Lancet誌から 手足口病に対する新規ワクチンの第3相試験結果 ベトナムHo Chi Minh Pasteur研究所のTrong Toan Nguyen氏らは、台湾のMedigen Vaccine Biologic社が開発したエンテロウイルス71(EV71)に対するワクチンEV71vacを、台湾とベトナムの生後2~71カ月の小児に接種する第3相臨床試験を行い、EV71関連疾患を予防する効果は高く、安全で忍容性も高いと… 2022/05/25 感染症
5月9~15日の話題になった論文 12~15歳への3回目接種はオミクロン株対策にも役立つ 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 5月9~15日に最もツイート数が多かったのは、JAMA誌の論文「Association of Prior BNT162b2 COVID-19 Vaccination With Symptomatic SAR… 2022/05/24 感染症
BMJ誌から COVID-19後遺症を包括的に評価する尺度を作成 英国Birmingham大学のSarah E Hughes氏らは、COVID-19の後遺症が患者に及ぼす影響について幅広く評価する質問票形式の包括的スケールSBQ-LC(symptom burden questionnaire for long covidバージョン1.0)を作製し、2022年4月27日のBMJ誌電子版に報告した。… 2022/05/23 感染症
BMJ Open誌から COVID-19が日本の病院診療に及ぼした影響 患者数が最も減少したのは2020年5月、診療部門により影響に差あり 東京大学の山口聡子氏らは、COVID-19パンデミックが日本の医療に与えた影響を検討するために、日本国内26病院の入院および外来受診のデータを利用して、2020年の状況をパンデミック前と比較するコホート研究を行い、入院患者も外来受診も2020年5月の第1波の時期に最も大きな抑制が見られ、影響の… 2022/05/20 感染症
JAMA Network Open誌から 新型コロナワクチンで回避できた感染・入院・死亡をカリフォルニア州で推定 同州におけるワクチンによる感染者数の相対減少率は72%と推定 米国California大学San Francisco校のSophia T. Tan氏らは、新型コロナワクチン接種により回避されたSARS-CoV-2感染、COVID-19による入院および死亡の件数を推定するためにモデルを用いた分析を行い、カリフォルニア州の感染者数の相対減少率を約72%と推定した。結果は2022年4月22日のJAMA Netwo… 2022/05/19 感染症
NEJM誌から 抗体薬AZD7442のCOVID-19発症予防効果は約8割 2種類の抗体チキサゲビマブとシルガビマブを併用する第3相臨床試験 米国Colorado大学医学部のMyron J. Levin氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する完全ヒトモノクローナル抗体のチキサゲビマブとシルガビマブを併せて用いるAZD7442の、COVID-19発症予防効果を調べる第3相臨床試験PROVENTを行い、予定された評価時点でのCOVID-19発症率は0.2%、プラセ… 2022/05/17 感染症
5月2~8日の話題になった論文 イベルメクチンの論文が再度注目を集める 危険な糖尿病網膜症の識別にシスタチンCが役立つ 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/05/17 感染症
糖尿病・内分泌Q&Aシリーズ《22》 COVID-19のステロイド治療で乱れる血糖にどう対応する? <救急医>ステロイド内服と高血糖について現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)肺炎の治療を多く行っていますが、薬物療法としてデカドロン(一般名デキサメタゾン)6mg内服(あるいはデキサート静注)をよく選択しています。もちろん症例にもよるのですが、血糖コントロールにしばしば難渋… 2022/05/16 感染症 医師限定コンテンツ
JAMA Network Open誌から COVID-19治療薬では薬物間相互作用に注意を 最も注意すべきはロピナビル・リトナビル イタリアSalerno大学のValeria Conti氏らは、COVID-19の治療に用いられた様々な薬の薬剤間相互作用(DDIs)がもたらす有害な影響を調べる系統的レビューを行い、現時点で利用が可能なDDIsチェッカーを用いれば、全てではないもの、実際に生じたDDIsによる有害事象や薬物有害反応(ADRs)を予測で… 2022/05/16 感染症
Scientific Reports誌から SARS-CoV-2感染で嗅覚に関わる神経細胞が長期間変化 経鼻感染させたハムスターの解析で確認 東京大学の岸本めぐみ氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を経鼻感染させた動物モデルを用いて、海馬に至る嗅覚の伝達経路にどのような変化が生じているのかを検討し、シナプスの変化やグリア細胞の活性化などが観察され、それらは長期にわたって持続していたと報告した。結果は2022年4月6… 2022/05/13 感染症
NEWS◎基本的に250点、高リスク者の診療で397点 COVID-19電話等診療の加算は全国一律の対応に 厚生労働省は2022年4月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対して電話・オンライン診療を行った場合の診療報酬上の臨時的な取り扱いについて、事務連絡を発出した。4月末までは臨時的に算定できる加算が都道府県によって250点もしくは500点と異なっていたが、これを全国一律の対応… 2022/05/06 感染症
TOPIC◎厚労省アドバイザリーボードでコロナ自宅死亡調査を報告 新型コロナ自宅死亡、555例の背景に見えること 診断時の症状の程度、軽症・無症状が43.4%と多く 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の自宅死亡事例に関する全国調査の結果が公表された。2022年4月27日に開催された第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで、厚生労働省が報告した。全国から集積された555例の患者背景から見えてくる課題は何なのか──。… 2022/05/06 感染症
JAMA Network Open誌から ロナプリーブは皮下投与でも有効 点滴静注で承認されている抗体医薬を緊急事態で皮下投与した成績を検討 米国Pittsburgh大学医学部のErin K. McCreary氏らは、本来は点滴静注で緊急使用許可を得ている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するモノクローナル抗体のカシリビマブとイムデビマブを、スタッフ不足で患者数増加に対応できないことから、やむなく皮下投与を行った患者に対する治療成績を検… 2022/05/06 感染症
Lancet誌から 無針で皮内投与の新型コロナワクチンによる発症予防効果は7割弱 インドで開発されたワクチンの第3相臨床試験の中間解析の結果 インドGrant Government Medical CollegeのAkash Khobragade氏らは、Cadila Healthcare社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)用DNAワクチンのZyCoV-Dを用いた第3相臨床試験の中間解析を行い、針を用いない皮内投与システムによるワクチン3回投与から28日後以降のCOVID-19発症予防効果を66.6%だっ… 2022/04/27 感染症
European Respiratory Journalから 縦隔気腫を合併したCOVID-19の致死率は高い 重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)例においては、肺が脆弱になっていることから、他疾患同様、呼吸器設定によっては圧損傷(Barotrauma)によって縦隔気腫を起こすリスクが高いとされています1)。 今回紹介するのはEuropean Respiratory Journalに掲載された、「COVID-19における縦隔気腫… 2022/04/26 呼吸器
4月11~17日の話題になった論文 スマートフォンは睡眠時無呼吸の検査に役立つか? 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/04/26 感染症
JAMA誌から SARS-CoV-2下水サーベイランスは感染状況の監視に有用 イタリア・ミラノ市の観測でワクチン接種者の無症候感染状況を反映か イタリアIRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのGiovanni Nattino氏らは、2020年3月から2021年11月までのミラノ市の下水サーベイランスのデータと、その間に報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数および入院患者数との関係を検討し、ワクチン接種完了… 2022/04/25 感染症
NEJM誌から BNT162b2ワクチンでオミクロンによる小児入院リスクが3分の2減 米国CDCが2022年2月中旬までの小児に対する予防効果をまとめ 米国疾病対策センター(CDC)のAshley M. Price氏らは、2021年7月1日~2022年2月17日に報告された18歳未満の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例データを用いて、小児や青少年に対するBNT162b2ワクチンのオミクロン株に対する有効性を調べるためにtest-negative designの症例対照研究を行い… 2022/04/22 感染症
JAMA Network Open誌から COVID-19パンデミックで日本の自殺率が増加 2020年7月以降の報告数は予測値を上回る 横浜市立大学附属病院の堀田信之氏らは、COVID-19パンデミックが日本の自殺者数に与えた影響を検討するために、2009年1月から2021年9月までのわが国の人口動態統計と死亡統計を調べ、2020年7月以降のパンデミック期間に従来のトレンドから予測される値を上回る自殺者が観察されたと報告した。予測… 2022/04/21 公衆衛生・予防医学
4月4~10日の話題になった論文 ED治療薬を日常的に使用している場合は視覚障害に注意 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 4月4~10日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の論文「Protection by a Fourth Dose of BNT162b2 against Omicron in Israel」(イ… 2022/04/19 感染症
中等症COVID-19の死亡率を55%減らしたsabizabulin…続報を待ちたい! 今は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波が来るかどうかといったことが懸念されていますが、現在、私が勤務しているコロナ病棟に入院しているのは、ほとんどが軽症の高齢者です。オミクロン株BA.2が主体になるであろう第7波は、BA.1の第6波ほど医療が逼迫しないのではないか、という淡… 2022/04/18 感染症
JAMA Network Open誌から アスピリンがCOVID-19中等症患者の死亡と肺塞栓を減らす可能性 入院初日にアスピリンを投与された1万5272人と対照群を比較した米国の研究 米国George Washington大学のJonathan H. Chow氏らは、米国で入院した中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のうち、初日にアスピリンを投与された患者とそうでない患者のアウトカムを比較するコホート研究を行い、アスピリン群は28日後までの院内死亡と肺塞栓のリスクが低かったと報… 2022/04/15 感染症
3月28日~4月3日の話題になった論文 感染初期のイベルメクチン投与はCOVID-19入院を減らさない 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 3月28日~4月3日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の論文「Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covi… 2022/04/12 感染症
NEJM誌から 新型コロナワクチン4回目接種の利益は少ない可能性 イスラエルの医療従事者を対象にした小規模研究 イスラエルSheba Medical Center Tel HashomerのGili Regev-Yochay氏らは、Pfizer/BioNTech社の新型コロナワクチンの3回目接種から4カ月以上経過していた18歳以上の医療従事者に対して、同社またはModerna社のワクチンの4回目接種を実施する臨床試験を行い、安全で免疫反応を増強する効果は見られ… 2022/04/11 感染症
随時更新中:COVID-19関連論文まとめ 日経メディカルOnlineで紹介した論文をまとめて読めるように一覧にしました。今後も新たな論文が追加されたら随時更新していきます。 2022/04/08 感染症
BMJ誌から SARS-CoV-2感染後に免疫介在性神経障害が増加 ワクチン接種後では増加は見られず 英国Oxford大学のXintong Li氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種後とSARS-CoV-2感染者の免疫介在性神経障害のリスクを調べる大規模コホート研究を行い、SARS-CoV-2感染後の人ではベル麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群のリスクが増加していたがワクチン接種によるリス… 2022/04/08 感染症
nature誌から SARS-CoV-2感染は脳の構造に悪影響を及ぼす 38カ月間隔でMRI検査を2回受けた人の画像変化を感染の有無で比較 英国Oxford大学のGwenaelle Douaud氏らは、UK Biobank研究に登録されており、約38カ月間隔で頭部のMRI検査を2回受けていた人の画像データを分析し、初回検査後にSARS-CoV-2に感染していた人と非感染者の画像を比較して、脳の構造に違いが観察されたと報告した。結果は2022年3月7日のnature誌電子… 2022/04/06 感染症
NEJM誌から ソトロビマブ投与後の耐性変異が明らかに ソトロビマブの投与を受けた豪州のデルタ株感染患者を追跡 豪州Sydney大学のRebecca Rockett氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に緊急使用許可を得ているモノクローナル抗体ソトロビマブを投与された患者の一部に、ソトロビマブ耐性変異を獲得したウイルスが生じ、投与から最長24日後まで気道標本から増殖可能な耐性ウイルスが分離されたと報告… 2022/04/04 感染症
NEJM誌から オミクロン株BA.2亜系統に有効な治療薬は? 抗体医薬と抗ウイルス薬の有効性を調べたin vitroの研究 国立感染症研究所の高下恵美氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株の亜系統で、今後感染の主流になる可能性があるBA.2に対する治療薬の有効性をin vitroで調べ、抗体医薬ではカシリビマブ・イムデビマブ、チキサゲビマブ・シルガビマブ、ソトロビマブはある程度の効果が期待でき… 2022/04/01 感染症
BA.2への置き換わりで抗体療法はどうなる? 2022年4月に入ると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の半数以上がオミクロン株の亜種BA.2に置き換わり、このままBA.2が優勢株となることは、既に厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の資料に示されている通りです(図1)。多くの都道府県で行政によるスクリーニング… 2022/03/30 感染症
3月14~20日の話題になった論文 腸内細菌叢の異常は椎間板変性や腰痛の原因になり得るか? 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/29 感染症
JAMA Network Open誌から COVID-19専門病院はコロナ治療に積極的でアウトカムも良好 11病院中2施設をCOVID-19専門病院に転換した米国HMOのコホート研究 米国Minnesota大学のZachary R. Bergman氏らは、COVID-19患者のケアに特化した専門病院に転換した施設と、他の患者も受け入れている一般病院で、COVID-19患者の死亡率や合併症に違いがあるかを検討する後ろ向きコホート研究を行い、COVID-19専門病院の方が2020年当時の臨床研究結果を反映した治療… 2022/03/28 感染症
3月7~13日の話題になった論文 COVID-19による推定超過死亡数は報告数の約3倍の可能性 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/22 感染症
JAMA Network Open誌から 癌治療はCOVID-19死亡率に悪影響を及ぼさない 感染前の4週間に癌治療を受けた患者と受けなかった癌患者の総死亡率比較 英国Birmingham大学のCsilla Varnai氏らは、2020年3月~8月にCOVID-19で入院した英国の癌患者を対象に、癌の種類や受けている化学療法や免疫治療がCOVID-19死亡率に影響を与えているかを調べるコホート研究を行い、血液癌や肺癌患者の死亡率は高いが、全身性の癌治療を受けていることは死亡リスク… 2022/03/22 感染症
NEWS◎21日に解除される18都道府県が対象 COVID-19電話診療の500点加算、まん防解除後も4月まで継続 厚生労働省は3月16日、事務連絡を発出し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下で講じてきた臨時的な取り扱いに関する今後の方針を示した。新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の実施区域にある医療機関の医師が、自宅・宿泊療養を行っているCOVID-19患者に対して電話や情報通… 2022/03/18 感染症
eClinicalMedicine誌から SARS-CoV-2感染を短時間で判定できる高精度なPOC検査技術 呼気の赤外光分析結果をAIに学習させアルゴリズムを開発 イスラエルZefat Academic CollegeのIzhar Ben Shlomo氏らは、フーリエ変換赤外光(FTIR)分析技術とAI技術を組み合わせて、呼気中の有機化合物を検出することにより、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を検査する技術を開発し、PCR検査結果と照合した概念実証研究で、感度・特異度共に100%… 2022/03/18 感染症
NEJM誌から ワクチンはCOVID-19回復者の再感染を減らす ワクチン接種の有無による再感染率を比較したイスラエルのコホート研究 イスラエルClalit Health ServicesのAriel Hammerman氏らは、デルタ株が主流だった時期の同国で、自然感染回復者を対象に新型コロナワクチン接種による再感染予防効果を検討するコホート研究を行い、ワクチン未接種の感染経験者に比べて再感染率を低下させていたと報告した。結果は2022年2月16日… 2022/03/17 感染症
BMJ誌から COVID-19罹患者では精神疾患発症率が増加 診断から1年後の各種疾患発症率を対照群と比較した大規模コホート研究 米国VA Saint Louis Health Care SystemのYan Xie氏らは、退役軍人局(VA)のnational healthcare databaseを利用して、急性期を乗り越えた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が1年後までに各種の精神疾患を発症するリスクを対照群と比較する大規模コホート研究を行い、同時期にVAの医療機… 2022/03/16 感染症
第6波を越えつつあるコロナ病棟の現在 年明けから始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波、ようやくピークが過ぎてきました。ピークアウトという言葉はあまり医師の間では使ってはいけないらしい風潮があるようですが、取りあえず実際にピークアウトしています(笑)。曜日によって報告数が乱高下しますので、ジグザグし… 2022/03/16 呼吸器
2月28日~3月6日の話題になった論文 新型コロナワクチンとメモリーT細胞の反応を調べた論文が話題に 臨床検査領域では、便潜血検査偽陽性と貧困の関係性を示す論文も 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/15 感染症
JAMA誌から 自然感染よりワクチンの方が妊婦から新生児に移行するSARS-CoV-2抗体レベルが高い 妊娠20~32週の感染者とワクチン接種者親子を生後6カ月まで追跡 米国Massachusetts総合病院のLydia L. Shook氏らは、妊娠20~32週にSARS-CoV-2に自然感染した妊婦とワクチン接種を受けた妊婦から生まれた子供たちを対象に、出生時と生後2カ月、6カ月の時点で血液標本のスパイク蛋白に対する抗体価を調べ、生後6カ月時点の乳児の抗体保有率はワクチン接種を受け… 2022/03/14 感染症
MMWRから ワクチン接種状況とオミクロン株による入院率 ブースター接種者に比べると未接種者の感染率は3.6倍、入院率は23倍 米国Los Angeles郡公衆衛生局のPhoebe Danza氏らは、2021年11月7日から2022年1月8日まで、同郡の18歳以上の地域住民を対象に2週間単位の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の累積感染率と累積入院率を調べる横断研究を行い、ワクチン接種状況と照合したところ、感染の主流がデルタ株からオミクロン… 2022/03/11 感染症
NEJM誌から ニルマトレルビルはCOVID-19外来患者の重症化を予防する 日本でも承認されたパキロビッドパックの臨床試験 米国Pfizer社のJennifer Hammond氏らは、発症から5日以内の入院していないCOVID-19患者で、重症化の危険因子が少なくとも1つある人を対象にした第2/3相臨床試験を行い、ニルマトレルビルとリトナビルの併用群はプラセボ群に比べ、重症化するリスクが89%低かったと報告した。結果は2022年2月16日… 2022/03/10 感染症
BMJ誌から 65歳以上のCOVID-19後遺症を他の呼吸器感染症と比較 他の呼吸器感染と似ているが、呼吸不全、認知症、感染後疲労が多い 米国Optum Labs社のKen Cohen氏らは、65歳以上の高齢者に起こる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の特徴を明らかにするために、SARS-CoV-2に感染しなかった高齢者やパンデミック前に他のウイルス性呼吸器疾患にかかった高齢者を対照群として、米国のメディケア患者のデータを分析し、… 2022/03/08 感染症
2月14~20日の話題になった論文 ワクチン接種後の心筋炎重症化はサイトカインストームが原因か? 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/03/01 感染症
NEJM誌から mRNA-1273ブースター接種はオミクロン株に有効か? ベータ株やデルタ株のmRNAもワクチンに使用したModerna社の予備試験 米国Moderna社のRolando Pajon氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNA-1273ワクチンの臨床試験に参加し、2回接種を完了してから7カ月以上が経過していた人にブースター接種を行い、それから6カ月後までの血清標本で、オミクロン株に対する中和活性を調べたところ、3回目の接種… 2022/02/28 感染症
コロナ禍でも東京マラソンを実施する意義は何か 今週の日曜日(2022年3月6日)、東京マラソンが3年ぶりに「復活」する(注)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、この2年近くは様々なリアルイベントが中止や延期に追い込まれてきた。東京マラソンも例に漏れず、一般市民が参加するスポーツのイベントとしては国内最大級である… 2022/02/28 感染症
nature medicine誌から 妊婦のCOVID-19ワクチン接種率を高くする必要性 スコットランドの妊婦接種率は一般女性の半分で、妊娠関連アウトカムが悪化 英国Edinburgh大学Usher InstituteのSarah J. Stock氏らは、2021年10月までのスコットランドの妊婦の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染やCOVID-19ワクチンの接種状況と、妊娠関連アウトカムのデータを取りまとめ、パンデミック下で母子の健康を守るためには妊婦のワクチン接種率の低さを是正… 2022/02/25 感染症
ソトロビマブがオミクロンBA.2に効かない疑惑? ようやく新規陽性者数のピークを越えた感じがする新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第6波。ただ当院も含めて、コロナ病棟では入院患者数が多い状態が続いています。入院患者が増えてくると、時折、COVID-19治療薬がうまく“回らない”事態が生じます。 モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)と… 2022/02/25 感染症
2月7~13日の話題になった論文 COVID-19は軽症でも1年後までの心血管リスクが増加する 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2月7~13日に最もツイート数が多かったのは、Nature Medicine誌の論文「Long-term cardiovascular outcomes of COVID-19」(新型コロナ… 2022/02/22 感染症
JAMA誌から 肺移植を受けたCOVID-19患者30症例の報告 米国で肺移植を受けた患者の症例シリーズ研究で約1年後の生存率100% 米国Northwestern大学の栗原知多流氏らは、同大学医療センターで、COVID-19関連呼吸窮迫症候群(ARDS)により肺移植を受けた患者と、それ以外の疾患により肺移植を受けた患者の臨床特性や転帰を比較する症例シリーズ研究を行い、COVID-19関連肺移植患者の転帰は良好だったと報告した。結果は2022… 2022/02/22 感染症
NEJM誌から 抗体医薬と抗ウイルス薬はオミクロン株にも有効か? 国立感染症研究所などが行ったin vitro研究での効果推定 国立感染症研究所の高下恵美氏らは、オミクロン株を含む新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株に対する抗体医薬と抗ウイルス薬の効果を比較するin vitroの研究を行い、ソトロビマブ、レムデシビル、モルヌピラビルは、オミクロン株感染者にも有効であることが示唆されたと報告した。結果は2022… 2022/02/21 感染症
小児へのワクチン接種が始まるにあたり覚えておきたいこと オミクロン株が猛威を奮っています。その他の感染症もチラホラ見られ、非常に厳しい病床運用を迫られています。そんな中、コロナワクチンの3回目接種が始まり、副反応と思われる症状で相談されることも増えてきました。これまでは12歳以上が接種対象となっていましたが、5~11歳も特例承認となり… 2022/02/17 感染症
JAMA Ophthalmology誌から COVID-19による生活様式の変化と子どもの近視の進行 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延による生活様式の変化は子どもの視力に影響を及ぼしているのではないか。そんな懸念に対し、米Emory大学と中国Tianjin大学の研究グループは、中国の児童を対象とした検討について報告した。結果は2022年1月14日のJAMA Ophthalmology誌に紹介された。… 2022/02/16 眼科
学会トピック◎第18回日本消化管学会総会学術集会 コロナによりピロリ除菌治療者数が4割以上減少 2020年のヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)除菌治療者数は、2019年と比較して約4割減少していたことが明らかとなった。2月11日から13日にかけて新宿区で開催されたGI Week 2022で、順天堂大学消化器内科の上田久美子氏は、ワークショップ「ピロリ除菌の諸問題」にて、新型コロナウイルス… 2022/02/16 消化器
1月31日~2月6日の話題になった論文 高カリウム血症の治療にまつわる誤解を指摘した論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 1月31日~2月6日に最もツイート数が多かったのは、PLOS ONE誌の論文「Pre-infection 25-hydroxyvitamin D3 levels and association with… 2022/02/15 感染症
《日経バイオテクより》 厚労省がPfizer社の新型コロナ経口薬「パキロビッドパック」を特例承認 適正使用への懸念から段階的に供給開始 厚生労働省は2022年2月10日、米Pfizer社の日本法人であるファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認した。 2022/02/15 感染症
NEJM誌から Ad26.COV2.Sのブースター接種にはmRNAワクチンが有望 オランダの臨床試験で同じワクチンの追加よりも抗体価が増強 オランダErasmus University RotterdamのRoos S.G. Sablerolles氏らは、Janssen社の単回接種用新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンAd26.COV2.Sを接種してから3カ月経過した医療従事者を対象に、同じワクチンを追加接種した場合と、Moderna社またはPfizer/BioNTech社のワクチンを追加接種し… 2022/02/15 感染症
Lancet誌から 南アのオミクロン株感染者約3万人の臨床経過 入院リスクも重症化リスクも他の変異株より低そう 南アフリカNational Institute for Communicable DiseasesのNicole Wolter氏らは、2021年に同国内で同定された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株感染者の臨床的な重症度を、同時期の他の変異株感染者や、過去のデルタ株感染患者のヒストリカルコホートと比較し、オミクロン株の方が入… 2022/02/14 感染症
長崎・大型クルーズ船新型コロナ集団感染(その2) 凍えながらの検体採取 2020年4月末の長崎港に碇泊していたコスタ・アトランチカ号には623人が乗船していた。コスタ側から市の保健所にかぜ症状の乗務員(外国人)がいるとの連絡があり、4月20日に4人に行政PCR検査を行い、1人が陽性となった。 さて、ここからどうするのか? 誰が責任者となり、どのような指揮命令系… 2022/02/14 事件・話題
JAMA Network Open誌から ワクチン接種後の有害事象にもノセボ反応は多い SARS-CoV-2ワクチン臨床試験の有害事象を検討したメタアナリシス 米国Harvard大学医学部のJulia W. Haas氏らは、SARS-CoV-2ワクチンの臨床試験を対象にして、ワクチン群とプラセボ群の有害事象の頻度を検討する系統的レビューとメタアナリシスを行い、ワクチン群が経験した全身性の有害事象のかなりの部分はノセボ反応と見なせると報告した。結果は2022年1月18日… 2022/02/10 感染症
Lancet Respiratory Medicine誌から 喘息患者はCOVID-19重症化リスクが高い 過去2年間に増悪を経験した喘息患者はCOVID-19入院率も死亡率も高い 英国Edinburgh大学のTing Shi氏らは、喘息患者をブースター接種の優先対象に含めるべきかを調べるために、スコットランドの成人喘息患者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクを検討し、パンデミック前の2年間に入院したり経口ステロイド治療を必要とした喘息患者は、一般の成人に… 2022/02/08 感染症
オミクロン株が全然“かぜ”じゃないコロナ病棟 コロナ病棟で膀胱バルーンカテーテルを挿入していたとき、付き添っていた看護師が私に言いました。 「毎日のように酸素が必要な患者さんが入院してきますね。オミクロン株が“かぜ”っていうのは、どこの世界なんですかね。」 コロナ病棟にいるから、たくさんの患者さんのうち、入院が必要な症… 2022/02/08 感染症
NEJM誌から COVID-19回復者とワクチン接種者のオミクロン株に対する中和抗体価 BNT162b2の3回目接種は交差活性増加に役に立ちそう オーストリアInnsbruck医科大学のAnnika Rossler氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染から回復した人とワクチン接種者の血液標本を用いて、アルファ株、ベータ株、デルタ株、オミクロン株に対する中和活性を調べる予備的研究を行った。少人数のデータだが、接種後にブレークスルー感染し… 2022/02/07 感染症
長崎・大型クルーズ船新型コロナ集団感染(その1) クルーズ船集団感染に長崎の医療者は 2020年4月20日、この日を境に長崎の街の風景は一変した。 この日の午後3時、僕は大学病院運営会議に出席していた。楕円形の大きなテーブル、病院長の横に座り、副学長兼病院長補佐としてパソコンに議事を記録していた。 このころの会議は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)一色だった。COVID… 2022/02/07 事件・話題
JAMA Network Open誌から COVID-19は糖尿病患者の足切断を増やしたか? パンデミック前の1年と比較したカナダオンタリオ州のコホート研究 カナダSt Michael's HospitalのCharles de Mestral氏らは、COVID-19パンデミックによる糖尿病患者の受診機会の減少や遅れがフットケアにもたらした影響を調べるコホート研究を行い、糖尿病の合併症で足の切断に至った患者は、パンデミック前の2019年に比べて増えていなかったと報告した。結果は20… 2022/02/02 感染症
大阪イソジン会見後日談、有意差が出た臨床研究に思う 2020年8月4日のこと。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第2波のさなかで行われた、大阪府の「ヨードうがい推奨会見」は、皆さんの記憶にどう刻まれているだろうか。 会見では、壇上にうがい薬を並べた大阪府知事の吉村洋文氏が「うそのような本当の話」と切り出し、大阪府立病院機構・大阪は… 2022/02/01 事件・話題
JAMA誌から オミクロン株流行後に南アの入院患者で特徴変化 南アフリカのCOVID-19入院患者で第1波から第4波までの特徴を比較 南アフリカNetcare Ltd South AfricaのCaroline Maslo氏らは、同国で流行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者の特徴を、流行の第1波から第4波に分類して比較し、オミクロン株の出現と共に増加した第4波の時期に入院した患者は、第1~3波までと異なる特徴を持っていたと報告し… 2022/01/27 感染症
COVID-19第6波と第1~5波の臨床像の比較 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査陽性者数が過去最大になった第6波。前回コラムの時点では、「肺炎やサイトカインストームはほぼ見られない」と書いていましたが、あの直後から高齢者の入院が次第に増えてきました。その結果、酸素飽和度が低くて酸素療法を要する中等症IIの症例がチラホラ… 2022/01/27 呼吸器
第6波で瞬く間に救急が逼迫した理由 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波が各地で本格化し、これまでの波と同じように、救急医療の逼迫が起きています。しかし、今回は波の速度が速早すぎます!! 徐々にもっと病床が埋まってきたり、社会がまん延防止等重点措置を打ったりとったり緊急事態宣言が出されたりとで、危機的な… 2022/01/27 感染症
NEJM誌から BNT162b2のブースター接種はオミクロン株にも役立つか? 3回目接種で中和抗体価は上がるが、デルタ株の4分の1程度 イスラエル保健省のItal Nemet氏らは、Pfizer/BioNTech社のBNT162b2ワクチン2回接種者と3回接種者各20人の血液標本を採取して、SARS-CoV-2ウイルス(野生株、ベータ株、デルタ株、オミクロン株)に対する中和抗体価を評価するin vitroの小規模研究を行い、3回目接種によりどの株に対しても2回接種… 2022/01/26 感染症
EBioMedicine誌から 重症COVID-19患者への幹細胞治療は肺病変を小さくする 臍帯血由来の間葉系幹細胞治療を受けた患者を1年後まで追跡 中国Chinese PLA General Hospitalの Lei Shi氏らは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こしたCOVID-19患者に対して、標準治療に加えてヒト臍帯血由来の間葉系幹細胞(UC-MSC)を投与する臨床試験を行い、既に28日後までの短期成績を報告しているが、さらに1年後まで追跡を継続し、UC-MSC治療を受け… 2022/01/25 感染症
1月10~16日の話題になった論文 12~18歳に対するワクチンの重症化予防効果が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 1月10~16日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の「Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescents… 2022/01/25 感染症
BMJ誌から 入院患者と外来患者でCOVID-19の後遺症に違いはあるか? ワクチン接種後は後遺症も減少する傾向 英国Imperial College LondonのHannah R Whittaker氏らは、イングランドのCOVID-19入院患者と入院せずにすんだ患者を最長で9.2カ月追跡し、後遺症に違いがあるかを調べるために、回復後の一般開業医(GP)受診情報を調べ、入院した患者の方が後遺症による受診率が高く、多くの症状や疾患は経時的… 2022/01/25 感染症
JAMA Network Open誌から メタボリックシンドローム患者はCOVID-19重症化リスクが高い 26カ国2万9000人のCOVID-19入院患者を調べたコホート研究 米国Tulane大学のJoshua L. Denson氏らは、26カ国の病院から収集されたCOVID-19入院患者のデータを利用して、メタボリックシンドローム(MS)患者がCOVID-19で入院した場合の死亡率と急性呼吸窮迫症候群(ARDS)発症リスクについて検討し、MS患者は死亡リスクが高く、MSを構成する要因が増えるほ… 2022/01/21 感染症
軽症中等症病床から見たオミクロン株“第6波” 肺炎やサイトカインストームはほぼ見られず いやあ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規陽性者数のグラフが急峻ですね(図1)。オミクロン株の実効再生産数、恐るべし。もしかすると、全国の新規感染者数はこれから見たこともない数字になるのかなとちょっと震えております。保健所の業務が逼迫して、もはや濃厚接触者の同定は困難を極… 2022/01/20 感染症
1月3~9日に最もtweetされた論文 高齢者のフレイルは院内心停止後の生存率と関連があるか? 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/01/18 感染症
厚労省、オミクロン株の感染拡大で退院・療養解除基準を変更 医療者は濃厚接触者でも陰性なら待機解除が可能 濃厚接触者の待機期間は「10日」に短縮へ 厚生労働省は2022年1月14日、自治体向けの事務連絡を一部改正し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株感染者・濃厚接触者の扱いを見直した。(1)ワクチン接種の有無にかかわらず従来の退院基準、療養解除基準を適用すること、(2)濃厚接触者の待機期間を「14日間」から「10日間… 2022/01/18 感染症
NEJM誌から NVX-CoV2373ワクチンの北米での有効性は約90% Novavax社が米国とメキシコで実施した第3相臨床試験 米国Novavax社のLisa M. Dunkle氏らは、英国と南アフリカで先行して行った同社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンNVX-CoV2373の臨床試験に続いて、2021年前半に米国とメキシコで実施した第3相臨床試験の結果をまとめ、2回接種によるCOVID-19発症予防効果は約90%だったと報告した。結果… 2022/01/17 感染症
Lancet誌から リバーロキサバンはCOVID-19患者の退院後VTEを減らす ブラジルで行われた血栓症リスクが高い患者の臨床試験 ブラジルScience Valley Research InstituteのEduardo Ramacciotti氏らは、血栓症のリスクが高いと考えられるCOVID-19患者の退院後に、リバーロキサバンを35日間投与する臨床試験を行い、抗凝固薬を使用しなかった対照群に比べて、静脈血栓塞栓症(VTE)を起こすリスクが67%低下していたと報告し… 2022/01/14 感染症
保健所を介さずに医療機関が直接実施 都医師会がコロナ陽性者の健康観察事業を開始 東京都医師会は1月11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した自宅療養者に対して、保健所を介さずに直接、医療機関が健康観察を行う事業を12日から始めたことを明らかにした。昨年の第5波において、電話等で感染者の健康状態を把握していた保健所の機能が逼迫したことを受け、検査・… 2022/01/14 感染症
BMJ誌から mRNA-1273の感染予防効果はデルタ株ではやや低い mRNA-1273の各種変異株に対する予防効果を調べた診断陰性例コントロール研究 米国Kaiser Permanente Southern California(KPSC)のKatia J Bruxvoort氏らは、Moderna社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンmRNA-1273の2回接種が、各種変異株の感染を予防する効果を調べる診断陰性例コントロール研究を行い、デルタ株に対する効果は他の変異株に比べやや低く、効果は… 2022/01/13 感染症
NEWS◎オミクロン株の流行拡大を受け厚労省が事務連絡 自宅待機中の医師による電話・オンライン診療は「可能」と明示 厚生労働省は2022年1月7日付で、医師が自宅または宿泊療養施設などで療養・待機を行いながら電話・オンライン診療を行うことが「条件付きで可能」と明示する事務連絡を発出した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のオミクロン株の流行拡大を受けた措置。感染や感染疑い、または濃厚接触者と… 2022/01/12 感染症
MDPI Vaccines誌から ブレークスルー感染者から濃厚接触者への感染リスクは低い ドイツケルン市でワクチン非接種者から濃厚接触者への感染リスクと比較 ドイツケルン市公衆衛生局のLea Hsu氏らは、同市民の感染データを分析して、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種完了者がブレークスルー感染した場合に、濃厚接触者に感染させる可能性は、ワクチン非接種者に比べ約3分の1であることが示唆されたと報告した。結果は2021年11月2日のMDP… 2022/01/11 感染症
NEJM誌から BNT162b2のブースター接種は感染、重症化、死亡を減らす イスラエルの研究でブースター接種者の感染率は非接種者の10分の1程度に イスラエルWeizmann Institute of ScienceのYinon M. Bar-On氏らは、Pfizer/BioNTech社のBNT162b2ワクチン2回接種を完了してから少なくとも5カ月が経過している年齢16歳以上の住民約470万人のデータを利用して、3回目のブースター接種を受けた人と受けていない人のSARS-CoV-2(新型コロナウイルス… 2022/01/06 感染症
TOPIC◎デルタ株からオミクロン株へ置き換わるCOVID-19 始まった沖縄の第6波が教えてくれること オミクロン株80%以上、今週の新規陽性者数は1000人超の見込み 沖縄県で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波が始まりました。沖縄県疫学統計・解析委員会によると、2022年1月に入ってから新規陽性者の80%以上がオミクロン株感染と推定されており、新規陽性者数は先週(2021年12月27日から2022年1月2日)の383人から、今週は最大で1042人まで急増する… 2022/01/06 感染症
J Neuroimmunology誌から COVID-19感染後に発症した脳幹脳炎の症例報告 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して様々な神経学的症状が報告されている。本論文は、COVID-19感染後に重症の脳幹脳炎を発症した、1型糖尿病のある若年男性の症例報告である。高用量の副腎皮質ステロイド、血漿交換、免疫グロブリン静注により臨床的にも放射線学的にも改善が見られた… 2022/01/05 感染症
Lancet誌から 7種類のワクチンが3回目接種で抗体を増強 英国でBNT162b2とChAdOx1 nCov-19の2回接種完了者を対象にした臨床試験 英国Southampton大学病院のAlasdair P S Munro氏らは、Pfizer/BioNtech社のBNT162b2ワクチンまたはAstraZeneca社のChAdOx1 nCov-19ワクチンの2回接種を完了している人を対象に、7種類の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを追加接種して免疫原性や安全性を調べる臨床試験COV-BOOSTを行… 2022/01/04 感染症
Lancet Respiratory Medicine誌から lenzilumabはCOVID-19肺炎患者の生存率を改善 GM-CSFのモノクローナル抗体「lenzilumab」を投与する第3相臨床試験 米国Mayo ClinicのZelalem Temesgen氏らは、COVID-19肺炎で入院した患者に対して、標準治療に加えて顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)に結合するモノクローナル抗体lenzilumabを投与する第3相臨床試験を行い、28日後までの侵襲的換気を必要としない生存率が、プラセボに比べ有意に… 2021/12/28 感染症
12月13~19日の話題になった論文 SARS-CoV-2感染者とワクチン接種者の心筋炎を調べた論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2021/12/28 感染症
モルヌピラビル承認、軽症COVID-19治療薬の選択肢は? 2021年12月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する国内初の経口治療薬としてモルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)が特例承認されました。オミクロン株の市中感染が発生している都府県で優先的に配分されるようです。ラゲブリオ、気を抜くと思わず「ラブゲリオ」って読んでしまいます… 2021/12/28 感染症
TOPIC◎日本の空港検疫で確認されたオミクロン株陽性者 188例中、有症状は20%、咳嗽が半数以上に 日本の空港検疫で確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株陽性者について、検査時の症状を調査したところ、20%に症状があることが明らかになった。最も多いのは咳嗽で半数を超える55.3%に認めた。これに発熱、咽頭痛、頭痛が続いた。… 2021/12/27 感染症
《日経バイオテクより》 厚労省がMerck社のモルヌピラビルを特例承認、初のCOVID-19経口薬 厚生労働省は2021年12月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として承認申請されていた「ラゲブリオ」(モルヌピラビル)について、特例承認した。同日開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で承認が了承されたことを受けての措置。軽症から中等症IのCOVID-19患者に使用でき… 2021/12/27 感染症
Lancet Infectious Disease誌から 大規模屋内イベントを安全に開催する方法を探る研究 SARS-CoV-2抗原検査陰性、マスク着用、適切な換気で感染リスクは増えない フランスSaint-Louis病院のConstance Delaugerre氏らは、大規模な屋内コンサートの入場希望者を、ランダムに2対1の割合で参加者と非参加者に割り付けて、コンサート実施から7日後までの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率を比較する試験を行い、SARS-CoV-2抗原検査陰性、マスク着用、適切な… 2021/12/23 感染症
Emerging Microbes & Infections誌から COVID-19回復者の血清はオミクロンに対して中和活性が減弱 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の「懸念すべき変異株(VOC)」であるオミクロン株の疑似ウイルス(偽ウイルス)を使った実験で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した人の血清は、これまでのアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株に対する中和活性に比べてオミクロン株に対す… 2021/12/22 感染症
COVID-19後遺症に関わる蛋白質をAIが予測し、示した既存治療薬候補とは 今回紹介するのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の合併症あるいは回復後に持続的な後遺症状を抱える患者において、その原因としての蛋白質伝達経路との関連を予測するAIベースのツールに関する研究の報告です。… 2021/12/22 感染症 医師・医学生限定コンテンツ
NEJM誌から SARS-CoV-2再感染者は重症化リスクが低い カタールのPCR検査陽性者35万人から再感染者と初回感染者の重症化リスクを比較 カタールWeill Cornell Medicine-QatarのLaith J. Abu-Raddad氏らは、パンデミック当初から同国民の感染状況を記録しているデータベースを利用して、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に再感染した患者が重症化するリスクを調べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院、ICU入院、死亡… 2021/12/21 感染症
12月6~12日の話題になった論文 マスクの重要性を再確認した論文が話題に 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 12月6~12日に最もツイート数が多かったのは、PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences)の論文「An upper bound on one… 2021/12/21 感染症
TOPIC◎国立感染症研究所がオミクロン株の現状評価を公表 見えてきた日本のオミクロン株陽性者の背景 入院16例中、15例にワクチン2回接種歴 国立感染症研究所が2021年12月16日、4報目となるオミクロン株の現状評価を公表した。その中で、日本で確認されたオミクロン株感染例の観察結果も公表。入院患者16例のうち「無症状のまま継続」は4例で、残り12例は軽症で推移していることも明らかにした。また、初期の情報と前置きした上だが、オミ… 2021/12/20 感染症
TOPIC◎厚生労働省が観戦者に注意喚起 サッカー天皇杯観戦の1人がオミクロン株感染疑いに 厚生労働省は2021年12月16日、東京都で自宅待機中に症状が表れた患者がオミクロン株に感染していることを確認。その濃厚接触者でオミクロン株感染の疑いがある1人が、12月12日に神奈川県等々力スタジアムで開催されたサッカー天皇杯を観戦していたことを明らかにした。その上で同省は、当日同スタジ… 2021/12/17 感染症