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2005.08.23

住友ベークライトが作製・検出に特別な機器・試薬いらずのDNAアレイを開発、遺伝子解析がお手軽に 

 住友ベークライトは8月23日、特殊な機器・試薬なしで簡単に遺伝子解析ができるDNAアレイ実験キット「誰でもDNAアレイ」を開発したと発表した。同社とフナコシが9月1日に発売する。あくまで研究用の製品だが、DNAマイクロアレイを作製するためのスポッターや共焦点レーザースキャナなどの専用装置が必要ないため、遺伝子解析専門の研究者でない医学研究者でも、簡単、安価に遺伝子の解析ができる希望小売価格は2万円。初年度売上高1億円を目指すという。

 「誰でもDNAアレイ」は、オリゴDNA(またはcDNA)を固定化するプラスチックス基板5枚とスポッティング液、ブロッキング液、洗浄液、ハイブリダイゼーション液などから構成されている。

 大きな特徴は、オリゴDNAの固定化によるDNAアレイの作製が簡単にできることだ。従来、DNAアレイを作製するにはオリゴDNAのアミノ修飾(1プローブあたり約5000円)が必要だった。「誰でもDNAアレイ」のプラスチック基板は表面に活性エステルを官能基として修飾してあり、無修飾のオリゴDNAを熱処理による化学反応と紫外線照射による架橋反応で固定できるようにした。オリゴDNAの長さが50mer以上であればアミノ修飾した場合と同等の固定化を可能にした。

 プラスチック基板の上にはスポットする場所を示したガイドグリッドが24カ所設けられており、研究者はスポッティング液に混ぜたオリゴDNA(調整濃度は1から10μMが推奨)を1μLずつピペットで点着させてアレイを作製する。出来上がったDNAアレイはビオチンで標識した検体DNAとハイブリダイゼーションさせる。

 洗浄したあと、アルカリフォスファターゼで標識したストレプトアビジンを添加し、アレイに捕捉された検体DNAに結合させる。そしてアルカリフォスファターゼの酵素反応で発色させ、結合の有無を見る。従来利用されている高価な標識物質(Cy3、Cy5)などを使用せず、OAスキャナやデジタルカメラなどでDNAアレイ上のスポット濃度測定、データ保存ができる。取り込んだ画像は専用画像処理ソフト(定価1万円)で数値化も可能だ。なお、ビオチン標識化DNAとアルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンはキットには含まれていない。

 住友ベークライトは、「誰でもDNAアレイ」を用いて実際に大腸菌や緑膿菌などを検出できた例を示した。また、固定したDNAの量に応じて数値が直線的に変化するため、ドットブロットハイブリダイゼーションに利用することもできる。(横山勇生)