バンコマイシンの投与設計で注意すべきこととは 「抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022」の改訂ポイントをチェック こんにちは、聖隷浜松病院薬剤部の塩田、本田です。今回は、先日改訂された「抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022」の変更点などついて、部分的ですが症例※を交え考えていきたいと思います。今回のガイドライン改訂において、バンコマイシン塩酸塩(VCM)の項目が大きく変更となり、臨床効果と安… 2022/05/09 感染症
JAMA Network Open誌から 人工呼吸器関連肺炎ではグラム染色で広域抗菌薬を安全に減らせる ICUを持つ日本の3次医療機関12施設での臨床試験 大阪急性期・総合医療センターの吉村旬平氏らは、人工呼吸器関連肺炎(VAP)患者に対して、グラム染色の結果に基づいて薬剤を選択した場合と、ガイドラインに基づいて広域抗菌薬治療を開始した場合のアウトカムを調べるランダム化比較試験を行い、グラム染色に基づく抗菌薬治療の成績はガイドライ… 2022/05/02 救急医療・集中治療
小児抗菌薬適正使用支援加算により抗菌薬使用率が2割減少 国立成育医療研究センター社会医学研究部臨床疫学・ヘルスサービス研究室室長の大久保祐輔氏、浜松医科大学小児科学講座教授の宮入烈氏らの研究チームは、4月26日、約55万人のレセプト情報を基に抗菌薬の使用率などを調査した結果、小児抗菌薬適正使用支援加算の導入により、外来における小児への… 2022/04/28 感染症
誤嚥性肺炎に対して抗菌薬選択をどう考える? AST薬剤師として抗菌薬適正使用に携わっている柏原です。今回は、誤嚥性肺炎(医療・介護関連肺炎)に対する薬物治療の考え方や実際のASTの関わりについて、症例※を通してご紹介していきたいと思います。 ※症例は、実際の事例を考にしたフィクションです。 … 2022/04/11 感染症
3月21~27日の話題になった論文 アミノグリコシド投与を避けるべき新生児を鑑別する検査法を検証 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 2022/04/06 感染症
JAMA Surgery誌から 抗菌薬投与後に切除術に至る虫垂炎を識別する危険因子 米国ワシントン大学のSarah E. Monsell氏ら、Comparison of Outcomes of Antibiotic Drugs and Appendectomy(CODA)の研究者たちは、虫垂炎の抗菌薬治療開始から30日以内に虫垂切除術が必要になる可能性が高い患者を識別する要因を検討し、虫垂結石を有する患者では切除術の施行率が約2倍に増加… 2022/02/18 外科
NEJM誌から C. difficile感染の再発予防に経口薬SER-109が有効 Firmicutes門の細菌の芽胞を利用した治療薬の臨床試験 米国Yale大学医学部のPaul Feuerstadt氏らは、再発性のC. difficile感染症患者に対する標準的な抗菌薬治療の後に、マイクロバイオーム治療薬として開発中のSER-109を投与して再発予防効果を調べる臨床試験を行い、プラセボ群に比べ8週間以内の再発リスクが有意に減少していたと報告した。結果はNE… 2022/02/16 消化器
セフェム系抗菌薬◇第5回調査 セフェム系抗菌薬市場で経口第1世代セフェムのシェア続伸 1位セフカペン、2位セファクロル、3位セファレキシン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、セフェム系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、29.6%の医師がセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物(商品名:フロモックス他)と回答した。 第2位のセファクロル(ケフラール他)は24.7%、第3位のセファレキシン(ケフレックス他)は… 2022/02/05 感染症
デ・エスカレーション後、炎症反応が亢進したら こんにちは、聖隷浜松病院薬剤部で整形外科病棟を担当している古橋です。今回は、化膿性脊椎炎と術後創部感染を発症した事例への対応について、症例※を通して紹介していきたいと思います。 2022/01/31 感染症
マクロライド系抗菌薬◇第5回調査 マクロライド系抗菌薬でクラリスロマイシンのシェアがついに50%を下回る 1位はクラリスロマイシン、2位はアジスロマイシン水和物、3位はエリスロマイシン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、マクロライド系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、48.1%の医師がクラリスロマイシン(商品名:クラリシッド、クラリス他)と回答した。 第2位のアジスロマイシン水和物(ジスロマック他)は38.3%、第3位のエリスロマイシン(エリス… 2022/01/29 感染症
「僕のための抗生物質」が意味すること 知り合いの陽気なインドネシア人留学生が、この夏に日本の病院に入院していたということを伝え聞き、元気になった彼に会って様子を尋ねました。彼は流ちょうな日本語でこう答えました。 2021/12/14 薬剤師
褥瘡からの壊死性筋膜炎に抗菌薬をどう使う? 聖隷浜松病院薬剤部で集中治療室を担当している薬剤師の塩田です。今回は、臀部の褥瘡から壊死性筋膜炎を発症した事例における対応について、症例※を通して紹介したいと思います。 2021/11/30 感染症
Lancet誌から アモキシシリンは肺炎のない小児の下気道感染症に利益無し 英国のプライマリ・ケア施設を受診した小児432人のランダム化比較試験 英国Southampton大学のPaul Little氏らは、プライマリ・ケアを受診した下気道感染症の小児患者を対象に、アモキシシリンの症状軽減効果を検討するランダム化比較試験ARTIC PCを行い、合併症のない小児では抗菌薬を使用しても臨床的な効果が見られなかったと報告した。結果は2021年9月22日のLancet… 2021/10/26 感染症
繰り返す尿路感染症にどう対応する? AST(抗菌薬適正使用支援チーム)で、抗菌薬適正使用に携わっている聖隷浜松病院薬剤部の本田です。今回は、繰り返す尿路感染症に対する対応を症例※を通して紹介したいと思います。 ※症例は、実際の事例を考にしたフィクションです。… 2021/10/04 感染症
術後MRSA感染にダプトマイシン、注意点は? こんにちは、ASTを担当している聖隷浜松病院の堤です。今回は整形外科領域の術後メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染(手術部位感染)に対する抗菌薬の使用について、症例を交えて紹介したいと思います。… 2021/08/23 感染症
Gastroenterology誌から ピロリ菌、標準的3剤併用療法の有効性最も低い 最善の治療法はボノプラザンを用いた3剤併用療法 ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)感染症に対する第一選択となる経験的治療の有効性を比較するネットワークメタアナリシスで各治療法の順位付けを行ったところ、ボノプラザンを用いた3剤併用療法(ボノプラザン、アモキシシリン、クラリスロマイシン)が最善の治療法であり、広く使用され… 2021/08/20 消化器
【新薬】レレバクタム水和物/イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム(レカルブリオ) 新規βラクタマーゼ阻害薬配合のカルバペネム系抗菌薬 2021年6月23日、抗菌薬レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチンナトリウム配合薬(商品名レカルブリオ配合点滴静注用)の製造販売が承認された。 2021/07/30 医薬品
あなたが知ることのない魚病薬の世界 初めての魚病薬、情報不足で右往左往 水産学科出身で魚が好きな記者は、自宅で魚を飼っている。先日引っ越しを終え、当面今の家に住めそうだと踏んで、数年ぶりに水槽を立ち上げた。 そんな中、観賞魚に投薬するという初めての体験をした。観賞魚の薬は飼育者本人が使うことがほとんどで、記者も手探りで投与することに。使い方など… 2021/06/23 感染症
C.difficile感染症に対して抗菌薬をどう使う? こんにちは、AST専従薬剤師として抗菌薬適正使用に携わっている柏原です。今回は、Clostridioides(Clostridium)difficile infection(CDI)に対する薬物治療の考え方や、実際のASTの関わりについて、症例※を用いて紹介していきたいと思います。… 2021/06/22 感染症
【新薬】アミカシン(アリケイス) 難治性肺MAC症に初の治療薬、リポソーム化アミカシンの吸入液が登場 2021年5月19日、抗菌薬アミカシン硫酸塩の吸入薬(商品名アリケイス吸入液590mg)が薬価収載された。本薬は3月23日に製造販売が承認されていた。適応は「適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)、適応症:MACによる肺非結核性抗酸菌症」、用法用量は「成… 2021/05/21 感染症
MSSAによる新生児肺化膿症に抗菌薬をどう使う? こんにちは、聖隷浜松病院で新生児集中治療室(NICU)を担当している薬剤師の本田です。今回はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)による新生児肺化膿症に対する抗菌薬選択について、症例※を用いて紹介します。… 2021/04/20 感染症
かぜの後の喘鳴にロイコトリエン受容体拮抗薬の効果は? 「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020」が、2020年10月末に発刊されました。前回、2017年の改訂では内容が大きく変更されたこともあり、様々なメディアで紹介されたように思いますが、今回は、今のところあまり話題になっていないようです。具体的にどこが変更されたのか気になり、先日購… 2021/04/01 感染症
Ann Intern Med誌から 憩室炎の外来治療でキノロンを減らす代替案 アモキシシリン/クラブラン酸はメトロニダゾールとキノロン併用に劣らない 米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロキノロンには低血糖昏睡など重篤な有害事象の恐れがあるため、代替治療薬がない場合にのみ処方することを推奨している。米国North Carolina大学のCharles E. Gaber氏らは、2種類の大規模データベースを利用して、憩室炎患者の外来治療に用いる抗菌薬をアモキ… 2021/04/01 消化器
血液透析患者に対して抗菌薬をどう使う? こんにちは、聖隷浜松病院で集中治療室を担当している薬剤師の石野です。今回は集中治療の現場で薬剤師がどのように抗菌薬治療に関わっているか、症例※を交えて紹介したいと思います。 2021/03/26 感染症
NEWS◎アクションプランの目標達成には至らずもコロナ禍で急減 2020年の抗菌薬販売量は前年比で20.2%減 国立国際医療センター病院のAMR臨床リファレンスセンターは2021年3月5日、国内における2020年の抗菌薬販売量(経口抗菌薬と静注抗菌薬の合計)の調査データを公開。2020年の全国抗菌薬販売量(10.6 DID)は、2019年(13.28 DID)から20.2%減少し、2013年(14.91 DID)と比較すると28.9%減少とな… 2021/03/05 感染症
JAMA Surg誌から フルオロキノロン服用後の大動脈瘤リスクは? フルオロキノロン(FQ)服用後90日以内の大動脈瘤発現率は、35歳以上の人では性別や併存疾患の有無にかかわらず、他のクラスの抗菌薬を服用した人より有意に上昇していた。18~64歳の民間保険加入者を対象とした米国のコホート研究から得られたこの研究結果は、JAMA Surg誌1月6日号オンライン版に… 2021/03/01 外科
高用量ICSのテリルジーなど3品目を薬価収載 ニューキノロン系抗菌薬ラスビックの点滴静注も 厚生労働省は2021年2月18日、気管支喘息の3成分配合吸入薬であるテリルジー200エリプタ14吸入用など新薬2成分3品目を薬価収載した。 2021/02/19 薬剤師
抗菌薬の持続静注はどのような場合に行う? こんにちは、聖隷浜松病院の長岡です。今回は仮想症例を基に抗菌薬の持続静注の使用方法についてご紹介したいと思います。 腹部大動脈瘤に対して腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術が行われた患者。退院後の初回受診時に発熱があり白血球数15720/μL、CRP35.11mg/dLと炎症反応も高値であったた… 2021/02/08 感染症
テトラサイクリン系抗菌薬◇第2回調査 ミノサイクリンが8割超の高シェアをキープ 2位はテトラサイクリン、3位はドキシサイクリン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、テトラサイクリン系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、80.8%の医師がミノサイクリン塩酸塩(商品名:ミノサイクリン塩酸塩顆粒、ミノマイシン他)と回答した。 第2位のテトラサイクリン塩酸塩(アクロマイシン、アクロマイシンV)は… 2021/02/06 感染症
リポート◎コロナ流行拡大で難しくなる耐性菌コントロール COVID-19混乱に潜むスーパー真菌の脅威 米疾病対策センター(CDC)は2021年1月15日、フロリダ州で2020年7月に発生したカンジダ・オーリス(Candida auris)によるアウトブレイクの調査結果を公表しました。調査によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行拡大により医療現場での耐性菌コントロールが難しくなり、ほとんどの抗菌薬… 2021/01/20 感染症
第4回 強烈な「馬小屋臭」を呈する下痢といえば? 様々な消化器系のテーマを取り上げ、総合診療医が消化器内科医と総合診療科から消化器内科に転身した医師に疑問をぶつける本連載。前回は薬剤性腸炎の原因となる薬剤の中でも「超」有名な非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の盲点を取り上げました。今回は非専門医が知っておくべき薬剤性腸炎の話を… 2021/01/13 消化器
NEWS◎新規抗菌薬の開発に向けて英国が試験導入 塩野義の抗菌薬がサブスク型償還モデルに採択 塩野義製薬は2020年12月21日、多剤耐性菌に抗菌活性を有するセフィデロコル(商品名フェトロージャ)について、英国が試験的に開始した抗菌薬のサブスクリプション(定額課金)型償還モデルに採択されたと発表した。… 2020/12/24 感染症
トレンド◎ピロリ菌による胃炎誘発のメカニズムが明らかに ピロリ菌と“共存”? 新たな治療法開発に期待 ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)が引き起こす胃炎に対して、抗菌薬とは異なる新しい機序の治療法開発のヒントが見えてきた。ピロリ菌を除去するのではなく、炎症を誘発しないようにして宿主の体内で“共存”させようというものだ。この治療コンセプトを提案するのは、ピロリ菌による胃… 2020/12/07 感染症
インタビュー◎多剤耐性グラム陰性桿菌治療の最前線 ESBL産生菌、緑膿菌に有効な新薬が登場 一辺倒な使用は避けて、症例ごとに使用の判断を 2020年9月に開催された第68回日本化学療法学会総会で、シンポジウム「多剤耐性グラム陰性桿菌の治療」が開催されました。その中で、2019年に発売された新薬、タゾバクタムナトリウム・セフトロザン硫酸塩(商品名ザバクサ配合点滴静注用)も話題に。演者を務めた岐阜大学医学部附属病院生体支援セン… 2020/12/01 感染症
感染症科Q&Aシリーズ《10》 経過良好な前立腺膿瘍患者、TUR-Pは必要? <泌尿器科医>ドレナージの必要性について67歳男性、前立腺膿瘍の症例です。前立腺膿瘍の疑いで当院に紹介されました。MRI検査を行って前立腺膿瘍と診断。尿培養で緑膿菌を認めましたので感受性を確認してピペラシリン(PIPC)を継続して投与しています。入院して3日目でCRP 0.25mg/dL、発熱なく比… 2020/11/30 腎・泌尿器 医師限定コンテンツ
リポート◎CREで海外型カルバペネマーゼ産生株が増加 日本初、NDM-5産生K.aerogenes分離の意味 伝達する能力が高いNDM-5型の潜在的な広がりに注意 「悪夢の細菌」と恐れられるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)に、気掛かりな兆候が表れています。渡航歴のない患者から海外型カルバペネマーゼ産生株が分離されることが増える中で、2020年に、わが国で初めてとなるニュー・デリー型メタロβラクタマーゼ-5(NDM-5)産生Klebsiella aerogenes… 2020/11/30 感染症
感染症科Q&Aシリーズ《9》 膿瘍所見がないつらい咽頭痛、どう治療する? <泌尿器科医>扁桃炎/扁桃周囲炎の対処について30歳代で深頸部膿瘍、喉頭蓋炎などを疑う所見に乏しく、溶連菌/アデノウイルスは両方陰性。ただし38℃を超える発熱が2~3日程度続き、白血球数1万2000/μL、CRPが10mg/dL程度上昇している場合、皆さんはどのような抗菌薬を処方するでしょうか。たま… 2020/11/27 感染症 医師限定コンテンツ
感染症科Q&Aシリーズ《5》 「アモキシシリンは飲みにくいからセファクロルで…」薬剤師の提案を受けていい? <総合診療医>小児の定型肺炎や中耳炎でのアモキシシリン投与に関して、先生方のご意見を伺いたいと思います。小児の定型肺炎や中耳炎の治療ではアモキシシリン90mg/kg/日をよく処方しています。採用薬はワイドシリン20%細粒です。先日、門前薬局の薬剤師から、以下のようなご提案をいただきまし… 2020/11/16 感染症 医師限定コンテンツ
感染症科Q&Aシリーズ《1》 抗菌薬、初回の負荷投与はなぜ必要? <内科医>テトラサイクリン系抗菌薬のローディングの必要性について 感染症の治療において、初回投与量を多くする(いわゆるローディングドーズで投与する)抗菌薬があり、バンコマイシンがその典型例だと思います。ミノサイクリンを用いる症例があり、改めて投与方法を国内外の添付文書や治療マ… 2020/11/06 感染症 医師限定コンテンツ
新生児に対して抗菌薬をどう使う? こんにちは、聖隷浜松病院薬剤部の本田と神谷です。今回は、新生児に対する抗菌薬の使い方や、実際のASTと新⽣児集中治療室(NICU)病棟薬剤師の連携について事例※を用いて紹介したいと思います。 2020/10/28 感染症
急性胆管炎に抗菌薬をどう選択する? こんにちは、AST専従薬剤師として抗菌薬適正使用に携わっている柏原です。今回は、急性胆管炎に対する薬物治療の考え方や、実際のASTの関わりについて紹介したいと思います。 2020/09/24 薬剤師
JAMA Network Open誌から ツツガムシ病にはどの抗菌薬がお勧めか? 抗菌薬の有効性と安全性を比較したネットワークメタアナリシス 中国昆明医科大学のJiaru Yang氏らは、ツツガムシ病の治療に用いられる主な抗菌薬の有効性と安全性を比較するためのネットワークメタアナリシスを行い、薬剤間の成績に有意差はなかったが、投与から解熱までの時間はクラリスロマイシンが短かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に20… 2020/09/16 感染症
“自称”ペニシリンアレルギーの落とし穴 65歳男性。多剤薬物アレルギーが疑われ、精査目的で皮膚科を受診。「検査前に詳しく問診すると『小学生の時にペニシリンを使ったら皮膚が赤くなったことがある』とのこと。他の被疑薬については『クラビットを飲んだら便秘になったんです』などなど……。どうやら前医では副作用もアレルギー扱いさ… 2020/09/15 医薬品
大腸手術前の経口抗菌薬1日投与でSSIリスク低下 機械的腸管前処置(MBP)を実施しなくても、大腸手術後の手術部位感染(SSI)発生率は手術前日の経口抗菌薬1日投与のみで有意に低下することが、スペインの多施設単盲検実用的ランダム化比較試験により示された。この結果はLancet Gastroenterol Hepatol誌8月1日号に掲載された。… 2020/08/14 外科
セフェム系抗菌薬◇第4回調査 第1世代のセファレキシンがシェア急拡大 1位セフカペン、2位セファクロル、3位セファレキシン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、セフェム系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、35.9%の医師がセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物(商品名:フロモックス他)と回答した。 第2位のセファクロル(ケフラール他)は19.8%、第3位のセファレキシン(ケフレックス他)は1… 2020/06/14 感染症
マクロライド系抗菌薬◇第4回調査 剤形豊富で投与回数少ないジスロマックが伸長 1位はクラリスロマイシン、2位はアジスロマイシン、3位はエリスロマイシン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、マクロライド系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものものを聞いたところ、54.9%の医師がクラリスロマイシン(商品名:クラリシッド、クラリス他)と回答した。 第2位のアジスロマイシン水和物(ジスロマック他)は35.1%、第3位のエリスロマイシン(エ… 2020/06/07 感染症
J Hosp Infect誌 高齢肺炎治療時のC.difficile感染症リスクが低いのはペニシリン系+βラクタマーゼ阻害薬 急性肺炎の高齢入院患者を対象にした観察研究 急性肺炎で入院した高齢患者をClostridioides(Clostridium)difficile感染の有無でケース群とコントロール群に分け、再入院率や死亡率を比較したところ、C.difficile感染症(以下、CDI)が発生した患者の方が予後不良だった。また各群への抗菌薬の投薬状況から、ペニシリン系薬+βラクタマーゼ… 2020/06/02 感染症
感染性心内膜炎に抗菌薬をどう選択する? 今回は、感染性心内膜炎に対する抗菌薬選択の考え方を紹介していきたいと思います。感染性心内膜炎では、原因菌の種類や薬剤感受性、弁の種類(自己弁か人工弁)によっても選択される抗菌薬や投与期間が異なります。今回提示するのは、外科的治療を伴う感染性心内膜炎の症例です。… 2020/05/21 感染症
ニューキノロン◇第4回調査 理由は慣れ? レボフロキサシンが変わらぬ人気 1位はレボフロキサシン、2位はガレノキサシン、3位はトスフロキサシン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、ニューキノロンのうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、79.6%の医師がレボフロキサシン水和物(商品名:クラビット他)と回答した。 第2位のメシル酸ガレノキサシン水和物(ジェニナック)は8.2%、第3位のトスフロキサシントシル酸塩水和物(… 2020/05/12 感染症
薬剤耐性(AMR)アクションプランの目標達成まではもう一歩 2019年の抗菌薬販売量は13年比で10.9%減 国立国際医療センター病院のAMR臨床リファレンスセンターは2020年4月27日、国内における2019年の抗菌薬販売量(経口抗菌薬と静注抗菌薬の合計)の調査データを公開した。2019年の全国抗菌薬販売量(13.28 DID)は、2013年(14.91 DID)と比較して約10.9%減少した。… 2020/04/28 感染症
人工呼吸器関連肺炎患者への抗菌薬、どう選ぶ? はじめまして、聖隷浜松病院の長岡です。前回は腎盂腎炎の症例を基にASTがどのように抗菌薬の選択や治療期間の選定、そして主治医への治療提案を行っているかを紹介しました。今回は人工呼吸器関連肺炎(VAP)に対する抗菌薬の選択について、ケースを基に紹介したいと思います(ケースは経験に基… 2020/04/15 呼吸器
重症喘息にアジスロマイシン長期療法は有効(だけど…) ERJ Open Researchから 呼吸器内科医にとって、“アジスロマイシン長期療法”はちょっとやっかいな存在です。 マクロライド系抗菌薬は、抗菌作用以外に抗炎症・免疫調整作用を有します。これにより、14員環マクロライドであるエリスロマイシンは、びまん性汎細気管支炎に効果を発揮すると考えられています。 同じマク… 2020/04/13 呼吸器
第35回日本環境感染学会より セファゾリンの供給不足に、こう対応しました 沖縄県中部病院の取り組み 2019年の年始から供給不足に陥っていたセファゾリンNaが、19年末ごろからようやく供給再開された。周術期や治療等で必要不可欠なセファゾリンが供給困難に陥り、代替の抗菌薬も相次いで供給不足となり、多くの医療機関で混乱が生じた。沖縄県中部病院(沖縄県うるま市)の抗菌薬適正使用支援チー… 2020/03/30 感染症
【新薬】ポサコナゾール(ノクサフィル) 深在性真菌症に新たなアゾール系抗真菌薬が登場 2020年1月23日、深在性真菌症治療薬ポサコナゾール(商品名ノクサフィル錠100mg、同点滴静注300mg)の製造販売が承認された。適応は「(1)造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防、(2)既存の抗真菌薬が無効あるいは忍容性に問題がある真菌症… 2020/02/14 医薬品
呼吸器内科Q&Aシリーズ《2》 胸水ADA高値も喀痰陰性。結核性胸膜炎でよい? <内科医>不明熱・胸水貯留の92歳男性で、胸水穿刺の結果ADA53.3U/Lと高値、リンパ球優位(85.4%)の滲出性胸水で、結核性胸膜炎を疑い抗結核薬加療した方がいるのですが、喀痰は出ず、胃液と胸水からは抗酸菌培養陰性、PCR陰性であり、抗結核薬の継続使用および使用期間について悩んでいます。… 2020/02/11 呼吸器 医師限定コンテンツ
AST専従薬剤師は、日々こんな仕事をしています 皆さん、初めまして。新しくコラムを執筆することになりました、静岡県浜松市にある総合病院聖隷浜松病院薬剤部の本田です。当院の病床数は750床で、高度専門医療、低侵襲治療に積極的に取り組み、地域の高度・急性期医療を担っています。国際的医療機能評価機関によるJCI認証を取得(2018年9月更… 2020/02/05 薬剤師
JAMA Network Open誌から リファンピシンは下肢切断リスクを減らす 糖尿病性足潰瘍が進行して骨髄炎を発症した患者のコホート研究 米国VA Northeast Ohio Healthcare SystemのBrigid M. Wilson氏らは、退役軍人を対象とするコホート研究を行い、糖尿病性足潰瘍が進行して骨髄炎を発症した患者の抗菌薬レジメンにリファンピシンを加えると、2年後までの死亡または下肢切断のリスクが有意に低下すると報告した。結果はJAMA Networ… 2019/12/09 代謝・内分泌
【新薬】ラスクフロキサシン(ラスビック) 2つの標的酵素を同程度阻害する新規キノロン薬 2019年11月19日、抗菌薬ラスクフロキサシン塩酸塩(商品名ラスビック錠75mg)が薬価収載された。本薬は9月20日に製造販売が承認され、2020年1月8日に発売が予定されている。適応は「〈適応菌種〉LSFX感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレ… 2019/11/22 医薬品
「セファゾリンの悪夢」に現場が学ぶべきこと 「えっ、周術期の抗菌薬、これからどうするの?」今年3月、国内シェアの約6割を占める日医工(富山県富山市)がセファゾリンの供給を停止したというニュースを目にした時、そんな言葉が浮かんだ。 2019/11/19 感染症
2019年10月24日~11月5日 ボノプラザン含有製剤に重大な副作用追加 2019年10月24日~11月5日における添付文書の主な改訂情報は以下の通りです。ボノプラザンフマル酸塩含有製剤のタケキャブ、ボノサップ、ボノピオンの重大な副作用に「汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少」が追加になりました。… 2019/11/14 消化器
BMJ誌から 咽頭扁桃炎に対する抗菌薬を減量する試み ペニシリンの1日の投与回数を増やすと投与日数を短縮できる A群連鎖球菌による咽頭扁桃炎に対する抗菌薬推奨レジメンは、1000mgのペニシリンVの1日3回投与を10日間継続するというものだ。スウェーデンSweden公衆衛生局のGunilla Skoog Stahlgren氏らは、800mgの1日4回投与を5日間継続する方法を推奨レジメンと比較するランダム化試験を行い、薬の総使用量は… 2019/10/28 感染症
特集◎医師が薬を自由に使えなくなる日《7》 「抗菌薬不足」に解決策はあるか? セファゾリンやその代替抗菌薬の供給不足が続いている。背景には、相次ぐ薬価引き下げなどによる後発品の収益性悪化という構造的な問題が潜む。フォーミュラリとは違う意味で、医師の処方が制限されつつある。… 2019/10/18 医薬品
ストマイの歴史と難聴 呼吸器内科では、今でもストレプトマイシン(通称ストマイ)を使います。薬の内服が難しい患者の結核や抗結核薬の耐性結核だけでなく、非結核性抗酸菌症に対しても短期的に用いられています。抗酸菌感染症の世界では、基本的にストマイを半年以上使うことはありません。長期に使うほど、毒性が強… 2019/10/18 呼吸器
2019年9月24日~10月2日 フルオロキノロン系薬とキノロン系薬の重大な副作用が改訂 オルミエントの重大な副作用に「肺塞栓症及び深部静脈血栓症」が追加 2019年9月24日~10月2日における主な改訂情報をお知らせします。フルオロキノロン系とキノロン系の抗菌薬(経口薬および注射薬)の「重大な副作用」に関して、改訂指示が発出されました。 2019/10/16 医薬品
小児の急性中耳炎に抗菌薬を出しますか? 3歳男児。数日前から咳嗽、鼻汁があり、昨日から発熱したため小児科外来を受診。体温は38.0℃。「耳痛はなかったが、母親から『最近よく耳を触るんです。中耳炎がないか心配です』と言われた。鼓膜を観察すると、右の鼓膜が全体的に発赤していたため右急性中耳炎と診断したが、抗菌薬を処方する必要… 2019/10/03 小児科
インタビュー◎国立国際研究医療センターの忽那賢志氏に聞く 静注抗菌薬が供給不足の今、経口スイッチ再考を セファゾリンナトリウム静注製剤(商品名セファメジン他)の供給不足のあおりを受け、他の静注抗菌薬の一部も供給不足に陥っている。「今回の一連の供給不足は、経口抗菌薬へのスイッチを再考するよい機会になるのではないか」と語る国立国際研究医療センター国際感染症センター国際感染症対策室医… 2019/10/02 感染症
【新薬】アジスロマイシン(アジマイシン) 国内で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬 2019年9月11日、抗菌点眼薬アジスロマイシン水和物(商品名アジマイシン点眼液1%)が発売された。本薬は、6月18日に製造販売が承認され、9月4日に薬価収載された。適応は「〈適応菌種〉アジスロマイシン感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、コリネバクテリウム属、インフルエンザ菌、ア… 2019/09/27 感染症
安定供給できない多数の要因を学会で発表 日医工、セファゾリン安定供給に15億円の投資 ユナシンも品質の疑義により供給不足に 日医工(富山県富山市)は2019年9月12日、セファゾリン注射製剤の安定供給確立のため、静岡工場に約15億円の設備投資を行うことを発表した。同社は更なる安定供給に向けて、既存の海外製剤委託先に加え、製剤工程の国内での一貫生産体制を確立するため、追加の設備投資を行うとしている。今回の設… 2019/09/18 感染症
NEWS◎協会けんぽ加入者のレセプト分析で明らかに 急性上気道炎への抗菌薬処方に大きな地域差 全国健康保険協会(協会けんぽ)は、加入者のレセプトデータなどを活用した分析で、急性上気道炎に対する抗菌薬の処方割合が毎年減少していることを明らかにした。ただし、地域差は大きく、2人に1人に処方されている都道府県がある一方で、4人に1人のみが処方されている都道府県も存在していた。… 2019/09/05 感染症
NEWS◎国内生産に向けてキードラッグ10剤を選定 感染症関連4学会が抗菌薬安定供給に向けて提言 日本化学療法学会、日本感染症学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会は2019年9月3日、合同記者会見を開き、抗菌薬の安定供給に向けた提言書を8月30日付で根本匠厚生労働相に提出したと発表した。 2019/09/05 感染症
ペニシリン以外の抗菌薬投与も場合によって考慮を 感染症学会、気道感染症の抗菌薬適正使用を提言 日本感染症学会は2019年8月28日、「気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言」を公表した。基礎疾患を有する宿主や高齢者・誤嚥合併例などでは、ペニシリン以外の抗菌薬投与を考慮しなければならない症例が多数あることなどを受け、基礎疾患を有する宿主や日常診療で遭遇する頻度の高い難治例など… 2019/08/30 感染症
「経口第3世代セフェム」なぜ悪者扱いされる? 2019年5月に開催された第67回日本化学療法学会で「経口第3世代セフェム系抗菌薬は有用である」について、さらには19年2月に開催された第34回日本環境感染症学会で「病院で第3世代経口セフェムの採用は必要か」についてPros&Consのセッションが開催された。経口第3セフェム系抗菌薬はなぜこれほど… 2019/07/02 感染症
「MRSA感染症の治療ガイドライン2019年改訂」を公表 リネゾリド後発品の適応追加に学会が注意喚起 日本感染症学会、日本化学療法学会および日本臨床微生物学会は、リネゾリド(商品名ザイボックス他)の後発医薬品が2019年6月5日、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)なども適応菌種となったことを受け、6月14日に適正使用の注意喚起をウェブサイトで上で促した。これまでリネゾリドの後発品の… 2019/06/18 感染症
2019年5月27日~6月4日 トリプタン系薬の重大な副作用に「薬剤の使用過多による頭痛」 ゾフルーザの重大な副作用に「ショック、アナフィラキシー」が追加に 2019年5月27日~6月4日における、主な改訂情報をお知らせします。トリプタン系薬(5-HT1B-/1D受容体作動薬)の使用上の注意に「薬剤の使用過多による頭痛」に関する事項が追加されました。 2019/06/12 精神・神経
テトラサイクリン系抗菌薬◇第1回調査 ミノサイクリンが断トツ、8割以上が支持 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、テトラサイクリン系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、85.8%の医師がミノサイクリン塩酸塩(商品名:ミノサイクリン塩酸塩顆粒、ミノマイシン他)と回答した。 第2位のテトラサイクリン塩酸塩(アクロマイシン、アクロマイシンV)は… 2019/06/08 感染症
Lancet誌から 経腟器械分娩後の抗菌薬は母親の感染を減らす 英国で分娩の3時間後にアモキシシリン・クラブラン酸を投与した試験 帝王切開後には抗菌薬の予防的投与が広く行われているが、経腟器械分娩(鉗子分娩または吸引分娩)後における抗菌薬投与は、データが不十分で推奨されていない。英国Oxford大学のMarian Knight氏らは、経腟器械分娩後の母親にアモキシシリン・クラブラン酸またはプラセボを投与する多施設ランダム… 2019/06/07 産婦人科
現在の状況、供給再開のめどについて説明 セファゾリン供給不足を日医工がHPで初公表 供給不足に陥っているセファゾリンナトリウムについて、日医工(富山県富山市)は2019年5月28日現在の状況について公表した。これまで同社は学会などでは状況を報告していたが、ウェブサイトで広く公表したのは、これが初めて。… 2019/05/31 医薬品
Lancet誌から セフトリアキソンの代替薬を探す研究 ゲンタマイシンの代替薬としての有効性は限定的 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)の抗菌薬耐性獲得が進んでいる。第1選択薬であるセフトリアキソンの代替としてのゲンタマイシンの有効性と安全性を検討する、ランダム化非劣性試験を実施した英国Birmingham大学病院のJonathan D C Ross氏らは、ゲンタマイシンの非劣性を示せなかった。データはLanc… 2019/05/30 感染症
第67回日本化学療法学会より 経口第3世代セフェムは薬学的に「だいたいうんこ」か バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)の低さから、だいたいうんこ(DU)と揶揄される経口第3セフェム系抗菌薬。しかし、経口第3セフェム系の使用はすべて不適切使用なのだろうか。一方で、ガイドラインによっては経口第3世代セフェムが推奨され場合があるが、科学的エビデンスに基づい… 2019/05/24 感染症
JAMA Neurology誌から キノロンは末梢神経障害リスクを上昇させる 英国の研究で処方期間が1日伸びればリスクは3%上昇 英国Dundee大学のDaniel Morales氏らは、プライマリケアデータベースを用いてフルオロキノロンの処方に関係する末梢神経障害のリスクを検討し、経口キノロンの使用により相対リスクが1.47倍になり、使用期間が1日延長するとリスクは3%ずつ上昇し、最長180日間まで認められたと報告した。結果はJA… 2019/05/23 感染症
第67回日本化学療法学会より 抗菌薬TDMガイドライン2019の改訂ポイント バンコマイシン、テイコプラニンの課題を中心に、さらにTDM(治療薬物モニタリング)が保険収載されていない抗菌薬に関しても、薬物動態の解析から解説を加えることとした――。2019年5月9〜11日に開催された第67回日本化学療法学会において、「抗菌薬TDMガイドライン2019」の各項目の執筆責任者… 2019/05/15 感染症
医師4483人に聞いた「セファゾリン不足の影響は?」 セファゾリン不足で病院勤務医の4割「困った」 セファゾリン注射用製剤の後発医薬品を製造し、国内シェアの約60%を占める日医工が、3月上旬を最後にセファゾリンの供給を停止した。供給停止から2カ月が経過したが、他メーカーのセファゾリンのみならず、他の抗菌薬も供給不足に陥っており、抗菌薬を取り巻く状況は依然として厳しい。「類似抗… 2019/05/13 感染症
ニプロのセファゾリンも6月末に供給停止の懸念 セファゾリン代替薬の投与量や推奨薬剤を明示 日本感染症教育会(IDATEN)は、セファゾリンの供給不足を受け厚生労働省が通知したセファゾリンの代替薬に基づき、代替薬の腎機能に応じた投与量や小児への投与量、推奨される治療薬のなどを具体的に示した。 周術期予防に用いるセファゾリン以外の代替薬について、MSSAに十分な感受性率を有す… 2019/04/26 感染症
2019年3月25日~4月2日 フォシーガに1型糖尿病の適応追加 リウマトレックスの効能効果に尋常性乾癬や関節症乾癬が追加 2019年3月25日~4月2日における、添付文書の主な改訂情報をお知らせします。糖尿病治療薬のフォシーガ(一般名ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)の効能効果に、2型糖尿病に加え「1型糖尿病」が追加になりました。… 2019/04/11 代謝・内分泌
学会トピック◎第34回日本環境感染学会総会・学術集会 「『だいたいウンコ』な経口第3世代セフェムは病院で採用すべきでない」のか? 「病院で第3世代経口セフェムの採用は必要か」Pros&Cons 消化管で吸収されて血液中に入る割合(バイオアベイラビリティー)が他の系統の経口抗菌薬に比べて低いことなどから、「経口第3世代セフェム=だいたいウンコ(DU)」という「DUの定理」が成り立つ――。2015年、国立国際医療研究センター国際感染症センターの忽那賢志氏が日経メディカルOnline内… 2019/04/01 感染症
「膀胱炎治療にクラビット」は時代遅れ 前回は単純性膀胱炎の診断について紹介しました。今回は治療について考えていきます。単純性膀胱炎の治療のスタンダードは、現在は抗菌薬の投与です。 「現在は」と強調したのは、近年、膀胱炎の治療に対し、抗菌薬と消炎鎮痛剤(NSAIDs)の治療効果を比較した臨床試験が海外で立て続けに報告さ… 2019/03/26 腎・泌尿器
BMJ誌から 高齢者の尿路感染症には速やかな抗菌薬が有効 英国のプライマリケアデータ約31万件で抗菌薬処方戦略を比較 薬が効かない耐性菌を減らすために、抗菌薬の処方を減らすための努力が各国で続けられている。英国Imperial College LondonのMyriam Gharbi氏らは、NHSのデータベースを利用した後ろ向きコホート研究を行い、高齢者の尿路感染症(UTI)の場合は、受診日のうちに抗菌薬を処方した方が、60日以内の… 2019/03/19 プライマリケア
薬剤耐性(AMR)アクションプランに基づく取り組みの成果か 2018年の抗菌薬販売量が13年比で10.7%減 国立国際医療センター病院のAMR臨床リファレンスセンターは2019年3月15日、国内における2018年の抗菌薬販売量(経口抗菌薬と静注抗菌薬の合計)の調査データを公開した。その中で、2018年の全国抗菌薬販売量(13.31DID)は、2013年(14.90DID)と比較して約10.7%減少したことが分かった。… 2019/03/15 感染症
セファゾリンの全規格が供給不足に セファゾリン注射用製剤の全規格が供給不足に陥っている。セファゾリン製剤のうち、バイアルとして全市場の約60%のシェアを占める日医工(富山県富山市)は、本誌取材に対し、製造設備由来の物質などが混入した原薬が2018年末ごろから増加したため、19年1月以降、製剤化できなくなっていることが要… 2019/03/14 医薬品
NEJM誌から 骨関節感染症への抗菌薬治療は経口薬で可能 6週間の抗菌薬静注と比較した非劣性試験 整形外科領域の複合感染の管理には、デブリドマン手術と長期間の抗菌薬静注が推奨されてきた。しかし、手術と経口投与でも治療成績は劣らない可能性が示唆されている。英国Oxford大学病院のHo-Kwong Li氏らは、骨関節感染症患者を対象に6週間の抗菌薬静注と経口投与を行い、1年後までの治療失敗の… 2019/02/22 感染症
【新薬】タゾバクタム/セフトロザン(ザバクサ) 尿路・腹腔内感染症を適応とするβラクタマーゼ阻害薬配合のセフェム系抗菌薬 2019年1月8日、βラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩(商品名ザバクサ配合点滴静注用)の製造販売が承認された。適応は「(1)膀胱炎、腎盂腎炎、(2)腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」、用法用量は「成人1回1.5gを1日3回60分かけて点滴静注。な… 2019/02/08 感染症
厚労省、ニューキノロン系抗菌薬の添付文書改訂を指示 キノロン薬の重大な副作用に大動脈解離を追加 厚生労働省は2019年1月10日、全てのニューキノロン系抗菌薬(経口薬と注射薬)について、添付文書の[重大な副作用]の項に「大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがある」と追記するよう、製薬会社に添付文書の改訂を指示した。併せて、[慎重投与]の項に「大動脈瘤または大動脈解離を合併して… 2019/01/11 医薬品
【新薬】ミコナゾール(オラビ) 1日1回上顎歯肉に直接付着させる口腔咽頭カンジダ症治療薬 2018年11月28日、口腔咽頭カンジダ症治療薬ミコナゾール口腔粘膜付着型製剤(商品名オラビ錠口腔用50mg)が薬価収載された。本薬は、9月21日に製造販売が承認されていた。用法用量は「成人に1日1回50mgを上顎歯肉(犬歯窩)に付着して使用」となっている。日本では、同有効成分の製剤として、注射… 2019/01/11 感染症
インタビュー◎世界で急速に普及進む外来静注抗菌薬療法(OPAT) 世界標準のOPATが日本で普及しない理由 成田赤十字病院/亀田総合病院 感染症科部長の馳亮太氏に聞く 欧米やアジアの先進国で急激に普及が進んでいる外来静注抗菌薬療法(OPAT:outpatient parenteral antimicrobial therapy)。亀田総合病院では、2012年7月からOPATを開始し、訪問看護ステーションと連携し在宅でのOPATも実現。在院日数削減の成果も挙げているが、今のところ、他の医療機関にはあ… 2018/11/20 感染症
AMR対策における地域連携・協力が成し遂げた成果 MRSA分離率が20%近くに抑制できている理由 今回は、宮城県・東北地域におけるネットワーク活動のアクションプランである(1)情報の共有化、(2)連携・協力、(3)支援、(4)人材育成・教育啓発、のなかで、“連携・協力”の実際とその成果について紹介したいと思います。… 2018/11/09 感染症
11月は薬剤耐性(AMR)対策推進月間 かぜやインフルに抗菌薬が効くと半数が誤認識 国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターは10月30日、一般国民が抗菌薬について、正しく理解しているか現状を把握するために行った調査の結果を公表した。 2018/11/01 感染症
薬剤耐性の動向調査報告書がまとまる ヒトでも動物でも薬剤耐性対策の普及が必要 厚生労働省は2018年10月22日、第6回薬剤耐性(AMR)ワンヘルス動向調査検討会を開催し、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査 年次報告書2018」を取りまとめた。同報告書は11月中旬に公表される見通しだ。 2018/10/26 感染症
誤嚥性肺炎の誤解を解く(治療編) 「絶食、スルバクタムアンピシリン」でいいの? 「狙いを定めた」全身管理が鍵 誤嚥性肺炎の治療を尋ねられると、「絶食、スルバクタムアンピシリン!」などと反射的に答えていないでしょうか。これは私自身、耳が痛いことで、次々と新患が来る中で指示を求められると反射に流されがちですし、純粋な後輩たちに、しばしばそんな姿を見せてしまってきた気がします。… 2018/10/23 感染症