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2005.08.31

エーザイ、正常細胞の分化に影響しないアルツハイマー病治療薬の候補物質を同定 

 エーザイはアルツハイマー病の原因とされているアミロイドβペプチド(Aβ40、Aβ42)の産生に関わるγ−セクレターゼの機能を修飾する(モジュレーター)E2012の同定に成功した。

 アミロイド前駆たんぱく質はβ−セクレターゼ、γ−セクレターゼによって切断を受ける。γ−セクレターゼによって生じるAβ40、Aβ42がAβの凝集を起こし神経細胞障害・細胞死につながりアルツハイマー病になると考えられている。

 そのため、アルツハイマー病治療薬として、γ−セクレターゼを阻害する薬剤の開発が進められているが、今までのγ−セクレターゼ阻害剤の開発では、Notchプロセッシングを抑制して、正常な細胞の分化にも影響を与えてしまうことが問題とされている。

 エーザイはオリジナルリード化合物から、複数のシード化合物を発見、周辺化合物の多次元評価、リード化合物の最適化をすることで、Notchシグナルに影響せず、γ−セクレターゼの活性を抑えるE2012の同定に成功した。アルツハイマー病の原因療法薬になる可能性がある化合物だ。成果は8月30日に開催された同社のR&Dミーティングで公表された。

 E2012は、現在臨床導入に向けた原薬スケールアップ合成と安全性試験の準備が進められている。2006年3月に米国での治験申請を計画している。経口投与で効果を発揮する化合物でin vivoモデル動物への経口投与でAβ40とAβ42の産生を抑制できることが明らかにされている。(横山勇生)