
エリアレビュー・肺癌(ALK阻害剤) ALK陽性肺癌のファーストラインはクリゾチニブが標準治療に【ASCO2014】 近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 中川和彦氏 昨年、ALK陽性肺癌の2次治療として、標準治療(ペメトレキセドまたはドセタキセル)に対するALK阻害剤クリゾチニブの有用性が、第III相試験PROFILE 1007で明らかになりました。そのデータはThe New England Journal of Medicine誌に掲載され、ALK陽性の肺癌患者における2次治療はクリゾチニブが標… 2014/07/04 癌
エリアレビュー・肺癌(EGFR-TKI) アファチニブによる1次治療ではEGFR遺伝子変異の種類を考慮すべき【ASCO2014】 近畿大学医学部外科学呼吸器外科部門主任教授 光冨徹哉氏 EGFR遺伝子変異陽性の進行肺腺癌に対する1 次治療として、ErbBファミリー(EGFR、HER2、ErbB3、ErbB4)を不可逆的に阻害する経口剤アファチニブは、化学療法と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、2件の大規模な非盲検のフェーズ3試験、LUX-Lung3試験とLUXLung6試験からそれぞれ… 2014/07/01 癌
エリアレビュー・乳癌 転移・再発乳癌の化学療法の1次治療としてS-1が新たな選択肢に【ASCO2014】 四国がんセンター乳腺科・化学療法科 原文堅氏 転移・再発乳癌に対する化学療法では単剤の逐次投与が推奨され、1 次治療および2 次治療はアントラサイクリン、タキサン系薬剤を用いることが標準治療となっています。これらの薬剤に替わる選択肢については、比較試験が行われておらず、フェーズ3 試験での確たるエビデンスは存在していませんで… 2014/06/30 癌
エリアレビュー・腎細胞癌 転移性腎細胞癌の逐次治療における薬剤選択と切り替えのタイミング【泌尿器科学会2014】 千葉県がんセンター前立腺センター・泌尿器科 深沢賢氏、山形大学腎泌尿器外科学講座 加藤智幸氏、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部泌尿器科学分野 高橋正幸氏、近畿大学泌尿器科学教室 野沢昌弘氏 進行性腎細胞癌に対する薬物療法は、血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(VEGFR-TKI)、mTOR阻害薬の合計6剤が使用可能になり、有効な全身療法がサイトカインしかなかった時代に比べ、今や格段の治療選択肢を誇るようになった。さらに、現在も新しい機序の薬剤開発が進められている。… 2014/06/13 癌
エリアレビュー・腎細胞癌 腎細胞癌の最適な治療アプローチを考える【泌尿器科学会2014】 東京女子医科大学泌尿器科准教授 近藤恒徳氏、米Dana-Farber Cancer Institute Director, Kidney Cancer Center Clinical Director, Lank Center for Genitourinary Oncology Toni Choueiri氏 転移性腎細胞癌(mRCC)治療には分子標的薬が次々に導入され、ガイドラインは年々更新されている。複数の薬剤がそろい、治療の選択肢が広がる一方で、より効果的で、より安全な治療アプローチを探索する動きが進んでいる。… 2014/05/29 癌
エリアレビュー・大腸癌 抗EGFR抗体薬使用時のRAS野生型の重要性を確認【ASCO-GI2014】 筑波大学医学医療系臨床医学域消化器内科学教授 兵頭一之介氏 今年のGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO-GI 2014)では、切除不能大腸癌の領域における新しいエビデンスの報告は残念ながらありませんでした。既報の確認作業の報告が多かったという印象です。セカンドライン治療としてパニツムマブを検討した20050181試験や、ファーストライン治療とし… 2014/02/27 癌