Lancet誌から LDL高値は70~100歳の高齢者でもハイリスク デンマークの1次予防コホート研究で心筋梗塞やアテローム硬化性疾患が増加 デンマークAarhus大学のMartin Bodtker Mortensen氏らは、年齢20~100歳のコペンハーゲン在住の一般市民が参加したCopenhagen General Population Study(CGPS)のデータを利用して、21世紀の同国の住民を対象にLDLコレステロール(LDL-c)と心筋梗塞やアテローム硬化性心疾患との関係を調べたと… 2020/12/15 循環器
Lancet誌から フェブキソスタットの心血管リスクは非劣性 欧州医薬品庁の要望によりアロプリノールと比較する安全性試験を追加 英国Dundee大学のIsla S Mackenzie氏らは、欧州医薬品庁の要望により市販後の安全性を再確認するためのThe Febuxostat versus Allopurinol Streamlined Trial(FAST)試験を行い、約6000人の痛風患者を中央値で4年間追跡して、フェブキソスタットの心血管イベントに対する安全性はアロプリノール… 2020/12/02 代謝・内分泌
Lancet誌から PCI後の抗血小板薬併用療法、早期の減弱に利益 ACS患者を対象としたHOST-REDUCE-POLYTECH-ACS試験の結果 急性冠症候群(ACS)のため経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した東アジア人患者を対象として、PCIの1カ月後にプラスグレルの投与量を半分に減らすレジメンで抗血小板併用療法(DAPT)を行ったところ、減量しなかった場合に比べてPCI後1年間の虚血性・出血性イベントの発生リスクが抑… 2020/11/09 循環器
Lancet誌から 植物由来のインフルエンザワクチン臨床試験 65歳以上のフェーズ3試験で不活化ワクチンに非劣性 カナダMedicago社のBrian J Ward氏らは、植物由来ウイルス様粒子からなる4価(QVLP)インフルエンザワクチンを用いて、18~64歳の健康な成人に接種してプラセボと比較する臨床試験と、65歳以上の高齢者に接種して不活化ワクチンと比較する2つのフェーズ3試験を行い、このワクチンがインフルエンザ… 2020/11/02 感染症
Lancet誌から PCIとCABGのアウトカム予測モデルを更新 治療法の選択に役立つ新たなモデルの作成と検証 オランダAmsterdam大学(現所属は近畿大学医学部)の高橋邦彰氏らは、SYNTAX試験に登録された患者を10年後まで追跡したSYNTAX Extended Survival(SYNTAXES)試験のデータを用いて、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパスグラフと術(CABG)を受けた三枝病変もしくは左冠動脈主… 2020/10/26 循環器
Lancet誌から 149カ国の調査でワクチン信頼度最低は日本 約28万人が回答したVaccine Confidence Index調査データの分析 英国London大学衛生熱帯医学大学院のAlexandre de Figueiredo氏らは、2015年から2019年までに、Vaccine Confidence Index(VCI)調査ツールを用いたワクチンに対する信頼度調査を、世界の149カ国で290回実施した結果を取りまとめ、各国の住民の信頼度の違い、信頼度は増加しているか減少している… 2020/10/05 感染症
Lancet誌から 位置調整可能な新型TAVI弁の優越性は示せず Abbott社のPORTICOと承認済みの経カテーテル大動脈弁を比較するRCT 米国Cedars-Sinai Medical CenterのRaj R Makkar氏らは、植込み部位でリシース(弁をカテーテルに戻す)やリポジショニングを可能にしたAbbott社の経カテーテル大動脈弁PORTICOを、FDAが承認している他社のTAVI弁システムと比較するランダム化比較試験PORTICO IDE を行い、従来のTAVI弁システムを… 2020/07/15 循環器
Lancet誌から WHOの子宮頸癌撲滅プログラムの効果推定 目標達成なら100年後までに途上国の女性6200万人の命を救えそう WHOは、公衆衛生上の課題として、子宮頸癌撲滅に向けた世界的な戦略を立てている。豪州Cancer Council AustraliaのKaren Canfell氏らは、HPVワクチンのカバー率を上げ、スクリーニング受診率を高め、前癌病変も含む患者に適切な治療を実施する、というWHOのトリプル介入戦略の目標が達成できれば… 2020/02/19 癌
Lancet誌から レーザー白内障手術の優位性は示せず フェムトセカンドレーザーと従来の手術を比較したフランスのRCT フランスBordeaux大学病院のCedric Schweitzer氏らは、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術(FLACS)と従来型の水晶体乳化吸引術(PCS)の術後3カ月時点のアウトカムを比較するランダム化比較試験を(RCT)行い、FLACSのコストは高いが治療成績に差はなかったと報告した。結果はLancet誌2… 2020/02/06 眼科
Lancet誌から 潰瘍性大腸炎患者の大腸癌死亡率の変遷 スウェーデンとデンマークのUC患者の大腸癌を追跡したコホート研究 潰瘍性大腸炎(UC)は大腸癌の危険因子であるため、UC患者には内視鏡を用いたサーベイランスが行われている。スウェーデンKarolinska研究所のOla Olen氏らは、スウェーデンとデンマークのUC患者の大腸癌発症率と死亡率を、条件をマッチさせた地域の一般住民と比較するコホート研究を行い、UC患者… 2020/01/30 癌
Lancet誌から 術後の癒着は開腹より腹腔鏡の方が少ない スコットランドで腹部・骨盤部の手術を受けた患者を5年間追跡 腹部の手術を受けた患者において、癒着は長期的な合併症を引き起こす可能性が高い。オランダRadboud大学医療センターのPepijn Krielen氏らは、腹部または骨盤部の開腹手術を受けた患者と腹腔鏡手術を受けた患者を追跡するレトロスペクティブなコホート研究を行い、癒着が直接関係していると見なさ… 2020/01/23 外科
Lancet誌から 目撃者によるAED使用の意義を再確認 救急隊到着前に心拍が再開できなかった場合でもAED使用例のアウトカムが良好 日本では、病院外で心停止を起こした患者に対して、目撃者が自動体外式除細動器(AED)を使用する割合はいまだに低い。また、AEDによる自己心拍再開の達成率も低い。しかし、救急隊の到着前に心拍再開を達成できなかった場合でも、AEDの活用は心停止患者の神経学的アウトカムに利益をもたらす可能… 2020/01/08 救急医療・集中治療
Lancet誌から アナストロゾールの乳癌予防効果は持続する IBIS-II試験の参加者を投与終了後もさらに5年以上追跡した研究 英国Queen Mary大学のJack Cuzick氏らは、乳癌リスクが高い閉経女性を対象に、アナストロゾールの乳癌予防効果を調べたIBIS-II試験の参加者を、5年間の投与期間終了後も長期追跡し、中央値131カ月の時点で乳癌の発症率を減少させる効果は持続していたと報告した。結果はLancet誌2019年12月12日に… 2020/01/07 癌
Lancet誌から ダラツムマブは多発性骨髄腫の生存期間を延長 高齢患者のVMP療法にダラツムマブを追加するフェーズ3試験 造血幹細胞移植の適応にならない多発性骨髄腫患者を対象に、ボルテゾミブ・メルファラン・プレドニゾロン(VMP)療法と、さらにダラツムマブを追加したD-VMP療法を比較するALCYONE試験では、16.5カ月の追跡でD-VMPの方が無増悪生存期間が有意に長いことが既に報告されている。その後も追跡を続け… 2019/12/27 癌
Lancet誌から イルベサルタンがマルファン症候群に有用 大動脈の拡張を抑制することで乖離や破裂を減らせる可能性 マルファン症候群患者の大動脈乖離や破裂につながる大動脈径の拡張を減らすために、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のイルベサルタンが有用であることが示唆された。英国Barts Heart CentreのMichael Mullen氏らは、6~40歳のマルファン症候群患者192人を対象に、イルベサルタンとプラセボ… 2019/12/26 循環器
Lancet誌から オベチコール酸はNASH患者の線維化を改善 フェーズ3試験の中間解析で病理学的に改善を認めた患者が多い 米国Inova Health SystemのZobair M Younossi氏らは、肝線維化が見られる非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者に、farnesoid X受容体(FXR)作動薬のオベチコール酸を投与するフェーズ3試験の中間解析を行い、18カ月の時点でオベチコール酸25mgはプラセボに比べ線維化が改善した患者が有意に多かっ… 2019/12/20 消化器
Lancet誌から 変形性手関節症にプレドニゾロン治療を試す 炎症が強くなった時に短期治療で症状を軽減する使い方 オランダLeiden大学医療センターのFeline P B Kroon氏らは、変形性手関節症で指節間関節に疼痛と炎症を起こした患者を対象に、経口プレドニゾロン10mgを6週間投与するランダム化比較試験を行い、プラセボ群に比べ実薬群では疼痛軽減と機能改善が見られたと報告した。結果をLancet誌電子版に2019年… 2019/11/27 骨・関節・筋
Lancet誌から 観察研究のビッグデータを用いた降圧薬比較 ACE阻害薬よりもサイアザイド系利尿薬が第1選択に向いている 高血圧の第1選択薬として利用できる薬の種類は多いが、最も好ましい薬がどれかは確定していない。米国California大学Los Angeles校のMarc A Suchard氏らは、世界の観察研究データベースを統合するビッグデータ解析プロジェクトOHDSIを利用して、新たに降圧薬使用を開始した患者のコホートを作成し… 2019/11/15 循環器
Lancet誌から 麻酔深度は高齢者の術後合併症に影響するか? 全身麻酔のBIS50群とBIS35群で術後1年の総死亡率に差はない ニュージーランドAuckland City HospitalのTimothy G Short氏らは、合併症リスクの高い高齢患者が全身麻酔による大きな手術を受ける場合、麻酔深度が術後の死亡率や合併症に与える影響を比較する国際的なランダム化比較試験(RCT)Balanced Anaesthesia Studyを行い、目標域がBIS50のグループとBI… 2019/11/11 外科
Lancet誌から トラネキサム酸が外傷性脳損傷の死亡率を減少 受傷から3時間以内のトラネキサム酸投与をプラセボと比較したRCT 29カ国の175病院が参加したCRASH-3 collaboratorsの研究者たちは、外傷性脳損傷(TBI)患者に対する3時間以内のトラネキサム酸投与の有効性と安全性をプラセボと比較するランダム化比較試験を行い、トラネキサム酸は出血による脳ヘルニアなどの頭部外傷関連死亡率を減少させていたと報告した。結… 2019/11/05 循環器