トレンド◎偽腔内外の血流を可視化 大動脈解離に対するステントグラフト治療を最適化せよ 破裂してしまうと致死率が非常に高い慢性大動脈解離に対し、外科手術による血管置換術などが行われてきたが、近年、ステントグラフトが登場したことで、より侵襲性の低い治療が選択できるようになってきた。… 2022/04/06 循環器
トレンド◎触覚顕微鏡を開発、将来は光による計測も 血管の硬さをリアルタイムで計測せよ 血管の硬さを測る指標として脈波伝播速度(PWV)や心臓足首血管指数(CAVI)などがある。例えば上腕と足首の間で脈波を測定するbaPWVは、2カ所で脈波が計測される時間の差から脈波が血管内を伝達する速度を測定する方法、CAVIは四肢にカフを、胸部に心音マイクを付けて血圧と脈波を測定して動脈の… 2022/04/05 循環器
JAMA Network Open誌から 大動脈解離の長期成績が好ましい降圧薬は? β遮断薬、ACEIまたはARBがその他の降圧薬よりも有望 台湾長庚大学のShao-Wei Chen氏らは、大動脈解離で入院後に生存退院した患者の降圧薬の選択と長期成績を調べるためのコホート研究を行い、β遮断薬、ACE阻害薬、ARBを長期使用した場合の成績が、他の降圧薬に比べ良好だったと報告した。結果は2021年3月3日のJAMA Network Open誌電子版に掲載され… 2021/03/29 循環器
NEJM誌から 吸入トレプロスチニルは間質性肺疾患による肺高血圧を改善するか 16週間の治療でプラセボ群との6分間歩行距離の差は約31m 米国Brigham and Women's HospitalのAaron Waxman氏らは、間質性肺疾患がある肺高血圧患者の治療に吸入トレプロスチニルを用いるプラセボ対照ランダム化比較試験を行い、16週間の治療で6分間歩行距離やNT-proBNP値などの指標が改善していたと報告した。結果は2021年1月13日のNEJM誌電子版に掲載さ… 2021/02/12 循環器
泌尿器科Q&Aシリーズ《13》 結石が無い方の尿管にもステントを留置すべき? <泌尿器科医A>尿管ステント留置の検討 76歳女性。ADLはほぼ全介助の方になります。尿路感染症を繰り返しており、抗菌薬で保存的に加療して軽快するも、腹痛が出現。精査のために行った腹部CTで腹部大動脈瘤を認め、さらに右尿管結石および両側水腎症も指摘され、当科に紹介されました。画像を確… 2021/01/05 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
NEWS◎健康寿命3年延伸と循環器病死亡率減少目指す 循環器病対策推進基本計画が閣議決定 「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、循環器病対策基本法)に規定された「循環器病対策推進基本計画」(以下、基本計画)が10月27日、閣議決定された。当初は今年夏ごろまでに策定されることになっていたが、新型コロナウイルス感染… 2020/10/29 循環器
Lancet誌から イルベサルタンがマルファン症候群に有用 大動脈の拡張を抑制することで乖離や破裂を減らせる可能性 マルファン症候群患者の大動脈乖離や破裂につながる大動脈径の拡張を減らすために、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のイルベサルタンが有用であることが示唆された。英国Barts Heart CentreのMichael Mullen氏らは、6~40歳のマルファン症候群患者192人を対象に、イルベサルタンとプラセボ… 2019/12/26 循環器
学会トピック◎第24回日本血管病理研究会 やっぱり違う? 高安動脈炎と巨細胞性動脈炎 「Chapel Hill分類で高安動脈炎(TAK)と巨細胞性動脈炎(GCA)は大血管炎に分類されているが、GCAは本来、中血管炎に分類されるべきではないか」――。 2019/11/12 アレルギー・免疫
学会トピック◎第67回日本心臓病学会 急性大動脈解離に対する内科医の役割は? 来年改定予定のガイドラインを見据えた診断・治療アルゴリズムを紹介 突然発症し、死亡に至らしめることがある急性大動脈解離の診療は、心臓血管外科医の単独による治療から、画像診断や発症前後・遠隔期での薬物治療、ステント内挿術といった血管内治療などによる集学的治療が重要視されている。現在、2020年の発刊に向けて日本循環器学会による大動脈瘤・解離ガイ… 2019/09/27 循環器
J Am Coll Cardiol誌から TAVRの心内膜炎リスクに外科的AVRとの有意差なし デンマークのコホート研究 J Am Coll Cardiol誌4月号に掲載された論文です。デンマークの全国コホート研究で、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を実施した患者の感染性心内膜炎(IE)の発生率を、外科的大動脈弁置換術(SAVR)と比較した結果が報告されました。… 2019/04/24 循環器
動脈化でも側副血管拡大でもない第三の道 見えてきた冠動脈の側副血管形成メカニズム 今回、冠動脈の側副血管形成のメカニズムは動脈化でも側副血管拡大でもなく、冠動脈特有のメカニズム「動脈再構築(artery reassembly)」が関与することがCell誌に発表されました。 2019/03/15 循環器
厚労省、ニューキノロン系抗菌薬の添付文書改訂を指示 キノロン薬の重大な副作用に大動脈解離を追加 厚生労働省は2019年1月10日、全てのニューキノロン系抗菌薬(経口薬と注射薬)について、添付文書の[重大な副作用]の項に「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがある」と追記するよう、製薬会社に添付文書の改訂を指示した。併せて、[慎重投与]の項に「大動脈瘤または大動脈解離を合併して… 2019/01/11 医薬品
J Am Coll Cardiol誌から 経カテーテル大動脈弁置換術と外科手術に有意差なし 死亡と脳卒中で同様の結果 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の5年間のアウトカムを比較した解析結果が報告された。TAVRとSAVRの死亡と脳卒中の発生率に差は見られず、重度の構造的弁劣化および弁への再介入はまれであった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌12月4日号に掲載された。… 2018/12/17 循環器
Circ J誌から 高血圧は大動脈疾患のリスク因子 日本の前向きコホート研究の結果 高血圧が大動脈疾患(AAD)のリスク因子かどうかを明らかにするために、全国的な前向きコホート研究が行われた。解析の結果、高血圧はAADのリスク因子であり、AAD関連死の予防における降圧治療の目標値は収縮期血圧が130mmHg、拡張期血圧が82mmHgであることが示唆された。この結果はCirculation J… 2018/11/15 循環器
Eur Heart J誌から 収縮期高血圧は大動脈弁疾患の修正可能なリスク 初の大規模縦断コホート研究が示唆 収縮期血圧(SBP)が大動脈弁狭窄(AS)および大動脈弁逆流(AR)の修正可能なリスク因子であることが、英国の大規模コホート研究により示唆された。このテーマで実施された研究が少ないため、現行の心臓弁膜症治療ガイドラインでは予防戦略に言及していない。英オックスフォード大学の研究者らに… 2018/11/14 循環器
シリーズ◎忘れられないカルテ 悩んだら動け A氏(30代、国立大学卒) 医師なら誰にでも「忘れられないカルテ」がある。後日、冷や汗をかいた症例、奇跡的にうまくいった自慢の症例、「なぜあのとき…」と今でも後悔している症例、などなど。ことあるごとに思いだし、医師としての自分の成長を支え続けている、心に残るエピソードを集めた。… 2018/10/03 循環器
J Am Coll Cardiol誌から キノロン投与で大動脈瘤・大動脈解離リスク増大 全米で年間2500例以上の発症に関与か フルオロキノロン系抗菌薬(QNLs)の内服により大動脈瘤/大動脈解離(AA/AD)のリスクが高まることが確認された。日常的に処方される抗菌薬の思わぬ危険性を示す研究結果が、J Am Coll Cardiol誌の9月18日号に掲載された。… 2018/10/01 感染症
実は身近に起きている「コレステロール塞栓症」 コレステロール塞栓症をご存じだろうか。大動脈内腔に生じた粥状硬化病変のプラークが破綻し内部のコレステロール結晶が遊離・飛散して、末梢の細小動脈に詰まり炎症を起こす疾患で、「コレステロール結晶塞栓症」(cholesterol crystal embolization:CCE)とも呼ばれる。塞栓症状が最も表れやす… 2018/09/25 腎・泌尿器
JAMA Network Open誌から 上行大動脈瘤が破裂や解離を起こすリスクは? 自然経過を報告した研究のメタアナリシス これまで、上行大動脈瘤(AsAA)の自然経過は十分に分析されていなかった。待機的な手術介入の利益とリスクのバランスを判断するためには、この疾患の自然経過を知る必要がある。カナダUniversity of Ottawa Heart InstituteのMing Hao Guo氏らは、AsAAの自然経過について報告していた研究を対象… 2018/09/06 循環器
腹部エコー診療の実際5 脈管・腎/副腎/泌尿器・婦人科臓器・その他篇 動脈瘤 「症例に学ぶ腹部エコー診断のポイント」を全面改訂、内容を一新し、2008年に発売した日経メディカル・ビデオ「腹部エコー診療の実際」から会員限定で収録動画を公開します。 2018/08/31 循環器
Lancet誌から 女性の腹部大動脈瘤スクリーニングは勧めない 英国のモデルで男性と同じ判定基準では費用対効果が不良 これまで、腹部大動脈瘤(AAA)は主に男性に生じる疾患と考えられてきたが、近年の英国ではAAAの破裂による死者の3人に1人は女性だと報告されている。英国Cambridge大学のMichael J Sweeting氏らは、疾病統計や臨床試験データを利用したモデルシミュレーションを行い、男性と同様のAAAスクリーニ… 2018/08/13 循環器
300人超の大動脈内部を血管内視鏡で観察 大動脈プラーク自然破綻は日常的に起きている? 冠動脈疾患がある、または疑われる324例に対し、血流維持型血管内視鏡検査を施行し大動脈内部を観察したところ、8割の患者に自然破綻した大動脈プラークが見つかった。NPO法人日本血管映像化研究機構理事長の児玉和久氏(大阪警察病院[大阪市天王寺区]名誉院長)らのグループが、米国心臓病学会… 2018/07/31 循環器
第17回 糖尿病慢性合併症、命に直結する「えのき」 今回は前回に引き続き、糖尿病の慢性合併症について解説します。前回は、何年も未治療のまま、または血糖コントロールが不良なままでいると血管が障害されて血流が悪くなり、そこにつながる臓器が障害されていくこと、そして、そのうち微小な血管が障害されて起こる「細小血管合併症」について解… 2018/06/28 代謝・内分泌
リポート◎見逃される高安動脈炎、実際の患者は登録数の数倍か その若い女性の慢性頸部痛、高安動脈炎では? 生物学的製剤、FDG-PETの保険適用で治療成績向上に期待 大動脈だけでなく全身の臓器・組織に病変が生じる高安動脈炎。昨年8月に生物学的製剤のトシリズマブ(商品名アクテムラ)が保険適用され、ステロイドと併用することでより高い治療効果を期待できるようになった。非特異的な症状が多いことから見逃されている患者も多いとされ、早期治療につなげる… 2018/05/15 循環器
第36回 上行大動脈解離 最悪の事態は油断とともにやってくる エコー検査中にflapが左冠動脈の入り口を塞ぐ事態に 1日の検査も落ち着き、そろそろ片付けを始めようという夕刻に、内科外来から電話がかかって来た。オーダーは心電図と腹部エコーだ。昼からずっと背中が痛いという患者さんの内臓疾患を除外するためにエコーをやってほしいという依頼だった。すぐにでも実施可能なことを伝え、患者の来室を待つこと… 2018/01/15 検査
◎第5回 ニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏 上行から弓部大動脈置換術の技を学ぶ―その4 第5回は、第2回、第3回、第4回に引き続きニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏の「大動脈基部置換術を伴う上行から弓部大動脈人工血管置換術」を紹介する。 2017/12/22 循環器
J Am Coll Cardiol HF誌から 青年期早期ドナーの心臓は成人に移植可能 5年生存率に成人ドナーからの心臓移植と差はなし 青年期早期(10~14歳)ドナーの心臓は適切に選ばれた成人に安全に移植でき、短中期の死亡リスクは上昇しないことが示された。これは米国の観察研究の結果であり、12月1日にJ Am Coll Cardiol HF誌に掲載された。… 2017/12/21 循環器
◎第4回 ニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏 上行から弓部大動脈置換術の技を学ぶ―その3 第4回は、前々回、前回に引き続きニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏の「大動脈基部置換術を伴う上行から弓部大動脈人工血管置換術」を紹介する。 2017/12/21 循環器
◎第3回 ニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏 上行から弓部大動脈置換術の技を学ぶ―その2 第3回は、前回に引き続きニューハート・ワタナベ国際病院総長・渡邊剛氏の「大動脈基部置換術を伴う上行から弓部大動脈人工血管置換術」を紹介する。 2017/12/20 循環器
BMJ誌から AAA破裂患者には血管内治療が好ましい? 割り付けと異なる治療を受けた患者が多い臨床試験 腹部大動脈瘤(AAA)の待期手術ではなく破裂が疑われた患者を対象に、血管内治療と開腹による修復術を比較した多施設ランダム化対照試験IMPROVEを実施した共同研究グループは、治療から3年間の成績が優位で、再介入率に差はなく、費用対効果が有利なため、血管内治療が可能な症例では開腹術より望… 2017/12/12 循環器
【適応拡大】トシリズマブ皮下注製剤(アクテムラ) 難治性大型血管炎に有効な週1回投与の抗体製剤 2017年8月25日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体トシリズマブの皮下注製剤(商品名アクテムラ皮下注162mgシリンジ、同皮下注162mgオートインジェクター)の適応が追加された。追加された適応は「既存治療(原則として経口ステロイド薬)で効果不十分な高安動脈炎、巨細胞性動脈炎」… 2017/09/29 循環器
Circulation誌から 腹部大動脈瘤の炎症を特定する新MRI強調画像 USPIO強調像で大動脈瘤破裂・修復を予測 腹部大動脈瘤患者を対象に、微小超常磁性酸化鉄粒子(USPIO)製剤を用いたMRI検査を行い、動脈壁炎症を示すUSPIO強調像の有無を調べた上で、動脈瘤サイズの変化や、大動脈瘤破裂または外科的修復の発生を2年間追跡したところ、USPIO強調像は、動脈瘤拡張や臨床アウトカムの予測を可能にすることが… 2017/09/20 循環器
リポート◎血管内腔を肉眼的に観察できる![動画付き] 血管内視鏡で大動脈プラークを見てみたら 日本で開発され、1990年代から冠動脈病変の評価などに用いられてきた血管内視鏡が、近年注目を集めている。新技術の開発により、冠動脈だけでなく大動脈の観察も可能になったからだ。脳梗塞や腎梗塞など全身の塞栓症の中には、塞栓子の発生源を特定しきれないものが多い。しかし血管内視鏡による… 2017/07/03 循環器
日経メディクイズ●心電図 75歳女性。構音障害、左共同偏視 高血圧、高尿酸血症、気管支喘息で近医に通院中。昼過ぎに台所で倒れていたところを家族が発見、開眼するも発語はなかった。救急隊到着時、血圧測定不能で、救急搬送されてきた。来院時の血圧126/50mmHg、脈拍84回/分、SpO298%(室内気)。目立った外傷はなく、意識レベルはJCS(Japan coma scal… 2017/06/23 循環器 医師限定コンテンツ
Circ J誌から プライマリPCIのDoor-to-Balloon時間遅延の予測因子は 日本のPCI施設レジストリの患者データを分析 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)管理の指標となるプライマリPCIのDoor-to-Balloon(DTB)時間の年次推移とDTB時間遅延の予測因子を検討した結果が、Circ J誌5月25日号に掲載された。対象患者の約半数はDTB時間90分以内に達しておらず、2008~13年の間に有意な増減傾向は認められなかった。DTB時間遅延… 2017/06/16 循環器
Lancet誌から 腹部大動脈瘤の予後は女性の方が悪い 患者数は少ないが、術後死亡率は高い 腹部大動脈瘤(AAA)患者の予後は、男性より女性の方が悪いことを示唆する研究が、これまでに報告されている。英Imperial College LondonのPinar Ulug氏らは、未破裂のAAA患者に対する血管内治療(EVAR)の適応割合と、修復術無しとされた患者の割合、さらに、修復術後の30日死亡率について、男女… 2017/05/24 循環器
インタビュー◎TAVRにも導入される「費用対効果評価」とは 高齢者に使うTAVRは「費用対効果が悪い」? 国際医療福祉大学薬学部教授の池田俊也氏に聞く 侵襲性が低く、患者からのニーズも高い経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)。しかしその高額な費用に目を付けられ、2018年から薬価の再算定ルールに組み込まれる予定の「費用対効果評価」の対象品目の一つになっている。費用対効果評価に詳しい医療経済学者で、中央社会保険医療協議会の費用対効果… 2017/02/07 循環器
救えなかった「冷や汗」の症例 日経メディカル Onlineの新企画「冷や汗症例」のお題を筆者もいただきました。ここ数年で一番印象に残っているのは、自分も患者さんも「冷や汗」をかきながら、結局亡くなってしまった症例です。 2016/11/24 循環器
Lancet誌から 腹部大動脈瘤の長期成績は開腹手術が有利か 8年以上経過すると血管内治療群の死亡リスクが上昇 腹部大動脈瘤に対する開腹手術と血管内グラフトによる修復を比較した臨床試験では、術後の短期成績はグラフトの方が良好だと報告されている。しかし、2年後には開腹術に対するグラフトの有意性が認められなくなったとする研究も複数報告されている。英Imperial College LondonのRajesh Patel氏ら… 2016/11/09 循環器
人物探訪◆加藤雅明氏(森之宮病院 心臓血管外科部長) 大動脈解離の血管内治療で世界をリード 大動脈瘤や大動脈解離に対する血管内治療として急速に普及した、ステントグラフト治療。解離に対しては、加藤雅明氏が世界第1例を施行した。「慢性期の瘤化予防を目的とした低侵襲な治療法を開発し、… 2016/09/21 循環器
BMJ誌から 同じ手術の専門特化率も手術成績に影響する 米国のコホート研究で症例経験数とは独立した因子に 手術経験数が豊富な外科医が担当した方が患者のアウトカムは良好であることは、様々な研究で示されている。米Harvard大学のNikhil R Sahni氏らは、単に手術経験数が多いだけでなく、「同じ手術に専門特化している外科医の治療成績がいいのではないか」という仮説を立てて、コホート研究による検証… 2016/08/17 循環器
院長、救クリを移転するって本気ですか? 暑い夏が来ましたね。さて、前回の続きです。6周年記念パーティーが盛会裏に終了。2次会に繰り出してひとしきり盛り上がった後、救クリに戻ってきました。いつもの外来ブースで話を続けます。 2016/08/10 循環器
心疾患の予測医療へ、スパコン活用の画像解析サービス ベンチャー企業のCardio Flow Designが提供 血流解析のベンチャー企業Cardio Flow Designは、スーパーコンピューターを活用した循環器画像解析サービス「心臓血管血流解析シミュレーション」の提供を2016年4月14日に開始した。循環器医学分野の医師や研究者を対象とした受託形式の研究支援サービスである。 … 2016/04/19 循環器
NEWS◎第46回日本心臓血管外科学会 慢性B型解離への血管内治療、承認の条件は 学会初のタウンホールミーティングで方向性を議論 第46回日本心臓血管外科学会学術総会で、慢性B型大動脈解離に対するステントグラフトの早期承認に向けたタウンホールミーティングが開催された。大動脈疾患の治療に携わる医師、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、メーカーの三者が集まって、承認審査に必要な臨床データをどう作っていくか公開の場… 2016/02/26 循環器
救急医としての第六感が働き救命し得た一例 今年は助っ人が来たので、年末年始をいつもと違う気分で乗り切れそうだね、と院長と話しています。そして、1年を振り返ってみると、思い出す症例がありますので、これを今年の〆としたいと思います。50代の男性で、建設現場で作業中に突然背部痛に襲われ、うずくまっているのを同僚が発見して救急要… 2015/12/28 循環器
トレンド◎解離を適応とする企業製ステントグラフト登場 急性B型大動脈解離、血管内治療の時代へ 慢性期への適応拡大が次の検討課題 大動脈解離の治療法として、ステントグラフトによる血管内治療が注目されている。2015年10月、合併症のある急性B型解離を適応とする企業製デバイスが発売され、普及に向けた環境が整った。さらに、急性期を内科治療で乗り切ったB型解離症例に対して、慢性期の偽腔拡大予防を目的としたステントグ… 2015/12/18 循環器
JAMA Intern Med誌から ニューキノロンが大動脈瘤や解離に関与か 大動脈瘤・大動脈解離による入院患者を症例群とするコホート内症例対象研究で示唆 フルオロキノロン(ニューキノロン)系抗菌薬の服用者では、大動脈瘤と大動脈解離のリスクが約2倍になることが、台湾で実施されたネステッド(コホート内)症例対象研究で明らかになった。 2015/10/26 循環器
五感を超えろ!救急診療での第六感 普段から、五感をフル活用して診察するのは大事だと思っています。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚です。研修医にも、自分の感覚を存分に生かして診察するように指導しています。例えば下痢の患者さん。どんな色の便が出ており、腸蠕動がどのような具合で、便の粘稠度はどの程度で、どんな匂いの便… 2015/07/09 医師のキャリア
European Respiratory Journalから 肺高血圧症の「CTEPH」にリオシグアトが有効 肺高血圧症の一種である慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、進行性で比較的致死性の高い疾患です。肺血管に生じた血栓によって、少しずつ肺動脈圧が上昇して右心不全を来すと考えられています。このCTEPHに対してリオシグアト(商品名アデムパス)が有効とされています。… 2015/06/19 呼吸器
新専門医制度で「医局の復活」を企むようなら 若手医師が心臓手術の技術を競う『Challengers' Live Demonstration 2014』の予選会審査に行ってきました。 2014/12/09 外科
BMJ誌から 術前のSIRS・敗血症は術後血栓症のリスク 動脈・静脈の血栓症リスクは約3倍、米国での大規模調査の結果 術前48時間の全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)または敗血症は、術後30日の動脈血栓症、静脈血栓症の独立した危険因子であることが、米国のデータベースに登録された情報の解析結果として示された。スイスBern大学病院のJacques D Donze氏らが、BMJ誌電子版… 2014/10/02 循環器
JAMA誌から PEへの血栓溶解療法で死亡は減、大出血は増加 抗凝固療法と比較したシステマティックレビューとメタアナリシスの結果 肺塞栓症(PE)患者、特に中等度リスク患者に対する血栓溶解療法と抗凝固療法を比較したシステマティックレビューとメタアナリシスの結果、抗凝固療法に比べて血栓溶解療法により全死因死亡リスクはほぼ半減するが、大出血リスクは2倍以上に上昇することが示された。米Mount Sinai Health System… 2014/07/03 循環器
NEJM誌から 過去20年間に糖尿病関連合併症は有意に減少 ただしDM有病率は3倍強に増加し疾病負荷は大きいまま、米国の実情 米国における糖尿病関連合併症の発生率は、糖尿病の成人患者に対する予防的ケアの改善を反映して、過去20年間で有意に減少していることが示された。ただし、糖尿病有病率が上昇し続けているために、一部の合併症では発症者数が増加していた。米国疾病対策センター(CDC)のEdward W. Gregg氏らが… 2014/05/09 代謝・内分泌
NEJM誌から tPA療法が中等度リスクPEの血行動態を改善 ただし、重大な出血や脳卒中リスクは増加、二重盲検の多施設RCTの結果 血栓溶解(tPA)療法を中等度リスクの急性肺塞栓症(PE)に実施すると、早期の死亡または血行動態の代償不全は減少するが、重大な出血、脳卒中リスクが増加することが、多施設二重盲検ランダム化比較試験(RCT)の結果として示された。フランスParis第5大学のGuy Meyer氏らが、NEJM誌2014年4月10… 2014/04/28 循環器
第44回日本心臓血管外科学会 PPAR-γアゴニストが大動脈瘤患者で抗動脈硬化作用を示す可能性 瘤壁、周囲脂肪のマクロファージ浸潤、炎症性サイトカインを抑制 大動脈瘤患者に対して、抗糖尿病薬であるPPAR-γアゴニストを術前に平均約4カ月間投与すると、手術時に採取した大動脈瘤壁や周囲脂肪組織で、非投与群に比べ、マクロファージ浸潤が有意に抑制され、炎症系サイトカインの発現量も減少傾向を示すことが分かった。アディポネクチン発現量は有意な増… 2014/04/03 循環器
JAMA誌から 年齢調整でDダイマーによるPE除外精度が向上 50歳以上では年齢に10を乗じた調整値が有用、多施設前向き研究の結果 肺塞栓症(PE)が疑われる患者において、PE除外を目的にDダイマー測定を行うことが増えている。50歳以上の患者では通常のカットオフ値(500μg/L)ではなく年齢調整Dダイマー値を利用することで、失敗率を高めることなくPEを除外できる患者の割合を増やせることが、多施設前向き研究の結果として… 2014/04/03 循環器
BMJ誌から DVT低リスク者予測法は癌患者以外で有効 WellsルールとDダイマーを用いた方法を患者サブグループで検証した結果 深部静脈血栓症(DVT)である確率を推定するWellsスコアにDダイマー検査の結果を組み合わせることで、癌患者以外において、安全にDVTリスクの低い患者を除外できることが示された。オランダUtrecht大のG J Geersing氏らが、BMJ誌電子版に2014年3月10日に報告した。… 2014/03/28 循環器
Ann Intern Med誌から 65歳以上男性への単回AAA検診が破裂を減少 関連死亡も低下、最新の研究結果も対象とした系統的レビューの結果 65歳以上の男性に対する単回の腹部大動脈瘤(AAA)検診が、その後10~15年間にわたって利益をもたらすことが、最新のデータも含めた系統的レビューの結果として示された。米Washington大のJanelle M. Guirguis-Blake氏らが、Annals of Internal Medicine誌2014年1月28日号に報告した。… 2014/02/12 循環器
JAMA誌から 濃度も考慮するとCACのCVDリスク予測能は有意に向上 ただし、臨床的意義は中等度リスクの集団に限定的 米国では中年の半数超に冠動脈カルシウム(CAC)が認められ、70歳までに90%超の人がCACを有する。そのCACの評価にAgatstonスコアを使用するのは問題であることが、新規研究から示された。容積が増加しても濃度が上昇してもCACは増大するが、容積は心血管疾患(CVD)リスクと正の相関を有するのに… 2014/01/31 循環器
シルニジピンによる細動脈硬化の改善作用、血行動態の負荷軽減ではなく酸化ストレス抑制が寄与か 本態性高血圧患者にL/N型Ca拮抗薬シルニジピンを1年間投与したところ、血圧および脈拍数の低下に伴う血行動態の負荷軽減によって大血管の硬化を、また酸化ストレスの抑制によって細動脈の硬化や糸球体の障害を、それぞれ改善している可能性が示された。富山大学第2内科の小池勤氏らが、10月24日か… 2013/10/28 循環器
第35回欧州心臓学会 TAVRの次世代技術、18F経カテーテル弁システムの有効性と安全性を確認 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR;transcatheter aortic valve replacement)の次世代技術として注目される18F経カテーテル弁システム(Direct Flow Medical社)の有効性と安全性が確認されたことが示された。多施設前向き試験であるDISCOVEREU, CE Mark試験の成果で、フランスICPS-Hopital Pri… 2013/10/04 循環器
第35回欧州心臓学会 楕円性大動脈弁輪の患者でも、TAVIのアウトカムは良好 楕円性大動脈弁輪を持つ患者においても、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)後のアウトカムは良好であることが示された。非楕円性患者との比較試験で明らかになったもので、楕円性大動脈弁輪の患者群は非楕円性患者群と同様に施術成功率が高く、また合併症比率は低く、同等の有効性を示した。… 2013/09/26 循環器
押さえておきたいトライアル:STOP-IC 大腿膝窩動脈領域へのステント留置後の再狭窄率をシロスタゾール投与で71%抑制 横井 宏佳氏(小倉記念病院〔北九州市〕循環器内科部長) 大腿膝窩動脈(FP)領域に病変を持つ慢性閉塞性動脈硬化症の病態は、間歇性跛行と重症下肢虚血(CLI)の2つであり、それぞれ治療目標が異なる。間歇性跛行患者の治療目標は、跛行距離の改善と心筋梗塞や脳梗塞の発症予防だが、「第1選択である運動療法や薬物療法で症状が改善するのは2割程度」(… 2013/07/05 循環器
Ann Intern Med誌より 無症候性頸動脈狭窄への薬物療法、内膜剥離、ステント留置の優劣は不明 最新薬物療法と比較した研究なく、エビデンス不十分 無症候頸動脈狭窄に対する薬物療法、頸動脈内膜剥離術(CEA)、頸動脈ステント留置術(CAS)のうち、どの治療が最も脳卒中予防効果が高いかを示す質の高いエビデンスはないことが示された。米Tufts Medical CenterのGowri Raman氏らが行った系統的レビューとメタ解析の結果で、Annals of Internal… 2013/05/30 循環器
Circulation誌から スタチンとビスホスホネートの併用で胸腹部大動脈プラークが退縮 アトルバスタチンとエチドロン酸を用いたRCTの結果 アトルバスタチンと第一世代のビスホスホネート製剤であるエチドロン酸(エチドロネート)を併用すると、胸腹部大動脈のアテローム性プラークが退縮することが、ランダム化比較試験(RCT)の結果として示された。新潟労災病院の河原哲也氏らが、Circulation誌電子版に2013年5月8日に報告した。… 2013/05/29 循環器
Lancet誌から アテローム性動脈硬化は4000年前から存在? ミイラの全身をCTスキャンした研究の結果 紀元前3100年から紀元1930年ごろまでに生きていた、様々な人のミイラ計137体の全身をCTスキャンした結果、アテローム性動脈硬化の有病率はどの地域でも同様であること、加齢と共に有病率が上昇していたことなどが明らかになった。米Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのRandall C Thompso… 2013/03/27 循環器
JACC Cardiovasc Interv誌から 自然発症冠動脈解離患者では他動脈での線維筋性異形成が多い 冠動脈アンギオグラフィでSCAD患者をスクリーニング 自然発症冠動脈解離(SCAD:spontaneous coronary artery dissection)患者における線維筋性異形成の有病率とSCADの促進要因を調べたところ、非動脈硬化性SCADの発症はほとんどが女性で、その多くは冠動脈以外の動脈での線維筋性異形成を有することが分かった。この結果は、JACC Cardiovasc Inter… 2013/01/18 循環器
日経メディカル2012年11月号「トレンドビュー」(転載) 下肢にも薬剤溶出ステント 長期開存率高くバイパス術からの転換進む 下肢動脈閉塞の治療にもステントが使用できるようになった。バルーン単独での治療に比べて成功率が向上するため、バイパス術しかできなかった症例の多くが、カテーテル治療に置き換わることになりそうだ。… 2012/11/28 循環器
CETP阻害薬はHDL増加を介した血管内皮機能の改善作用を有する可能性 コレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬はHDL増加を介し、血管内皮細胞の増殖能、遊走能、管形成能を増強させることが示唆された。バルーンカテーテルで血管内皮傷害を誘発したモデル動物を用いた検討によって示されたもの。オーストラリアHeart Research InstituteのBen J. Wu氏らが、11… 2012/11/12 循環器
ASCOT-LLA:動脈硬化予防に包括的治療の有効性を示す 監修:帝京大学医学部長 寺本 民生氏 心血管リスク因子を持つ患者の動脈硬化予防には、血圧、脂質、血糖を含めた管理――包括的治療を行う必要がある。今回のガイドライン改訂で特に強調されたその概念を、最初に裏付けた臨床試験として知られるのが、北欧と英国・アイルランドで行われ、2003年に報告されたASCOT-LLA(Anglo-Scandina… 2012/10/05 循環器
CTT:26臨床試験のメタ解析で積極的脂質低下療法の有効性と安全性を立証 監修:帝京大学医学部長 寺本 民生氏 スタチンによる脂質低下療法が動脈硬化性疾患を抑制することを示した無作為化比較試験(RCT)は数多い。脂質低下療法に関する主な大規模RCTを対象としたCholesterol Treatment Trialists’(CTT) collaborationによるメタ解析の結果から、スタチンによる脂質低下療法、特により低いLDL-C値を目指… 2012/07/31 循環器
スタチン増量に比べエゼチミブ併用で頸動脈IMTがより改善される可能性 スタチン投与によっても十分なLDLコレステロール(LDL-C)のコントロールが得られない脂質異常症患者に対し、エゼチミブとスタチンの併用はスタチン増量に比べて、心血管イベントの予測因子とされる頸動脈内膜中膜複合体肥厚(IMT)をより大きく改善する可能性が示された。7月19、20日に福岡で開… 2012/07/24 循環器
エゼチミブは血管内皮機能の改善を介して抗動脈硬化作用を発揮する可能性 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬のエゼチミブは、脂質異常症に対し、アディポネクチンの増加、炎症反応や血管内皮機能低下の抑制を介して抗動脈硬化作用を示す可能性が示唆された。7月19、20日と福岡で開催された第44回日本動脈硬化学会(JAS2012)で、日本大学の田平和宣氏らが報告し… 2012/07/21 循環器
BMJ誌から 65歳以上の男性へのAAAスクリーニング、費用対効果は良好 10年間の関連死の相対リスクは48%減、英国での研究 65~74歳の男性が腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングを受けると、その後10年間は生存利益が持続し、AAA関連死亡リスクが半減すること、費用対効果も良好であることが、英Cambridge大学MRC Biostatistics UnitのS G Thompson氏らの長期追跡研究で分かった。論文は、BMJ誌電子版に2012年6月24日に掲… 2012/07/19 循環器
日本頸部脳血管治療学会2012 頸動脈狭窄症治療の収入と費用の差額、CEAは約33万円、CASは約25万円 頸動脈狭窄症の治療法別に原価計算手法を用いて収入と費用の差額を求めたところ、動脈血栓内膜摘出術(CEA)は約33万円、経皮的頸動脈ステント留置術(CAS)は約25万円となり、CEAがCASより収益性が高いことが示された。済生会熊本病院が取り組んでいる収益性の検証の一環で明らかになったもの。… 2012/07/12 循環器
内外の最新エビデンスを踏まえ絶対リスクと包括的治療を導入 日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」が5年ぶりに改訂された。患者のリスク層別化に「NIPPON DATA80」のリスク評価チャートに基づいた絶対リスク評価を導入したこと、国内外の最新エビデンスを踏まえ、包括的な治療の必要性を示したことが大きな柱だ。最新ガイドラインの基盤と… 2012/06/29 循環器
JACCのEditor+駒村が選んだ重要論文―2012年6月 Editor’s choice:AFに対するアブレーション、6年後の無再発率は39% IMMEDIATE、INFUSE-AMI、FOCUS-CCTRN、TRA 2P-TIMI 50など 怒涛のスピードで発信される世界の循環器領域の臨床試験の結果をキャッチアップするために、J Am Coll Cardiol誌のSummaries of Key Journal Articlesは、その短さとコメントが優れている。新年度となった4月を機に、これまで3回に分けて紹介してきた内容を、筆者の独断と偏見で絞り込みさせてい… 2012/06/21 循環器
BMJ誌から ダークチョコレートがメタボ患者の心血管疾患予防に有効 約2000人のデータを数理モデル解析、費用対効果の高い予防策になると著者 メタボリックシンドロームの患者がダークチョコレート100gを毎日10年間食べ続けると心血管リスクが低減し、費用対効果の面でも有効な予防対策になる可能性があることが示された。約2000人の患者データと数理モデルを用いて最善のシナリオを計算した結果で、5月30日付のBMJ誌オンライン版に掲載さ… 2012/06/19 循環器
BMJ誌から 腹部大動脈径が30mm未満でも循環器疾患に要注意 腹部大動脈瘤スクリーニングを受けた男性約8150人を追跡 超音波検査に基づく腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングで、AAAと判定される直径30mm以上のみならず、25~29mmでもその後の循環器疾患などの罹患(入院)リスクの上昇が見られること、リスク上昇はほとんどが動脈瘤以外の血管疾患に起因するものであることが、英国で行われた前向きコホート研究で… 2012/05/23 循環器
N Engl J Med誌から リバーロキサバンはVTE予防でも標準療法に非劣性――EINSTEIN-PE試験 急性症候性肺塞栓症(PE)患者を対象に、経口第Xa因子阻害薬リバーロキサバンの症候性静脈血栓塞栓症(VTE)再発抑制効果を検討したところ、標準療法に対し非劣性だった。出血リスクの上昇もなく、大出血の発生は有意に減少した。この結果は、N Engl J Med誌4月5日号に掲載された。… 2012/04/26 循環器
JAMA誌から 腹部大動脈瘤のステント治療は開腹より死亡リスクが低い 腹部大動脈瘤(AAA)の修復を待機的に行う場合、開腹修復術または血管内修復術(ステントグラフト内挿術)が適用されるが、長期的な生存においてどちらが好ましいのだろうか。両者の長期的な転帰を比較する後ろ向き研究を行った米Georgetown大学病院のRubie Sue Jackson氏らは、2.5年(中央値)の… 2012/04/23 循環器
JACCのEditor+駒村が選んだ重要論文―2012年4月 スタチンは重症の頻脈性心室不整脈を予防するか TAVI 2年成績・費用対効果、Y染色体リスク、CRT、CTAなども 怒涛のスピードで発信される世界の循環器領域の臨床試験の結果をキャッチアップするために、J Am Coll Cardiol誌のSummaries of Key Journal Articlesは、その短さとコメントが優れている。新年度となった4月を機に、これまで3回に分けて紹介してきた内容を、筆者の独断と偏見で絞り込みさせてい… 2012/04/20 循環器
New Engl J Med誌から ハイリスクAS患者へのTAVR、2年後アウトカムでもAVRに劣らぬ成果 PARTNER試験コホートAの2年後のアウトカムの検討から、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVR)の外科的大動脈弁置換術(AVR)に対する非劣性が示された。改めて、TAVRは手術可能な患者の治療選択肢となることを支持する結果となった。成果は、New Engl J Med誌3月26日号オンライン版に掲載された。… 2012/04/13 循環器
J Am Coll Cardiol誌SCANNING THE LITERATUREから JACCのEditorが選んだ重要論文―2012年3月(3) TAVIによる脳卒中、肥満手術、ワルファリン中断期間、スタチンの作用 前回、前々回に引き続き、J Am Coll Cardiol誌2012年3月6日号(vol.59、no.10、p.883-90)掲載のSCANNING THE LITERATUREで取り上げられた論文を紹介する。 2012/04/02 循環器
大動脈食道瘻への治療戦略、TEVARやホモグラフト、大網充填術をどのように組み合わせるべきか 大動脈食道瘻(aortoesophageal fistula:AEF)に対しては、胸部大動脈ステントグラフト(thoracic endovascular aortic repair:TEVAR)で病状を安定化させてから、食道切除術を行い、最終的にホモグラフト移植術と大網充填術を併せて行うという治療戦略が望ましいのではないか――。東京大学心… 2012/03/22 循環器
スタンフォードB型の大動脈解離、ARB投与は予後良好因子 上行大動脈に解離が及んでいないスタンフォードB型の大動脈解離は、厳格な降圧療法を中心とした保存的治療が第一選択となる。本疾患で緊急入院し退院できた患者を対象に、その予後と患者背景因子との関連を検討したところ、予後良好に関連する独立した因子として、アンジオテンシンII受容体拮抗薬… 2012/03/21 循環器
New Insight from Basic Research たばこと腹部大動脈瘤 禁煙のためのニコチン製剤に生じた意外な盲点 大動脈破裂に至るリスクはそれほどでもない腹部大動脈瘤(AAA)だが、特に高齢者におけるAAAの有病率は思ったより高く、欧米の報告では65歳以上の男性で2.4~16.9%、女性で0.3~2.2%とされる。 2012/03/08 循環器
2011冬・論文コレクション Vol.3 軽症に見える小児の頭部打撲にCT検査は行うべきか? 救命救急領域の必読論文 若手医師に贈る「2011冬・論文コレクション」。第三弾は救命救急領域。「論文は愛をもって読む」ことを標榜する福井大総合診療部の林寛之氏に、一読推奨という論文を紹介してもらった。 2012/01/12 救急医療・集中治療
血糖降下で細小血管合併症を抑制できるのはHbA1c6.5%が下限――ADVANCE試験post-hoc解析から (訂正12/14) ADVANCE試験のpost-hoc解析から、また新たな知見が示された。HbA1c低下による血管合併症抑制効果が認められるのは、細小血管障害については到達HbA1cが6.5%、大血管障害と死亡については到達HbA1cが7.0%までであり、これらの値よりHbA1cを下げても血管合併症リスクがさらに低くなることはないと… 2011/12/12 循環器
古代エジプトのミイラで動脈硬化による石灰化を確認 近年、コンピュータ断層撮影(CT)による古代エジプトミイラの調査が行われるようになり、ミイラの状態、病歴、死亡原因などが解明されるようになった。米国North Shore University HospitalのJohn N. Makaryus氏らは、64列MDCTにより古代エジプトミイラの画像解析を行い、食生活・生活様式からは… 2011/11/14 循環器
日本心臓病学会2011 総頸動脈の蛇行は独立した心血管イベント予測因子 蛇行強まるほどリスク上昇、IMTより評価も容易 総頸動脈の蛇行が心血管イベントの予測因子になる可能性があると、医療生協わたり病院内科循環器科の渡部朋幸氏らが第59回日本心臓病学会(JCC2011、9月23~25日、開催地:神戸市)で報告した。 2011/10/13 循環器
日経メディカル2011年10月号「トレンドビュー」(転載) 胸部大動脈瘤をカテーテルで治す 開胸手術に比べ死亡や合併症が大幅に減少 開胸手術が主流だった胸部大動脈瘤の治療に、ステントグラフトを用いたカテーテル治療が広がっている。新しいデバイスが開発されて治療成績が向上。手術が不可能だった患者にも治療が可能になった。 2011/10/13 循環器
糖代謝異常を示す冠動脈疾患患者において、スタチン増量よりエゼチミブ併用がMDA-LDL低下をもたらす 酸化LDLの1つのマロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)は、LDLコレステロール(LDL-C)などの標準的な脂質マーカーより有用な心血管疾患のリスクマーカーとなることが報告されている。その低下をもたらすには、スタチンを増量するよりエゼチミブを併用した方が効果的であることが示された。9月23日… 2011/09/24 循環器
冠攣縮性狭心症患者は増えている、国内施設の後ろ向きの検討より わが国では2008年に冠攣縮性狭心症の診療ガイドラインが作成されたが、同疾患への配慮は十分ではない。こうした状況の下、愛媛県立新居浜病院循環器内科の坂上智城氏らは、心カテーテル検査の施行例を対象としたレトロスペクティブな検討から冠攣縮性狭心症患者が増えていることを、9月23日から開… 2011/09/24 循環器
2型糖尿病ハイリスク群、HbA1c値の年増加速度が動脈硬化に関与 2型糖尿病リスクの高い人では、HbA1c値の年間増加速度が、動脈硬化増悪の予測因子であるようだ。これは、デンマークSteno Diabetes CenterのNanna Johansen氏らが、約1000人を対象に行った試験で明らかにしたもので、9月12日から16日までリスボンで開催された欧州糖尿病学会(EASD2011)で発表し… 2011/09/19 代謝・内分泌
STEMI患者へのエベロリムス溶出ステント、ベアメタルステントと1年後アウトカムは同等 非ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対する経皮的冠状動脈インターベンション(PCI)について、エベロリムス溶出ステント(EES)とベアメタルステントであるコバルトクロミウム・ステント(CCS)を比較したところ、1年後の総死亡、心筋梗塞、血行再建のいずれかの発生リスクは同等であることが分か… 2011/09/02 循環器
エベロリムス溶出ステント、標的病変血行再建率などでシロリムスとの非劣性が証明 エベロリムス溶出ステント(EES)は、経皮的冠状動脈インターベンション(PCI)実施後1年の標的病変血行再建率やセグメント内レイト内腔損失において、シロリムス溶出ステント(SES)に対して非劣性であることが証明された。これは、京都大学医学部循環器内科の木村剛氏らが行った、前向き無作為… 2011/08/31 循環器
多数の患者において急性冠症候群、肺塞栓症、大動脈解離の検査が同時施行される現状 【原題】Many Patients Are Tested Simultaneously for ACS, PE, and Aortic Dissection Of emergency department patients who were evaluated for any of these three diseases, 22% were simultaneously tested for two diseases and 0.6% were tested for all three. 2011/08/18 循環器 医師限定コンテンツ
シスタチンCは超高齢女性の頸動脈プラークリスク 85歳以上の超高齢者では、若年層と比較して心血管疾患(CVD)の頻度が高いが、そのリスク因子とCVD発症や動脈硬化との関係については、あまり知られていない。7月16日まで札幌市で開催されていた日本動脈硬化学会(JAS2011)で慶應義塾大学医学部老年内科の新井康通氏らは、超高齢女性において血… 2011/07/17 老年医学・介護
2型糖尿病患者のうつは総死亡率を増加させる予測因子――ACCORD血圧試験のサブ解析 うつは、2型糖尿病患者において総死亡率増加の独立した予測因子であり、大血管系のイベントの発症を増加させる可能性もあることが、ACCORD血圧試験のサブ解析で明らかになった。6月24日から米サンディエゴで開催されている米国糖尿病学会(ADA2011)で、Health Partners(米国ミネソタ州ミネアポ… 2011/06/28 代謝・内分泌