BMJ誌から スウェーデンでは医師の親子継承率が増加? 両親のどちらかが医師である割合は30年前の3倍以上 米国Stanford大学医学部のMaria Polyakova氏らは、スウェーデン国民の情報を利用して、医師という職業は親から子へ継承されやすい特徴を持っているのかについて調査し、医師の場合は少なくとも両親のどちらかが医師である割合が、法律家に比べて高かったと報告した。結果は2020年12月18日のBMJ誌… 2021/01/18 医師のキャリア
BMJ誌から 総死亡率が最も低いLDL-c値は140mg/dLか? 20~100歳の一般市民を対象にしたデンマークの大規模コホート研究 デンマークCopenhagen大学病院のCamilla Ditlev Lindhardt Johannesen氏らは、デンマーク国民を対象とした前向きコホート研究である「Copenhagen General Population Study(CGPS)」のデータを利用して、LDLコレステロール(LDL-c)値と総死亡率や死因特異的死亡率の関係を検討し、総死亡率が最… 2021/01/06 公衆衛生・予防医学
BMJ誌から 癌治療の開始が4週間遅れると死亡率が増加 COVID-19による待機的手術の延期が癌の治療成績を悪化させる可能性 カナダQueen's UniversityのTimothy P Hanna氏らは、癌と診断されてから治療開始の遅れが死亡率に与える影響を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを行い、最初の主な治療(根治手術、化学療法、放射線治療など)開始が4週間遅れると、主な癌の死亡率が有意に増加すると報告した。結果… 2020/11/27 癌
BMJ誌から 限局性前立腺癌患者のQOLを15年後まで追跡 対照群の一般男性と比較した治療法別のQOLの変化 オーストラリアCancer Council New South WalesのCarolyn G Mazariego氏らは、限局性前立腺癌と診断された患者の15年後までのQOLの変化を、適用された治療法別に評価し、年齢がマッチする前立腺癌ではない人と比較して、全般的に積極的な治療を受けた患者のQOLは対照群に比べて悪化しやすかったと… 2020/10/23 癌
BMJ誌から HPVワクチンと自律神経障害関連疾患は無関係 デンマークの女性約137万人を追跡した自己対照ケースシリーズ研究 安全性に関する懸念が、4価のHPVワクチンの普及を妨げているのは日本だけではない。デンマーク、アイルランドでも普及が遅れているという。デンマークStatens Serum InstitutのAnders Hviid氏らは、接種後の発症が懸念されている、慢性疲労症候群や複合性局所疼痛症候群、体位性頻脈症候群といっ… 2020/09/28 感染症
BMJ誌から カナグリフロジンは下肢切断を増やすか? 65歳以上で心血管疾患がある患者では、GLP-1受容体作動薬よりも有意に増加 米国Harvard大学医学部のMichael Fralick氏らは、米国の大規模データベースを利用して、2型糖尿病患者で新たにカナグリフロジンを処方された患者と、GLP-1受容体作動薬を処方された患者を対象に、患者の年齢と心血管疾患の有無で4群に分けたコホートを追跡して下肢切断リスクを検討したところ、カ… 2020/09/10 代謝・内分泌
BMJ誌から 予期せぬ体重減少が癌につながるのは誰か? 癌検診が推奨される患者を選び出すデータの組み合わせを見つける プライマリケアを受診する成人のおおよそ1.5%に予期せぬ体重減少が記録されている。そうした人が6カ月以内に癌と診断されるリスクは高くないが、中には癌検診を勧めた方がよい患者も含まれている。英国Oxford大学のBrian D Nicholson氏らは、どのような特性や症状を有する患者に癌検診を勧めるべ… 2020/09/09 癌
BMJ誌から 早期乳癌の術中単回放射線照射は有望 標準治療の術後外部放射線照射と比較したRCT 英国University College LondonのJayant S Vaidya氏らは、乳房温存療法を受ける早期乳癌患者への術中の単回放射線照射が、術後の外部放射線照射の代替として有用かどうかを検討するために、オープンラベルのランダム化フェーズ3試験TARGET-Aを行い、術中単回照射の5年局所再発率は外部放射線照射… 2020/09/08 癌
BMJ誌から 蛋白質の総摂取量と死亡リスクに関連あり 植物性蛋白質摂取量を増やすと利益が期待できそう イランTehran University of Medical SciencesのSina Naghshi氏らは、蛋白質の摂取量と死亡の関係を調べた前向きコホート研究を対象に系統的レビューとメタアナリシスを行い、蛋白質の総摂取量、動物性蛋白質や植物性蛋白質の摂取量と、総死亡率や死因別死亡率との関連を調べ、蛋白質の総摂取量と… 2020/08/13 生活習慣
BMJ誌から 腹壁ヘルニアのロボット支援手術は有益か? 腹腔鏡手術とのRCTで手術時間が長くコストも高いが成績に差はない 米国Texas大学McGovern Medical SchoolのOscar A Olavarria氏らは、ロボット支援手術と腹腔鏡手術による腹壁ヘルニアの手術成績を検証するランダム化比較試験(RCT)を行い、術後90日以内の入院日数など主な臨床アウトカムに差はなかったが、ロボット支援手術は手術に要する時間が長く、コストも… 2020/08/03 外科
BMJ誌から オゾン濃度が高い日には超過死亡が発生する 20カ国406都市の観測データから超過死亡率を推定 英国London大学衛生熱帯医学大学院のAna M Vicedo-Cabrera氏らは、20カ国406都市の観測データを用いて、地上レベルでのオゾン濃度と住民の短期的な死亡リスクについて検討し、より厳しい大気汚染の環境基準をクリアすることで超過死亡を減らせることが示唆されたと報告した。結果はBMJ誌電子版に2… 2020/03/12 公衆衛生・予防医学
BMJ誌から 大豆発酵食品を多く食べる人は死亡率が低い 1日当たりの摂取量が最も多い群と少ない群の死亡率を比較したコホート研究 国立がん研究センターの片桐諒子氏らは、各種大豆製品の摂取量が総死亡率や死因別死亡率に影響を与えるかどうかを検討する住民ベースのコホート研究を行い、大豆発酵食品の摂取量が最も多かったグループは、最も少なかったグループに比べ総死亡率が低く、納豆の摂取量が多いと心血管死亡率が低か… 2020/02/18 生活習慣
BMJ誌から 小児水痘患者の家族は帯状疱疹になりにくい 英国の研究で成人の帯状疱疹発症リスクが約30%減少 英国London大学衛生熱帯医学大学院のHarriet Forbes氏らは、家族に水痘にかかった小児がいる場合、成人の同居家族の帯状疱疹リスクに与える影響を検討するために自己対照ケースシリーズ研究を行って、水痘患者の曝露から20年後まで、帯状疱疹の発症リスクは有意に低下するが、30%減少程度に留ま… 2020/02/10 感染症
BMJ誌から ICUの患者は消化管出血を予防するべきか? ハイリスク患者には予防投与が有効だが肺炎リスク上昇の恐れも ICUに入院している重症患者の消化管出血リスクは高い。多くの診療ガイドラインが消化管出血予防策の実施を推奨しており、プロトンポンプ阻害薬(PPIs)やヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RAs)が投与されている。中国首都医科大学のYing Wang氏らは、それらの有効性と安全性を比較する系統的レビュー… 2020/01/24 救急医療・集中治療
BMJ誌から 大気中のPM2.5濃度が高い日は入院が増える 中国184都市の大気汚染状況と心血管疾患入院数の分析 中国の184都市の観測データを利用して、大気中の微小粒子状物質PM2.5(直径が2.5μm以下の微粒子)の濃度の上昇と、心血管疾患による入院の関係を検討した中国華中科技大学のYaohua Tian氏らは、PM2.5の濃度が上昇した日には脳出血を除く主要な心血管疾患の入院率が増加していたと報告した。結果… 2020/01/20 公衆衛生・予防医学
BMJ誌クリスマス号から 芸術との関わりは長生きの秘訣? 美術館、劇場、コンサートなどによく行く人は全く行かない人より死亡率が低い 英国University College LondonのDaisy Fancourt氏らは、芸術が人々の健康に与える影響を調べるために、英国の50歳以上の地域住民を約14年間追跡するコホート研究を行い、芸術を鑑賞する機会の多い人は、鑑賞する機会を全く持たない人に比べ、死亡率が有意に低かったと報告した。データはBMJ誌電… 2020/01/06 生活習慣
BMJ誌から 母親の糖尿病は子の心血管リスクに関連する デンマーク生まれの243万人を追跡したコホート研究 妊娠中に糖尿病だった母親から生まれた子は、糖尿病ではない母親の子に比べ、40歳までに心血管疾患(CVD)を発症するリスクが高いことが示唆された。デンマークAarhus大学病院のYongfu Yu氏らは、同国で生まれた子供たちを40年間追跡するコホート研究を行い、結果をBMJ誌電子版に2019年12月4日に… 2019/12/18 代謝・内分泌
BMJ誌から トロポニン値は患者の予後にどう影響する? 正常上限値の70倍を超えると逆に累積死亡率の減少を観察 英国の心血管疾患センター5施設を受診し、トロポニン検査を受けていた約26万人の患者を対象に、トロポニン値と総死亡率の関係を検討する後ろ向き研究を行った英国Hammersmith病院のAmit Kaura氏らは、トロポニン値が正常域上限を超えた患者は、年齢にかかわらず死亡率の増加が認められ、過剰な死… 2019/12/04 循環器
BMJ誌から 大腸癌のスクリーニング間隔は10年間でよい? 初回の内視鏡で陰性だった患者の再検査時の有病率を調べる研究 ドイツ癌研究センターのThomas Heisser氏らは、大腸癌の内視鏡スクリーニング実施間隔に関するメタアナリシスを行い、平均的なリスクの人が初回の内視鏡で陰性だった場合、10年以内に進行した腫瘍が見つかるケースは極めてまれだったため、10年間隔でのスクリーニングを推奨している現在の欧米の… 2019/11/28 癌
BMJ誌から 製薬会社からのギフトは処方に影響するか? フランスではギフトを受け取ったGPのジェネリック処方率が低い フランスのプライマリケアを担当するgeneral practitioner(GP)に製薬会社が送った品物の金額を調べ、その医師の処方パターンとの関係を検討したフランスRennes大学のBruno Goupil氏らは、ギフトを全く受けとっていない医師と比べると、より高額のギフトを得ていた医師では、1回の診察で処方する… 2019/11/21 医の倫理