リポート◎2022年度診療報酬改定で格段に使いやすく FreeStyleリブレ、適応拡大で爆発的に普及か 患者の生活が“見え過ぎる”からこそ、気を付けたいことも 連続的かつ非観血的に血糖を測定・記録する間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM、以前はフラッシュグルコースモニタリングシステム[FGM]と呼ばれていた)の「FreeStyleリブレ」。2022年度の診療報酬改定で算定基準が見直され、インスリン自己注射を1日1回以上行っている入院中以外の患者に適応… 2022/05/10 代謝・内分泌
トレンド◎医薬品ナノ化技術による点眼インスリンの可能性 ナノ粒子化でインスリンが点眼薬に? インスリンをナノ粒子にすることで、結膜上皮からの吸収が可能になり、点眼による投与でも血糖降下作用を期待できる──。「点眼インスリン」という驚きの剤形について報告したのは近畿大学薬学部医療薬学科准教授の長井紀章氏らのグループだ(Deguchi S, et al. Pharmaceutics. 2021;13:375.)。… 2021/11/11 代謝・内分泌
リポート◎インスリン投与量を自動で増減、「人工膵臓」の最前線【後編】 日本で開発進む究極の「貼るだけ人工膵臓」 持続的なインスリンの投与を「貼るだけ」で実現する新技術の開発が進んでいる。後編は、機械式のポンプに頼らないパッチ式のデバイスについて。生体材料を用いたコインサイズのパッチを腹部などに貼り付けることで、適切な量のインスリンを常時投与できる「貼るだけ人工膵臓」のプロトタイプが完… 2021/11/10 代謝・内分泌
リポート◎インスリン投与量を自動で増減、「人工膵臓」の最前線【前編】 パッチ式ポンプを自動制御、インスリン療法は新時代へ 持続的なインスリンの投与を「貼るだけ」で実現する新技術の開発が進んでいる。前編は、皮下間質液中のグルコース濃度を基にインスリンポンプをリアルタイムに制御し、インスリン注入量を自動で増減させる、機械式の「人工膵臓」。数年後の実用化が見えてきた。… 2021/11/09 代謝・内分泌
リポート◎インスリン発見から100年、経口投与の可能性は? 100年たっても実らない経口インスリンの現状 カナダの医師フレデリック・バンティングとその助手チャールズ・ベストがインスリンを発見してから今年で100年。持効型や超速効型といったインスリンアナログ製剤の登場により、生理的な分泌パターンを模倣したインスリン療法が可能になってきた。また、患者の負担を軽減できるよう、注入デバイス… 2021/11/08 代謝・内分泌
学会トピック◎第81回米国糖尿病学会学術集会(ADA2021) GLP-1とGIPの共作動薬、第3相試験の結果は? チルゼパチドに関する一連のSURPASS試験の成績を報告 グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)との共受容体作動薬チルゼパチド(tirzepatide)についてのシンポジウムが、オンライン上で行われた第81回米国糖尿病学会学術集会(ADA2021、会期:6月25日~29日)で開催され、2型糖尿病患者を対象とした4… 2021/07/20 代謝・内分泌
学会トピック◎第81回米国糖尿病学会学術集会(ADA2021) 我が国におけるリブレの使用実態明らかに 測定値の大規模データベース用いて解析 持続グルコースモニタリング(CGM)機器の1つであるFreeStyleリブレ(以下、リブレ)が、我が国の糖尿病の日常臨床でどのように使われているのか、その一端が明らかになった。総数では8万例以上に及ぶ患者の測定データに基づいて解析した結果だ。バーチャル開催された第81回米国糖尿病学会学術集… 2021/07/19 代謝・内分泌
NEWS◎絹蛋白質と皮膚蛋白質のハイブリッド蛋白質であるシルクエラスチン 難治性の創傷を治療する再生誘導材の開発進む 糖尿病性足潰瘍などの慢性創傷に対し、絹蛋白質であるフィブロインと真皮を構成するエラスチンを組み合わせた人工ハイブリッド蛋白質シルクエラスチンを使った新たな再生誘導治療の開発が進んでいる。京都大学感覚運動系外科学講座形成外科学教授の森本尚樹氏と三洋化成工業のグループはシルクエ… 2021/07/13 皮膚科
学会トピック◎第81回米国糖尿病学会学術集会(ADA2021) 新規GLP-1薬efpeglenatide、心血管リスク抑制 exendin-4由来製剤では初、AMPLITUDE O試験 新規グルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬であるefpeglenatideの心血管安全性を評価したAMPLITUDE O試験の結果が明らかになった。バーチャル開催された第81回米国糖尿病学会学術集会(ADA2021、会期:6月25~29日)で、カナダ・マクマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らが発表した。主要… 2021/07/02 代謝・内分泌
NEWS◎インスリン抵抗性と分泌能を同時に改善する糖尿病薬 新機序の2型糖尿病薬イメグリミンが世界初承認 大日本住友製薬は2021年6月23日、2型糖尿病を適応症としたイメグリミン塩酸塩(商品名ツイミーグ)の国内での製造販売承認を取得したと発表した。同薬はフランスのPoxel社から大日本住友製薬が導入したインスリン抵抗性とインスリン分泌能の両方を改善する新機序の経口血糖降下薬で、承認されるの… 2021/06/24 代謝・内分泌
学会トピック◎第64回日本糖尿病学会年次学術集会 電話診療は糖尿病患者の血糖コントロールを改善 緊急事態宣言下における外来診療および電話診療が、糖尿病患者の血糖コントロールに与える影響が検討された。その結果、電話診療は外来診療とは独立して、血糖コントロールの改善に寄与することが示された。2021年5月20~22日に開催された第64回日本糖尿病学会年次学術集会で、朝日生命成人病研究… 2021/05/27 代謝・内分泌
学会トピック◎第64回日本糖尿病学会年次学術集会 2型糖尿病治療薬、認定施設と非認定施設で初回処方薬に違い ビグアナイド薬が薬物治療導入時の選択肢にない施設も 2型糖尿病薬物治療導入時における薬剤選択の大規模な実態調査から、日本糖尿病学会(JDS)認定教育施設と非認定施設では、ビグアナイド(BG)薬およびDPP-4阻害薬を1剤目として選択する割合の分布が顕著に異なることが明らかとなった。第64回日本糖尿病学会年次学術集会(会期:2021年5月20~22日… 2021/05/25 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 正常アルブミン尿DKDの予後は不良ではない 心血管イベントのリスク上昇見られず、JDDM研究の結果 近年、正常アルブミン尿ではあるが腎機能が低下した状態(NADKD:non-albuminuric diabetes kidney diseases)にある糖尿病患者の増加が指摘されている。古典的な糖尿病腎症の病像とは異なることから、NADKD患者の腎予後や心血管イベントのリスク、生命予後はまだ明らかではない。第63回日本糖尿… 2020/10/26 代謝・内分泌
トレンド◎心・腎・肝に続いて目の保護作用にも期待 SGLT2阻害薬、血糖管理と独立して網膜を守る? 糖尿病治療薬として、2014年に登場したSGLT2阻害薬。血糖降下作用だけでなく、心臓や腎臓、肝臓への臓器保護作用が示唆されている。特に心・腎保護作用については、いくつかの臨床試験で心血管イベントおよび慢性腎臓病(CKD)に対する予後改善効果が示された。さらに、最近、糖尿病網膜症や糖尿… 2020/10/22 医薬品
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 食事記録アプリで血糖コントロール改善 患者の気付きで食生活を是正 スマートフォンやタブレットで使用する食事記録アプリ「カロミル」の導入により、2型糖尿病患者の血糖コントロールに有意な改善が認められたと、第63回日本糖尿病学会学術集会(10月5日~16日、インターネット上で開催)で順天堂大学大学院代謝内分泌内科学の常見亜佐子氏らが報告した。… 2020/10/21 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 GIP/GLP1共受容体作動薬、日本人の忍容性良好 2型糖尿病患者を対象とした第1相試験の結果 グルカゴン様ペプチド(GLP)-1とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)との共受容体作動薬tirzepatide(以下TZP、開発コード:LY3298176)に関して、日本人2型糖尿病患者を対象とした第1相試験の結果を、日本イーライリリー研究開発本部の大脇健二氏らが第63回日本糖尿病学会学… 2020/10/13 代謝・内分泌
学会トピック◎第63回日本糖尿病学会学術集会 DPP-4阻害薬による類天疱瘡リスクの実像判明 全薬剤でリスク増加、投与開始から90日間は要注意 我が国の保険診療の全数データである「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を用いた解析から、DPP-4阻害薬による水疱性類天疱瘡発症リスクの実像が明らかになった。ビルダグリプチンなどでリスクが高いことが報告されていたが、全てのDPP-4阻害薬で発症リスクは有意に上昇していた… 2020/10/08 代謝・内分泌
New England Journal of Medicine誌から 週1回型インスリン、効果は1日1回製剤と同等 insulin icodecの第2相試験の結果 週1回投与ですむ持効型インスリンアナログ製剤、insulin icodecの第2相試験の結果が明らかになった。対照薬である1日1回投与のインスリン グラルギンU100と同様の血糖降下作用があり、安全性プロファイルも同程度だった。9月22日、New England Journal of Medicine誌オンライン版に掲載された。… 2020/10/07 代謝・内分泌
学会トピック◎第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020) 新規糖尿病薬イメグリミン、インスリンとの併用でも高い忍容性 新機序の2型糖尿病治療薬イメグリミンについて、インスリンとの併用療法を検討した国内第3相試験の結果が第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020、会期:9月21日~25日)で報告された。重症低血糖などの大きな有害事象はなく、長期間の投与における持続的な血糖コントロール作用が認められたとフ… 2020/10/02 代謝・内分泌
学会トピック◎第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020) 2型糖尿病患者で入浴する人しない人、どっちが予後がいい? 入浴頻度が高い患者ほどHbA1cやBMIが低値 日常的に湯船に浸かり温まることで、2型糖尿病患者の心血管リスク因子を改善できる可能性が示された。9月21日~25日に開催された第56回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2020)で国立国際医療研究センター国府台病院の勝山修行氏が発表した。 湯船で温まること(以下、入浴)は、2型糖病やその他の代… 2020/09/28 代謝・内分泌
リポート◎インスリン抵抗性と分泌不全の両方を改善する新薬 新機序の糖尿病治療薬イメグリミンが登場間近 2020年7月、2型糖尿病を適応としてイメグリミン塩酸塩(以下、イメグリミン)の製造販売が承認申請された。日本での開発元となる大日本住友製薬は、世界に先駆けて2021年度の上市を予定している。ミトコンドリア機能の改善という独自の作用を持つイメグリミンとは一体どのような薬剤なのだろうか… 2020/09/08 代謝・内分泌
2020年8月号スペシャルリポートより《4》 間もなく登場の経口GLP1薬は普及するか 同成分の注射薬も単回使用製剤で発売に ついに我が国でも、近く経口GLP-1受容体作動薬が使えるようになる。ノボノルディスクファーマは2020年6月、週1回投与型GLP-1受容体作動薬であるセマグルチド注射薬(商品名オゼンピック、上写真6)の発売とともに、同じ成分であるセマグルチドの経口薬(商品名リベルサス、上写真7)の国内承認を… 2020/08/14 代謝・内分泌
2020年8月号スペシャルリポートより《3》 何が変わった?「超超速効型」インスリン 新たな添加剤により作用発現がより速く 基礎インスリン分泌と食後の追加インスリン分泌をそれぞれインスリン注射で補う強化インスリン療法では、毎食前に超速効型インスリンが使われる。この超速効型に関して、添加剤によって現行製品よりもより速い血糖降下作用が得られるとうたう新製品が登場した。2020年2月にノボノルディスクファー… 2020/08/13 代謝・内分泌
2020年8月号スペシャルリポートより《2》 重症低血糖に鼻からグルカゴン投与 手技も容易、注射薬に取って代わる可能性 2020年3月、低血糖時の救急処置に用いるグルカゴン製剤として、初の点鼻薬となるバクスミー(商品名、上写真3)が承認された。メーカーの日本イーライリリーでは、薬価収載後速やかに発売するとしている。本薬剤は容器の先端を鼻腔内へ挿入し、注入ボタンを押すことでグルカゴン粉末の噴霧が完了… 2020/08/12 代謝・内分泌
2020年8月号スペシャルリポートより《1》 インスリン+GLP1薬合剤が提案する新戦略 「最初の注射薬」としても使用可能に 持効型インスリンとグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬の合剤や点鼻グルカゴン、吸収がより速まった超速効型インスリン、経口GLP-1受容体作動薬など、昨年から新規糖尿病治療薬の承認・発売が相次いでいる。キーワードは、「使いやすさの向上」だ。… 2020/08/11 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) メトホルミンが便中への糖の排出を促進 PET-MRIにより集積部位の詳細な検討が可能に ビグアナイド(BG)薬であるメトホルミンによって便中への糖の排出が促進されることが、生体イメージング研究から明らかとなった。神戸大学医学部附属病院の坂口一彦氏らが、ウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会(ADA2020、6月12~16日)で、メトホルミンによる血糖降下の新たな作用… 2020/07/06 代謝・内分泌
NEWS◎2型糖尿病治療に経口セマグルチドが登場 初の経口GLP-1受容体作動薬リベルサスが承認 2020年6月29日、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドの経口薬(商品名リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg)が、2型糖尿病を適応として承認された。従来、ペプチドであるGLP-1受容体作動薬には注射薬しか存在せず、経口製剤化は初めて。同薬は米国、欧州、スイス、カナダで… 2020/06/30 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) 持続血糖測定でケトアシドーシスのリスク減少 フラッシュグルコースモニタリングシステム(FGM)のFreeStyleリブレを使用した糖尿病患者では、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)で入院する割合が大幅に減少したことが明らかとなった。フランスの全国的な後ろ向き研究の結果で、第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020、6月12~16日にウェブサイト… 2020/06/29 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) エルツグリフロジン、CVリスクの減少幅は3% 新たなメタアナリシス提示しSGLT2阻害薬のクラス効果は不変と主張 米国では4番目のSGLT2阻害薬として発売されているエルツグリフロジンの心血管安全性を評価した大規模臨床試験VERTIS-CVの詳細が、6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会で発表された。主要評価項目である複合心血管イベント(MACE)のリスクは、プラセボ群に比べ… 2020/06/23 代謝・内分泌
第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) 利き手で箸を持たない食事で食後高血糖が改善 利き手と反対の手で箸を持つ食事により食後血糖値の改善が期待できることを、佐久市立国保浅間総合病院の西森栄太氏らが第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020、会期:6月12~16日、ウェブサイト上で開催)で報告した。… 2020/06/22 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) イプラグリフロジンで糖尿病患者のNAFLD改善 肝生検により組織学的な改善を確認 SGLT2阻害薬イプラグリフロジンの投与によって、2型糖尿病に合併した非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の肝病態を改善できる可能性が示された。我が国で行われた多施設共同ランダム化比較試験の結果で、イプラグリフロジン投与群は対照群に比べHbA1cやBMIが有意に改善したほか、肝生検による線維… 2020/06/18 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) ダパグリフロジンで糖尿病の発症リスク32%減 DAPA-HF試験の探索的解析結果 SGLT2阻害薬ダパグリフロジンの心不全治療効果を検証したDAPA-HF試験の探索的解析から、ダパグリフロジンの投与によって糖尿病の新規発症のリスクが32%、有意に抑制されたことが明らかになった。6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)で、米国エール… 2020/06/17 代謝・内分泌
学会トピック◎第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020) ゴリムマブが1型糖尿病のインスリン分泌を維持 腫瘍壊死因子(TNF-α)に対する抗体医薬であるゴリムマブの投与によって、若年発症1型糖尿病患者の内因性インスリン分泌能の維持が可能であることが明らかになった。6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)で、ニューヨーク州立大学バッファロー校のTe… 2020/06/16 代謝・内分泌
連載の紹介 シリーズ◎糖尿病診療の最新動向 適切な血糖コントロールが必要な糖尿病。持続血糖測定の適応が広がり、より緻密な血糖管理が可能になってきました。薬物治療も大きく進歩し、新たな知見が次々と発表されています。進化する糖尿病診療のトレンドを紹介します。