インタビュー◎病院経営の行方を左右する医療データ分析 疾患別の分析で見えてくる本当のコロナの影響 青森県病院局運営部医事第一課 医事専門官の松谷厚聖氏に聞く ――「医事専門官」という役職は、全国の自治体を見ても珍しい役職だと思いますが。松谷 青森県では今年新設されて、任命されたのは私1人です。私は入職以来、青森県立中央病院の医事課に10年間勤めました。その後、他部署に異動しましたが、10年ほど前に同病院に再赴任して現在に至ります。県の職… 2020/10/13 医療経営
第2回医療マンガ大賞の開催が決定 マンガを使って2025年問題の解決目指す 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、わが国の超高齢社会更に進む2025年。団塊の世代にとどまらず、それを支える世代も医療の在り方を他人事として捉えられない時代が目前に迫る中、一般市民に医療を身近に感じてもらうための取り組みが横浜市で始まっている。その1つが実際の医療現場での出… 2020/09/17 その他
寄稿◎COVID-19集団発生の対策を事例で学ぶ 沖縄県の小規模離島で発生したCOVID-19への取り組み 沖縄県の石垣島にある沖縄県立八重山病院に勤務している酒井達也と申します。2020年8月、西表島でCOVID-19の患者が発生。さらに、その後の検査で集団発生していることが判明しましたが、幸い島内に感染が蔓延することなく押さえ込むことに成功しました。今回は、その取り組みについて時系列でご紹… 2020/08/21 感染症
日本医師会前会長の横倉義武氏に聞く(下) 今回、日医会長選に出馬したワケ 今年6月の日医会長選挙で、現会長の中川俊男氏に敗れた横倉義武氏。後編では、一時は中川俊男氏への禅譲も噂されている中でなぜ会長選に出馬されたのか、また今後どのような活動を行っていくかについて伺いました。(収録は7月8日)――2018年、日本医師会会長4期目はどのように迎えられたのでし… 2020/08/18 組織
前日本医師会長 横倉義武氏に聞く(上) 日本医師会長の任期を終えて肩の荷がおりた 今年6月、横倉義武氏は中川俊男氏との会長選挙に敗れ、2012年4月から4期8年の日本医師会長の任期を終えた。横倉氏は武見太郎氏(25年間)に続く長い期間、日医を支えてきただけでなく、武見太郎、坪井栄孝両氏に次ぐ3人目の世界医師会長も務めた。横倉氏に日医会長としての8年間と今回の医師会長… 2020/08/06 行政・制度
上告目指す弁護団「判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認がある」 準強制わいせつ罪に問われた乳腺外科医弁護団の主張 弁護団の上野格氏(上野廣元法律事務所)に聞く 2020年7月13日、準強制わいせつ罪に問われ、一審で無罪判決となっていた柳原病院(東京都足立区)の非常勤外科医に対する控訴審判決で、東京高裁は一審無罪判決を破棄、懲役2年を言い渡した。本件は、右乳腺腫瘍摘出手術を受けた女性患者A氏が、担当医師に術後診察時に左乳首をなめるなどのわいせつ… 2020/08/05 外科
私の視点◎このままでいいのか、日本専門医機構の総合診療専門研修 総合診療専門研修構築の議論に透明性を求める署名を始めました! 6月1日、総合診療を専攻する若手指導医や専攻医が、総合診療専門研修をまとめる日本専門医機構に対して、制度の改善を求める署名活動を開始した(総合診療専門医研修をもう一度、「専攻医」のためのものに!)。機構の研修の何に対して不満を感じているのか、活動の主導役で今年から総合診療指導… 2020/06/12 医師のキャリア
COVID-19は精神疾患である まだ油断は禁物とはいえ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もようやく収束に近づいてきました。壊滅的な医療崩壊には至らずに済み、何よりです。まだこれで終わったわけではありませんが、精神科的な視点でもCOVID-19について思うところを書いてみます。 とはいえ、これは私個人の見解であ… 2020/05/27 精神・神経
インタビュー◎ゲノム解析による新規着床前診断の臨床研究がスタート 着床前診断で体外受精の成功率を高める!? 藤田医科大学総合医科学研究所分子遺伝学研究部門教授の倉橋浩樹氏に聞く これまで臨床応用が認められていた着諸前診断には、単一遺伝子疾患や染色体の転座の検査のみだったが、今年からゲノム解析による受精卵の異数体検査の臨床研究がスタートする。不妊治療の成功率を高めたり、流産を減らす効果が期待されている。全国共通で診断精度の高い着床前診断(PGT)の実施を… 2020/02/12 産婦人科
東京女子医科大学脳神経外科客員教授の清水俊彦氏に聞く 帯状疱疹ワクチンで群発頭痛を予防 第47回日本頭痛学会より 東京女子医科大学脳神経外科客員教授の清水俊彦氏は、2019年11月15~16日に埼玉県さいたま市で開催された第47回日本頭痛学会で帯状疱疹ウイルスワクチン投与により群発頭痛の9割で発作改善が得られたことを報告した。清水氏に頭痛と水痘・帯状疱疹ウイルスとの関連について聞いた。… 2019/12/27 精神・神経
日本人として誇らしい、ある感染症への勝利 寄稿◎堀越裕歩(WHO疫学コンサルタント) 回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)。この寄生虫感染症による疾病負荷が高いのはサハラ砂漠の南の国で、中でもナイジェリアが最も高かった。日本の人口の約4割に相当する5000万人のナイジェリア人がこの病気のリスクにさらされていた。 この感染症は吸血昆虫のブユ(Blackfly)が媒介する。寄生幼… 2019/12/19 感染症
「東京2020」をテコにHIV流行ゼロを目指す 国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センターの田沼順子氏に聞く 2020年東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京2020)開催に対応するため、厚生労働省の「2020年五輪大会に向けた東京都内のHIV・性感染症対策に関する研究」班(班長:国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター・医療情報室長・副救済医療室長の田沼順子氏)が調査研究を進めてい… 2019/11/20 感染症
台風で断水した病院から―台風19号被災レポート 台風19号は甚大な被害を及ぼし、その全容は未だ見えていない。 私は、被災した福島県の二次救急病院で医師として勤務している。当院は地形が幸いし、浸水を免れた。しかし、今回の台風の影響を受けて付近一帯が断水となった。限られた経験ではあるが、こうした状況で起こったいくつかの問題を共有… 2019/10/24 公衆衛生・予防医学
長引く咳の診療について【後編】 欧米では「咳喘息」は消えゆく疾患概念 寄稿◎徳田均(JCHO東京山手メディカルセンター) 前回、咳喘息の診断にこだわることに意味はないと論じた。今回は、欧米における咳嗽診療のガイドラインを紹介しつつ、長引く咳嗽に対して、我が国とは全く異なる対応が欧米では標準的に行われつつあることを紹介したい。日本独自のローカルルールに固執するべきか否か、読者の皆様に問題提起できれ… 2019/09/27 呼吸器
世界ナンバーワンの合理主義国、スウェーデンにおける医療政策の実際 この国ではOTC化された薬は保険から外されます スウェーデンの医療政策に詳しい東京薬科大学の今井志乃ぶ氏に聞く 徹底的な合理主義国であるスウェーデン。その医療政策はどのようになっているのだろうか。スウェーデン・ヨーテボリ大学で、同国の医療政策を調査した経験のある東京薬科大学薬学部医薬品安全管理学准教授の今井志乃ぶ氏に聞いた(文中敬称略)。… 2019/09/27 行政・制度
長引く咳の診療について【前編】 「咳喘息」という病気は本当にあるのか 寄稿◎徳田均(JCHO東京山手メディカルセンター) 私自身は、実臨床の場において咳喘息という疾患の存在を想定する必要はないと考えている。長引く非感染性の咳の大部分はICS単剤(時に短期間の内服ステロイド)でおさまり、ICSの処方は、咳がおさまった時点で終了すればよく、長々と吸入させる必要はない。これは、長引く咳嗽患者を長年診療してき… 2019/09/26 呼吸器
ナイジェリアでのポリオウイルス根絶を目指して 寄稿◎堀越裕歩(WHO疫学コンサルタント) 2019年9月27日。この日は、ポリオウイルス根絶に携わっている者には特別な日だ。ナイジェリアで最後に野生株のポリオウイルスが環境中から検出されて、この日でちょうど3年。野生株ポリオウイルス根絶の定義は、3年間、人や環境から検出がないこととされており、無事に2019年9月27日を迎えること… 2019/09/25 感染症
トレンド◎乳癌を100%検出できる!? 日本発!高濃度乳房でも使える超高感度マンモ 神戸大学数理・データサイエンスセンター教授の木村建次郎氏に聞く 乳癌の早期発見法として普及しているX線マンモグラフィーには、高濃度乳房の乳癌を正確に診断することが難しいという課題がある。この課題を克服するために、X線の代わりにマイクロ波(波長1mm~1mの電波)利用した、新しい原理のマンモグラフィー装置の開発が、神戸大学グループによって進んで… 2019/09/24 癌
インタビュー◎英国総合診療医が見る日本の医療と薬剤処方の課題 「念のため処方」を断つ英国のフォーミュラリー NTT東日本関東病院総合診療科・英国総合診療医の佐々江龍一郎氏に聞く 英国の診療所で約12年間にわたり総合診療医(General practitioner)として活躍し、現在は日本の病院の総合診療科に所属する佐々江龍一郎氏。薬剤の使用指針を定めた「フォーミュラリー」や種々のガイドラインによって、徹底的な効率化が図られているという英国の医療システムや、そこから浮かび… 2019/08/26 医療提供体制
インタビュー◎日本調剤がフォーミュラリー作成事業を開始した理由 経済性にも優れた標準薬物治療を全国に広めたい 日本調剤取締役フォーミュラリー推進部長の増原慶壮氏に聞く 2020年度診療報酬改定に向けた主な検討項目の1つになり注目を集めている「フォーミュラリー」。導入により大幅な医療費削減が期待されている。このほど、大手調剤薬局チェーンの日本調剤(東京都千代田区)がフォーミュラリーの普及を目的に事業部を立ち上げ、話題になっている。なぜフォーミュラリ… 2019/08/21 医薬品