2005.12.13

造血器腫瘍対象の自殺遺伝子導入遺伝子治療のフェーズ1/2試験で有望結果

 タカラバイオは12月13日、遺伝子治療の開発パートナーであるイタリアMolMed社が造血器悪性腫瘍を対象にした遺伝子治療のフェーズ1/2臨床試験で有望な結果を得たと発表した。欧州で行われているフェーズ1/2試験はほぼ完了した段階で、主要評価項目のうち、特に生存率の点で従来の治療法よりも優れていることが確認できたという。成果は12月12日に米国アトランタで開催された米国血液学会で発表された。

 MolMed社が欧州で実施しているフェーズ1/2試験は、高リスク造血器悪性腫瘍患者を対象に、ハプロタイプ一致血縁ドナー(HLA不一致の血縁ドナー)由来骨髄移植後に、自殺遺伝子(HSV-TK)を導入したドナーリンパ球を輸注(TK-DLI)するもの。骨髄移植後の患者の免疫系を早期に再構築し、ウイルス感染などによる治療関連死や再発の確率を下げることが期待できる。さらに、ドナー由来のリンパ球による移植片対宿主病(GVHD)の制御をしやすくするものだ。MolMed社は2006年に欧州で多施設無作為フェーズ3試験を開始する計画だ。

 フェーズ1/2試験はハイリスク白血病患者16例にHSV-TK導入ドナーリンパ球を体重1kg当たり、1×107個投与することで行われた。その結果16例中13例で末梢血1μL中のCD3陽性細胞数が100以上となり、免疫系の再構築が確認された。急性GVHDは16例中5例にみられたが、全例ガンシクロビルを投与することで沈静化させることができた。骨髄移植時点で完全寛解導入例でドナーリンパ球輸注を受けた患者の骨髄移植後800日間生存率は46%となった。

 骨髄移植時点で不応・再発症例でドナーリンパ球輸注を受けた患者の場合、平均生存日数は201日となった。既存の治療法では移植なしの場合が60日、骨髄移植のみでは80日であることから、延命効果が確認されたことになる。(横山勇生)

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