事業仕分けが提起した論点と医療システム改革 削減する改革から組み立てる改革へ 松田学(預金保険機構金融再生部長) このところ、「事業仕分け」が国民的な話題となり、官僚組織だけでなく日本の各界に様々なインパクトを与えているようだ。この民主党政権最大の目玉の一つに位置づけられている事業仕分けとは、これまで国民から見えないところで行われていた予算編成過程の一部を公開し、公開の場で外部の視点も… 2009/11/26 行政・制度
来年度の診療報酬改定は大幅プラス改定が必須 村上正泰(評論家・元財務官僚) 来年度予算編成作業において注目されるのが診療報酬改定の行方である。先の総選挙において「総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます」と主張してきた民主党が政権をとり、医療政策の大転換に対する期待が高まる中での診療報酬改定は、医療政策的にも政治的にも、きわめて重要… 2009/11/25 行政・制度
目指すは「パイの取り合い」からの転換―中医協委員就任にあたって 嘉山孝正(山形大学医学部長) 私は先月、診療報酬を決定する中央社会保健医療協議会(中医協)の委員に新任された。大学医学部からの就任は初めてのことである。今、引き起こされている医療崩壊の責任の一端は中医協の医療費の決めかたにあったのではないかと考えている。… 2009/11/25 行政・制度
「副作用被害防止」と「ドラッグ・ワクチンラグ解消」は相反するのか 高畑紀一(細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局長) ドラッグ・ワクチンラグの解消を求めて活動していると、「あなたたちはラグ解消を求めるが、一方で副作用被害もあるんですよ」と、「あちらを立てればこちらが立たず、相反する二つのバランスをとらなければいけない」という主張に出くわすことがある。… 2009/11/16 医薬品
ワクチン接種優先順位と接種回数を考える 新型インフルエンザから子供たちを守ろう! 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 新型インフルエンザワクチンの接種が始まりました。ワクチン不足は顕著で、全国各地で混乱が生じています。一方、国内外から様々な情報が寄せられ、主要な問題点も明らかになりつつあります。 2009/11/14 感染症
中医協から日医が外れた 中澤堅次(済生会宇都宮病院院長) 中医協に長年委員を送っていた日医推薦の枠が取り払われた。メディアなどで歓迎の論評を目にするが、医療者として複雑な感慨を持つ。民主党政府の方針は、簡単に言えば病院に点数配分を上げて、診療所の配分を少なくする方針とも受け取れる。民主党は医療全体にはまだ余裕があると考えているのか… 2009/11/13 組織
癌治療費の患者負担軽減、早急の解決を 児玉有子(東大医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携部門特任研究員) 去る10月21日、77歳の乳癌術後の母親が、自身が介護していた53歳の白血病の娘を殺害するという痛ましい事件が東京で起こりました。「二人の治療費が月何十万もかかるようになり、将来を悲観した。娘を殺し自分も死ぬ」と母親は供述しています。… 2009/11/12 癌
新型インフルワクチン接種は、学校と保健所で集団接種として行えないものか 長尾和宏(長尾クリニック院長) 10月19日から医療従事者への新型インフルワクチン接種が開始されました。しかし卸しでの厳しい配給規制がかかっているようで、11月3日現在、当院での医療従事者への接種状況は希望者のまだ3割程度です。多くの感染症を診ている急病診療所や病院での接種現状も同様に半数にもほど遠い現状と聞きま… 2009/11/11 感染症
政権交代と医師会の立場 加来裕(熊本市医師会副会長) 既に多くの場所で論じられているので、二番煎じの感は否めないが、今次政権交代と医療について論じたい。日医はこれまで、「医政無くして医療無し」「医政活動の中心は、時の政府・政権与党との交渉<ロビー活動>である」とされていた。にもかかわらずこの20年医療費は抑制され続け、特に小泉政… 2009/11/06 組織
日経BP社の自律 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 日経メディカル2009年10月号に『政権交代と医療事故調査』と題する記事が掲載された。以下に内容を要約する。私の意見とされる括弧内の文は記事そのままである。 2009/11/04 医療安全
新型インフルエンザワクチン導入の意義は何か? 木村盛世(厚生労働省医系技官) 「人間は真実を見なければならない。なぜなら真実は人間を見ているからだ」―ウィンストン・チャーチル 2009/11/04 感染症
杞憂であればよいが、欠品問題は続発しないか? 日吉和彦(財団法人化学技術戦略推進機構(JCII)研究員) 日頃、日本の新規医療機器開発の活性化を念じて微力ながら活動をしておりますが、米国を主とする輸入医療機器の欠品問題に対して、心配が募るこの頃です。このところMRICメルマガではインフルエンザ対策の議論が大勢ですが、欠品問題の不安感を共有していただければと思います。… 2009/11/04 行政・制度
新型インフルエンザワクチンで医療現場が崩壊? 多田智裕(武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科) 10月19日より、新型インフルエンザのワクチン接種が始まりました。まずは医療従事者への優先接種からです。ワクチンの接種回数は1回です。ワクチン接種の開始が3日後に迫った10月16日に、厚生労働省がワクチン接種回数を2回から1回へと方針変更したのです。実施直前の方針転換だったので、現場は… 2009/11/02 感染症