糖尿病患者はどんな術後合併症を起こしやすい? 肺癌で右肺下葉切除術を控えた患者さんがいます。糖尿病の既往があり、現在も治療中です。糖尿病の方が手術を受ける場合、どのような点に気を付けなければならないでしょうか。また、術後は何を重点的に観察すればいいのかについても教えてください。… 2021/01/18 代謝・内分泌
HbA1cの目標を設定するための「軸」とは 米国大統領選挙も終わりましたが、今回の一連のニュースからは人間社会全体の分断が浮き彫りとなりました。もはや、「青か赤か」というイデオロギー対立では、昨今の多様化するニーズへの訴求と混迷化する社会問題の解決は困難ではないでしょうか。 政治・経済のみならず、人は物事を分類し、整… 2021/01/14 代謝・内分泌
食事のアミノ酸代謝物が心血管イベントの因子に 腸内細菌と交感神経受容体が関与 「2型糖尿病が心血管イベントのリスク因子である」ことに異論がある人はいないでしょう。では、「血糖コントロールの改善は心血管イベントを減らす」という考え方に対してはどうでしょうか? 実は意外なことに、2型糖尿病患者における血糖コントロール状態(HbA1cなど)は心血管イベントと相関せず… 2021/01/07 循環器
Diabetes Care誌から 2型糖尿病に対する早期3剤併用療法、血糖コントロール良好 メトホルミン、ピオグリタゾン、エキセナチドの併用で低血糖リスクも低下 2型糖尿病治療の現行のガイドラインよりも早期にグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬などを投与する早期併用療法の効果が米国の無作為化試験で検討された。新規2型糖尿病患者を対象に、段階的に薬剤を追加していく従来療法と、診断時から3剤による早期併用療法を実施した場合を比較すると… 2020/12/28 代謝・内分泌
国際医療福祉大学成田病院症例カンファレンス 40歳代男性の両下肢脱力、軟便を伴うなら? 菱沼 40歳代男性で、主訴は両下肢の脱力です。軟便が続き、1日3回程度の排便があります。既往歴は中学生のときの外傷による脾臓出血。喫煙、飲酒、定期服薬はなく、職業はトラックドライバー(配送業)です。糖質を多く含む食品の多食およびアルコール多飲はありません。志賀 ここまでで鑑別疾患… 2020/12/22 救急医療・集中治療 医師限定コンテンツ
糖尿病透析患者での血糖コントロール指標の見方 糖尿病性腎症による透析導入患者はやや横ばい傾向になってきたとはいえ、糖尿病は依然として透析導入の最大の原因となっています。糖尿病透析患者の血糖管理には透析患者に特有の問題が存在するため、一般の糖尿病患者とは異なった配慮が必要になります。中でも血糖コントロール指標としては、HbA1c… 2020/12/22 代謝・内分泌
JAMA Network Open誌から 生活習慣の是正で痛風は予防できるか? 減量、禁酒、質の高い食事、利尿薬中止で大半は発症を回避できる 米国Massachusetts総合病院のNatalie McCormick氏らは、The Health Professionals Follow-up Study(HPFS)に参加した医療従事者の男性を26年間追跡し、修正可能な高尿酸血症の危険因子について、痛風発症に対する人口寄与リスク(PAR)を調べ、肥満を含む4種類の要因を修正できれば、大多数が痛… 2020/12/18 代謝・内分泌
Diabetes Care誌から 1日3杯以上の白米摂取は糖尿病リスクを高める 21カ国を対象とした疫学研究の結果 白米摂取量と糖尿病の発症リスクの関連について大規模な多国間の疫学研究で検討された。コホート全体では、白米摂取量が1日茶わん3杯以上の場合は、1杯未満の場合よりも糖尿病リスクが有意に上昇していた。地域別にみると、インドなどの南アジアでは有意なリスク上昇が示されたが、中国ではリスク… 2020/12/16 代謝・内分泌
N Engl J Med誌から セマグルチドがNASH消散に有効? NASHを対象とした第2相試験 肝線維化を認める非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)患者にセマグルチドを皮下投与したところ、NASHが消散した患者の割合がプラセボと比べて高かった。一方、線維化のステージが改善した患者の割合には有意差が見られなかった。結果は11月13日、N Engl J Med誌オンラ… 2020/12/15 消化器
JAMA Network Open誌から DKA患者への輸液は生理食塩水より調整晶質液 2件のクラスターランダム化試験からDKA患者のサブグループ解析 米国Vanderbilt大学医療センターのWesley H. Self氏らは、救急受診患者(SALT-ED試験)とICU入院患者(SMART試験)を対象に、生理食塩水の輸液と調整晶質液の輸液の治療成績を比較した2件のクラスターランダム化試験のサブグループ解析を行い、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)患者に対する急性期の… 2020/12/09 代謝・内分泌
主治医は悲しい~肥満喘息患者の治療成績~ European Respiratory Journalから 欧米では社会問題になっている肥満。実は、男女を問わず喘息のリスク因子であることが知られています1-5)。日本においても、重症喘息の患者さん約500人を対象とした研究において、女性コホートで肥満は頻回な喘息増悪と関連していることが示されています(補正オッズ比2.29、95%信頼区間 1.24-4… 2020/12/08 呼吸器
Lancet誌から フェブキソスタットの心血管リスクは非劣性 欧州医薬品庁の要望によりアロプリノールと比較する安全性試験を追加 英国Dundee大学のIsla S Mackenzie氏らは、欧州医薬品庁の要望により市販後の安全性を再確認するためのThe Febuxostat versus Allopurinol Streamlined Trial(FAST)試験を行い、約6000人の痛風患者を中央値で4年間追跡して、フェブキソスタットの心血管イベントに対する安全性はアロプリノール… 2020/12/02 代謝・内分泌
肥満患者におけるグリコアルブミンの見方 グリコアルブミンはHbA1cとともに糖尿病の診療に欠かせない血糖コントロール指標ですが、いろいろな要因により影響を受けます。これらの要因の中で最も問題になるのは肥満によるグリコアルブミンの低下です。日常診療でも肥満者は相対的にグリコアルブミン値が低いと経験的に感じている方も多いと思… 2020/11/25 代謝・内分泌
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2020) 糖尿病合併CKDへのフィネレノン、新たな解析 CVD既往の有無にかかわらず心血管イベントを抑制、FIDELIO-DKD試験 2型糖尿病合併CKD患者を対象に、新規のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(finerenone)の腎保護効果を検討したFIDELIO-DKD試験から、新たな解析結果が発表された。登録患者の心血管疾患の既往の有無にかかわらず、心血管イベントのリスク抑制効果は一貫していた。同試験のあ… 2020/11/25 腎・泌尿器
学会トピック◎米国心臓協会学術集会(AHA2020) SGLT1/2阻害薬は心不全/CKD合併糖尿病に有効 ソタグリフロジンを被験薬としたSOLOIST-WHFとSCORED試験の結果 SGLT1とSGLT2の両方の活性を阻害するソタグリフロジン(sotagliflozin、国内未発売)について、急性心不全の状態にある2型糖尿病患者を対象としたSOLOIST-WHF試験と、慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者を対象としたSCORED試験の結果が明らかになった。研究資金の援助が止まり早期に中止さ… 2020/11/21 循環器
Diabetes Care誌から メトホルミンで認知症リスクが低下、高齢者を対象とした前向き観察研究より メトホルミン投与と認知機能低下および認知症発症との関連が前向き観察研究で検討された。メトホルミン服用の糖尿病患者は、メトホルミン非服用患者よりも認知機能の低下が遅く、認知症の発症リスクが低かった。この結果はDiabetes Care誌11月号に掲載された。 2型糖尿病は、認知機能障害および… 2020/11/13 代謝・内分泌
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《15》 結核の薬物治療で甲状腺機能が低下したら… <呼吸器内科医>耐性結核の再燃で加療中の患者さんの甲状腺機能低下についてです。RFP(リファンピシン)+PZA(ピラジナミド)+TH(エチオナミド)+CS(サイクロセリン)+PAS(パラアミノサリチル酸)で治療をしていたのですが、主にPASとTHで甲状腺機能低下を生じているようで、外来フォロー… 2020/10/30 代謝・内分泌 医師限定コンテンツ
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《14》 妊娠希望者の甲状腺機能低下にどう対応する? <内科医>甲状腺機能低下症について質問です。TSH5~6、FT3、FT4は正常範囲内の姉がおり、姉は流産、切迫、不妊治療などで苦労した背景あり。本人の叔母も流産などが多かったそうです。妊娠希望のある本人がTSHを測定したところ、4.04(T3とT4は未測定)、病院を受診した方がよいかどうか迷ってい… 2020/10/26 代謝・内分泌 医師限定コンテンツ
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 正常アルブミン尿DKDの予後は不良ではない 心血管イベントのリスク上昇見られず、JDDM研究の結果 近年、正常アルブミン尿ではあるが腎機能が低下した状態(NADKD:non-albuminuric diabetes kidney diseases)にある糖尿病患者の増加が指摘されている。古典的な糖尿病腎症の病像とは異なることから、NADKD患者の腎予後や心血管イベントのリスク、生命予後はまだ明らかではない。第63回日本糖尿… 2020/10/26 代謝・内分泌
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《13》 増悪する高血圧、原発性アルドステロン症か? <リハビリテーション科医>原発性アルドステロン症を疑っている症例なのですが、当院には内分泌専門医が不在のため、ご相談させてください。受傷1カ月後からカリウムの低下を認めており、回復期でも低カリウム血症が遷延し、食事に加え、内服で32mEq/日補充し、正常範囲を保てている状態です。もと… 2020/10/23 代謝・内分泌 医師限定コンテンツ
トレンド◎心・腎・肝に続いて目の保護作用にも期待 SGLT2阻害薬、血糖管理と独立して網膜を守る? 糖尿病治療薬として、2014年に登場したSGLT2阻害薬。血糖降下作用だけでなく、心臓や腎臓、肝臓への臓器保護作用が示唆されている。特に心・腎保護作用については、いくつかの臨床試験で心血管イベントおよび慢性腎臓病(CKD)に対する予後改善効果が示された。さらに、最近、糖尿病網膜症や糖尿… 2020/10/22 医薬品
HbA1cとグリコアルブミンを併用した場合の血糖コントロール指標の読み方 HbA1cとグリコアルブミンという2つの血糖コントロール指標を用いると糖尿病患者の血糖コントロール状態を詳しく把握できます。しかし、両指標が大きな乖離を示す症例も少なくありません。では、両指標が大きく乖離した場合、血糖コントロール状態をどのように判定すればよいのでしょうか?HbA1cとグ… 2020/10/22 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 食事記録アプリで血糖コントロール改善 患者の気付きで食生活を是正 スマートフォンやタブレットで使用する食事記録アプリ「カロミル」の導入により、2型糖尿病患者の血糖コントロールに有意な改善が認められたと、第63回日本糖尿病学会学術集会(10月5日~16日、インターネット上で開催)で順天堂大学大学院代謝内分泌内科学の常見亜佐子氏らが報告した。… 2020/10/21 代謝・内分泌
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《12》 中性脂肪5000超は難病? アルコール使用障害? <総合診療医>繰り返す腹痛について。原発性カイロミクロン血症の腹痛なのではと思うのですが、どうでしょう。診療所での事例です。長くてすいません。52歳男性(健診未受診)BMI 25既往:膵炎、内服:なし主訴:発熱を伴わない心窩部痛来院2日前から心窩部痛あり。ねじれるような痛み。やや軟便の… 2020/10/16 代謝・内分泌 医師限定コンテンツ
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《11》 痛みを伴う甲状腺腫大、エコーで見えたものは… <総合診療医>【亜急性甲状腺炎の診断やマネジメントについて】亜急性甲状腺炎疑いの症例について、先生方のご意見を伺えないでしょうか。・頸部エコーにて、甲状腺右葉に23mm×23mmの低エコー領域あり。辺縁整、境界比較的明瞭、内部はほぼ均一だが一部隔壁(?)様の構造物あり(写真参照)。超… 2020/10/14 代謝・内分泌 医師限定コンテンツ
Diabetologia誌から メンデルランダム化解析による2型糖尿病のリスク因子 不眠が新たなリスク因子と同定 メンデルランダム化(MR)解析により、2型糖尿病と様々なリスク因子との因果関係が検討された。解析の結果、34の曝露(19のリスク因子と15の保護因子)と2型糖尿病の因果関係を示すエビデンスが認められた。一部の因子はBMIを補正しても有意なままで、新たなリスク因子としては不眠が同定された。… 2020/10/14 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 GIP/GLP1共受容体作動薬、日本人の忍容性良好 2型糖尿病患者を対象とした第1相試験の結果 グルカゴン様ペプチド(GLP)-1とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)との共受容体作動薬tirzepatide(以下TZP、開発コード:LY3298176)に関して、日本人2型糖尿病患者を対象とした第1相試験の結果を、日本イーライリリー研究開発本部の大脇健二氏らが第63回日本糖尿病学会学… 2020/10/13 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 DPP-4阻害薬による類天疱瘡リスクの実像判明 全薬剤でリスク増加、投与開始から90日間は要注意 我が国の保険診療の全数データである「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を用いた解析から、DPP-4阻害薬による水疱性類天疱瘡発症リスクの実像が明らかになった。ビルダグリプチンなどでリスクが高いことが報告されていたが、全てのDPP-4阻害薬で発症リスクは有意に上昇していた… 2020/10/08 代謝・内分泌
New England Journal of Medicine誌から 週1回型インスリン、効果は1日1回製剤と同等 insulin icodecの第2相試験の結果 週1回投与ですむ持効型インスリンアナログ製剤、insulin icodecの第2相試験の結果が明らかになった。対照薬である1日1回投与のインスリン グラルギンU100と同様の血糖降下作用があり、安全性プロファイルも同程度だった。9月22日、New England Journal of Medicine誌オンライン版に掲載された。… 2020/10/07 代謝・内分泌
トレンド◎誰でも簡単にできる運動療法 肝リハ、体重減少を伴わなくても脂肪肝改善 現状では、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)に対して承認された薬剤はなく、食事・運動療法による生活習慣の改善が主な治療となる。特に運動療法は、NAFLD/NASHとサルコペニアとの関連が明… 2020/10/06 消化器
トレンド◎注目すべき肝筋連関 糖尿病合併NAFLDを診たらサルコペニアを疑え 骨格筋は運動器として機能するだけではなく主要な代謝器官でもあり、代謝の中心となる肝臓との関連、いわば肝筋連関が注目されている。中でも、肥満を伴うことが多い非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatiti… 2020/10/02 消化器
学会トピック◎第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020) 新規糖尿病薬イメグリミン、インスリンとの併用でも高い忍容性 新機序の2型糖尿病治療薬イメグリミンについて、インスリンとの併用療法を検討した国内第3相試験の結果が第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020、会期:9月21日~25日)で報告された。重症低血糖などの大きな有害事象はなく、長期間の投与における持続的な血糖コントロール作用が認められたとフ… 2020/10/02 代謝・内分泌
足の爪を見てひらめいたあの疾患 今回の「撮っておきClinical Picture!」では、爪と内分泌疾患に関するクリニカルピクチャーをご紹介します。 2020/09/30 代謝・内分泌 医師・医学生限定コンテンツ
Time in Rangeがついた嘘? 低血糖研究に潜む罠とは 「低血糖は悪だ」──。糖尿病専門医だけでなく、少しでも血糖について学んだ方ならば、おそらく誰もが知っていることでしょう。低血糖は、それ自体が突然死の原因になるだけではなく、意識障害による事故が様々な状況下において悲劇をもたらす可能性があるため、絶対に避けなければならない“急… 2020/09/30 代謝・内分泌
学会トピック◎第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020) 2型糖尿病患者で入浴する人しない人、どっちが予後がいい? 入浴頻度が高い患者ほどHbA1cやBMIが低値 日常的に湯船に浸かり温まることで、2型糖尿病患者の心血管リスク因子を改善できる可能性が示された。9月21日~25日に開催された第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020)で国立国際医療研究センター国府台病院の勝山修行氏が発表した。 湯船で温まること(以下、入浴)は、2型糖病やその他の代… 2020/09/28 代謝・内分泌
HbA1cとグリコアルブミンの乖離 糖尿病患者の血糖コントロール指標のうち、中心となるのはHbA1cですが、HbA1cの欠点や弱点を補うためグリコアルブミンが開発されました。この2つの指標を用いると、血糖コントロール状態をより詳しく把握することができます。ところが、グリコアルブミンの臨床応用が進むとともに、両指標が大きく乖… 2020/09/24 代謝・内分泌
シリーズ◎適切にフォローできてますか? NAFLD/NASHの線維化進展予防(その2) 今日からエコーで肝線維化を評価しよう 肝癌の原因として近年注目を集める非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)。近く発刊される予定の「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)」でも、肝線維化の進行は肝発癌リスクだけでなく… 2020/09/18 消化器
東和薬品と日医工、分析結果受け メトホルミンからNDMA検出、一部を自主回収 東和薬品(大阪府門真市)と日医工(富山市)は2020年9月16日、メトホルミン塩酸塩錠500mgMTの一部を自主回収するとそれぞれ発表した。重篤な健康被害または死亡の原因となり得る「クラスI」の回収。回収の対象となっているのは、メトホルミン塩酸塩錠500mgMT「トーワ」のうち、出荷期間が18年2… 2020/09/17 医薬品
シリーズ◎適切にフォローできてますか? NAFLD/NASHの線維化進展予防(その1) NAFLD、血小板20万未満は線維化要注意 これまで肝癌の原因はB型またはC型肝炎ウイルスの持続感染が大半を占めてきたが、治療の進歩によりウイルス性肝炎を原因とする肝癌は減っており、将来的には大幅な減少が見込まれている。一方、ウイルス性肝炎を合併しない肝癌は増加傾向にあり、その原因として近年注目を集めているのが非アルコ… 2020/09/17 消化器
Time in RangeはまだHbA1cの檻の中 糖尿病学はHbA1cとともに大きく発展しましたが、いま、HbA1cの呪縛によって前進できないでいます。HbA1cの臨床的意義は「数カ月間にわたる高血糖の記憶」です。この短すぎず長すぎない数カ月という時間が実に絶妙だなと常々感心しています。直近の血糖管理状況の指標でありながら、同時に慢性合併症… 2020/09/15 代謝・内分泌
BMJ誌から カナグリフロジンは下肢切断を増やすか? 65歳以上で心血管疾患がある患者では、GLP-1受容体作動薬よりも有意に増加 米国Harvard大学医学部のMichael Fralick氏らは、米国の大規模データベースを利用して、2型糖尿病患者で新たにカナグリフロジンを処方された患者と、GLP-1受容体作動薬を処方された患者を対象に、患者の年齢と心血管疾患の有無で4群に分けたコホートを追跡して下肢切断リスクを検討したところ、カ… 2020/09/10 代謝・内分泌
Diabetologia誌から 生殖補助医療による出生児は糖代謝・心血管リスクが高い 自然妊娠児との比較 生殖補助医療(ART)による出生児の代謝障害のリスクに関して、6~10歳のART児と自然妊娠児を比較する研究が中国で行われた。解析の結果、ART児は血糖値が高く、インスリン感受性と分泌が低下しており、頸動脈内膜中膜肥厚度(CIMT)が高値であることが示された。この結果はDiabetologia誌8月5日… 2020/09/09 代謝・内分泌
リポート◎インスリン抵抗性と分泌不全の両方を改善する新薬 新機序の糖尿病治療薬イメグリミンが登場間近 2020年7月、2型糖尿病を適応としてイメグリミン塩酸塩(以下、イメグリミン)の製造販売が承認申請された。日本での開発元となる大日本住友製薬は、世界に先駆けて2021年度の上市を予定している。ミトコンドリア機能の改善という独自の作用を持つイメグリミンとは一体どのような薬剤なのだろうか… 2020/09/08 代謝・内分泌
第45回 みんなカボチャに見えてくる-甲状腺機能低下症 電車が永田町に着く頃……。 向かいの席に「見覚えのある女性」。 だけど、その人は宝塚に住んでいるはず。 「似てる」と思いつつ、乗り換えのホームに向かいました。 それから、半年……。 「電車の中でお会いしたのに声もかけていただけなかった」と言われて、ギョッとなりました。 今回… 2020/09/07 代謝・内分泌
Ann Intern Med誌から 肥満者の減量手術は総死亡リスクを減らす 手術適応はあるが手術を受けなかった患者をマッチさせたコホート研究 カナダMcMaster大学のAristithes G. Doumouras氏らは、同国オンタリオ州で減量手術を受けた患者と、減量手術の適応があるが手術を受けなかった人によるマッチドコホート研究を行い、減量手術には総死亡リスクを減らす効果が見られたと報告した。結果はAnn Intern Med誌電子版に2020年8月18日に掲… 2020/09/04 代謝・内分泌
トレンド◎NAFLD/NASHに対する期待の新薬 NAFLD/NASHにSGLT2阻害薬が有望? その機序について聞いてみた 肝線維化や肝癌に対する効果を示唆する知見が続々と 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)はメタボリックシンドロームの肝臓での表現形とも言われており、肥満人口の増加に伴って有病率は上昇傾向にある。2000万人以上と言われる潜在患者数の多さ… 2020/09/03 消化器
JAMA Network Open誌から ビスフェノールA曝露は総死亡リスクを増やす 米国国民健康栄養調査を利用して尿中濃度と死亡率の関係を検討 米国Iowa大学のWei Bao氏らは、国民健康栄養調査(NHANES)参加者の尿サンプルを用いて、内分泌かく乱物質とされるビスフェノールA(BPA)の濃度を測定し、中央値9.6年の追跡で、尿中BPA濃度が高いグループは低いグループに比べ死亡リスクが高かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版… 2020/09/03 公衆衛生・予防医学
学会トピック◎第56回日本肝臓学会総会 ペマフィブラートは脂質代謝改善を介してNASHの肝線維化を改善するか 第56回日本肝臓学会総会(会期:8月28~29日、開催地:大阪市)において、日本肝臓学会総会では初めて、日本肝臓学会-日本動脈硬化学会Joint Sessionが開催された。テーマは「NAFLDと脂質異常症」。心血管疾患の合併が非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非… 2020/09/03 消化器
学会トピック◎第56回日本肝臓学会総会 肝線維化が軽度の早期NASHを拾い上げられるマーカーを同定 「肝線維化が進展していない非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の非侵襲的な早期診断マーカー候補が同定された」──。8月28日から29日にかけて大阪市で開催された第56回日本肝臓学会総会で、… 2020/08/31 消化器
時間×血糖=新しい血糖管理目標Time in Range 「血糖屋さん」。糖尿病専門医を揶揄する方は時にこう呼びます。一臓器ならともかく、一疾患のみを専門とする医師は確かに希有な存在でしょう。「血糖屋さん」には大きく二つの誤解が隠れています。一つは、「血糖値だけ調節できればいいんだよね、全身を見なくていいから楽だね」というやっかみで… 2020/08/26 代謝・内分泌
NAFLDがMAFLDになって特効薬が誕生する!? 2000万人とも言われる潜在患者数の多さと、肝硬変や肝癌の発症母地ともなることで最近注目を集める肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)だ。生活習慣病を診ている医師は必ず遭遇して… 2020/08/24 消化器
速効型インスリン分泌促進薬◇第4回調査 グリニド:グルファストが首位に返り咲き 1位はミチグリニド、2位はレパグリニド、3位はナテグリニド 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、速効型インスリン分泌促進薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、40.2%の医師がミチグリニドカルシウム水和物(商品名:グルファスト他)と回答した。 第2位のレパグリニド(シュアポスト他)は34.7%、第3位のナテグリニド(スターシス、フ… 2020/08/22 代謝・内分泌
HbA1cとグリコアルブミンの相互変換 今回のテーマは「HbA1cとグリコアルブミンの相互変換」です。糖尿病患者の血糖コントロール指標としてはHbA1cが最良のマーカーとされています。しかし、HbA1cでは血糖コントロール状態を把握できない症例があることや、血糖が急速に変化した場合はHbA1cの変化が遅れることが問題になっていました。… 2020/08/21 代謝・内分泌
トレンド◎開発中の薬剤は失敗続き…… NAFLD/NASH特異的治療の新たな標的は? 横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳氏に聞く 日本における非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)の患者数は2000万人に上るとされ、肥満人口の増加に伴って増加傾向にある。一方で、NAFLD/NASHに対する治療薬として承認された薬剤は今のとこ… 2020/08/20 消化器
キュアファーマ(愛知県豊田市)代表取締役 金城学院大学薬学部教授 吉川 昌江 氏 糖尿病患者への介入は生活の把握が不可欠、「指導」ではなく「教えてもらう」姿勢で 2020年度調剤報酬改定で調剤後薬剤管理指導加算が新設され、糖尿病患者に対する薬剤師の関わりが改めて注目されている。大学で糖尿病の療養指導や地域連携に関する研究を行いながら、自ら薬局も経営する吉川昌江氏に、そのポイントについて聞いた。(聞き手は本誌編集長、井田 恭子)… 2020/08/19 薬剤師
Ann Intern Med誌から COVID-19患者の危険因子は65歳未満の肥満 CRP、ESR、Dダイマー、トロポニンと肥満の関連は見られず 米国Columbia大学Irving Medical CenterのMichaela R. Anderson氏らは、ニューヨーク市内の2病院に入院したCOVID-19患者のBMIと、気管挿管または死亡の関係を検討する後ろ向きコホート研究を行ったところ、肥満者のリスクが有意に高く、リスク上昇が有意になるのは65歳未満の肥満者だったと報告し… 2020/08/18 感染症
血糖もあなたの大切なアイデンティティー CGMは人間の核心に迫る 医療者のみなさん、そして糖尿病患者さんの中には、COVID-19対策の一環として電話再診やオンライン診療を活用された方も多いのではないでしょうか。今後もきっと“新しい社会”のひとつとして“新しい医療”が推進されるでしょう。… 2020/08/17 代謝・内分泌
2020年8月号スペシャルリポートより《4》 間もなく登場の経口GLP1薬は普及するか 同成分の注射薬も単回使用製剤で発売に ついに我が国でも、近く経口GLP-1受容体作動薬が使えるようになる。ノボノルディスクファーマは2020年6月、週1回投与型GLP-1受容体作動薬であるセマグルチド注射薬(商品名オゼンピック、上写真6)の発売とともに、同じ成分であるセマグルチドの経口薬(商品名リベルサス、上写真7)の国内承認を… 2020/08/14 代謝・内分泌
シリーズ◎続けられてますか? NAFLD/NASHの治療(その2) 糖尿病合併NAFLDにメトホルミンは非推奨? 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)に対する適応が認められた治療薬は現状では存在せず、生活習慣の改善や食事・運動療法による減量、基礎疾患がある場合にはその治療が主な介入方法となる。… 2020/08/13 消化器
2020年8月号スペシャルリポートより《3》 何が変わった?「超超速効型」インスリン 新たな添加剤により作用発現がより速く 基礎インスリン分泌と食後の追加インスリン分泌をそれぞれインスリン注射で補う強化インスリン療法では、毎食前に超速効型インスリンが使われる。この超速効型に関して、添加剤によって現行製品よりもより速い血糖降下作用が得られるとうたう新製品が登場した。2020年2月にノボノルディスクファー… 2020/08/13 代謝・内分泌