2006.01.10

協和発酵、M期キネシンEg5阻害剤の開発・販売権をLilly社に供与

 協和発酵は2006年1月10日、自社開発の抗がん剤候補化合物であるM期キネシンEg5阻害剤の、日本を除く地域での独占的な開発・販売権を米Eli Lilly社に供与することに2005年12月19日に合意したと発表した。

 細胞分裂では、染色体を分離するために、中心体が細胞の両極へと移動する。M期キネシンEg5は、中心体の両極への移動を司るたんぱく質。協和発酵が開発した製剤は、このたんぱく質の作用を特異的に阻害することで、中心体の分離を抑制する。その結果、がん細胞の細胞周期をM期に停止させ、アポトーシス(細胞死)をがん細胞に誘導する。

 がん細胞をM期に停止させる抗がん剤には、細胞分裂の際に形成される微小管の作用を阻害する酒石酸ビノレルビンがある。しかし微小管は、がん細胞だけでなく神経細胞などの正常細胞でも重要な機能を担っているため、手足のしびれなどの神経障害が副作用として問題となっている。一方、M期キネシンEg5阻害剤は微小管には全く作用しないため、副作用である神経障害を起こさないことが期待されているという。

 協和発酵のM期キネシンEg5阻害剤は、前臨床試験の段階にある。今回のライセンス契約に伴って、今後はLilly社が開発を引き継ぎ、欧米を中心に臨床試験の準備を行うという。

 協和発酵は、Lilly社から契約金、マイルストーンおよび製品販売に伴うロイヤルティーの支払いを受ける。またアジアの一部の国においては、同社との共同開発・共同販売権を確保する。(横山勇生)

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