リポート・特集
REPORT: 2015年9月号特集◎ヒヤリとしたあの瞬間
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《インシデント事例の分析法》
エラーの原因を追究、「なぜなぜ分析」の進め方
2015/ 9/24
たとえ数多くのヒヤリハットや事故の事例を収集できたとしても、その分析を誤ると、効果的な改善策を導き出すことは難しくなる。10月にスタートする医療事故調査制度では、予期せぬ死亡事故が発生した際に院内調査を行うことが義務付けられており、各医療機関で分析の手法や具体的な手順などを検…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《インタビュー》
「医療安全なしに病院は成り立たない」
名古屋大学病院 医療の質・安全管理部教授 長尾能雅氏
2015/ 9/18
かつて院内で起きた腹腔鏡下手術事故をきっかけに、トラブルが発生したら全科で対応する仕組みを構築した名古屋大学病院。「医療行為に伴う有害事象も新たな疾患の発生に変わりない。
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《ミス予防策》
医師のヒヤリ報告が年間1000件超!の秘訣
ミス防止は「報告」「職員教育」「意思疎通」の3本柱で
2015/ 9/17
ミスを減らすためには、個人や部門単位だけでなく医療機関全体での取り組みも必要。鍵を握るのは、ミスやヒヤリハットの収集・改善活動の活性化、職員教育、スタッフ間のコミュニケーションギャップの解消だ。…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《デバイス誤使用》
電気メス使用中に気管チューブに引火
高濃度酸素の近くでは電気メスは使用しない
2015/ 9/16
電気メスを用いた手術・処置中の引火は、まれではあるが機器の普及に伴い、注意が喚起されているトラブルの1つだ。
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《誤認・遺残》
タイムアウト形骸化で手術部位の左右取り違え
「ちょっと待って」が言いやすい環境作りを
2015/ 9/15
手術に関連したミスの典型は、患者や手術部位の誤認や、ガーゼや手術器具などの体内遺残。個々の医療機関で防止策が講じられているが、一方で対策の形骸化も散見される。デバイスの誤使用が元で患者に危害を与えてしまうケースもある。…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《誤挿管》
誤って食道挿管、再挿管するも低酸素血症に
気管切開の可能性も含め次の一手を念頭に対応
2015/ 9/14
気管挿管はヒヤリとする場面が多い処置の1つだ。誤って食道にチューブを挿入してしまう「食道挿管」はその典型。挿管に手間取れば、低酸素血症から心停止に至る危険もある。
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《CV穿刺ミス》
中心静脈穿刺で動脈を誤穿刺、患者が意識消失
エコーガイド下でも油断禁物、血管走行と角度が重要
2015/ 9/11
中心静脈(CV)穿刺は、高カロリー輸液や薬液の静脈内投与ルート確保、中心静脈圧測定など、様々な目的で行われる処置だ。以前は、中心静脈の位置を体表から推測し、穿刺する方法が一般的に行われていた。だが、総頸動脈に誤穿刺する例や、穿刺針が血管を貫いてしまい、血管外にガイドワイヤーや…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《尿カテ誤挿入》
尿カテ挿入時に痛がる患者、尿道損傷で出血
バルーン拡張前に導尿の確認を
2015/ 9/10
脳梗塞で入院中の60歳代男性に尿閉が疑われ、C医師が膀胱留置カテーテルを挿入することになった。いつものように挿入を始めたが、患者は力み、痛がっていた。しかし、グッとカテーテルを押すと挿入できたため、バルーンを10mL膨らませた。だが、患者は挿入後も痛がり続け、カテーテルの脇から血液…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《薬剤の取り違え》
カンデサルタンと間違えカルデナリンを処方
うろ覚えの一般名に要注意、3文字以上の入力を習慣に
2015/ 9/ 9
東北地方の診療所に勤める内科医のB氏。外来診療をしていたところ、50歳代の男性が来院した。県外から出張で来たが、手持ちの薬がなくなったと話す男性。高血圧でいつもこの薬を飲んでいると紙を差し出してきた。…
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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《用法・用量ミス》
曖昧な口頭指示で倍量のジアゼパムを筋注
ルールを徹底して緊急時のミスも防止
2015/ 9/ 8
投与量を指示しなかったため2倍量の抗不安薬が筋注で投与され、患者の呼吸が停止した──。関東地方の病院に勤める内科医のA氏は、以前こんな事故を経験した。A氏は当時、普段勤務する病院とは異なる神経内科専門の病院で夜間当直をしていた。ある日、入院中の50歳代男性が痙攣と高熱を発症。セル…