2005.08.04

NIHグループが糖尿病関連遺伝子を同定、一つはトレハラーゼ

 米国立衛生研究所(NIH)の下部機関のひとつである米国立糖尿病消化器腎疾患研究所のLeslie J.Baier氏らは、アメリカ先住民であるPima Indiansから得た遺伝子試料を解析して、2型糖尿病と肥満に関連する遺伝子の同定に成功した。同定した遺伝子はトレハラーゼで、研究グループは酵素活性を測定することが、糖尿病の発症予測に利用できるかどうか、現在調べているところだという。成果は8月3日から4日に山形市で開催された第25回札幌がんセミナー国際がんシンポジウムで発表された。

 Pima Indiansは80%以上が肥満で、35歳以上の50%以上が2型糖尿病となるとされている。Baier氏らは、966人の兄弟を含む264家族の遺伝子情報をもとに、肥満と糖尿病に関する遺伝子のポジショナルクローニングを行った。ポジショナルクローニングは、染色体上に存在する多数の遺伝子マーカーを基に疾患に関連した遺伝子領域を同定していく方法だ。

 Baier氏は肥満と2型糖尿病に関連する遺伝子が存在する領域として、11q23-24と1q21-24という染色体上の領域を同定した。11q23-24には、一塩基多型(SNP)が特に多く存在する領域が存在し、研究グループはそれぞれBIG1とBIG2と領域に名をつけた。BIG1をさらに解析したところ、トレハラーゼをコードしている遺伝子に変異が多いことを見い出した。1989年には別の研究グループが血中のトレハラーゼ活性が糖尿病と関係があることを報告していた。一方、BIG2には転写調節領域があったものの特に遺伝子は存在していなかった。Baier氏はBIG2領域はエンハンサーとして働いているのではないかと推測していた。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 製薬企業と医師との付き合い方はどう変わる? ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」 FBシェア数:371
  2. 学会はスーツで行くべきなのか 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:756
  3. 若年男性に生じた腹痛、必ず聞くべきことは? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:1
  4. お尻に注入しないで!(食事中に閲覧しないで) 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:374
  5. 病院の「介護医療院」転換に予想外の傾向! 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:31
  6. 民間病院から大学教授を毎年輩出する秘訣 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:60
  7. 脳梗塞超急性期のEarly CT signとは 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:0
  8. ポケットを伴う褥瘡に有効な「創内固定」 古田勝経の「褥瘡はフルタ・メソッドで治る」 FBシェア数:72
  9. 60歳代女性。胸部異常陰影 日経メディクイズ●胸部X線 FBシェア数:0
  10. 記憶障害のみでゆっくり進行する認知症とは 発見者の金沢大学脳老化・神経病態学(神経内科学)教授山田正仁氏に聞く FBシェア数:141
医師と医学研究者におすすめの英文校正