Neurology誌より 腎障害患者における虚血性脳卒中の病型別リスクが明らかに 慢性腎臓病(CKD)は世界的な健康問題の1つであり、脳卒中の危険因子として確立していると認識されている。しかし、心原性脳塞栓症やラクナ梗塞といった虚血性脳卒中の病型によらず、CKDのステージ分布や臨床的影響が一貫しているかどうかは不明であった。この研究では、腎機能障害が脳卒中の病型… 2022/07/01 循環器
脳梗塞の急性期の離床について知りたい 急性脳梗塞の患者さんを受け持ちました。主治医から安静度について「院内フリー」との指示を受けました。質問したいこと急性脳梗塞で安静度が「院内フリー」の場合、どの程度まで動かしてもいいのでしょうか?患者さんのリハビリ状況によって異なります。院内フリーという安静度指示でも、患者さん… 2022/06/06 看護師
BMJ誌から エゼチミブやPCSK9阻害薬の利益は高リスク患者のみ スタチンに追加するメリットの定量化を試みたメタアナリシス 米国Houston Methodist DeBakey Heart and Vascular CenterのSafi U Khan氏らは、スタチンを使用している患者にエゼチミブやPCSK9阻害薬を追加した場合に期待できる利益の定量化を試みるために系統的レビューとネットワークメタアナリシスを行い、追加の利益が明らかなのは、ベースラインの心血管… 2022/05/27 循環器
トレンド◎触覚顕微鏡を開発、将来は光による計測も 血管の硬さをリアルタイムで計測せよ 血管の硬さを測る指標として脈波伝播速度(PWV)や心臓足首血管指数(CAVI)などがある。例えば上腕と足首の間で脈波を測定するbaPWVは、2カ所で脈波が計測される時間の差から脈波が血管内を伝達する速度を測定する方法、CAVIは四肢にカフを、胸部に心音マイクを付けて血圧と脈波を測定して動脈の… 2022/04/05 循環器
学会トピック◎第47回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2022) 急性期脳梗塞の再開通療法、我が国の現状判明 一次脳卒中センターが中心的役割果たす 我が国で施行されている急性期脳梗塞を対象とした組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)静注療法の97%、血栓回収療法の98%は、日本脳卒中学会が認定する一次脳卒中センター(PSC)で行われていることが明らかになった。第47回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2022、会期:3月17~20日、大阪… 2022/03/29 循環器
3月7~13日の話題になった論文 COVID-19による推定超過死亡数は報告数の約3倍の可能性 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/22 感染症
脳循環代謝改善薬◇第4回調査 脳循環代謝改善薬市場でアデホスがシェア拡大 1位はアデノシン三リン酸二ナトリウム、2位はイフェンプロジル、3位はアマンタジン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、脳循環代謝改善薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、41.3%の医師がアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(商品名:アデホス、トリノシン他)と回答した。 第2位のイフェンプロジル酒石酸塩(セロクラール他)は15.1%、第3位のアマンタジ… 2022/03/05 循環器
the New England Journal of Medicine誌から クロピド不応者の脳卒中再発予防にチカグレロル 中国で行われたCHANCE-2試験、再発リスクを23%抑制 薬物代謝酵素CYP2C19の機能喪失型遺伝子を持つ脳梗塞/一過性脳虚血発作(TIA)患者に対する抗血小板療法は、クロピドグレルよりもチカグレロルの方が脳卒中再発予防効果は優れており、中程度~重度の出血も同等だった。ただし、全ての出血はチカグレロルの方が多かった。中国で行われたCHANCE-2試験… 2022/02/24 循環器
JAMA Network Open誌から 動脈瘤性くも膜下出血の望ましい治療開始時間は? 良好なアウトカムを得るには発症から12.5時間以内に治療を開始すべき 豪州Tasmania大学のMarie-Jeanne Buscot氏らは、動脈瘤性のくも膜下出血(SAH)を初めて起こして救急搬送され、血管内コイル塞栓術やクリッピング手術を受けた患者の医療記録をレトロスペクティブに調べ、良好なアウトカムを得るためには症状発症から12.5時間以内に治療を開始することが望ましい… 2022/02/21 循環器
学会トピック◎国際脳卒中会議(ISC 2022) 広範囲脳梗塞への血栓回収療法の有効性を確認 我が国で行われたRESCUE-Japan LIMIT試験、論文はNEJMで同時公開 急性期の脳主幹動脈閉塞(LVO)に対する血栓回収療法は、現在推奨されている適応より梗塞範囲が広い症例に対しても有効であることが、我が国で行われたランダム化比較試験RESCUE-Japan LIMITから明らかになった。「in person and virtually」として今年は米国ニューオリンズのコンベンションセンタ… 2022/02/14 循環器
NEWS◎高いウイルスコピー数を持つ患者の特徴が明らかに COVID-19のスーパースプレッダーになりやすい人って? 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、スーパースプレッダーになるリスクが高い患者の特徴をまとめた論文が発表された。COVID-19患者の中でも、糖尿病、関節リウマチ、脳梗塞の既往がある患者は、これらの既往がない患者と比較して高いウイルスコピー数を有しており、周囲への感染力が… 2022/02/03 感染症
JAMA Neurology誌から 脳卒中後てんかん患者にはどの抗痙攣薬を使用すべきか? 抗痙攣薬の単剤投与を受けていた患者の死亡リスクを調べたスウェーデンの研究 スウェーデンSahlgrenska大学病院のDavid Larsson氏らは、脳卒中後にてんかんを起こした患者に対する抗痙攣薬の投与が、その後の生存アウトカムに与える影響を調べる後ろ向きコホート研究を行い、カルバマゼピンを基準として死亡リスクを比較したところ、薬の種類によって死亡リスクの増加や減少… 2022/01/12 循環器
学会トピック◎第37回日本脳神経血管内治療学会学術集会 ステント支援コイル塞栓術後のDAPT期間は? 長期継続群と短期終了群でアウトカムに差なし、DAPTS ACE試験 ステント支援コイル塞栓術で脳動脈瘤の血管内治療を行った後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)に関して、ランダム化比較試験(RCT)とレジストリー研究から3~6カ月の短期DAPTと12カ月程度の長期DAPTを比較したところ、長期DAPTによる明確な利益は得られなかった。我が国で行われたDAPTS ACE試験の… 2021/12/06 循環器
学会トピック◎第37回日本脳神経血管内治療学会学術集会 脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超える この20年間、血管内治療の比率は一貫して上昇 脳動脈瘤の治療には、カテーテル操作によるコイル塞栓術を中心とした血管内治療と、開頭手術によるクリッピング術の2種類がある。近年、国内外で血管内治療の件数が増加しているが、日本脳神経外科学会が行っている症例登録事業から、2020年の1年間に我が国で行われた脳動脈瘤治療の件数は、速報… 2021/12/02 外科
NEWS◎シーメンスの医療プラットフォーム上で内視鏡・頭部MR画像のAI解析が可能に 国内3社の診断支援AIが共通プラットフォームに搭載へ シーメンスヘルスケアが提供する医療プラットフォーム「teamplay digital health platform」において、国内3社が開発した、人工知能(AI)を活用した診断支援ソフトウエアが利用できるようになる。使用可能となるのは、上部内視鏡検査で胃癌を鑑別および検出するAIソフトウエア(開発元:AIメディ… 2021/11/15 医療機器
学会トピック◎第13回世界脳卒中会議(WSC 2021) 血栓回収単独対tPA併用、最後のRCTは途中終了 登録数少なくダイレクトMT群の非劣性示せず 急性期脳梗塞に血栓回収療法を行う際、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の前投与が必要かを検証したDIRECT SAFE試験の結果が明らかになった。先行研究のメタアナリシスから、tPAを前投与しない血栓回収療法の非劣性が確認されたとして本試験は途中終了となり、目的である血栓回収療法単… 2021/11/05 循環器
Lancet誌から ループレコーダーはAFを発見するが脳梗塞は減らない 見つかったAF患者が抗凝固療法を始めても脳梗塞には対照群と有意差なし デンマークCopenhagen大学のJesper H Svendsen氏らは、脳梗塞の危険因子がある高齢者に植え込み型ループレコーダー(ILR)を適用し、心房細動(AF)を見つけたら抗凝固薬の処方を開始するという戦略が、脳梗塞を減らせるかどうかを検討するランダム化比較試験を行い、通常のケアを受ける対照群と… 2021/09/24 循環器
学会トピック◎第7回欧州脳卒中学会会議(ESOC2021) tPA投与しない血栓回収療法、3度目のドロー SWIFT DIRECT試験、非劣性示せず 急性期の脳主幹動脈閉塞(LVO)に対して血栓回収療法を行う際、同治療に先立つ組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の投与が必要であるかを検討したSWIFT DIRECT試験の結果が明らかになった。非劣性を検証する同様なデザインのランダム化比較試験で三度、血栓回収療法単独群のtPA併用群に比… 2021/09/09 循環器
医師の起業◎iMed Technologies CEO河野健一氏の場合 時間を忘れて夢中になれることをビジネスに 「手術支援AI」を開発する医師兼エンジニア 脳血管内治療をリアルタイムで支援する人工知能(AI)を開発するiMed Technologies(東京都文京区)。「世界に安全な手術を届ける」ことを目標に、脳神経外科医の河野健一氏が2019年4月に設立した。東京大学理学部数学科卒というユニークな経歴を持つ河野氏が、医師を志し、さらには医療業界で起… 2021/08/26 医師のキャリア
2021年8月13日号 脳動脈瘤治療、主役交代へ 脳動脈瘤の血管内治療で残された課題となっていた、血管分岐部にあるワイドネック型の動脈瘤を適応とした新しいデバイスが、相次いで発売された。フローダイバーターにも複数の新製品が登場。我が国の脳動脈瘤も血管内治療ファーストの時代が始まろうとしている。週刊日経メディカルのPDFをダウン… 2021/08/14 循環器
リハビリを成功に導く「SMART」な目標 このような患者に対して、どのようにリハビリテーションを進めるのが望ましいでしょうか? 十川指導医と九沢研修医の対応を見ていきましょう。九沢研修医:市川さんが転院なさったので、先ほど診察してきました。左基底核の脳梗塞で、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)静注療法が実施さ… 2021/08/10 循環器
トレンド◎新しいカテーテル治療デバイス続々登場 脳動脈瘤も「血管内治療ファースト」の時代へ 脳動脈瘤の血管内治療で残された課題となっていた、血管分岐部にあるワイドネック型の動脈瘤を適応とした新しいデバイスが2種類、相次いで発売された。目の細かいステントで動脈瘤内への血流を抑制するフローダイバーターにも、複数の新製品が登場。こうした新しいデバイスにより血管内治療の守備… 2021/08/10 循環器
ほぼ後遺症のない脳梗塞患者への退院支援は? 脳神経外科に勤務している新人看護師です。脳梗塞で入院中の患者さんが自宅退院することになりました。退院支援に関して看護計画を考えてくるようにと先輩看護師に言われましたが、その患者さんはADLもほとんど自立していて、どのような点で看護師として退院支援ができるかが分かりません。脳梗塞患… 2021/07/26 循環器
脳梗塞発症初期はMRIが正常なこともある!? 学習目標・脳梗塞発症初期のMRI 所見を知る・脳梗塞疑い症例でMRI 正常だった場合の次の一手を知る 血糖値の異常や痙攣発作などは“脳梗塞もどき”としてよく知られています。一方、急性発症で痙攣もなかったということであれば、今回の症例は脳梗塞が強く疑われますよね。その感覚は正しいので、… 2021/07/19 救急医療・集中治療 医師・医学生限定コンテンツ
6月7~13日の「話題になった論文」 ワクチン接種後の血栓症にはヘパリン以外の抗凝固薬と免疫グロブリンを 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/06/22 感染症
JAMA Neurology誌から carotid webがある患者は脳梗塞再発リスクが高い 頸動脈のCT血管造影データが利用可能だった脳梗塞患者を2年間追跡 オランダAmsterdam大学のValeria Guglielmi氏らは、MR CLEAN trial(2010~14年)とMR CLEAN Registry(2014~17年)に登録された脳梗塞患者のうち、頸動脈のCT血管造影データが利用可能だった患者を再評価してcarotid web(CW)の存在を調べ、CWがある患者はCWがない患者に比べると、2年以内に脳… 2021/06/08 循環器
どこかで起きていてもおかしくないエラー症例 (Case No.21) SAHを疑わなければならない状況とは? 今回紹介する症例のセッティングです。Walk-in、救急車ともに積極的に受け入れている地域中核病院の救急部でのことです。初期研修医2名と上級医2名で救急当直を行っています。CT・MRI検査ともに24時間可能、必要時は外科系当直または内科系当直(各1名)にコンサルテーションが可能。ある日曜日の夕… 2021/06/03 循環器
JAMA Neurology誌から 脳出血はその後の脳梗塞と心筋梗塞の危険因子 米国のコホート研究4件のプール解析でリスクは脳出血未経験者の2倍以上 米国Weill Cornell MedicineのSantosh B. Murthy氏らは、米国で行われた4件の住民ベースのコホート研究の参加者のデータをプール解析し、脳出血を起こした患者はその後に脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクが高かったと報告した。結果は2021年5月3日JAMA Neurology誌電子版に掲載された。… 2021/05/31 循環器
Lancet誌から 脳梗塞後の腕の機能障害に迷走神経刺激の併用が有効 リハビリとシャム刺激の併用に比べ機能評価スコアの改善度が大きい 英国Glasgow大学のJesse Dawson氏らは、脳梗塞後に中等症から重症の腕の脱力が持続している患者を対象に、リハビリと迷走神経刺激を併用する場合と、リハビリのみを適用した場合の改善度を調べるランダム化比較試験を行い、迷走神経刺激を併用すると腕の運動機能が大きく改善すると報告した。結果… 2021/05/25 循環器
JAMA Network Open誌から 無症候感染でもCOVID-19回復期の脳梗塞リスクは高い シンガポールの脳梗塞患者を対象に無症候感染者と一般住民のリスクを比較 シンガポールNational Neuroscience InstituteのTian Ming Tu氏らは、SARS-CoV-2無症候感染者の急性脳梗塞リスクを調べるために、シンガポールに出稼ぎに来て寮生活を送っている50歳以下の男性を対象にした症例シリーズ研究を行い、感染したが呼吸器症状がない回復期の男性は、年齢・性別・民族が… 2021/05/20 感染症
血栓塞栓症の予防・診療を巡る紛争を防ぐには 今回は、血栓症の中でも脳塞栓症の予防や診療に関連した裁判例を見ていくことにします(医療訴訟において肺血栓塞栓症を巡る裁判例も少なからず見られますが、それについては別の機会にご紹介できればと思います)。… 2021/05/12 医療安全
国際脳卒中会議(ISC2021) 米国のCOVID-19合併脳卒中、転帰不良が高率 Get With The Guidelines–Strokeの登録症例を解析 米国で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)を合併した急性虚血性脳卒中(以下AIS/COVID-19)患者の病像は、COVID-19を合併していないAIS患者より若く、脳卒中の重症度が高く、評価や治療までの時間が長く、転帰不良だった。米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA)が主催する国際脳卒中会議(IS… 2021/04/21 感染症
国際脳卒中会議(ISC2021) tPA投与しない血栓回収療法、優越性を示せず MR CLEAN-NO IV試験の結果 脳大血管閉塞による脳梗塞は、いかに早く血管の再開通を得るかが鍵となる。組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)静注療法を行わず血栓回収療法(EVT)を始めることの有効性を検証したMR CLEAN-NO IV試験の結果が、米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA)が主催する国際脳卒中会議(ISC2021… 2021/03/26 循環器
第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021) 何が変わる?「脳卒中治療ガイドライン2021」 今年6月に刊行予定 6年ぶりの全面改訂となる「脳卒中治療ガイドライン2021」(以下、2021年版)が近く発表される。第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021、3月11~13日、福岡国際会議場とウェブのハイブリッド開催)では、改訂内容を概説するシンポジウムが開催された。昨年末に募集したパブリックコメントも踏… 2021/03/24 循環器
JAMA Cardiology誌から ウェアラブル心電図モニターのAFスクリーニングは有望 2週間の心電図記録で無症候性のAF発見数が大幅に増加 カナダSunnybrook Health Sciences CentreのDavid J. Gladstone氏らは、高血圧のある高齢地域住民を対象に、胸に貼り付けるタイプのパッチ式長時間心電図モニターが心房細動(AF)を検出するのに有用かを調べるランダム化比較試験(RCT)を行い、6カ月ごとに診察を行った場合に比べ、約10倍のAFを… 2021/03/24 循環器
第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021) COVID-19と脳卒中の合併、国内症例の臨床像は 全国から登録された36症例に基づく解析結果 第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021、3月11~13日、福岡国際会議場とウェブのハイブリッド開催)で日本医科大学大学院脳神経内科学の西山康裕氏らは、脳卒中を併発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的特徴について、国内症例36例に基づいた解析結果を報告した。患者は高… 2021/03/22 感染症
第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021) 一次脳卒中センター認定の次にすべきこと 国の基本計画と第二次5カ年計画が示すロードマップ 第46回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2021、3月11~13日、福岡国際会議場とウェブのハイブリッド開催)で同学会理事長の宮本享氏は、脳卒中診療体制充実に向けた学会としての今後の取り組みを解説した。一次脳卒中センター(PSC)の認定に続き2020年10月には、PSCの中で学会が定めた条件を満たし… 2021/03/19 循環器
脳外科Q&Aシリーズ《5》 70歳代女性の心房細動、WATCHMANの適応は? <神経内科医>WATCHMANの適応、またはアブレーションの適応に関して、先生方のご意見をうかがえないでしょうか。[患者基本情報]・70歳代女性・既往歴:非弁膜症性心房細動(NVAF)、2型糖尿病[相談内容]DOACの内服下で塞栓性脳梗塞を発症している点、またDOAC中止4日後に塞栓症を来し、大きな… 2021/02/26 循環器 医師限定コンテンツ
脳外科Q&Aシリーズ《4》 脳出血で入院後、中止したDOACはいつ再開? <総合診療医>抗凝固薬再開のタイミングについて エドキサバントシル酸塩(商品名リクシアナ)の内服再開時期について相談させてください。本日、発症した脳出血に対して、降圧療法で経過観察している70歳代男性。慢性心房細動があり、他院処方でリクシアナ30mgを内服していました。入院時に一旦… 2021/02/25 循環器 医師限定コンテンツ
脳外科Q&Aシリーズ《3》 側頭骨骨折患者が入院中に脳内出血…やはりフォローCTは必要なのか? <救急医>意識障害を伴わない頭部外傷に伴う側頭骨骨折(linear fracture)の妥当な経過観察について、先生方のご意見を伺えないでしょうか。今回の質問内容としては、初期診療時に意識障害を来さず、神経学的所見もない側頭骨骨折患者について、入院後の脳出血の合併症が起きることを早期に予測、… 2021/02/22 循環器 医師限定コンテンツ
脳外科Q&Aシリーズ《1》 尾状核出血による高次脳機能障害の転帰は? <整形外科医>尾状核出血について お世話になります。尾状核出血、外傷性くも膜下出血について、先生方のご意見を伺えないでしょうか。夜に階段で物音がして、階段下で倒れているところを家族が発見し、救急要請。来院時は恐らくJCSIII-100程度の意識障害あり(その前に飲酒していて酩酊状態だっ… 2021/02/18 循環器 医師限定コンテンツ
学会トピック◎欧州脳卒中学会/世界脳卒中機関会議(ESO-WSO 2020) ドリップシップとマザーシップで成績に差なし 2つの脳卒中救急搬送システムを比較したRACECAT試験の結果 急性期脳梗塞患者をまず最寄りの一次脳卒中センター(PSC)に収容して組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)投与を含めた初期治療を行い、適応があれば包括的脳卒中センター(CSC)に搬送し血栓回収療法を行うドリップシップ法と、多少遠くても最初から血栓回収療法まで行える施設に搬送する… 2020/11/12 循環器
学会トピック◎欧州脳卒中学会/世界脳卒中機関会議(ESO-WSO 2020) チカグレロル+アスピリンで脳卒中再発を予防 THALES試験の結果、米FDAは脳卒中への適応拡大を承認 欧州脳卒中学会と世界脳卒中機関の合同会議(ESO-WSO 2020、会期:11月7~9日、インターネット上で開催)で米国テキサス大学のS. Claiborne Johnston氏らは、脳梗塞急性期の再発予防に関して、抗血小板薬チカグレロルとアスピリンの併用投与はアスピリンの単独投与よりも優れることを示したTHALES… 2020/11/11 循環器
学会トピック◎欧州脳卒中学会/世界脳卒中機関会議(ESO-WSO 2020) 卵円孔閉鎖デバイスによる治療、5年成績も良好 米ゴア社のCardioformを用いたREDUCE試験の延長追跡結果 カテーテルデバイスによる卵円孔(PFO)の閉鎖で脳梗塞の再発予防が可能かを検証したREDUCE試験の、5年追跡成績が明らかになった。同試験の主要評価項目である24カ月後の成績と同様に、PFO治療群で有意な脳梗塞再発リスクの減少が認められた。11月7~9日にインターネット上で開催された欧州脳卒中… 2020/11/10 循環器
NEWS◎健康寿命3年延伸と循環器病死亡率減少目指す 循環器病対策推進基本計画が閣議決定 「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、循環器病対策基本法)に規定された「循環器病対策推進基本計画」(以下、基本計画)が10月27日、閣議決定された。当初は今年夏ごろまでに策定されることになっていたが、新型コロナウイルス感染… 2020/10/29 循環器
腎臓内科Q&Aシリーズ《2》 胸水貯留の高齢患者にフロセミドは使える? <脳神経外科医>右下肢動脈閉塞の虚血再還流障害に対して輸液療法をしているのですが、尿量乏しく、溢水傾向が出てきている場合、フロセミド(商品名ラシックス他)を使ってよいのかどうかお聞きしたいです。82歳46kgで、心原性脳塞栓症に対して血栓回収術を施行した方です。右下肢動脈閉塞もあり… 2020/10/07 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
学会トピック◎第45回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2020) 新規脳梗塞治療薬、tPA療法適応外の患者にも有効か 脳梗塞治療薬として開発が進められているSMTPの作用機序や薬効について、東京農工大学大学院農学研究院教授の蓮見惠司氏、東北大学大学院医工学研究科教授の新妻邦泰氏が第45回日本脳卒中学会学術集会(8月23日~9月24日)で発表した。tPA療法適応外となる患者に対しても安全に投与できる可能性を… 2020/09/07 循環器
NEWS◎スマート治療室「SCOT」の映像を外部の専門医とリアルタイム共有 5Gを活用した遠隔手術支援の実証実験を開始 東京女子医科大学とNTTドコモは2020年7月21日、商用の第5世代移動通信方式(5G)を用いた遠隔手術支援の実証実験を10月から開始すると発表した。スマート治療室「SCOT(Smart Cyber Operating Theater)」と専門医のいる外部の「戦略デスク」を商用5G回線を介して接続し、手術映像などの大容量デ… 2020/07/29 外科
JAMA Neurology誌から COVID-19入院患者の1.6%が脳梗塞を合併 米国で2016~18年シーズンのインフルエンザ入院患者とリスク比較 米国Weill Cornell MedicineのAlexander E. Merkler氏らは、COVID-19患者は他の呼吸器ウイルス感染症患者よりも脳梗塞リスクが高いという仮説を調べるため、ニューヨーク市の大学病院2施設を救急受診した患者や入院患者を対象に、2020年のCOVID-19患者と2016~2018年シーズンのインフルエンザ患者… 2020/07/22 感染症
本誌7月号特集より◎施設認定を機に脳卒中センターを設置した流山中央病院 救急隊は「安心して搬送できる」と評価 流山中央病院(千葉県流山市、156床)は2019年9月に日本脳卒中学会による「一次脳卒中センター」の認定を受け、今年4月には院内に脳卒中センターを開設した。一次脳卒中センターとは、脳卒中、特に脳梗塞が疑われる急患を収容し、診断と組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)静注療法を含め… 2020/07/17 循環器
インタビュー◎動き出した一次脳卒中センターをどう見るか 脳卒中センターを地域でどう組み合わせるかが鍵 東邦大学医療センター大橋病院の岩渕聡氏に聞く 2020年4月から、急性期脳卒中が疑われる患者を24時間365日受け入れる一次脳卒中センター(primary stroke center:PSC)が全国で稼働を開始した。単一の中核医療機関がPSCとして2次医療圏を支える地域もあれば、狭い範囲に多数のPSCを設置して連携して対応する地域もある。以前から13病院による連… 2020/07/14 循環器
脳循環代謝改善薬◇第3回調査 めまいへの処方でアデホスが耳鼻科医に人気 1位はアデノシン三リン酸二ナトリウム、第2位はイフェンプロジル、第3位はニセルゴリン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、脳循環代謝改善薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、36.3%の医師がアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(商品名:アデホス、トリノシン他)と回答した。 第2位のイフェンプロジル酒石酸塩(セロクラール他)は17.8%、第3位のニセルゴリ… 2020/07/11 耳鼻咽喉科
インタビュー◎日本脳卒中学会理事長 宮本享氏に聞く 脳梗塞急性期医療の「見える化」目指す 一次脳卒中センターの発足によって、我が国の脳卒中急性期医療は新たな時代を迎えた。その制度導入の狙いや今後の展望について、日本脳卒中学会理事長の宮本享氏に話を聞いた。 2020/07/10 循環器
医師4080人に聞いた「一次脳卒中センターを知っていますか?」 新制度「一次脳卒中センター」、認知度は1割強 24時間365日、脳卒中を急患を受け入れ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)治療を行うことができる施設と定義されている「一次脳卒中センター」。日本脳卒中学会は2019年から、この一次脳卒中センターの認定を開始した。日経メディカルが2020年6月11日~15日に行った医師会員を対象に行っ… 2020/07/06 循環器
NEWS◎どこに行けばtPA投与が可能かが分かるように 一次脳卒中センターの一覧を日本脳卒中学会発表 「脳卒中と循環器病克服5カ年計画」の提言を具体化 日本脳卒中学会は6月29日、同学会が認定した「一次脳卒中センター」の施設一覧をウェブサイト上で公開した(こちら)。2020年4月までに975施設(現時点では974施設)が一次脳卒中センターとして認定され、既に各施設ではそのことを対外的に公表しているが、全施設の一覧はこれまで発表されていな… 2020/06/30 循環器
NEWS◎COVID-19の影響を日本脳卒中学会が緊急調査 全国で2割の脳卒中センターが救急診療に影響 東京都、埼玉県は「影響あり」が5割超 日本脳卒中学会は6月5日、今春の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が脳卒中救急医療に与えた影響を緊急調査し、その結果を公表した。同学会が認定する全国の一次脳卒中センターを対象に行ったもので、通常の救急応需が可能と回答した施設は77.8%にとどまり、21.5%の施設は何らかの制… 2020/06/05 感染症
New England Journal of Medicine誌から tPAは脳梗塞の血栓回収療法に必須ではない 中国で行われたDIRECT-MT試験の結果 前方循環の脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法の際、あらかじめ組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)を投与しなくても、3カ月後の機能予後はtPAを投与してから同治療を行った群と同等(非劣性)だった。論文は5月6日にNew England Journal of Medicine誌ウェブサイトで公開され、5月13日に… 2020/06/05 循環器
意識レベル低く絶食中でも義歯を入れるべき? 脳神経外科病棟で働いている看護師です。脳卒中の発症を起点に、寝たきりになった患者さんを担当しています。もともとは義歯(総入れ歯)を装着していたとのことでしたが、絶食中であり嚥下機能も回復してきていません。そのため、義歯を装着していませんでした。先輩看護師から「なぜ義歯を装着し… 2020/05/25 循環器
NEJM誌から 若いCOVID-19患者が大血管閉塞による脳梗塞 過去1年間に比べ、50歳未満の脳梗塞患者の受診が2週間当たりで6.8倍に 米国Mount Sinai Health SystemのThomas J. Oxley氏らは、大血管閉塞による脳梗塞でMount Sinai Health Systemを受診した50歳未満の5症例の概要を、NEJM誌電子版に2020年4月28日に報告した。5人は全員がSARS-CoV-2に感染していた。 2020/05/13 感染症
NEWS◎COVID-19流行期に特化した診療指針作り進む 日本脳卒中学会、新型コロナ対応治療指針を発表 脳卒中救急医療の崩壊防ぐため、確実な感染防御を強調 日本脳卒中学会は4月24日、「COVID-19対応 脳卒中プロトコル(日本脳卒中学会版Protected Code Strke:JSS-PCS)」を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が全国に拡大する中、医療従事者の院内感染による脳卒中診療の崩壊を防ぐため、同学会「COVID-19対策プロジェクトチーム」… 2020/04/27 循環器
NEWS◎日本脳卒中学会もマニュアル作りに着手 新型コロナ流行下の脳卒中急性期医療に指針 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、他疾患で入院した患者の感染が後に判明するケースが増加しており、初期診療に当たった医療チームの感染リスクが無視できない問題になっている。そこでカナダ・トロント大学などのグループは、COVID-19パンデミック下での脳卒中超急… 2020/04/22 循環器
特別寄稿◎米UCLA脳卒中センターでの新型コロナウイルス対応 脳血管内治療チームを2つに分け医療崩壊防ぐ 病院全体で予定手術は平時の2割に抑制、外来の半数は遠隔診療 あっという間に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者数が世界最多になってしまった米国。その現状は、数週間先の日本とも言われる。パンデミックの影響が直接及ぶ脳卒中急性期医療における医療崩壊を防ぐため、現場はどう動いたのか。ロサンゼルスにあるロナルドレーガンUCLAメディカルセンタ… 2020/04/20 循環器
インタビュー◎UCLA脳卒中センターの立嶋智氏に聞く 惨状を呈する米国の脳卒中センター乱立 我が国より20年先んじて脳卒中センターの整備が始まった米国では今、脳卒中センターの乱立によって急性期脳梗塞の医療レベルの低下すら懸念されているという。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)メディカルセンター脳神経外科教授の立嶋智氏は、現状を「惨状」と表現する。… 2020/04/16 循環器
リポート◎一次脳卒中センター認定完了 脳卒中センター元年、空白の医療圏をなくせ 全国334の二次医療圏ほぼ全てに配置、長崎離島は独自にヘリ対応も 2020年4月、全国1000施設近い一次脳卒中センターが稼動し始めた。全国に334ある二次医療圏のほぼ全てに一次脳卒中センターが設置され、同センターから車で1時間以内の範囲に日本の総人口の98.9%が住んでいるという。脳梗塞急性期の積極治療が受けられない空白地域をなくすために、様々な対策が講… 2020/04/14 循環器
NEWS◎日本脳卒中学会と日本循環器学会が共同声明 「脳卒中・循環器救急体制の崩壊を強く懸念」 日本脳卒中学会と日本循環器学会は4月9日、「COVID-19に関する日本脳卒中学会・日本循環器学会 共同声明」を発表した。急性発症する脳卒中や循環器疾患では早期の積極治療が予後を左右するため、救急医療体制の維持が求められる。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、「脳… 2020/04/10 循環器
NEWS◎脳梗塞急性期の積極治療普及に追い風 tPAドリップシップ治療の安全性を多数例で確認 脳梗塞急性期の治療として組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)投与後、血栓回収療法などのより専門的な治療が行える施設へ搬送するドリップシップ(drip and ship)法は、欧米では積極的に展開されている。厚生労働省研究班がドリップシップ法について国内多数例を対象に検討した結果、同治… 2020/04/01 循環器
シリーズ◎2020診療報酬改定 【外科系】ロボット手術は適応拡大、椎間板内酵素注入療法、斜視注射などの評価新設 ドリップ・シップ・リトリーブ、円形脱毛症の光線療法、人工内耳に関しても見直し 3月に2020年度診療報酬改定に関する省令、告示類が発出され、改定項目の詳細が明らかになった。新しい技術に対応した新設点数を中心に、各診療科ごとに現場の医師が押さえておきたい臨床分野の改定項目を紹介する。後編は外科系やその他の診療科に関する主な見直しをまとめた。内科領域をカバーし… 2020/03/25 外科
第14回 左心耳閉鎖デバイス 「WATCHMAN」が威力を発揮する患者像とは 研修医 心原性塞栓症のほとんどが左心耳由来と言われていますが、そもそもどうしてあのように血栓ができやすい構造物が人体にあるのか、以前から不思議に思っていました。指導医 確かに、左房内血栓の90%は左心耳由来と言われているし1)、あの櫛状筋と袋状構造は、もう血栓を作ってくださいと言… 2020/03/17 循環器
学会トピック◎国際脳卒中会議(ISC2020) 脳梗塞の血栓回収療法にtPA投与は必須か? 我が国で行われた前向き多施設共同ランダム化比較試験SKIP Studyから、急性脳主幹動脈閉塞に対して血栓回収療法を行う際、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の投与は必須ではない可能性が示された。米国ロサンゼルスで開催された国際脳卒中会議(ISC2020、会期:2月19~21日)で、SKIP研… 2020/03/05 循環器
JAMA Neurology誌から 脳梗塞の血管内治療で血圧をどう管理するか? 平均動脈圧が低い状態あるいは高い状態が続くとアウトカムが悪化する 大血管の閉塞による急性脳梗塞患者に対する血管内治療(EVT)はアウトカムを向上させるが、EVT実施中の最適な血圧管理目標は明らかではなかった。デンマークAarhus大学病院のMads Rasmussen氏らは、3件のランダム化比較試験(RCT)に参加していた患者のデータを集めて分析し、EVT中の平均動脈圧(… 2020/02/17 循環器
リポート◎24時間365日対応可能な「一次脳卒中センター」始動 脳梗塞急性期医療のネットワーク化始まる 施行された脳卒中・循環器病対策基本法の理念に基づき学会が制度化 2020年春、脳梗塞急性期の医療システムが変わる。全国約1000の医療機関が、24時間365日いつでも脳卒中患者を受け入れ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の投与が可能な体制を整えた「一次脳卒中センター」として稼動し始める。昨年12月の脳卒中・循環器病対策基本法施行を追い風に、脳… 2020/01/07 循環器
JAMA Neurology誌から 脳梗塞の血栓回収治療で完全再開通を目指す ウロキナーゼの動脈内投与を併用すると灌流状態が改善する スイスBern大学のJohannes Kaesmacher氏らは、大血管の閉塞による急性脳梗塞を発症し、機械的血栓除去術(MT)を受けたが完全再開通を達成できなかった患者に対して、ウロキナーゼを動脈内投与すると、脳出血を増やさずに灌流状態を改善できたと報告した。結果はJAMA Neurology誌電子版に2019年12… 2019/12/24 循環器
rt-PA療法の薬剤師配置基準は見直しへ クロザピン投与時のHbA1c測定の報酬も 中央社会保険医療協議会(中医協)総会が2019年12月4日に開催され、2020年度診療報酬改定に向けた個別項目が議論された。このうち病院薬剤師に関する話題として、「超急性期脳卒中加算」の人員配置基準である薬剤師の常時配置の見直しが論点に上がり、基準を緩和する方向でおおむね了承された。… 2019/12/11 薬剤師
Circulation誌から 自由行動下血圧の厳格降圧で高齢者の運動機能低下は抑制されず 脳皮質下白質病変の蓄積は抑制、米国のRCT 高齢者に自由行動下血圧の厳格降圧を3年間実施したところ、標準降圧と比べて脳皮質下白質病変の蓄積は抑えられたものの、運動機能の低下は抑えられなかった。 2019/11/05 循環器
Lancet誌から トラネキサム酸が外傷性脳損傷の死亡率を減少 受傷から3時間以内のトラネキサム酸投与をプラセボと比較したRCT 29カ国の175病院が参加したCRASH-3 collaboratorsの研究者たちは、外傷性脳損傷(TBI)患者に対する3時間以内のトラネキサム酸投与の有効性と安全性をプラセボと比較するランダム化比較試験を行い、トラネキサム酸は出血による脳ヘルニアなどの頭部外傷関連死亡率を減少させていたと報告した。結… 2019/11/05 循環器
JAMA Neurology誌から 小児の脳梗塞にも血栓回収療法は推奨できる? 欧米の27施設で血栓回収療法を受けた小児73人の成績を評価 主要な脳血管が閉塞した成人患者の場合、血栓溶解治療と共にデバイスによる血栓回収療法が推奨されているが、この治療が小児患者にも推奨できるかどうかは明らかではなかった。ドイツMuenster大学病院のPeter B. Sporns氏らは、欧米の27施設で血栓回収療法を受けた小児患者73人のアウトカムを検討… 2019/11/01 小児科
学会トピック◎第78回日本脳神経外科学会学術総会 常時待機の脳卒中救急で医師の疲弊をどう防ぐ 血栓回収療法の普及に対応できるシステムの構築が必要に 急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の有効性が証明され、我が国でも血管内治療の全国的な普及を目的とした脳卒中センターの指定が始まろうとしている。しかし、24時間365日の対応が求められる上、血栓回収療法を行う日本脳神経血管内治療学会(JSNET)専門医はまだ少ない。第78回日本脳神経外科学… 2019/10/30 循環器
BMJ誌から NAFLD患者の心血管リスクは一般の人と同程度 既知の危険因子をすべて補正すると有意なリスク増加がなくなる 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者の心血管リスクが高い可能性が懸念されている。英国GlaxoSmithKline社のMyriam Alexander氏らは、欧州4カ国のプライマリケア・データベースを用いて、NAFLDまたは非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の成人患者の、急性心筋梗塞(AMI)や脳卒中のリスクを、これ… 2019/10/29 消化器
JAMA誌から 小脳出血への血腫除去術は成績を改善するか? 保存的治療と血腫除去術の適応を考えるためのIPDメタアナリシス 小脳出血(ICH)患者には外科的な血腫除去が行われることが多いが、これを支持する確かなエビデンスはなかった。ドイツErlangen-Nuremberg大学のJoji B. Kuramatsu氏らは、ICH患者に対する外科的な血腫除去術と保存的治療のアウトカムを比較するために、系統的レビューとメタアナリシスを行ったと… 2019/10/24 循環器
JAMA Neurology誌から MRI拡散強調画像で脳梗塞再発リスクを予測 TIA患者の虚血病変を見つけstroke mimicsを除外する 一過性または軽度の神経症状を訴えて、救急受診した患者については、脳の虚血があるかどうかを評価し、リスクを層別化する必要がある。カナダCalgary大学のShelagh B. Coutts氏らは、発症から8日以内に頭部MRI検査で拡散強調画像を撮影すると、脳梗塞の再発リスクが高い患者と、stroke mimicsなど… 2019/10/15 循環器
誰がWATCHMANを“watch”するのか 古代ローマ時代の詩人ユウェナリスは、自身の風刺詩の中で「誰が見張りを見張るのか(Who watches the watchmen?)」との警句を残した(原文はラテン語で“Quis custodiet ipsos custodes?”)。時は巡り21世紀、心臓の左心耳の前に立ち塞がり脳梗塞を防ぐ「WATCHMAN」もまた、十分に“watch”さ… 2019/10/14 循環器
1分解説◎細胞の低酸素応答の仕組み、貧血や虚血障害治療に応用も ノーベル生理学医学賞受賞の「HIF」って何? ノーベル財団は2019年10月7日、2019年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に、細胞が酸素レベルを感知し、応答する機構を解明した米国と英国の研究者3人を選んだと発表した。 2019/10/08 腎・泌尿器
JAMA Neurology誌から 脳静脈血栓症患者のVTE再発予防の臨床試験 ワルファリンとダビガトランはどちらもリスクを下げる ポルトガルUniversidade de LisboaのJose M. Ferro氏らは、急性脳静脈血栓症(CVT)を起こした患者に対して、静脈血栓塞栓症(VTE)の再発リスクを下げるために、ダビガトランとワルファリンを比較するオープンラベルのランダム化比較試験を行い、どちらの薬を使っても再発リスクは低くなり、出血… 2019/10/02 循環器
JAMA Neurology誌から モバイル脳卒中ユニットと臨床スコアのトリアージ対決 血栓回収が必要な脳梗塞と脳出血を判定する能力を比較したドイツの研究 ドイツSaarland大学病院のStefan A. Helwig氏らは、高度な治療が可能な包括的脳卒中センター(CSC)に搬送すべき患者と、最寄りの1次脳卒中センター(PSC)で治療が可能な患者を病院到着前に識別する精度を検討するランダム化比較試験を行い、モバイル脳卒中ユニット(MSU)は100%の精度で適切な… 2019/09/24 循環器
トレンド◎脳卒中治療ガイドライン追補2019がまもなく公開 tPAや血栓回収が使える脳梗塞が大幅に広がる! 治療選択の鍵はMRI画像の「ミスマッチ」 2年前に追補版が刊行された脳卒中治療ガイドラインが再度改訂され、9月末にも「脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019]」として公開される予定だ。最大のポイントは、これまで適応外だった発症時刻不明の急性期脳梗塞に対するtPA(組織プラスミノーゲン・アクティベーター)投与や、最終健常確認… 2019/09/19 循環器
脳卒中って、そんなに分かりにくいですか? ある日の午前中。外来の合間に、看護師さんから呼ばれました。「先生、今、Aデイサービスから電話があって、脳梗塞疑いのおじいちゃんがいるらしいんです。診察に行っていただけませんか?」 ちょうど外来患者さんも途切れており、急いでデイに向かいました。デイに着くとすぐに職員さんが来て、案… 2019/09/06 循環器 医師・医学生限定コンテンツ
「意識消失=TIA」の決めつけ、やめませんか? 今年の夏は、暑いと言えば確かに暑いですが、昨年と比較すると過ごしやすい気がします。もはや感覚が麻痺しているからでしょうか……。 それでも、まだまだ熱中症にはなり得ますし、油断はできません。熱中症における主症状の病態は血液量減少(hypovolemia)です。しかし、未だに一過性意識消失… 2019/09/05 救急医療・集中治療
シリーズ◎あなたの知らない“血液”の世界 “抗凝固薬キャンセラー”は出血性合併症の治療をどう変えた? 経口抗凝固薬治療中の出血性合併症治療に活躍する中和薬 血液疾患治療は新薬が続々と登場したことで新たなステージに突入した。さらに遺伝子操作などの最先端技術は、血液細胞を“改造”することで、新しい治療法を生み出し始めている。本特集では、血液に関連した最新技術を紹介する。… 2019/08/07 循環器
J Am Coll Cardiol誌から 肝疾患合併AFへのDOACはワルファリンよりリスクが低い 韓国の国保データベースを用いた傾向スコア解析の結果 肝疾患を合併する心房細動(AF)患者で、ワルファリンと比較した直接経口抗凝固薬(DOAC)の有効性と安全性が、韓国の大規模なデータベースを用いてレトロスペクティブに検討された。 2019/07/22 循環器
BMJ誌から 英国の脳卒中発症率、死亡率、致死率の変化 死亡率は減少したが懸念される若い成人の脳卒中発症率上昇 イングランドの20歳以上の住民のほぼ全てを対象として、2001年から2010年までの脳卒中死亡率、発症率、発症から30日以内の致死率の変化を、男女別、年代別に分析した英国Oxford大学のOlena O Seminog氏らは、全体に死亡率は低下しているが、高齢者ほど生活改善などによる発症率の低下が寄与してお… 2019/06/17 循環器
第9回 複雑症例を考える 高齢者の抗凝固療法、「出血に注意」では不十分 指導医 これまで、ガイドラインや各種コホート研究の結果をそのまま当てはめられる「単純症例」、心不全を含めた多くのリスク因子が併存して複合的に考えなくてはいけない「複合症例」について見てきました。いよいよ今回から、臨床家が最も気になり、かつ難しい、高齢で生物医学的以外の多様な問… 2019/06/12 循環器
JAMA Neurology誌から アスピリンの1次予防は頭蓋内出血を増やす 日本の研究を含むメタアナリシス 心血管イベントの一次予防を目的とする低用量アスピリンの使用の利益は不明だ。台湾の長庚大学医学院のWen-Yi Huang氏らは、ランダム化試験(RCT)を対象とする系統的レビューとメタ分析を行い、頭蓋内出血のリスクは、対照群に比べアスピリン群のほうが有意に高く、特に硬膜下または硬膜外出血の… 2019/06/04 循環器
脳梗塞に効く漢方(2) 脳梗塞に用いられる漢方処方 脳梗塞に対し、漢方薬は、その後遺症の緩和や、再発防止、さらに予防にも役立てられています。前回の症例1に引き続き、脳梗塞に用いられる漢方処方について解説します。 2019/05/28 コメディカル
学会トピック◎第60回日本神経学会学術大会 画像ミスマッチのある発症時刻不明の脳梗塞へのtPAは安全に実施できる ただし試験の早期終了で有効性は示されず──日本で実施のTHAWS試験 昨年、欧州で行われたWAKE-UP試験の結果が発表され、頭部MRIの拡散強調画像(DWI)とFLAIR画像で虚血性変化の所見が一致しない場合(DWI/FLAIRミスマッチ)、発症4.5時間以内である可能性が高いとして、正確な発症時刻が不明な脳梗塞であってもDWI/FLAIRミスマッチを認めれば組織プラスミノーゲン… 2019/05/28 循環器
学会トピック◎第44回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2019) 18年の脳梗塞血管内治療は前年比17%の増加 施行件数は約1万2000件、人口10万人当たり9.6に 2018年に我が国で行われた急性期脳梗塞に対する血管内治療は1万2165件で、2017年に比べ17.4%増加した。2019年3月19日までに集計された速報値として、兵庫医科大学脳神経外科の吉村紳一氏らが第44回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2019、3月21~23日、開催地:横浜)で報告した。… 2019/04/24 循環器
Hot Topics◎循環器領域のロボシステムが稼動開始 ロボット補助PCI、久留米大で国内初症例施行 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を補助するロボットシステムである「コーパス」(CorPath)を使った国内最初のPCIが、4月12日に久留米大学病院循環器病センターで行われた(写真1)。対象患者(2例)はいずれも70歳代の冠動脈疾患で、1例目は右冠動脈中位部の90%狭窄に薬剤溶出ステント(… 2019/04/16 循環器
学会トピック◎第83回日本循環器学会学術集会(JCS2019) NOAC減量投与の有用性は標準用量と同等か? 多施設前向き研究でアピキサバン減量投与の脳卒中予防効果を検証 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC、直接経口抗凝固薬=DOACとも)の1つであるアピキサバンを減量投与した場合の脳卒中・全身性塞栓症の予防効果は、標準用量で投与した場合と同等に認められる――。非弁膜性心房細動患者約3000人を対象とした多施設前向きコホート研究の解析結果を、済生会熊本… 2019/04/09 循環器
リポート◎脳卒中後患者の自力歩行を支援 循環器科医が開発した「VRリハビリ」の実力 ゲームにより姿勢バランスと認知処理能力の改善図る 仮想現実(VR)技術を利用したゲームをこなすことで、姿勢バランスと認知処理能力の改善を図り、自力での歩行につなげる――。循環器科医が開発したそんなリハビリ機器が、このほど発売された。導入施設では、歩行の支援以外にも様々な目的で使用しており、成果も上がっているようだ。… 2019/04/04 医療機器
学会トピック◎第44回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2019) tPA療法適正治療指針が改訂され第3版に 発症時刻不明例も画像診断の基準に合致すれば投与が可能 第44回日本脳卒中学会学術集会の開催に合わせ、「静注血栓溶解(rt-PA)療法適正治療指針 第3版」が発表された。発症から4.5時間以内という治療開始可能時間は変わらないが、頭部MRIの拡散強調画像(DWI)とFLAIR画像で虚血性変化の所見が一致しない場合(DWI/FLAIRミスマッチ)、発症4.5時間以内… 2019/03/29 循環器
学会トピック◎第44回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2019) NOACとワルファリンで脳出血後転帰に差はない 抗凝固療法中の脳梗塞患者の多施設前向き登録研究から ワルファリン服用群と非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC、直接経口抗凝固薬=DOACとも)服用群とで、脳出血後の重症度や転帰に有意差はない――。経口抗凝固薬内服中に発症した脳卒中患者を対象とした前向き登録研究の解析結果を、日本医科大学脳神経内科の須田智氏らが、第44回日本脳卒中学会学… 2019/03/29 循環器