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2005.09.15

Fanconi貧血に関わる新しい遺伝子が発見される

 Fanconi貧血にかかわる2つの新しい遺伝子FANCJ、FANCMを発見したという一連の研究結果が報告された。関連した論文5報が、Nature Genetics電子版とNature Structural & Molecular Biology電子版に発表された。これらの論文は9月発行の各論文誌に掲載される。

 Fanconi貧血関連遺伝子群がコードしているたんぱく質はDNA修復に関わっているとされているが、これらのたんぱく質は、DNAに作用する酵素活性やドメインを欠いているため、DNAとの相互作用についてはあまり解明されていなかったという。

 米国立衛生研究所などのグループはFANCMという遺伝子を発見した。FANCMたんぱく質は、ヘリカーゼの保存領域とDNAトランスロカーゼ活性を有していた。FANCMは、DNA修復のためのたんぱく質複合体をDNAに沿って移動させている動力である可能性があり、また、リン酸化によりon/off制御されるこの複合体の鍵となる構成物である可能性がある。 

 一方、オランダVU大学などの研究グループは、FANCJという遺伝子(たんぱく質)はDNAヘリカーゼ活性を有していた。これらの遺伝子の発見により、損傷したDNAの修復経路の解明につながる可能性があるとしている。将来的に、患者の治療のために、Fanconi貧血によるDNA損傷への応答を高める薬を選ぶターゲットとして、これらのたんぱく質の活性が利用される可能性があるという。

 スイス人の小児科医Guido Fanconiにちなんで命名されたFanconi貧血は、30万人に1人の割合で発症する再生不良性貧血で、常染色体劣性遺伝する遺伝病。症状として、手指の欠損、小頭症、知能低下、目・耳・骨の異常、DNA修復能に問題があり、染色体が脆弱であるため白血病の発症頻度が高いことが知られている。今回の研究までに、Fanconi貧血は11の相補群に分類されていて、そのうち9つの原因遺伝子が同定されていた。今回の結果により、相補群が1つ増え(FA-M)、原因遺伝子が2つ(FANCJ、FANCM)同定されたことになる。(星野康)