企業との癒着断つのが大前提 ~薬害再発防止検討委員インタビュー(2)~ 川口恭(聴き手:ロハス・メディカル発行人) 『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』の委員に聴く2回目。薬害サリドマイド被害者の間宮清氏は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の外部運営評議会委員も務めている。… 2009/06/30 行政・制度
薬害を防ぐのは組織ではなく人 ~薬害再発防止検討委員インタビュー(1)~ 川口恭(聴き手:ロハス・メディカル発行人) 薬害肝炎原告団との和解を受けて厚生労働省の設置した『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』が2年目に入った。医薬品行政のあり方を検討すると称して組織論が始まったのだが、不思議なことに「薬害を起こさないために何が必要か」ではなく、「薬害が起きた時に… 2009/06/29 行政・制度
医師の計画配置論は荒唐無稽だ 多田智裕(武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科) 6月3日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、平成22年度予算編成の基本的な考え方を発表しました。医療については、「地域間、診療科間、病院・診療所間における医師の偏在を是正する必要がある」とされ、その解決策として「『経済的手法』と『規制的手法』の両方を行なうべきだ」と提… 2009/06/29 医師の職場環境
新型インフルエンザ対策の争点―検疫と人権― 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 我が国をパニックに陥れた新型インフルエンザ騒動も、ここに来て落ち着きを見せ始めています。しかしながら、すでに南半球では大流行の兆しがあり、今秋の再流行は避けられそうにありません。今回の教訓を踏まえ、私たちは何をなすべきでしょうか。… 2009/06/23 その他
ボストン便り 2回目 全米初・マサチューセッツの州民皆保険 ヘルスケア改革法の舞台裏 細田満和子(ハーバード公衆衛生大学院国際保健学部リサーチ・フェロー) 前回は、全米で初の州民皆保険を定めたマサチューセッツ・ヘルスケア改革法の成立とその背景についてご紹介しました。今回はそれがどのように運用されていて、どのような評価を受けているのか、またこの改革法を推進した立役者についてご紹介したいと思います。… 2009/06/22 海外
科学は政治を動かせるか 参議院新型インフルエンザ集中審議傍聴記 中田はる佳(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門) 誰一人として正解を知っている人はいない。現場や専門家の声に謙虚に耳を傾けてすべての関係者が立場を越えて国民の命を守らなければならない。5月28日、参議院予算委員会において新型インフルエンザの問題が集中審議された。私は大学で保健学を学び、大学院で法律を学んだ。今回の新型インフルエ… 2009/06/17 行政・制度
新型インフルエンザ雑感・その2 森澤雄司(自治医大附属病院感染制御部長) インフルエンザの大流行に関する記載は、御存知のように古文書にも多く、とくにわが国では歴史資料が豊富なことから興味深い発見をすることがあります。平安時代に書かれた「三代実録」は清和天皇・陽成天皇・光孝天皇の御世について記載された国史書ですが、この中で貞観14年(872年)の記載とし… 2009/06/16 その他
抜本的医療改革断行の提言 梶原拓(「健康医療市民会議」代表、全国知事会前会長、前岐阜県知事) 我々、医療改革懇談会では、遠からず実施される総選挙を前に、患者・市民の立場に立った医療制度改革はどうあるべきか、国会議員、医療専門家の方々のご意見を参考に、全体会議あるいは個別の協議を重ねてきました。このたび、提言を以下のようにまとめ、昨日夕刻、患者・市民の同志の皆さんと、… 2009/06/15 行政・制度
新型インフルエンザと東アジアの伝統医学 津田篤太郎(JR東京総合病院血液リウマチ科、北里大学大学院医療系研究科(東洋医学)) 2009年4月下旬、メキシコでブタから感染したインフルエンザの報告(数十例の死亡報告を含む)が公にされた。それからまだ1か月を経過していないが、筆者がこれを書いている現在、流行は北米・南米・ヨーロッパ・東アジアに拡がり、全世界で10,000例を超えた。日本国内でも300例に迫っている。… 2009/06/15 その他
日本で輸血ができなくなる日―新型インフルエンザ問題から学ぶ危機管理 成松宏人(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門客員研究員) この度の新型インフルエンザ問題は、輸血製剤など医療に必須の医薬品が非常事態には安定供給されない懸念が、現実のものになりうることを示しました。我々医療関係者は、医薬品の安定供給に関する危機管理体制を早急に確立するため、議論を始める必要があります。… 2009/06/15 行政・制度
新型(ブタ由来)インフルエンザA(H1N1)ウイルスの流行に思うこと 森澤雄司(自治医大附属病院感染制御部長) 新型(ブタ由来)インフルエンザA(H1N1)ウイルスの世界的な流行が始まって1カ月以上が経過しました。すでに世界的大流行 pandemicのレベルに概ね到達していると判断していますが、現時点でわかっている(わかった)こと、まだわかっていないこと、いろいろまとめなければならない時期になってい… 2009/06/12 その他
処方箋と訪問診療 中村利仁(北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野助教) 薬礼という言葉があります。むかしむかし日本では、医者の診察自体は無料で、その携える薬のみにお金を支払ったと考えたことを指す言葉のようです。戦国時代から江戸時代初期の名医として知られる甲斐の永田徳本が「甲斐の徳本、一服十八文」と称えながら、牛の背に乗り諸国を漫遊したという伝説… 2009/06/11 行政・制度
保険適用を決めるのは役所ではなく国民です 鈴木寛(参議院議員) 先日、慢性骨髄性白血病の話を、患者の方々から伺いました。原因不明で誰でもなる可能性があり、全国で8千人ほど患者さんがいらっしゃいます。以前は造血幹細胞移植しか助かる道がなかったのですが、2000年に登場して日本でも翌年から使われ出した薬「グリベック」で事態は一変。薬が効かなくなら… 2009/06/11 行政・制度
新型インフルエンザ騒動の舞台裏 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 我が国をパニックに陥れた新型インフルエンザ騒動も、ここに来て落ち着きを見せ始めています。5月28日には神戸市の矢田立郎市長が「安心宣言」を出し、30日には騒動の発端となった兵庫県立神戸高校、兵庫高校で授業が再開されました。また、主要五大新聞に掲載された記事数(地方版も含む)は、5… 2009/06/10 行政・制度
新型インフルエンザに厚労省がうまく対応できないわけ 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 09年ゴールデンウィーク以後の新型インフルエンザ騒動は、厚労省の問題点を浮き彫りにした。行政は、実情の認識を基本にするのではなく、法規範や目標に現実をあわせようとする傾向が強い。 2009/06/09 行政・制度
インフルエンザ騒動の中、尼崎から世界禁煙デーに思う 長尾和宏(長尾クリニック院長) 兵庫・大阪のインフルエンザ騒動は収束動向にあるようだが、5月31日の世界禁煙デーを迎える三宮の街はいつもに比べて明らかに静かだ。6月6日に予定されていた兵庫県喫煙問題研究会主催の県民フォーラム「メタボより大切なタバコ対策」や恒例の禁煙行進などの行事は残念ながらすべて中止となった。… 2009/06/03 その他
竜崇正・前千葉県がんセンター長インタビュー 「これ以上 千葉を崩壊させない」 川口恭(聴き手:ロハス・メディカル発行人) 3月末まで千葉県がんセンター長を務め、この程『医療構想・千葉』というシンクタンクを設立する竜崇正氏にインタビューした。 2009/06/03 組織
厚労省の新型インフルエンザ対策を考える 「検疫礼賛」の陰で何が見過ごされているか 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 5月19日現在、国内の新型インフルエンザ感染患者数は178人に達し、その数は急増加しています。新型インフルエンザは、阪神地区に留まらず、既に全国に蔓延してしまっているのかもしれません。5月15日に神戸市で最初の患者が発見されて、わずか数日で、患者数は世界4位となった訳ですから、これま… 2009/06/02 医療提供体制
兵庫・大阪の新型インフルエンザ騒動から何を学ぶか―PCR検査をめぐる迷走― 長尾和宏(長尾クリニック院長) 5月27日現在、兵庫・大阪における渡航歴と関係のない新型インフルエンザ発生は一応の収束に向かいつつあるようだ。今週からほとんどの学校での授業が再開された。各地での新たな患者発生や秋以降に予想されている第2波、第3波に対して、医療者はどう備えるべきなのか。… 2009/06/01 医療提供体制
不安と動揺が感染被害を拡大させる 木村知(有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役、医学博士) メキシコ発の豚インフルエンザが世界的流行を始め、世間を騒がせている。インフルエンザに関する話題は、人々にとって身近な脅威であるだけに、時として過大にセンセーショナルに語られたり報道されたりする傾向にある。年末から春先までのインフルエンザシーズンに、日々診療所において診療して… 2009/06/01 行政・制度
検討される専門家としての「家庭医」養成 医師不足と医師偏在を一気に解決する切り札「家庭医」 土屋了介(国立がんセンター中央病院病院長) 「なんとなく体調が悪いけど、誰に相談すればいいの?」「お医者さんは忙しそう、ちゃんと話を聞いてくれるかしら?」「急に熱が出た!どうすればいいの?救急車を呼ぶしかないの?」「産科医不足っていうけど、安心してお産や育児のことを相談できるお医者さんが近くにいればいいのに……」「病… 2009/06/01 医療提供体制