学会トピック◎第107回日本消化器病学会総会 腸内細菌が作るBCAAが脂肪肝を抑制 正常マウスの便を移植すると、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)マウスモデルの肝脂肪化が抑制される──。4月15日から17日にかけて新宿区で開催された第107回日本消化器病学会総会で大阪医… 2021/04/19 消化器
NEWS◎腸内細菌由来ポリアミンが大腸粘膜の健全性を維持 大腸炎改善のカギは腸内細菌と宿主細胞の「協働作業」 腸内細菌叢が大腸粘膜の健全性を維持するメカニズムが解明された。腸内細菌が産生するポリアミンが、大腸上皮細胞や大腸粘膜の抗炎症性マクロファージの増殖に寄与するというものだ。 ポリアミンとは、分子内に複数の第1級アミンを含む低分子の塩基性物質の総称で、全ての生物の細胞内に含まれる… 2021/04/09 消化器
リポート◎期待高まる糞便移植、多施設共同研究始まる 糞便移植は再発性CDIに対する最強の治療か? Clostridioides difficile感染症(CDI)に対する一般的な治療は抗菌薬投与だが、再発率が高いのが課題とされている。再発を抑えるために欧米などで行われているのが糞便微生物叢移植(FMT)。海外のガイドラインの中には、複数回のCDI再発例で適切な抗菌薬治療が有効でなかった場合にFMTを強く推… 2021/04/06 消化器
リポート◎次々と明らかになる脳腸相関のメカニズム 腸の情報は肝臓を介して脳へ伝わる 「病は気から」ということわざがあるほど、脳とその他の臓器との関わりは古くから指摘されてきた。この中でも、独自の神経ネットワークを有し、「第2の脳」ともいわれる腸は、100兆~1000兆にも及ぶ腸内細菌が生息し、腸の異常と脳神経疾患との関連が示唆されている。近年、この関連のメカニズム… 2021/04/05 消化器
学会トピック◎第17回日本消化管学会総会学術集会 大腸カプセル内視鏡画像から腫瘍性病変を自動検出するAIモデルを開発 人工知能(AI)を活用することで、大腸カプセル内視鏡の普及・発展や読影医の負担軽減につながるかもしれない──。2月19日から21日にかけてオンラインで開催されたGI Week2021で、東京大学医学部附属病院消化器内科の山田篤生氏は、パネルディスカッション「大腸カプセル内視鏡の普及に向けた工… 2021/02/24 消化器
NEWS◎新たに明らかとなった膵腸連関 大腸炎改善のカギを握るのは膵臓の膜蛋白質? 千葉大学大学院医学研究院イノベーション医学研究領域准教授の倉島洋介氏、東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門特任教授の清野宏氏らの研究結果。同グループは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)や2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使った薬剤誘発性大腸炎モデルを用いた研究により… 2021/02/19 消化器
NEWS◎治療が奏功した患者の細菌叢・ウイルス叢を検討 C.difficile関連腸炎に糞便移植が効くメカニズムが明らかに 再発性Clostridioides difficile(CD)関連腸炎患者に対する糞便移植前後の腸内細菌・ウイルス叢の変化を解析した結果から、CD関連腸炎の病態が改善する機序が明らかにされた。糞便移植は腸内細菌叢をドナーの細菌叢に近づける働きを持つとともに、腸内細菌叢の代謝機能を改善し、それが再発性CD… 2021/02/15 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《6》 インタビュー 過敏性腸症候群と腸内細菌は中枢で関与 東北大学大学院医学系研究科行動医学分野教授 福土審氏 過敏性腸症候群(IBS)はストレスを誘因とする典型的な心身症とされてきたが近年、病態の解明が進み、腸内細菌の関与が明らかになってきた。国際的診断基準が昨年改訂され、治療法も増えている。我が国の機能性消化管疾患の診療・研究をリードする福土氏に、IBSの新しい臨床像について聞いた。… 2017/04/18 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《5》IBSじゃなかった!症例集-3 おすすめ!「IBS検査セット」で上手に除外 内視鏡検査を実施する前に器質的疾患を除外すべく、鳥居内科クリニックの鳥居氏は、IBSを疑った場合に「IBS検査セット」を実施している。この検査セットの結果、癌や潰瘍などの器質的疾患の疑いがあれば大腸内視鏡検査を勧めている。 特徴的なのは、腹部単純X線検査も実施していることだ。「腹部… 2017/04/17 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《4》IBSじゃなかった!症例集-2 内視鏡異常ナシなら過敏性腸症候群、は間違い! 警告症状や徴候、リスク因子からも分かるように、IBS様症状を呈する患者で最も見逃してはならないのが、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)や大腸癌だ。 こうした器質的疾患は、血液検査や大腸X線造影検査、大腸内視鏡検査を行えば比較的容易に除外できる。クローン病は、主に若… 2017/04/14 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《3》「IBSじゃなかった!」症例集-1 IBS疑いで睡眠時腹痛があれば要注意 器質的異常を一通り除外してIBSの診療を開始しても、治療中に類似症状を有する他の疾患を合併することもある。常に他疾患を見逃さないようにしておかなければならない。ここでは、他の疾患を疑うきっかけや、鑑別のコツを紹介する。… 2017/04/13 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《2》診断基準と治療 診断基準改訂で過敏性腸症候群の治療が変わる 新たな定義でIBSを拾い上げた後は、病型に合わせた治療を行う。下痢型は患者が自覚しやすいため比較的容易に診断できる。便秘型について鳥居氏は、「IBSは排便異常に注目しがちだが、便秘型は腹痛など腹部症状が強いのが特徴」と話す。田中氏は、「便秘型の患者は、ストレスがかかるタイミングで… 2017/04/12 消化器
特集◎これで解決!腸の不調《1》国際的診断基準が改訂、拾い上げが容易に 過敏性腸症候群は「心の病」ではありません 全人口の約1割がかかっているという過敏性腸症候群(IBS)。患者の社会生活にも支障を来し、QOLを大きく損なう。昨年、国際的診断基準が改訂され、患者の拾い上げが容易になった。病態に即した治療薬も次々と登場しており、患者のQOL改善に寄与しそうだ。… 2017/04/11 消化器