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2005.11.04

【裁かれたカルテ】血液型がRhマイナスであることを看過 過失で子どもがもうけられなくなったと認定

 産婦人科医師が妊婦の血液型がRhマイナスであることを看過したため、人工妊娠中絶の選択を余儀なくされたとして、6000万円余の損害賠償を求めて争われた裁判で10月12日、判決が下った。裁判所は、医師の母児間の血液型不適合妊娠の検査(間接クームステスト)とグロブリン投与を怠った過失を認め、さらには夫との間で事実上、子どもがもうけられなくなったこととの間に相当の因果関係があるとして、医療側に対して約1200万円の損害賠償を支払うよう命じた。

 原告Aさんは、1973年9月生まれの女性である。原告Bさんは、原告Aさんの配偶者。被告側は、産婦人科医師である被告C医師が理事長を務める医療法人で、関西でD医院(被告医院)を開設していた。

 原告Aさんは、2000年9月に、被告C医師による外来診療を受けた。被告C医師は、原告Aさんについて、妊娠5週1日目であり、分娩予定日は2001年5月であると診断した。

 原告Aさんは同日、被告C医師の外来診療を受ける前に、産婦人科外来問診表を作成した。同問診表のABO式血液型記入欄に「B型」と記入。同問診表のRh式血液型記入欄は空欄のままにし、また過去に妊娠したことがないなどと記入した。

 同年10月27日、原告Aさんは、被告医院で血液検査のため採血を受けた。この検査の結果、原告Aさんの血液型が、ABO式B型、Rhマイナスであることが判明し、この結果は、遅くとも同月31日までに、被告C医師に対して通知された。

 しかし被告C医師は、通知を受けたにもかかわらず、原告Aさんの血液型がRhマイナスであることを見落とし、以後の診療を実施した。

 被告C医師は、原告Aさんの血液型がRhマイナスであることを見落としていたため、原告Aさんに対し、診療の際にも、原告Aさんの血液型がRhマイナスであることを伝えず、また、原告Aさんに対する間接クームステストによる抗体価の検査を実施しなかった。

 同年5月23日午後4時20分ごろ、原告Aさんは、出産のため被告医院に入院した。同日午後8時11分ごろ、第1子を出産した。このとき、原告Aさんは、妊娠39週4日目だった。また、第1子には何らの障害もなかった。第1子の体重は1984g、血液型はB型・Rhプラスだった。

 原告Aさんとその第1子は、同年6月4日、被告医院を退院した。その後、2回、被告C医師による診療を受けたが、被告C医師は、第1子の妊娠中から分娩後に至るまで、原告Aさんに対してグロブリン注射を実施しなかった(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。