【未承認薬、何が問題か 第2回】 「治験の空洞化」が止まらない 未承認薬問題に浅からぬ影響を与えているのが「治験の空洞化」だ。日本の治験は「遅い、高い、質が悪い」という問題を抱えており、既に国内製薬企業も、治験を日本ではなく、まず欧米を中心とした海外で始めるようになっている。しかも最近では、シンガポールや韓国などで治験を行う例も出始めて… 2006/06/28 医薬品
中外製薬がエポジンの一部を自主回収 原料に問題、健康被害のリスクはほぼなし 中外製薬が6月13日、腎性貧血治療薬「エポジン(一般名:エポエチンベータ)」と白血球減少症治療薬「ノイトロジン(一般名:レノグラスチム)」の一部ロットについて、自主回収を決定した(同社の発表はこちら)。厚生労働省の「生物由来原料基準」に合致しない原料を使って製造したものがあるこ… 2006/06/26 医薬品
リスク調整しても癌生存率に大きな格差 肺癌5年生存率に43.5~18.3%と2倍の開き 厚生労働省の研究班がこのほどまとめた、全国がん(成人病)センター協議会(以下、全がん協)加盟施設における4種類の癌の5年生存率によると、3つの要素によってリスク調整を行っても、その成績に大きな格差があることが分かった。… 2006/06/23 癌
滋賀医大主導で不整脈治療の病診連携 携帯型心電計が患者の紹介をスムーズに 病院に通院中の不整脈患者。容態も安定してきたので、地元の診療所に逆紹介したいが、その後の患者の病態管理や病診間の情報交換を効率よく進めるために何か良い方法はないものだろうか--。 2006/06/23 循環器
【未承認薬、何が問題か 第1回】 特効薬が使えない 去る6月2~6日に米国ジョージア州アトランタで開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)。癌の診療に携わる医師たちが世界中から集まる学会だ。毎年、新しい抗癌剤を使った臨床試験の結果が幾つも発表される。しかし、学会で注目を集める新薬、あるいはレジメンは、日本では使用できないことが少なくない… 2006/06/23 医薬品
ARBの早期介入で高血圧発症66%減 正常高値群に対する原因治療の可能性、TROPHY研究が示唆 正常高値血圧群の40%は2年以内に高血圧を発症する。しかし、アンジオテンシン受容体阻害薬(ARB)であるカンデサルタンを投与すると、高血圧の発症リスクが3分の1に低下する。米アトランタで開催された米国心臓学会議(ACC2006)で3月14日、4年間にわたる臨床試験「TROPHY」の成果が発表され、注… 2006/06/21 循環器
プロペシア“伸び悩み”の理由 発売から半年、コマーシャルは目に付くが…(6/21 訂正) 「脱毛症は遺伝的な要因も大きく、患者の悩みは切実だ。プロペシアは、そうした患者にとって大きな福音になる」。2005年12月の日本での発売以来、これまでに十数人の男性型脱毛症患者にプロペシア(一般名:フィナステリド)を処方した、まるぐち皮膚科(神戸市灘区)の丸口幸也氏はそう語る。効… 2006/06/21 皮膚科
膵島移植でインスリン離脱! 1型糖尿病患者の全12例で好成績 点滴によって“輸血感覚”で移植でき、合併症が非常に少なく、万が一、生着しなかった場合も、再摘出の必要がない--。このような、従来の移植のイメージを覆す低侵襲性で注目されているのが、1型糖尿病患者に対する膵島移植だ。2004年4月に京大で国内第1例目の移植が行われて以来、今年3月まで… 2006/06/20 代謝・内分泌
「新・医療法人」で問われる医療界の見識 消費税議論に飛び火する可能性も 「非営利性を高めた医療法人制度に変わると、診療所の法人化に踏み切る医師が激減すると思う。医療界にとって、恥ずかしいことになるのではないか」――。医療法人に詳しいシンクタンクのある研究員はこう指摘する。… 2006/06/20 医療経営
【日経メディカル6月号特集連動企画】 患者はなぜ怒るのか(対策編) 『日経メディカル』6月号特集「患者はなぜ怒るのか」では、診察室で患者に殴られるなどのトラブルを回避するためのテクニックのほか、飛行機のフライトアテンダントや一般企業のサポート担当者の接客の工夫、先進病院が行っている「トラブルが起こらない病院作り」についてまとめた。… 2006/06/19 医師・患者関係
高血圧発症へのRA系関与が鮮明に ASH2006でTROPHYサブスタディーの成果が初報告 5月16日から20日までの5日間、ニューヨークで米国高血圧学会の第21回年次学術集会「ASH2006」が開催された。4日目の5月19日に行われたセッション「The TROPHY Study」では、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)カンデサルタンの高血圧発症予防効果をみた臨床試験「TROPHY」のサブスタディの成… 2006/06/15 循環器
高齢者に負担強いる改正健保法が成立 今度は受診抑制?患者の要求高まる懸念も 医療制度改革関連法案が、6月14日の参議院本会議で可決成立した。健康保険法・老人保健法および医療法の改正が柱で、今年10月から順次施行される。これらのうち、健保法・老健法関係の改正点には、医療保険制度の持続的・安定的な運営を確保するための様々な施策が盛り込まれている。… 2006/06/15 行政・制度
【日経メディカル6月号特集連動企画】 患者はなぜ怒るのか(現状編) 『日経メディカル』6月号の特集テーマは「患者はなぜ怒るのか」。怒りをあらわにして医療従事者に対応を迫る患者の現状と対応について取材したので、今回はその現状について概略を紹介する。 2006/06/14 医師・患者関係
【日経ヘルスケア21 6月号●診療所経営相談室より】 すぐ近くにクリニックモールが開設予定 患者数の減少を避ける方法は? 【質問】駅前に開業して10年になりますが、先日、医師会から連絡があり、すぐ近くの大型商業施設にクリニックモールが計画されていると聞きました。モール内にどのような標榜科目の診療所が開業されるのかは不明ですが、当院と同じ科目の診療所が入るとなると、患者の減少が心配です。モール開設の… 2006/06/13 医療経営
「薬剤溶出ステント検証 第2回」 抗血小板薬の確実服用で遅発性血栓症を防げ 第1回は薬剤溶出ステント(drug-eluting stent:DES)の普及について触れたが、DESであっても注意しなければいけない点はある。特に最近、問題になっているのが遅発性ステント血栓症(late stent thrombosis:LST)だ。昨年、米国心臓病学会(ACC)誌にロッテルダムのグループから発表された論文… 2006/06/12 循環器
【薬剤溶出ステント検証 第1回】 PCI症例に対する適応に大きな施設間格差 「『再狭窄さえ起こらなければいい』と症例を問わず薬剤溶出ステント(drug-eluting stent:DES)を用いる施設がある一方で、DESによる遅発性ステント血栓症(late stent thrombosis:LST)の発症を懸念し、極端に使用を控えている施設もある。だが、国内外のエビデンスを基に考えれば、DESの適応… 2006/06/12 循環器
日本腎臓学会会長・東原英二氏に聞く わが国のCKDへの取り組み本格化へ 第49回日本腎臓学会学術総会が、6月14~16日、東京・新宿の京王プラザホテルで開催される。テーマは「腎不全克服の明日をめざして」。総会長を務める杏林大学泌尿器科教授の東原英二氏に、今学会の注目プログラムなどを聞いた。… 2006/06/10 腎・泌尿器
【日経ヘルスケア21 6月号特集連動企画】 日医の中医協での影響力低下を懸念する声が7割強 日本医師会の診療報酬改定への影響力と医療政策の立案・決定能力が、ともに低下していることに医師は不満――。『日経ヘルスケア21』は6月号で、「日本医師会の落日」と題する特集を企画した。この特集に関連し、「日経メディカル オンライン」の登録会員医師に日医に関するアンケートを実施した… 2006/06/08 行政・制度
「いきなりエイズ」は許さない! 開業医にも使える「HIV迅速検査キット」、その実力は? 昨年1年間に日本で新たにHIV感染症・エイズと診断された患者は1124人。その内訳はHIV感染症が778人、エイズが346人だ。つまり約3分の1はHIV感染の段階で発見できず、「いきなりエイズ」で見つかっている。エイズ発症を大幅に遅らせられる治療薬が続々と開発されているにもかかわらず、その恩恵を… 2006/06/08 医薬品
植松治雄・前日医会長に聞く 改定率は最善の結果と自負、政治家関与の会長選を憂慮 今年4月の選挙で唐澤祥人現会長に敗れ、1期限りで日本医師会の会長を退いた植松治雄氏が、このほど取材に応じた。植松氏は、混合診療の全面解禁の阻止や日医事務局の活性化などの成果を強調しつつ、過去最大の引き下げ幅となった診療報酬改定については、「マイナス3.16%に踏みとどまった」と弁… 2006/06/07 行政・制度
あせもの“犯人”は表皮ブドウ球菌 角層内で増殖し、汗管周囲に炎症を誘導 これから夏に向かって増えるあせも(汗疹)は、乳幼児に多い皮膚疾患だ。不快感や掻痒感も強いため、掻破などが原因でとびひ(伝染性膿痂疹)やあせものより(多発性汗腺膿瘍)を起こすこともある。よく目にする疾患ではあるが、意外にもあせもを引き起こす“犯人”はあまり知られていない。… 2006/06/06 皮膚科
男性更年期外来が自由診療に向いているワケ 男性医学の第一人者、熊本悦明氏に聞く 最近、新聞や雑誌でも頻繁に取り上げられる、話題の「男性更年期」。大学病院でも男性更年期外来を開設する動きがあるなど、医療関係者の関心も高い。1950年代後半から男性医学の研究に積極的に取り組んできた札幌医大名誉教授の熊本悦明氏は、2003年9月に日本臨床男性医学研究所(東京都新宿区)… 2006/06/06 精神・神経
老年医学会会長・松本正幸氏に聞く 健康寿命延長を戦略的に考える時代に 第48回日本老年医学会学術集会が、6月7日~9日、金沢市で開催される。今回のテーマは「老年医学の発展とそのストラテジー」。このテーマに込めた思いを、学会長を務める金沢医大高齢医学教授の松本正幸氏に聞いた。… 2006/06/05 在宅医療
【記者の目】 『不平等が健康を損なう』を読んで 医療制度改革と格差社会の先にあるもの 医療制度改革法案は今国会の目玉の一つ。会期中に可決・成立するものとみられている。改革が言う医療費適正化は、従来病気になれば「だれでも、いつでも、どこででも」平等に受けられることが当たり前だった医療の世界に格差を持ち込む、あるいは、格差を可視化する方向に働く可能性が高い。経済… 2006/06/01 行政・制度
【米国から学ぶ――医療の質向上を目指して 第11回】 チーム医療成功の秘訣とは 一人の患者の診療に多職種が参加する「チーム医療」を、いち早く本格導入したことで有名なM.D.アンダーソンがんセンター。同センターのチーム医療の典型的な光景といえる症例検討会を、胸部チームを率いる胸部外科教授のギャレット・ウォルシュ氏の配慮により、見学することができた。チーム医療… 2006/06/01 医療の質