堤未果氏(ジャーナリスト)に聞く 医師すらも貧困層に転落する米国の現実 イラク戦争を続けるアメリカで、中間層が新自由主義政策によって貧困層に転落する実情を多面的にルポルタージュした「ルポ貧困大国アメリカ」。永六輔氏の「大往生」(1994年刊)以来の岩波新書の大ベストセラーとなった同書の著者・堤未果氏に、日経メディカルの千田敏之編集長がインタビューし… 2008/07/31 行政・制度
ESH/ISH 2008 CVDリスクが低い高血圧患者の薬物療法 アスピリンやスタチンの併用はリスクを評価し慎重に判断すべき 心血管疾患(CVD)の既往があったり、血清クレアチニン(Cr)値やコレステロール値が高いなど、高血圧に加えてCVDのリスクがある場合、降圧薬に加えて低用量アスピリンやスタチンを併用することが多い。しかし、英国グラスゴーのGordon McInnes氏は、「CVDの既往がある場合以外は、投与の必要がな… 2008/07/30 循環器
日本冠動脈外科学会2008 2007年のCABG全国調査まとまる 計1万4583例、単独初回待機手術に限ると死亡率は0.97% 2007年の1年間で冠動脈バイパス術(CABG)は日本全国で1万4583例行われ、CABG単独の初回待機手術(9779例)の死亡率は0.97%と引き続き良好であることが明らかになった。日本冠動脈外科学会が毎年行っている全国アンケートの結果で、第13回日本冠動脈外科学会学術大会(7月16~17日、東京)で同学… 2008/07/29 循環器
日本慢性期医療協会会長 武久洋三氏に聞く 「医療型療養病床は減るどころか、増える可能性が高い」 「日本療養病床協会」の名称が「日本慢性期医療協会」に変更された。国の制度変更のたび改称を強いられてきた形の同協会だが、今回は「良質な慢性期医療を誠実に行っていく」という協会の目指す方向性を前面に打ち出した。厚労省は医療型療養病床を減らしていく方針だが、超高齢化社会でそのニー… 2008/07/25 医療経営
本誌連動◇刑事訴追、そのとき医師は… Vol.3 「医師の刑事免責はあり得ない」 弁護士 飯田 英男氏に聞く 2004年の福島県立大野病院事件以降、医療界では検察の「不当起訴」への批判が高まっている。そんな中、「医師は刑事免責すべき」と主張する医療関係者も目立つようになってきたが、元福岡高検検事長の飯田英男氏は、この主張に真っ向から反論する。… 2008/07/21 医療安全
日本動脈硬化学会2008 話題先行のLDLコレステロール直接測定法 精度管理や標準化はこれからという段階 昨年改訂された動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007では、リスクの評価指標として低比重リポ蛋白コレステロール(以下、LDL-C)重視の姿勢を強く打ち出した。さらに今春から始まった特定健診でも、総コレステロール(TC)が外れLDL-Cが採用された。このような状況を背景にLDL-C直接測定法が注目さ… 2008/07/21 循環器
本誌連動◇刑事訴追、そのとき医師は… Vol.2 「納得いかない鑑定書でぬれぎぬ、事故調は絶対創設すべき」 東京女子医科大学心臓血管外科講師 西田 博氏に聞く 東京女子医大心臓血管外科講師の西田博氏は、アルバイト先の病院で刑事事件に巻き込まれた。最終的に不起訴処分となったが、それまでの捜査機関の聴取は計20回に上り、長い時間と大きな労力を費やした。事件の概要をまとめるとともに、西田氏にその体験を語ってもらった。… 2008/07/18 医療安全
Around the J-DESsERT vol.1 TAXUSとCypherを比較するJ-DESsERT試験始まる 主要評価項目は8カ月後のtarget vessel failure(TVF) 我が国の冠動脈疾患患者を対象に、薬剤溶出ステントであるTAXUSステントとCypherステントの前向き無作為化比較試験「J-DESsERT」(Japan Drug Eluting Stents Evaluation;a Randomized Trial)が始まった。7月13日、都内で同試験の第1回総会が開催され、参加施設119施設の担当医師が集まり、試験… 2008/07/18 循環器
本誌連動◇ターゲットは食後高血糖 Vol.2 食後の高血糖の管理には1,5-AGの測定を 心血管疾患のリスクを高めるとして、糖尿病診療の現場で重要視されるようになった食後の高血糖。血糖値を把握するために、血糖自己測定に加えて1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)という指標も、糖尿病を専門とする医師の間で注目されている。… 2008/07/18 代謝・内分泌
本誌連動◇ターゲットは食後高血糖 食後2時間血糖値は140mg/dL未満を目標に IDFが食後血糖値の管理に新指針 2007年9月、国際糖尿病連合(International Diadetes Federation:IDF)から食後血糖値の管理に関する世界で初めての指針「食後血糖値の管理に関するガイドライン」が発表された。なぜ今、食後の血糖値の管理が重要なのか。IDFのガイドライン作成のメンバーである東京慈恵医大糖尿病・代謝・内分… 2008/07/17 代謝・内分泌
本誌連動◇刑事訴追、そのとき医師は… Vol.1 不起訴でも医師の代償大きく 警察の立件送致数は高止まり 医療事故で刑事事件に巻き込まれる医師が増えている。検察に起訴される例は少数だが、最終的に不起訴になっても、それまでに警察の厳しい捜査を受けるなど、医師には大きなストレスがかかる。医療事故に関する刑事事件の実態を紹介する。… 2008/07/16 医療安全
日本小児循環器学会2008 成人の先天性心疾患患者をどう支えるか 妊娠・出産から遺伝の問題まで議論 先天性心疾患(CHD)の早期発見と治療・療養の進歩により、現在では成人のCHD患者が40万人を超え、小児の患者数を上回っている。それに伴い、社会生活、家庭生活をどう送るか、それを医療者がどう支えるかが、新たな課題となってきた。第44回日本小児循環器学会総会・学術集会のシンポジウム「生… 2008/07/16 循環器
日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会2008 ベストな携帯型心電計は? MJG心血管研究所長の小沢友紀雄氏が講演 いつどこで起こるか分からない発作時の心電図を簡便に記録できる携帯型心電計。早くからその開発に関与し臨床応用に取り組んできたMJG心血管研究所長の小沢友紀雄氏(元日大第二内科教授)が、第28回日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会(7月5日、東京)で特別講演を行った。その中で小沢… 2008/07/16 循環器
特集●結核診療の最新事情 Vol.2 結核診断に窮したらクォンティフェロンTB-2Gを さらに高感度の次世代型も登場間近 2005年に承認され、2006年1月から保険適用にもなった、クォンティフェロンTB-2G(QuantiFERON TB-2G、以下QFT)。結核発生時の接触者検診など、潜在性結核感染のスクリーニングにおいて、もはや必要不可欠な検査になっているが、最近は活動性結核の診断にも活躍の場を広げている。… 2008/07/15 感染症
【日経ヘルスケア7月号●診療所経営相談室より】 職員向けの福利厚生サービス 導入しやすくて喜ばれるものは 開業して4年です。経営が軌道に乗り、資金に余裕が出始めたので、職員の福利厚生に力を入れようと思っています。職員に喜ばれ、しかも診療所で導入しやすいメニューには、どんなものがあるのでしょうか。(48歳、内科)… 2008/07/15 医療経営
【日経ヘルスケア7月号特集連動企画◆「診療所開業・誤算の研究」調査】 最大のハードルは「建築・設計」と「スタッフ採用」 開業時に約9割の医師が、何らかの失敗・誤算を経験――。日経ヘルスケアと日経メディカル オンラインが実施した調査により、こんな現実が明らかになった。中でも多くの医師が「失敗した」と回答したのは、「設計・建築」と「スタッフの採用」。診療所の使い勝手、看護師などスタッフとの関係に悩… 2008/07/14 医療経営
どこまでのぞける? 病院の懐事情 国立や公的病院はホームページでの掲載が当たり前に 2007年度の決算から、医療法人も貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)など、経営に関する情報を都道府県に届けることになった。「大」は徳洲会から、「小」は医師が1人で経営している無床の診療所まで、医療法人はすべて、6月30日までに決算書類などを都道府県に届け出なければならない。… 2008/07/12 医療経営
日本心血管インターベンション学会2008 2つのPCIの学会が再統合へ 2010年度からの専門医標榜を目指す 日本心血管インターベンション学会(JSIC)と日本心血管カテーテル治療学会(JACCT)が、2009年の再統合に向けて準備を進めている。第17回日本心血管インターベンション学会学術集会(7月3~5日、名古屋市)会期中に行われた総会では、統合準備のための特別予算などが承認された。「新学会」発足… 2008/07/11 循環器
特集●結核診療の最新事情 入院後に活動性結核と判明、診断の遅れの原因は? 他疾患で加療中の内因性再燃にも要注意 結核病床を持たない多くの一般病院にとって、排菌のある活動性結核患者の入院は想定外の事態だ。しかし、結核の新規登録患者が順調に減少している現在でも、全国各地で入院後に活動性結核と診断される患者が後を絶たない。その原因の一つが、医師による診断の遅れだ。… 2008/07/11 感染症
多施設共同MAGIC試験 世界初「低用量アスピリン潰瘍」調査が進行中 内視鏡検査で潰瘍の頻度と危険因子を解明 脳梗塞や心筋梗塞の再発予防に欠かせない「低用量アスピリン」。この低用量アスピリンによる消化性潰瘍の発症頻度を調べることを目的に、昨年から全国約100施設共同の大規模な臨床研究「MAGIC」が始まっている。… 2008/07/10 消化器
日本心血管インターベンション学会2008 ステント血栓症の頻度は3年間で1.2%、j-Cypherレジストリー 発生率は低いが1年以降も減少傾向はみられず わが国におけるステント血栓症の累積発生率は3年で1.2%と欧米よりもかなり低いことが、j-Cypherレジストリーから改めて示された。だが同時に、発生率は1年以降も減少傾向がみられず、年率0.29%(ステント留置30日後から3年間の平均値)で発生していることも明らかになった。第17回日本心血管イ… 2008/07/10 循環器
日本小児循環器学会2008 個人の心の動きは時代の精神を映す―大江健三郎氏講演 日本の将来は「意志の行為として楽観」 7月2~4日に福島県郡山市で開催された第44回日本小児循環器学会総会・学術集会(会長:脳神経疾患研究所附属総合南東北病院・中澤誠氏)で、作家の大江健三郎氏が、基調講演「子どもの時からこころをいつも氣にかけてきた」を行った。学会のテーマ「いのちを育む:発生から加齢の循環器、そして心… 2008/07/09 循環器
日本循環器学会2008 慢性心不全患者の中枢型睡眠時無呼吸 β遮断薬が重症度を改善する可能性 慢性心不全患者の中枢型睡眠時無呼吸(CSA)にβ遮断薬のカルベジロールが有効である可能性が示された。大分大学第二内科の田村彰氏が第72回日本循環器学会総会・学術集会で発表した。 2008/07/08 循環器
細胞培養で製造期間2カ月に短縮 新型インフル対策で期待の新ワクチン 新型インフルエンザ対策の切り札と目される細胞培養ワクチン。わが国で新型インフルエンザワクチンとして承認されている鶏卵ワクチンの製造期間6カ月に比べ、細胞培養ワクチンは約2カ月。製造期間短縮によって、半年以内に国民全員分のワクチンを供給することも夢ではなくなるかもしれない。… 2008/07/04 感染症
tPAで変わる脳卒中医療、カギは専門ナース 島根大教授の小林祥泰氏に聞く わが国で組み換えヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)が脳梗塞治療に使えるようになって2年。迅速な治療開始によって大きな障害を残さずに脳卒中を治療できる可能性が高まった。日本でも脳卒中に特化した治療病床である脳卒中ユニットの整備が始まっているが、病院医療の崩壊が叫ばれる中… 2008/07/03 循環器
保険指導・監査問題 保険医登録取り消しに初の違法判決 処分無効を訴えた神戸の眼科医が勝訴 「保険医登録を取り消して勤務医としての道も閉ざすことはあまりに酷である」。診療報酬の不正請求を理由に保険医登録の取り消し処分を受けた眼科医、細見雅美氏が起こした裁判で、神戸地裁は処分を違法とする判決を下した。裁判所が「あまりに酷」と断じた処分とは、いったいどのようなものだっ… 2008/07/03 医療経営
追跡◇ACCORD+ADVANCE 血糖の厳格管理で、なぜ大血管症は有意減少しないのか ハイリスク者を対象とする介入試験に潜む限界 2型糖尿病患者の血糖を厳格に管理すれば、心筋梗塞などの大血管症は本当に減らせるのか――。これを実証するため米国で行われていたACCORD試験は今年2月、血糖厳格管理群での全死亡の増加が判明し一部中止に追い込まれた(関連記事)。6月にNEJM誌に発表された論文(こちら)から、血糖厳格管理群… 2008/07/02 循環器
自由民主党医療委員長・大村秀章衆議院議員に聞く 「保険料の大幅軽減によるモラルハザードが心配」 4月のスタート前後から、もめにもめている後期高齢者医療制度。6月に入ってからも、参議院で野党提出の廃止法案が可決され、福田康夫首相の問責決議にまで発展した。一方の与党側は、低所得者対策を柱とした運用面の見直しの内容を発表、それを受けて、中央社会保険医療協議会は、終末期相談支援… 2008/07/01 行政・制度
本誌連動◇「医師不足対策」の虚と実 Vol.5 「“オープンシステム化”で産科医不足の解消目指せ」 五十嵐正雄氏(群馬大学名誉教授)に聞く 他科と比べて医師不足がより深刻な産婦人科。その解決策として、群馬大産科婦人科教授などを歴任してきた同大名誉教授の五十嵐正雄氏は、病院のオープンシステム化を提案している。開業医が病院で分娩などを行うケースが一般的になれば、勤務医の負担は大きく減ると同氏は強調する。… 2008/07/01 行政・制度
本誌連動◇口を診る Vol.5 歯科のない病院で予防的口腔ケアを実践するには 口腔ケアによって、術後の合併症や口内炎の症状が軽減される、誤嚥性肺炎を予防する。このようなメリットに着目して、歯科のある病院では既に医科と連携して口腔ケアを始めているところもある。しかし歯科のある病院は全国で約15%、口腔ケアを行っているのはその中の1割程度しかないのが実情だ。… 2008/07/01 医療経営