2005.11.16

【ACR2005速報】TNF阻害薬の服用でがん発症リスクが約3倍に、投与量増えるとリスクも増加

 TNF阻害薬の服用で、がんの発症リスクは約3倍に増加し、投与量が増えるとリスクが増える可能性があるようだ。重篤な感染症リスクも、TNF阻害薬の服用で約2倍に増えるという。米Mayo ClinicのTim Bongartz氏らが、9つのプラセボ対照無作為化試験、被験者総数約5000人についてメタアナリシスを行い明らかにしたもので、11月14日に開催された米国リウマチ学会のポスター・ディスカッション・セッションで発表した。

 Bongartz氏らは、2種のTNF阻害薬について、12週間以上に渡って行われたTNF阻害薬のプラセボ対照無作為化試験について、メドライン、EMBASE、コクラン・ライブラリのデータベースを用いて検索し、条件を満たした9試験を分析の対象とした。被験者のうちTNF阻害薬群は合計3493人、プラセボ群は計1514人だった。同氏らは、各試験の発表データのほか、米国食品医薬品局(FDA)に報告されたデータによる補足と、試験スポンサーとの確認も行った。

 その結果、TNF阻害薬群のうち、がんを1カ所以上発症したのは29人だったのに対し、プラセボ群では3人に留まった。がん発症についての、TNF阻害薬群のプラセボ群に対する統合オッズ比は、3.3(95%信頼区間:1.2〜9.1、p=0.022)だった。また、このリスクは投与量が多いほど高く、高用量群では統合オッズ比は7.7(同:2.5〜37)だったのに対し、低用量群では有意差は見られなかった。

 一方、抗生物質投与または入院を要した重篤な感染症を1つ以上発症した人は、TNF阻害薬群の128人、プラセボ群の26人に見られた。投与群のプラセボ群に対する、感染症発症に関する統合オッズ比は、2.0(95%信頼区間:1.3〜3.1、p=0.002)だった。

 なお、Bongartz氏はがん発症に関する統合オッズ比について、95%信頼区間の幅が大きいため、「1を上回ることは確かだが、3という数字にどれ程意味があるかは不明。真の値は2かもしれないし、4かもしれない」とコメントした。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)


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