家庭医が日本の医師不足を救う ロジャー・ネイバー(英国家庭医学会(Royal College of General Practitioners,RCGP)前会長) 英国家庭医学会前会長のロジャー・ネイバー氏が2009年2月9日、「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期研修制度)のあり方に関する研究」班会議の席上で講演した。英国では家庭医はどのような役割を果たしているか、そしてどのようにして家庭医を養成しているのか。また、… 2009/03/31 医師のキャリア
院内医療事故調査委員会の問題点 伊藤英一(新潟県立新発田病院循環器内科) 厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」が2007年に開始されてから多くの議論がなされ、収束する様子には見えない。この検討会の議論と平行して、個別の医療機関の院内医療事故調査委員会の役割や位置付けが、各々でどのように考えられてきたのかは分から… 2009/03/26 行政・制度
仙谷議員の力強いお言葉、CML特定疾患指定への期待 「さっそく舛添大臣のもとへ行きましょう!」 野村英昭(血液疾患患者の会フェニックスクラブ・事務局) 去る3月11日、がん治療の前進をめざす民主党議員懇談会(会長:仙谷由人議員、事務局長:古川元久議員)の主催する「慢性骨髄性白血病(CML)に関する勉強会」を傍聴してきました。 私たちCML患者のおかれている状況と厚生労働省に対する当面の願いは、『「安心して生き続けたい!」CMLに特定疾… 2009/03/24 行政・制度
医療界でも「かんぽの宿」騒動が勃発? 多田智裕(武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科) 日本郵政による「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括譲渡が白紙に戻りました。日本郵政は、「かんぽの宿」70施設と首都圏の社宅9カ所の計79施設を約109億円でオリックス不動産に一括譲渡する契約を結んでいました。ところが、この契約を解約することで合意したと、2月16日に正式に発表したの… 2009/03/24 行政・制度
異状死議連にお答えする 中澤堅次(済生会宇都宮病院院長) 話題の医療事故調査委員会と異状死議員連盟との連想で、論点を異状死と事故調査に結びつけ議論したことが反論を招いたようです。(2009.3.11「後出しじゃんけんを法律で認める国」)事故調の議論は医療界を分裂させ、厚労省との間にも不信感が増幅され、何よりも重要な遺族の方々とも対立関係にな… 2009/03/23 行政・制度
北海道医学生の会の取り組み 医学生の考える医学教育カリキュラムの提案 津田健司(北海道大学医学部5年)、駒井俊彦(北海道大学医学部5年) 昨年9月以降「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究」班会議や「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」において、医師の養成・教育について熱心な議論が行われています。… 2009/03/22 医師のキャリア
迷信が臨床研修制度を生み出した 諸悪の根源は「医療費亡国論」 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 前回の配信で、臨床研修制度の見直しについて、厚労省(特に医系技官)の思惑を解説しました。今回は、世界では医師が自律的に行っている臨床研修制度の運用を、厚労省が政府主導で行うに至った背景を解説したいと思います。結論から申し上げれば、これまでの配信で繰り返しご紹介してきた「医療… 2009/03/21 医師のキャリア
医療の危機(下):社会システム間の齟齬 問われる統治機構との接点、「無理な規範」医学発展の阻害も 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 04年12月17日、福島県内の女性が、帝王切開手術時に、大量出血で死亡した。医師が逮捕・起訴され、医療界に衝撃をもたらした。08年8月、福島地方裁判所で無罪の判決が言い渡された。検察が控訴を断念したためこの判決が確定した。… 2009/03/21 行政・制度
医療の危機(中):医療費の過剰な抑制 多くの自治体病院が崩壊、現実の認識に基づく政策を 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 08年6月に発表された医療経済実態調査で、病院の経営状況が悪化していることが明らかになった。一般病院は全体として医業収入より医業費用が大きい。医業収入に対する医業収支差額の比率は、05年6月の-2.3%から、07年6月には-5.6%になり、マイナス幅が拡大した。公立病院の経営状況は極端に悪い… 2009/03/20 行政・制度
医療の危機(上):心の問題 訴訟と激務で産科医不足、社会思想含め見直しが必要 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 社会にはさまざまな憂慮すべき問題が発生する。台風や地震のような自然災害、環境汚染のような文明社会の活動に付随するリスクがある。日本における医療崩壊現象は、これらとは異なり、人間の心の問題が大きい。… 2009/03/19 行政・制度
薬害肝炎後の医薬品行政 何が変わったのか?変えていくのか? 「人」の力で未知の薬害を制せよ! 堀明子(帝京大学医学部附属病院腫瘍内科帝京大学医療情報システム研究センター) 2008年1月、フィブリノゲン製剤等の血液製剤による薬害肝炎事件について、国と原告・弁護団が基本合意に至った。これを機に、厚生労働省は2008年5月、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」を発足。在までに10回開催され、薬害肝炎事件の検証、薬害再発防止に… 2009/03/17 行政・制度
異状死議連に関する誤解を解く 橋本岳(衆議院議員) 先般、MRIC臨時号vol.45において「異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟が発足しました」として、議連の検討経緯等について情報提供を行った。その直後に、MRIC臨時号vol.46にて「後出しじゃんけんを法律で認める国」として医療制度研究会・済生会宇都宮病院の中澤堅治先生が、明示的ではな… 2009/03/16 行政・制度
医学教育、臨床研修制度の現場から 鈴木ゆめ(横浜市大学附属病院神経内科) 昨日私たちの大学では、「案」としてでている「今後の臨床研修制度の概要について」というものをもとに研修プログラムの変更を検討するということになりました。たしかに研修制度の見直しがなされているようですが、急に何かよい方向にかわるのでしょうか。… 2009/03/16 医師のキャリア
Aiと剖検が独立した社会システムを 高野英行(千葉県がんセンター画像診断部) 紛糾を続ける「医療安全調査委員会」創設の議論。一方で、法医学サイドからは、異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟が「死因究明医療センター」構想を打ち上げた。医事紛争の防止、死因究明に、死後画像診断Ai(エーアイ)はどう位置づけられるのか。画像診断のプロでありながら、これまで… 2009/03/13 医療安全
一開業医から勤務医の先生方へ 於曽能正博(おその整形外科院長、東京保険医協会広報理事) 大古の昔から洋の東西を問わず、国や組織などを壊そうとする時、最も簡単で効果のある方法は内部抗争を誘発する事でした。上手く火種をつけることができれば、あとは外から何も手を加えなくとも勝手に崩壊していきます。… 2009/03/13 行政・制度
「安心して生き続けたい!」CMLに特定疾患指定を 野村英昭(血液疾患患者の会フェニックスクラブ・事務局) 本日(2009年3月11日)、第一衆議院議員会館にて、慢性骨髄性白血病に関する勉強会が開かれます。主催は、がん治療の前進をめざす民主党議員懇談会(会長:仙谷由人議員、事務局長:古川元久議員)。第一の議題として、「慢性骨髄性白血病の特例疾患指定について」を取り上げていただくことになっ… 2009/03/12 行政・制度
国立がんセンターとがん免疫療法の相克 がん標準治療「後」を考える 小林一彦(JR東京総合病院 血液・リウマチ科主任医長) 3月11日、国立がんセンター中央病院に於いて、土屋了介病院長主催の勉強会が開催されます。タイトルは“がん標準治療「後」を考える:がんペプチドワクチン療法 希望から失望、そして大躍進への期待”。演者は中村祐輔 東大教授です。言わずとしれたゲノム医療の世界的権威です。また、お恥ずか… 2009/03/12 行政・制度
日本の社会制度の問題点と医療 嘉山孝正(山形大学医学部長医科学系大学院脳神経外科教授) 日本国民が受ける医療の質は、自身の留学経験、国際学会出席の経験や、WHO(世界保健機関)のデータからみると、国際基準より遙かに質が高い。この場合の医療の質とは、医療が介入しなければその生命や機能が損なわれる患者さんを救うといった科学的な医療内容を指し、さらに、国民がそのような医… 2009/03/12 行政・制度
異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟が発足しました 橋本岳(衆議院議員) 映画「おくりびと」のアカデミー賞受賞と時を同じくして(偶然でしょうが)、「異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟」が自民党・公明党の衆参国会議員により結成されました。変死体の死因究明制度については民主党がすでに法案を国会に提出しており、また時津風部屋事件等で話題になったこ… 2009/03/12 行政・制度
後出しじゃんけんを法律で認める国 中澤堅次(済生会宇都宮病院院長) 最近、自民、公明両党の国会議員が、相撲部屋の新弟子死亡事件に触発され、死因究明制度の立法化に向けて、議員連盟を立ち上げたという記事を見た。全国厚生局に担当部署を置き、法医学の裏づけを持つ大掛かりなもので、ばかばかしい話だと思う。医療事故調査委員会も同じように全国組織なので、… 2009/03/11 行政・制度
ナショナルセンター独法化が確定した今、真の使命の議論を! 鈴木寛(参議院議員) 現在、日本には6つの国立高度専門医療センターが存在します(がん、循環器病、精神・神経、国際医療、成育医療、長寿医療)。ナショナルセンターとも呼ばれ、特定専門分野の治療、調査・研究、研修を目的とし、各々が病院と研究所を併設します。… 2009/03/11 行政・制度
処罰だけで医療事故はなくならない 医師の適性審査と自律処分制度を導入せよ 小松秀樹(虎の門病院泌尿器科) 厚生労働省は、医療版の事故調査委員会である「医療安全調査委員会設置法案(仮称)」の大綱案を2008年、発表した。この大綱案では 事故の疑いがあるものを含む広範な死亡例の報告が義務付けられ、しかも、調査報告書が行政処分や刑事処分に利用される。これに対し、現場の医師から、医療安全の… 2009/03/10 医師のキャリア
医学生の立場から提案する医療危機対策 尾崎章彦(東京大学医学部5年) 「まさか…」。初めて骨髄移植問題を知った時の率直な感想は、このようなものでした。血液腫瘍の患者さんに対する骨髄移植は、大学の臨床実習でも目にする一般的な治療法です。そのため、日本中の病院で骨髄移植が行えなくなるなど、私には俄かに信じられない話だったのです。… 2009/03/09 行政・制度
臨床研修制度をめぐる医系技官の思惑 上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授) 先日、医師臨床研修制度の見直しが大きく報道されました。5年前、「臓器を見て人を見ない医師ばかりになり日本の医療が荒廃している。すべての医師にプライマリケア(初期の幅広い診療)を」という理念を掲げ、鳴り物入りで登場した制度でしたが、あっけなく方針転換されました。そこで今回は臨床… 2009/03/06 医師のキャリア
骨髄移植フィルター騒動 「2度と起きないように」舛添大臣は、危機管理と情報公開を私たちに約束した 大谷貴子(NPO法人全国骨髄バンク推進連絡協議会会長) 去る2月24日、厚生労働省大臣室において、骨髄移植キット在庫不足に関する情報公開と患者負担増加の回避を求める要望書とともに、皆様にお寄せいただいた66,000筆超の署名(個人署名65893筆、メール署名623筆、個人意見書46筆、団体要望書59団体)を無事、舛添厚労大臣に提出いたしました。… 2009/03/06 行政・制度
臨床研修制度検討会の提言を受けて 亀田信介(亀田総合病院長) 地域の医師不足問題を受け、厚生労働、文部科学両省の臨床研修制度のあり方等に関する検討会が提言案を発表したが、本当に地域医療崩壊や医師不足問題の解決に繋がるのであろうか?そもそも、臨床研修制度は質の高い医師を育成するために始められた制度であり、議論の根本がすり替わってしまって… 2009/03/06 医師のキャリア
日本の医学教育は総合内科のトレーニングが不十分 ジョシュア・L・ジェイコブス(ハワイ大学 内科准教授) 本サイトでも内容の一部を掲載しているNPO法人日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)の「総合医スキルアップセミナー」。ハワイ大学医学部に在籍し、現在、客員研究員として聖ルカ・ライフサイエンス研究所に勤務中のジョシュア・L・ジェイコブス氏は、現役医師向けのこのユニークなセミナーを… 2009/03/02 医師のキャリア