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2006.02.03

透析患者の延命治療に対する希望、家族や医師に正確な予測できず

 心停止した場合に心肺蘇生(CPR)を希望するかなど、延命治療に対する希望を透析患者本人に尋ね、さらに、患者がどのように希望しているかを家族および医師に推測させたところ、必ずしも一致しないことが分かった。これは野村病院診療部長の三浦靖彦氏らが行った研究で、米国腎臓病雑誌(American Journal of Kedney Diseases)2006年1月号に掲載された。

 対象は透析患者398人(平均年齢57歳、平均透析期間8.3年)。(1)現在の健康状態(2)重度のアルツハイマー病(3)末期がんで余命6カ月以内――の3通りのシナリオを用意し、(1)〜(3)のシナリオで心停止を起こした場合にCPRを希望するか、および、(2)と(3)のシナリオで透析の継続を希望するかについて、患者本人に尋ねた。

 さらに、家族および医師に対して、それぞれの設問で患者がどう答えたかを推測してもらい、一致率を検討した。

 家族と患者の一致率は、CPRに対する希望では66.6〜68.3%、透析継続に対する希望では67.4〜69.0%だった。医師と患者の一致率は、CPRに対する希望では60.5〜75.3%、透析継続に対する希望では66.7〜68.4%だった。

 しかし、重み付けカッパ(κ)係数を用いて統計学的に検定したところ、いずれも有意に一致しているとはいえず、偶然の一致と同程度という結果だった。

 三浦氏は「日常診療では、患者本人の希望が分からないときに主治医は家族の話を聞いて意思決定する機会が少なくないが、今回の調査結果から、主治医も家族も患者の意思を正確に理解しているとはいえないことが判明した。自らが望むような形の終末期を迎えたいと考える場合、患者本人が事前指示(advanced directives)を表明しておくことが望ましい」と話している。

 本論文の原題は、「Families' and Physicians' Predictions of Dialysis Patients' Preferences Regarding Life-Sustaining Treatments in Japan」。アブストラクトは[こちらhttp://www.ajkd.org/article/PIIS0272638605015167/abstract]を参照。(北澤京子、日経メディカル編集委員)