日経メディカル2012年6月号特別編集版「循環器診療のトピックス&トレンド」転載 体内時計の変調と疾患の関連、時間治療に注目 1997年に時計遺伝子が哺乳類でクローニングされて以来、体内時計の研究は大きく進み、虚血性心疾患などの発症と体内時計の変調との関連が明らかになりつつある。一方、概日リズムを考慮して投薬を行う「時間治療」も実施され、服用時刻の重要性が注目されている。… 2012/06/29 生活習慣
日経メディカル2012年6月号特別編集版「循環器診療のトピックス&トレンド」転載 心不全関連マーカーで高リスク患者を見つけ出す 急速に変わる日本人の心不全(その2) 心不全診療で使用されるバイオマーカーは、診断や治療だけでなく、ハイリスク患者の拾い上げにも活用できるのではないかと期待されている。心筋トロポニンT(TnT)やヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)などを測定することで、特に予後の悪い慢性心不全患者や、心不全を発症するリスクが高い集… 2012/06/28 循環器
日本腎臓学会2012 造影剤による急性腎障害の予防、Bi-plane装置やIVUSの利用で造影剤使用量の抑制を 造影剤による急性腎障害(CI-AKI)は、造影検査が多用される経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で特に注意すべき疾患だ。PCIそのものには成功しても、CI-AKIによって転帰が大きく違ってしまうこともある。どうすれば発症を防止できるのか――。名古屋大学大学院循環器内科学の石井秀樹氏は、… 2012/06/27 循環器
日経メディカル2012年6月号特別編集版「循環器診療のトピックス&トレンド」転載 日本の慢性心不全像が変化 虚血性、拡張不全型が増える 特集・急速に変わる日本人の心不全(その1) わが国における慢性心不全の患者像が変わりつつあるようだ。日本の心不全コホートであるCHART-2研究によれば、原因疾患として冠動脈疾患の割合が増え、左室収縮能が維持された拡張不全型の症例が占める割合は高まっている。予後については、欧米諸国並みに悪いことが判明している。… 2012/06/27 循環器
日本腎臓学会2012 24時間蓄尿による1日尿蛋白排泄量に代わり得る新たな尿蛋白指標を報告 スポット尿の蛋白/Cr比を血清Cr値とeGFRで補正 スポット尿(随時尿)における蛋白排泄量とクレアチニン(Cr)排泄量の比を、血清Cr値および推算糸球体濾過量(eGFR)で補正した1日尿蛋白排泄量推定値が、24時間蓄尿による1日尿蛋白排泄量に代わる新たな尿蛋白指標となり得る可能性が示された。新潟大学医歯学総合病院血液浄化療法部の風間順一… 2012/06/26 腎・泌尿器
日経メディカル2012年6月号「キーワード」(転載) 制御性T細胞 骨髄移植や癌の治療に応用 制御性T細胞(regulatory T cell)は、T細胞サブセットの一つで免疫応答を抑制する働きを持つ。最近は、骨髄移植時の過剰な免疫応答を抑えるために制御性T細胞を活用する臨床研究も実施されている。 2012/06/26 アレルギー・免疫
日本腎臓学会2012 ARB・Ca拮抗薬配合剤への切り替えで外来血圧が有意に低下 降圧薬の薬剤費は1カ月当たり平均1543円減少 降圧薬をアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム(Ca)拮抗薬の配合剤に切り替えたら、どんな影響が見られるのか――。帝京大学内科の加藤秀樹氏らが、切り替えた高血圧患者を調べたところ、30%の患者で飲み忘れが減り、降圧薬の薬剤費は1カ月当たり約1500円減少し、さらに外来血圧も有… 2012/06/25 循環器
日経メディカル2012年6月号「ヒーローの肖像」(転載) 心臓外科医としてドイツで約30年、弁手術や心移植など2万例超を執刀 南 和友 北関東循環器病院(群馬県渋川市)病院長 ドイツ・ボッフム大永代教授 卒後すぐにドイツへ渡り、心臓外科医として2万例以上の手術を手掛けた。2005年に帰国後は、留学を手助けするなど外科医の養成に力を注ぐ。一人前の外科医になるには、多くの症例を経験することが欠かせないと説く。… 2012/06/25 外科
日経メディカル2012年6月号「トレンドビュー」(転載) 急速に広がるロボット手術 合併症リスクを低減、保険適用も後押し メスや鉗子を遠隔操作して行うロボット手術が、泌尿器科や消化器外科などで広がっている。従来の手術より合併症リスクが低いことも分かってきた。ただ、高額な費用を保険で賄うことには疑問の声もある。… 2012/06/22 外科
日経メディカル2012年6月号「特集 うつ病・認知症診療 15のコツ」転載 Vol.5 周辺症状や合併症に応じて治療薬を変更 認知症治療 3つのコツ 認知症の中で最も多いのがアルツハイマー病(AD)だ。物忘れを主訴とする認知症の8割以上がADといわれている。次いで多いのが血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(FTD)である。 2012/06/20 精神・神経
日本糖尿病学会2012 iPS細胞使った心筋再生治療、数年後には臨床試験を開始か サル心臓への再生心筋細胞移植で長期生着に成功 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた心筋再生治療の基礎研究が大きく進み、数年後には臨床試験に入れるほどのレベルまで達していることが分かった。慶応義塾大学循環器内科の福田恵一氏が、 第55回日本糖尿病学会年次学術集会(5月17日~19日、開催地:横浜市)で明らかにした。同氏は、iPS細胞… 2012/06/20 代謝・内分泌
日経メディカル2012年6月号「特集 うつ病・認知症診療 15のコツ」転載 Vol.4 「治せる病態」を鑑別 問診への反応がカギ 認知症診断 3つのコツ 既存の認知症治療薬は、認知機能そのものは回復させないが、症状の進行を抑える効果がある。早期に患者を拾い上げることが、患者の状態を良好に保つ上で重要となる。 2012/06/19 精神・神経
日経メディカル2012年6月号「特集 うつ病・認知症診療 15のコツ」転載 Vol.3 生活改善で症状軽減 成功体験を喜び合う うつ病治療 5つのコツ 信愛クリニックの井出氏は、「身体症状から内科を受診するうつ病患者は、診断をつけるだけで良くなることが多い」と強調する。「診断をつけ、共感を持ちつつ患者に関わることが、患者の治癒に大きく影響する」とも言う。… 2012/06/18 精神・神経
日経メディカル2012年6月号「特集 うつ病・認知症診療 15のコツ」転載 Vol.2 2つの質問で拾い上げ 双極性障害は即紹介 うつ病診断 4つのコツ 「うつ病患者は自分の病気に気づいていない、もしくは否定したいという思いがあるので、自分から精神症状を医師に報告することは、まず期待できない」。こう語る筑波大の前野氏は、「うつ病患者は、問診で拾い上げるしかない」とも言う。… 2012/06/15 精神・神経
日本糖尿病学会2012 マウス胎児腸の培養組織から膵組織への分化転換に成功 膵再生治療がにわかに現実味を帯びる 将来、糖尿病の根本的な治療法として大きな期待が寄せられている膵再生治療。多能性幹細胞から膵内分泌細胞を誘導する研究が盛んに行われてきたが、そうしたこれまでの研究手法と違うアプローチで挑んでいるのが、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)臨床応用研究部門臓器形成誘導分野の川口義弥氏ら。… 2012/06/14 代謝・内分泌
日経メディカル2012年6月号「特集 うつ病・認知症診療 15のコツ」転載 Vol.1 うつ病と認知症は、外来で必ず出合う身近な精神神経疾患 プロローグ うつ病と認知症は、避けて通れない2大精神神経疾患だ。うつ病の生涯有病率は7~10人に1人と高く、多くの患者が身体的な症状を訴えて内科を受診する。一方、65歳以上の約1割が認知症に罹患し、加齢とともに認知機能が低下するかかりつけ患者もいる。明日から活用できる診療のコツを紹介する。… 2012/06/14 精神・神経
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 消化管疾患の原因は炎症に行き着く 本郷 道夫氏(公立黒川病院 管理者・東北大学名誉教授) 今年の日本消化管学会学術集会では、炎症と発癌、機能性消化管障害、震災をメインテーマとした。炎症は機能性消化管障害にも関係することが明らかになりつつある。震災関連の特別セッションでは、消化器疾患との関連、災害医療のあり方について取り上げた。… 2012/06/12 消化器
日経メディカル2012年6月号「トレンドビュー」(転載) 敗血症は4項目で拾い上げ 重症化を疑ったらまず十分な輸液負荷を 一般医療機関でも診る機会が多い敗血症。しかし、診断や治療にはいまだに誤解がある。今年4月末、日本初の敗血症診療ガイドライン案が公表され、疾患概念や早期に実施すべき対応が明確に示された。 2012/06/12 感染症
日経メディカル2012年6月号「トレンドビュー」(転載) 脱法ドラッグ中毒が急増 大麻やアンフェタミンの類似物質が流通 現行法で取り締まれない脱法ドラッグの販売業者が全国に広がり、中毒患者の救急搬送が目立っている。治療は対症療法が中心となり、中毒疑い患者を診た際の当局への通報は、医師の裁量に委ねられる。 2012/06/11 救急医療・集中治療
日本糖尿病学会2012 2型糖尿病合併高血圧患者の脳・心血管イベント抑制、血圧130/80mmHg未満かつHbA1c 6.2%未満が必要 2型糖尿病合併高血圧患者で脳・心血管イベントの発症を抑制するには、血圧を130/80mmHg未満かつHbA1c(NGSP値、以下同)6.2%未満にコントロールする必要があることが、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)オルメサルタンの大規模コホート研究であるOMEGA studyのサブ解析で明らかとなった。順… 2012/06/11 代謝・内分泌
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 安全・低侵襲の腹腔鏡・内視鏡合同手術 消化管外科手術の最新動向2012【その4】 消化管外科手術の多くが腹腔鏡下で行われるようになり、より低侵襲で根治率が高く、安全な術式を目指した研究やデバイス開発が進められている。今回は、十二指腸腫瘍に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術を紹介する。… 2012/06/11 外科
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 単孔式では基本操作の意識が大切 消化管外科手術の最新動向2012【その3】 消化管外科手術の多くが腹腔鏡下で行われるようになり、より低侵襲で根治率が高く、安全な術式を目指した研究やデバイス開発が進められている。今回は、普及が始まっている単孔式腹腔鏡手術(SILS)を紹介する。… 2012/06/08 外科
新規コレステロール降下薬SAR236553の効果と安全性が第II相試験でも確認 LDL受容体の分解促進因子であるPCSK9の阻害というユニークな機序に基づく新規コレステロール降下薬、SAR236553/REGN727(以下、SAR236553)の第II相臨床試験の結果が報告された。スタチン投与下にある患者に同剤150mgを2週間隔で皮下注射することにより、さらに72%のLDL-C低下が得られたという。… 2012/06/07 循環器
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 高精細スコープは機能温存率を向上 消化管外科手術の最新動向2012【その2】 消化管外科手術の多くが腹腔鏡下で行われるようになり、より低侵襲で根治率が高く、安全な術式を目指した研究やデバイス開発が進められている。今回は、高精細スコープによる機能温存への貢献の可能性を紹介する。… 2012/06/07 外科
救急搬送中のGIK液輸液、ACS患者の搬送中から病院内での心停止、死亡リスクが半減 GIK(グルコース・インスリン・カリウム)液は安価で調製も容易な心筋保護液であり、開胸手術中の心筋保護や移植心の保存などに利用されている。このGIK液を救急救命士が急性冠症候群(ACS)発症直後の患者に輸液することにより、心停止および病院内死亡のリスクが低減できる可能性が無作為化比較… 2012/06/06 循環器
日本糖尿病学会2012 プラバスタチン単独投与は動脈硬化、左室拡張能の改善効果が高い傾向 耐糖能障害または軽度糖尿病を有する患者の動脈硬化や左室拡張能に対するスタチン、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の影響を検討した多施設共同前向き試験で、プラバスタチン単独投与が、アトルバスタチン単独やプラバスタチン・ロサルタン併用、アトルバスタチン・ロサルタン併用に比べて… 2012/06/06 循環器
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 国内で普及始まったロボット支援手術 消化管外科手術の最新動向2012【その1】 2010年11月に承認されて以来、手術支援ロボット「ダヴィンチ」の普及が急ピッチで進んでいる。1000台近くが稼働しているとされる米国は別格として、先行して導入が始まった韓国を一気に抜き去り、既に約40台が医療機関に導入されている。… 2012/06/06 外科
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 小腸狭窄病変の拾い上げに腹部エコーは有効 ダブルバルーン内視鏡適応患者を絞り込み 小腸狭窄病変を検出するための手段として、近年ではダブルバルーン内視鏡検査(DBE)が使われることが多くなってきた。DBEは、口または肛門から内視鏡を挿入し、バルーン部分を膨らませたり縮めたりして内視鏡を押し進めながら検査を行う。しかし、原則として入院が必要で、患者の身体的負担が大… 2012/06/05 消化器
日経メディカル2012年6月号「行政ウォッチ」(転載) 不活化ポリオが定期接種に 9月から導入、11月には4種混合も登場 今年4月、国内初の不活化ポリオワクチン(IPV)が承認された。厚生労働省は9月から、IPVを定期接種に導入する方針を決定。11月にはIPVを含む4種混合ワクチンも定期接種となる見込みだ。 2012/06/05 感染症
救急救命室への心臓CT導入、急性胸痛患者の平均在院時間が7時間以上短縮 冠動脈病変の陰性的中率が高いCTは、胸痛を訴える救急患者のなかから「急性冠症候群(ACS)ではない患者」を見極められる優れた手段だ。これを救急救命室(ER)に導入することにより、コストの上昇を伴うことなく、急性胸痛患者の平均在院時間を7時間以上も短縮できることが無作為化比較試験、ROM… 2012/06/04 循環器
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 胃食道逆流症診断の新しい問診票「GerdQ」 Fスケールと比較して特異度が高い傾向 胃食道逆流症(GERD)は、胃内容物の食道内逆流によって起こる不快な症状、あるいは合併症があるために生活に支障を来す疾患で、その診断には他覚的な検査所見より症状の把握が重要とされる。 2012/06/04 消化器
日本糖尿病学会2012 2型糖尿病合併高血圧患者に対する高用量オルメサルタンでインスリン抵抗性など糖代謝指標が改善 2型糖尿病を合併する高血圧患者で、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のオルメサルタン、テルミサルタンのそれぞれ最大用量投与による効果を比較すると、降圧効果には差がなかったが、インスリン抵抗性をはじめとする糖代謝の改善効果においてはオルメサルタンが優れている可能性のあること… 2012/06/01 循環器
日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載 排便姿勢は「考える人」で 特集 便秘診療の勘所【その2】下剤投与、生活指導の注意点 便秘を訴える患者に十分な問診をせず下剤を処方する─。そんな診療をしていないだろうか。便秘はタイプによって治療方針が大きく異なる。なかには下剤や食物繊維が逆効果になることもあり、注意が必要だ。正しい治療を行う上で欠かせない便秘の見分け方や、患者の満足度を高める問診方法など、便… 2012/06/01 消化器