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2005.12.14

びまん性大細胞型リンパ腫対象の分子標的抗がん剤フェーズ1試験、イーライリリーが国内で実施中

 日本イーライリリーはプロテインキナーゼC(PKC)βの阻害剤であるEnzastaurinのフェーズ1臨床試験を国内で開始していることをこのほど明らかにした。Enzastaurinは米Eli Lilly社初の分子標的抗がん剤。PKCβを阻害することで血管新生を抑制するとともにAKT/P13経路を阻害してがん細胞にアポトーシスを引き起こす。

 12月10日から米国アトランタで開催された米国血液学会で、Enzastaurinのびまん性大細胞型リンパ腫を対象にしたフェーズ2臨床試験で有望結果が得られたことが発表されている。フェーズ2試験は、平均で2件の別の治療法を受けたことがあるが再発した55人の患者を対象に行われた。患者は経口で当初は525mg、その後、用量変更し、500mgを1日1回、病状が悪化するか毒性の問題が発生するまで投与を受けた。その結果、55人中12人(22%で病気が進行しなかった期間が2カ月維持できた。さらに12人中3人は1年半から3年以上病気が進行しない状態を維持することができたという。

 患者は全般的にEnzastaurinの投与に忍容性を示したが、7例でグレード3の副作用が報告された。主な副作用は疲労感、血小板減少、頭痛などだった。

 Lilly社はこの試験結果を受けて、近くフェーズ3試験の患者登録を開始する計画だ。(横山勇生)