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2005.11.02

NITEとアステラス、中外がベトナムで微生物を共同探索

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)とアステラス製薬、中外製薬は11月2日、ベトナムの微生物を現地で共同で探索、収集、分離し、それらの産業利用の可能性を探る初めての産官共同事業を11月から開始すると発表した。NITEがベトナム政府との間で構築してきた枠組みを利用することで、企業が自らベトナムでニーズに合った微生物を集められる環境が整うことになるという。

 微生物資源は医薬品の探索源として重要だが、生物多様性条約に則って、海外の微生物資源にアクセスすることは企業単独では負担が大きい。日本の政府機関がバックアップすることで、日本企業が少ない負担で東南アジアの多様な生物遺伝資源にアクセスできる。企業ニーズに合った微生物を利用できるように産官が共同で海外の微生物探索を行う最初のケースとなる。

 NITE、アステラス製薬、中外製薬は11月から12月にかけてベトナムへ渡航し、主にベトナム中部地方を中心として微生物を分離するための試料の収集を行う。 ベトナム国立大学ハノイ校の施設で試料から各社の目的にあった微生物を分離する。分離した微生物は、ベトナムの合意の下で日本へ移転される。 その後、それらの微生物は両社に提供され、創薬のための有用物質の探索等が行われる。 研究成果から特許登録や商品化に至った場合には、ベトナム側にも収益の一部が還元される。

 NITE は、ベトナム政府との間で、生物遺伝資源の保全と持続的利用に関する協定を結んでおり、2004年度からベトナム国立大学ハノイ校と共同研究を実施している。この事業にはベトナム側への技術移転や同国の微生物学の発展に貢献する側面もあるという。(横山勇生)