特集◎迫られる医師の働き方改革《3》解決篇 働き方改革を実現する4つの「切り札」 全ての病院にいつ労基署の調査が入ってもおかしくない状況では、今すぐ医師の働き方改革に取り組んでいくしかない。働き方改革を進める上で切り札となるであろう4つの方策を、先進的な取り組みを実践している施設を例に紹介する。… 2018/03/30 医師の職場環境
トレンド◎進化する多発性骨髄腫の治療戦略 新薬相次ぎ多発性骨髄腫では死なない時代へ 早期から多剤併用の総力戦で腫瘍細胞の根絶を目指す いまだ完治困難とされる多発性骨髄腫の治療が、最近の相次ぐ新薬の登場で大きく前進している。この背景には病態の解明が進み、個々の患者における腫瘍細胞の多様性が明らかになってきたことがある。新薬を組み入れた積極的治療で早期から腫瘍細胞を徹底的に減らし再発を抑える。多発性骨髄腫では… 2018/03/29 血液内科
特集◎迫られる医師の働き方改革《2》ケース篇 働き方改革で時短に取り組み始めた3病院の今 労基署の立入調査と勧告に応じる形で、医師の働き方改革に取り組む病院が現れてきた。変形労働時間制や複数主治医制の採用、土曜診療や当直の縮小・中止など、その手法は病院によって様々だ。果たしてその効果のほどは──。… 2018/03/29 医師の職場環境
トレンド◎オンライン診療が点数化 「オンライン診療料」新設も算定には厳しい条件 運用の柔軟性が失われることへの懸念も オンライン診療に対する報酬の新設は、2018年度診療報酬改定の目玉の一つとなった。インターネットやスマートフォンなどのICT(情報通信技術)を活用した診療という、医療の新ジャンルを保険医療にどう位置付けるかに注目が集まった。 オンライン診療とは、スマートフォンのビデオ通話機能などを… 2018/03/29 医療情報
特集◎迫られる医師の働き方改革《1》実態篇 病院は労働基準監督署ににらまれやすい!? 政府の方針により、医師への罰則付き時間外労働規制の適用は2024年まで先送りされた。現在、時間外労働の上限設定などを厚生労働省の検討会が議論中だ。その一方で労働基準監督署による病院への立入調査が相次ぎ、医療界は揺れている。… 2018/03/28 医師の職場環境
トレンド◎帯状疱疹の非典型皮疹や「ブレークスルー水痘」の鑑別に有用 帯状疱疹の迅速診断キット登場、使い勝手は? 皮膚科専門医でも診断に悩むケースがある帯状疱疹。2018年1月22日に発売された「水痘・帯状疱疹ウイルス抗原検出キット」は、ウイルスの検出精度が高く、診断に悩んだ際の一手として有用そうだ。 2018/03/27 皮膚科
特集◎終末期医療の三原則《4》栄養管理 認知症の終末期では人工栄養に延命効果なし 人工栄養の導入・非導入で長らく議論の対象となっていたのが胃瘻造設だろう。アルツハイマー病や老衰が進行した患者に対して、「食べられなくなったから即、胃瘻」という考えを長年批判してきた東京大の会田氏は、「人生の最終段階にある患者に人工栄養を行うことは、患者の苦痛を増すだけでメリ… 2018/03/26 ターミナルケア
特集◎終末期医療の三原則《6》インタビュー 治療の中止には厳しい前提条件を 日本臨床倫理学会理事長 新田 國夫氏 今回の診療報酬改定で終末期医療への評価が拡充され、多くの医師にその実施が求められている。だが安易な治療中止は、患者の生きる権利を奪い訴追されるリスクもある。その際どういうプロセスを踏めばよいのか。日本臨床倫理学会を設立し、在宅で1000人以上を看取ってきた新田氏に聞いた。… 2018/03/26 ターミナルケア
特集◎終末期医療の三原則《5》血液透析 透析中止後の呼吸困難は「瀉血」で緩和できる 福岡赤十字病院(福岡市南区)では、年に1~2例、透析中止を希望する患者に対応している。その際に重要視するのは、透析を中止した後でどうなるかを患者や家族によく説明し理解してもらうこと。そして十分理解した上で中止を希望する患者では、中止後のケアも患者希望に合わせて実施することだ。… 2018/03/26 ターミナルケア
シリーズ◎医師の「働き方改革」 「医師は長時間が当たり前」を押し付けるな 元労働基準監督官で社会保険労務士の原論氏に聞く 医師の働き方改革のあり方を巡っては、時間外労働の上限設定などを厚生労働省の検討会で議論中で、2019年3月末までに結論が示される予定だ。だが、労働基準監督署による全国の医療機関への立入調査が相次ぎ、医療界は右往左往している。かつて病院にも立入調査に入ったことのある元労働基準監督官… 2018/03/24 医師の職場環境
労基署から是正勧告、夜間・休日の急変対応などが対象に 東京医歯大、裁量労働制の医師80人に590万円支払い 東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)を運営する東京医科歯科大学が、中央労働基準監督署からの是正勧告を受け、専門業務型裁量労働制で勤務する医師80人に未払いだった時間外労働の割増賃金、合計590万円を支払ったことがこのほど明らかになった。… 2018/03/23 医師の職場環境
ニュース追跡◎神奈川県立がんセンターの放射線科医集団退職事件 神奈川県立病院機構の土屋了介理事長が解任に 独立行政法人の独立性を疑問視する声も 神奈川県立病院機構理事長の土屋了介氏が今年3月、黒岩祐治神奈川県知事から理事長職を解任された。事の発端は、昨年8月の県立がんセンター放射線治療科部長の突然の退職だった。 2018/03/22 癌
特集◎終末期医療の三原則《3》呼吸管理 推定意思が確認できれば人工呼吸器も中止可能 「心肺蘇生を望まない」という患者の意思が確認できていれば、急変時にその意思に従える。しかし、本人の意思を確認できない場合は、気管挿管・心肺蘇生などの蘇生措置を実施するのが医療の基本だ。では心拍は戻ったものの、人工呼吸器下で意識障害が継続し回復の見込みがない患者の家族から「本… 2018/03/22 医師・患者関係
リポート◎診療報酬改定で向精神薬処方がしにくくなる!? ベンゾ長期処方が大幅減額、その対策は? 処方の長期化と多剤併用により依存を作ってしまい、多彩な副作用に悩まされやすいのが向精神薬治療。安易な長期処方や多剤併用を回避するよう、ここ数年の診療報酬改定でも向精神薬の多剤長期処方について処方料・処方せん料が減点されてきたが、今回はさらに一歩踏み込んだ改定が行われた。… 2018/03/22 精神・神経
特集◎終末期医療の三原則《2》樋口範雄氏に聞く 終末期の治療差し控え・中止に警察は介入しない 「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」初版は、医療行為の中止で刑事責任が問われた一連の事件を契機に策定されました。終末期医療で刑事責任を問われないために医療者が最低限守るべきことをまとめてほしいと、当時の厚生労働大臣が指示したのがきっかけでした。… 2018/03/21 医師・患者関係
トレンド◎「総合診療専門医」と「医療機関の機能分化」の狭間で(前編) 大学病院総合診療部に明日はあるのか 付きまとうアイデンティティ・クライシス 新専門医制度で誕生した総合診療専門医が追い風となり、教育の場としての大学病院総合診療部の役割が見直されている。一方で医療機関の機能分化が進み、大学総合診療部ではコモンディジーズの研修機会を確保しにくい事態に。高度化に突き進む大学病院の中で、総合診療部はどこへ向かうのか。… 2018/03/20 医師のキャリア
4月からの専門医研修、「東京に全国から集中は見られない」 日本専門医機構は3月16日に記者会見を開き、4月から始まる専門研修プログラムについて都道府県別の採用状況を公表した。専攻医の数は全国で8409人(3次登録での採用予定50人を含む)。最も多い東京都は1825人(21.7%)で、次いで大阪府650人(7.7%)、神奈川県497人(5.9%)、福岡県451人(5.4… 2018/03/20 医師のキャリア
トレンド◎「総合診療専門医」と「医療機関の機能分化」の狭間で(後編) 「何でも任せて」と即答できる医師の育成が目標 国立大第1号の佐賀大病院総合診療部が目指すもの 全国の大学病院総合部が激動のときを迎えている中、国立大第1号の佐賀大学医学部附属病院総合診療部の現状はどうなっているのか。 2018/03/20 医師のキャリア
トレンド◎医師の教育や連携を一変させる遠隔病理診断 実用段階に入ったデジタルパソロジー 2018年改定で鏡検しなくても診断料が算定可能に 2018年度の診療報酬改定でデジタル画像を用いた病理診断料の算定が認められることになった。これにより病理医のいる医療機関との連携が飛躍的に効率化される。遠隔病理診断のシステムは病理医の育成や1人病理医の支援にも効果的で、今後はより多くの医療機関に普及していくことになるだろう。… 2018/03/20 検査
特集◎終末期医療の三原則《1》総論 延命治療の中止でトラブルを招かないために 2018年度診療報酬改定では、「患者の希望に沿う終末期医療の実現」に向けた評価が拡充された。地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1・3を新設、訪問診療のターミナルケアに関する報酬をアップした上でその算定において「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(以… 2018/03/20 医師・患者関係
トレンド◎5診療科12術式が今改定で一挙保険適用 適用拡大でダビンチは外科手術に革新を起こすか 「まさか12術式が一気に保険適用になるとは思っていなかった」。2018年度の診療報酬改定でロボット支援下内視鏡手術(ダビンチ手術)を保険適用できる範囲が大幅に拡大されたことに、日本内視鏡外科学会理事長の渡邊昌彦氏は驚きを隠さない。現状ではまだ、関連学会のガイドラインすら、未整備な… 2018/03/17 消化器
インタビュー◎認知症の合併症を予防しQOLを改善する現場の知恵とは 無理な食事介助が誤嚥性肺炎を生む 江別すずらん病院認知症疾患医療センター長の宮本礼子氏に聞く 医師でありながら、毎朝、認知症患者の食事介助に加わり、医療と介護の在り方の最善を模索している宮本氏。「認知症にだけはなりたくない」という社会の風潮に危機感を覚える同氏に認知症を取り巻く介護と医療、社会の在り方はどうあるべきかを聞いた。… 2018/03/15 精神・神経
トレンド◎HIVに関連しない免疫再構築症候群の研究会が発足 Vol.1 生物製剤投与で自己免疫疾患がなぜ起こるのか 2017年11月、都内に皮膚科医と呼吸器内科医が集まって、新しい研究会が立ち上がった。 2018/03/13 感染症
トレンド◎治療薬の進歩で注目される免疫再構築症候群(IRIS)vol.2 AIDS患者で起こるIRISは一般診療でも起こる 琉球大学医学部附属病院長の藤田次郎氏に聞く 後天性免疫不全症候群(AIDS)患者に抗ウイルス薬を投与した結果、免疫能の急激な回復に伴って起こってしまうのが免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome:IRIS)だ。 2018/03/13 感染症
ニュース追跡◎健保連の保険外し提案に対応 美容目的の医療用保湿剤、処方制限見送りも審査強化へ 医療用保湿剤が美容目的で使用されているとして健康保険組合連合会が同剤の処方制限、保険外しを提案した。これに対し学会は、治療で必要とする患者に大きな不利益を生じかねないと反発。落とし所は「審査強化」だった。… 2018/03/13 事件・話題
大学病院の医局に所属する、ある心臓血管外科医A氏の訴え 働き方改革で手術が減るなら私は病院を辞める 関東地方にあるX病院に勤務する40代の心臓血管外科医のA氏は、議論が続いている医師の働き方改革に不満を感じている1人だ。最近、A氏が所属する医局があるY大学病院にも、労働基準監督署の立入調査が入り、これから本格的な医師の労働環境改善が始まる見込みだ。A氏は働き方改革のどこに不満や不… 2018/03/13 外科
インタビュー◎日医生命倫理懇談会「超高齢社会と終末期医療」の位置付け かかりつけ医が終末期の意思決定支援を 日本医師会常任理事の羽鳥裕氏に聞く 日本医師会の生命倫理懇談会は、昨年11月、「超高齢社会と終末期医療」と題した第XV次答申をまとめた。同答申は、患者が望まない医療を防ぎ患者の意思決定を支援する上でかかりつけ医が重要な役割を演じるべきとする。同答申の位置付けを日本医師会常任理事の羽鳥裕氏に聞いた。… 2018/03/12 プライマリケア
トレンド◎DESに第三世代登場、生体吸収性は存亡の危機 冠動脈ステントの世代交代に波乱あり この春、オシロという新しい薬剤溶出ステント(DES)が発売された。広く使われ標準品と見なされているザイエンスに大規模臨床試験で初めて勝ったDESとして、循環器医の注目度は高い。一方、ステント全体が分解する生体吸収性ステントは、トップを走っていたアブゾーブが遠隔期の血栓症の懸念を払… 2018/03/08 循環器
時短に向け他職種へ委譲すべき9つの業務を明示 厚生労働省は3月5日、労働基準法改正を待たずに今すぐ全医療機関で取り組むべき「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」に関する通知を各都道府県と病院団体に発出。医師の労働時間短縮のために全医療機関が直ちに取り組むべき6項目を示した。… 2018/03/08 医師の職場環境
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《5》 拘束ゼロ実現のための合言葉は「KYT」 インシデントリポートと対処法検討の繰り返しが鍵 拘束ゼロ実現のためにスタッフが交わしている合言葉が「KYT」――。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で日々、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏は、危険予知トレーニング(KYT)こそが「拘束ゼロ」の決め手だと断言します。… 2018/03/08 精神・神経
トレンド◎医療機関が積極的に寄付を募集し無菌室やドクターカーを調達 クラウドファンディングで診療環境を改善 インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングを使い、病院に必要な設備の購入や更新のための資金を調達する動きが広がり始めている。国公立の病院であっても施設整備に十分な予算を確保できない現状に、積極的な情報発信と丁寧な対応によって理解者を増やし、寄付を募ることができること… 2018/03/06 医療経営
リポート◎結核IFNγ遊離試験への過信は禁物 結核感染の「標準検査」に落とし穴 健診での使用は偽陽性、偽陰性を念頭に ツベルクリン反応よりも診断能が高く、結核感染診断法のスタンダードとなっているインターフェロンγ遊離試験(IGRA)。しかし、その診断特性は主に活動性結核に対する臨床研究で得られた結果を基にしている。健診や高齢者施設などで潜在性結核感染の拾い上げに用いる場合は、偽陰性や偽陽性の可能… 2018/03/06 呼吸器
インタビュー◎胃瘻バッシングで生じた歪みを考える 胃瘻適応者への長期間の経鼻胃管は「虐待」だ 東京大学大学院人文社会系研究科上廣死生学・応用倫理講座特任教授の会田薫子氏に聞く 医療倫理的な視点から、人生の最終段階にある患者に対する延命治療の問題点を以前から指摘する会田氏。社会的な胃瘻バッシングにより胃瘻造設が減る中、経鼻胃管による人工栄養投与の増加を憂う。人工栄養は本来どう投与されるべきなのか。そもそも、医療者は「人生の最終段階」をどう解釈すべき… 2018/03/02 ターミナルケア
シリーズ◎医師の「働き方改革」 聖路加病院、1月からほぼ全科で土曜外来休診 聖路加国際病院院長の福井次矢氏に聞く 日経メディカルでは2017年5月、特集「医師こそ働き方改革を」の中で、一部診療科で土曜外来を休止するなどの改革を進める聖路加国際病院(東京都中央区)の例を紹介した。その後、同病院での働き方改革はどこまで進んだのか。院長の福井次矢氏に聞いた。… 2018/03/01 救急医療・集中治療
短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ《4》 「借用書のIさん」が逝き、看護師は泣いた 「認知症の人は、今という瞬間を生きている」 認知症の人は、今という瞬間を生きている――。認知症専門病院である春日部セントノア病院(医療法人忠洋会、埼玉県春日部市)で日々、内科医として認知症の診療に当たる高野正孝氏も、常に感じることだといいます。そんな瞬間、瞬間を生き抜いた患者さんが亡くなられたとき、見守り続けた看護師た… 2018/03/01 精神・神経
シリーズ◎医師の「働き方改革」 宿日直明け連続勤務で診療ミス増加、7割が経験 医療安全の点から医師の連続労働にも上限を 宿直明けの連続勤務が医師の集中力や判断力を鈍らせ、実際に診療ミスが増えていることが、2月20日に公開された「勤務医労働実態調査2017」の最終報告で明らかになった。調査に当たった全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、「欧米では医療安全の点から医師の連続労働に上限が設けられている。日本で… 2018/03/01 医療安全
トレンド◎C型非代償性肝硬変でも抗ウイルス薬投与を可能に 期待高まる肝硬変治療薬、開発が次のステージへ C型肝炎ウイルス(HCV)由来の肝硬変を対象に、線維化を改善する治療薬の開発が進んでいる。フェーズI試験では、3カ月の薬剤投与終了後、C型非代償性肝硬変だった7例中4例が代償性に改善した。次相ではHCV由来以外の肝硬変や持続的ウイルス陰性化(SVR)後の肝硬変患者を加えて有効性と安全性を確… 2018/03/01 消化器