AHA2008 直接的レニン阻害薬とACE阻害薬の降圧効果は同等 高齢者収縮期高血圧を対象にしたAGELESS Studyが示す 直接的レニン阻害薬であるアリスキレンとACE阻害薬のラミプリルの降圧効果を比較したAGELESS Study(Aliskiren for GEriatric LowEring of SyStolic hypertension)から、アリスキレン単独投与の方がラミプリル単独投与に比べ同等以上の降圧効果を持つことが示された。米ミネソタ大のDaniel A Dup… 2008/11/29 循環器
AHA2008 スタチン投与によるLDL/HDL比低下とイベント発生率に関連 MEGA Studyの事後解析で判明 日本人の高コレステロール血症患者を対象に、心血管系疾患(CVD)に対するプラバスタチンの一次予防効果を検討したMEGA Study(Management of Elevated Cholesterol in the Primary Prevention Group of Adult Japanese)の事後解析の結果、プラバスタチン投与によるLDLコレステロール(LDL-C)/H… 2008/11/28 循環器
AHA2008 妊娠中の喫煙は胎児のeNOSを低下させて発育を悪くする たばこに含まれるどの物質が関与しているのかはまだ不明 妊娠中に喫煙を続けていると、胎児の成長が抑制されることはよく知られているが、その機序の1つとして、喫煙妊婦では、胎児の血管内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性が3割以上も低く、血管拡張能が低下して血流が減少し、胎児の成長を遅らせる可能性が示された。… 2008/11/28 循環器
AHA2008 Overview 治療から予防、医療から保健に舵切ったAHA 例年は「満員御礼」のLBCTも初日を除き空席目立つ 2008年の米国心臓協会(AHA)学術集会では、目玉企画であるLate Breaking Clinical Trials(LBCT)の発表演題に明らかな変化が見られた。一言で言えば、心血管疾患への対応が「治療から予防へ、医療から公衆衛生(保健)へ」というチューニングになったことだろう。約4000ある演題の中のわずか16… 2008/11/27 循環器
JAMA誌から ベバシズマブ投与により静脈血栓塞栓症のリスクも上昇 発生率や相対リスクは癌種により異なるが、投与量とは相関せず 標準的治療にベバシズマブを加えて行われた15のランダム化試験(対象は進行固形癌患者、計7956例)のメタ解析から、ベバシズマブの投与は静脈血栓塞栓症のリスクを増大させることが明らかになった。この結果はJAMA誌11月19日号に掲載された。… 2008/11/27 循環器
AHA2008 ARBが狭心症患者の冠動脈病変の進行を抑制 プラークの変化をIVUSで評価、有意な退縮を得る 狭心症は冠動脈のアテローム硬化に起因する疾患であり、その治療では冠動脈狭窄を引き起こす動脈硬化性プラークの進展・拡大を抑制する対策が求められる。冠動脈プラークに対してはスタチンやチアゾリジン系薬剤の有効性が報告されているが、本学会ではアンジオテンシンII拮抗薬(ARB)のプラーク… 2008/11/27 循環器
AHA2008 Report about the JUPITER vol. 1 木星ないしは雷神という名の“衝撃波”が世界を襲った(上) 心血管イベント予防のため健常人でも炎症マーカーをみるべきか 米国ルイジアナ州ニューオーリンズ、2008年11月9日(日曜日)の午後3時45分。私は米国心臓協会・学術集会2008(AHA2008)会場にいた。共同研究者がポスター発表していたErnest N. Morial会議場のHall Aから、オープニングセッションに引き続きLate Breaking Trialの発表が行われるHall Fに戻った… 2008/11/26 循環器
注意すべきは小さな膿瘍様病変、抗菌薬で治癒の可能性も ビスホスホネートによる顎骨壊死を極初期に拾い上げる ビスホスホネート製剤(BP製剤)の副作用の一つである、顎骨壊死。これまで早期発見することは困難で、骨露出などの症状が出てからの予後は非常に悪かった。しかし、顎骨の露出や壊死の前に顎骨骨髄炎の症状が現われ、その時期に抗菌薬の経口投与を長期間行えば、症状を寛解または治癒できる可能… 2008/11/25 医薬品
東大グループ、食塩過剰摂取による腎障害の機序を解明 高食塩プラス肥満によりRac1系が活性化され臓器障害に至る 東大腎臓・内分泌内科の藤田敏郎教授、長瀬美樹・特任助教、柴田茂・特任研究員らのグループは、細胞内シグナル伝達物質の1つであるRac1が、塩分過剰摂取による腎障害に関与していることを見いだしたと発表した。この知見は、腎機能障害の進行を抑制する腎保護薬開発へ道を開くものという。研究業… 2008/11/25 代謝・内分泌
特報◆感染症心内膜炎予防のための抗菌薬投与 vol. 3 日本循環器学会の改訂ガイドライン発表される 適応疾患は不変だが、消化器・泌尿器科的手技時などが必須から外れる 日本循環器学会など関係4学会による「感染症心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)」(以下、JCS2008と表記)が本日(11月25日)、公開された。本ガイドラインは2003年に発表されたもの(以下、JCS2003と表記)の改訂版で、前回と同様に国立病院機構大阪南医療センター院長の… 2008/11/25 循環器
海堂×岩瀬●死後画像をめぐるトークバトル vol.2 死後画像を主導するのは、放射線科医か?法医学者か? 千葉大法医学教室教授の岩瀬博太郎氏とAi(エーアイ)の普及に努める海堂尊氏のトークバトル第2弾。「Aiは画像診断から放射線科医が主導すべき」とする海堂氏に対して、岩瀬氏は「法医学者も死因究明に死後画像診断を入れるべき主張している」と応戦。海堂氏が「法医学者は専門である解剖に専念す… 2008/11/22 医療安全
日本心電学会2008 Brugada症候群の高除細動閾値例は既報よりも少ない 特発性心室細動研究会アンケート結果より 大阪市立大学循環器病態内科学講師の高木雅彦氏は、11月1日から新潟市で開催された第25回日本心電学会学術集会のセミナー「Brugada症候群の治療をどうするか?」で、特発性心室細動研究会(JIVFS)グループが実施したアンケートの結果を発表した。… 2008/11/19 循環器
ネットで連携パス 第4回(最終回) 「脳卒中診療の一部は内科です」 開業医との連携、道半ば ――運用を開始された連携パスの本当の目的は、開業医との連携とのことでした。現時点で、既に実際にクリニックの医師はかなり参加されているのですか。 2008/11/17 循環器
地域医療の再生に挑む夕張 予防医療に注力し、入院中心の医療からの脱却図る 今、夕張市民の意識に大きな変化が起きている。以前は救急医療の“コンビニ受診”が横行し、2004年の市全体の救急搬送件数は900件以上に上っていた。それが、利用抑制が図られ、07年には約500件に減ったのだ。さらに、外来受診や入院に頼り切りだったのが、健康管理に熱心に取り組む市民が増えた… 2008/11/13 医療経営
海堂×岩瀬●死後画像をめぐるトークバトル 「CTでは出血が分からない」は本当か? 死因究明に死後CT画像を取り入れ、法医学者としてはこの分野の第一人者とされている千葉大法医学教室教授の岩瀬博太郎氏。小説『チーム・バチスタの栄光』のヒットで世にAi(エーアイ)を知らしめた海堂尊氏。死因究明に死後画像を活用することでは2人の意見は一致しているが、その進め方について… 2008/11/12 医療安全
続報◆高血圧治療ガイドライン2009 パブリックコメントへの回答を日本高血圧学会が公開 日本高血圧学会は11月10日、同学会のホームページで、『高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)』の作成過程で募集したパブリックコメントに対する公式回答を公開した(こちら)。その回答の中には、パブリックコメントを募集するために9月に公開された「作成委員会第2案」からの変更点も明記され… 2008/11/12 循環器
特集●ようやく広がるか、癌の緩和ケア Vol.3 癌治療の初期からモルヒネを使う 緩和ケアの中で欠かせない疼痛管理。まずは、WHOの三段階除痛ラダーに基づいて薬剤を選択し、その至適用量を見付けることが重要だ。特に在宅医療の現場では、すぐに対応できる病院とは環境が違うため、オーバードーズにならないよう、より慎重さが求められる。第3回は、年間300人の癌患者を在宅で… 2008/11/11 癌
【日経ヘルスケア11月号●診療所経営駆け込み寺より】 クレーム対応に悩んでいる 基本的な対処法を教えてほしい クレームが発生したら、まずは患者の話に耳を傾け、事実関係を確認し、解決のための手段を講じるというのが基本的な流れだ。今回は、クレームの種類別に対応方法を解説していく。 2008/11/11 医療経営
特集連動◇米国感染症診療ABC Vol.3 CRP値よりも「血液培養2セット」 起因菌を重視する診断プロセス 米国と日本の感染症診療の違いは抗菌薬の使い方ばかりではない。医療面接や身体所見の確認をより系統立てて行ない、起因菌に応じた治療につなげること診断プロセスも大きな特徴だ。 2008/11/10 感染症
ネットで連携パス 第3回 「記入はADL情報だけです」 バリアンスは必ず発生する、それが業務を複雑化する ――連携パスを作る際に考えたもう1つのポイントは、医師の業務をできるだけ増やさないということでしたね。 2008/11/08 循環器
特集連動◇米国流感染症診療ABC Vol.2 日本の用量では患者は救えない 抗菌薬大量投与とPK/PDで重症例にも効果 米国流の抗菌薬処方の特徴は、重症例に対する大量投与とPK/PDの考え方に基づいた用法・用量の設定だ。専門家が経験した症例をみながら、その実力を検証する。 2008/11/07 感染症
日本心電学会2008 心房細動では動脈硬化に似た局所炎症反応が起こる ヒト組織標本でマクロファージの浸潤や接着因子・ケモカインの発現を確認 心房細動では動脈硬化に似た局所の炎症反応が起こっていることが示された。11月1日から開催された第25回日本心電学会学術集会で、心臓血管研究所研究本部長の山下武志氏が明らかにした。 2008/11/07 循環器
終末期に患者の意思を生かすには 広がる意思確認の取り組み、医療現場での認識の共有が課題 自分の死の迎え方に関心を持ち、終末期治療への意思表示を行う患者が増えてきた。医療機関でも、終末期に患者の希望を考慮できるよう、本人の意思を事前に把握し、形に残す取り組みが広がっている。最近の動向と、先駆的な施設の取り組みを紹介する。… 2008/11/07 ターミナルケア
適応外処方への監視が厳しくなる? トヨタとNECの健保が調剤レセプト審査を開始 トヨタ自動車とNECの健康保険組合が、10月から、調剤レセプトの審査・支払いを始めた。保険者による直接審査・支払いは、2002年に診療報酬について、2005年には調剤報酬についてそれぞれ認められた。しかし、診療報酬の場合は医療機関の、調剤報酬の場合は薬局および処方せんを発行した医療機関の… 2008/11/07 行政・制度
特集連動◇米国流感染症診療ABC Vol.1 若手医師を魅了する米国流 科学的処方と総合診療で感染症を撃破 ここ数年、米国で感染症診療を学んだ医師の著書を読んだり、彼らが講師を務めるトレーニングセミナーを受講する若手医師が増えている。米国流感染症診療の特徴は、ロジカルな用法・用量の設定と総合診療的な診断のプロセスだ。… 2008/11/06 感染症
特集●閉経後女性のHRTに初のガイドライン Vol.2 治らない関節痛にHRT ホルモン補充療法(HRT)のリスクを指摘したWomen's Health Initiative(WHI)中間報告から6年。HRTのベネフィットとリスクに対する見解は整理されつつあるが、現場で使うほどにはHRTのリスクの懸念は払拭されていないと感じる医師はまだまだ少なくない。一方、更年期以上の女性のQOLが劇的に改善… 2008/11/06 産婦人科
診療所でのうつ病拾い上げ・紹介を行政がサポート 自殺予防は開業医が主役に 年間3万人を超える自殺者の約4割が、40~50歳代の男性。うつ病が背景にあることが多く、プライマリケアの段階で働き盛りの世代のうつ病を早期に発見し、治療につなげられるかが自殺予防の重要なポイントだ。… 2008/11/04 精神・神経
日本肥満学会2008 現行の8学会合同・メタボ診断基準に異論続出 心血管疾患や動脈硬化性疾患の「発生を予測できず」 第29回日本肥満学会(10月17~18日、大分市)のシンポジウム「心血管、腎臓からみたメタボリックシンドローム」で、わが国の現行のメタボリックシンドロームの診断基準では心血管疾患や動脈硬化性疾患の発症を予測し得ないとの指摘が、2つの疫学研究から期せずして相次いだ。… 2008/11/04 循環器