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2005.07.04

T2J、たんぱく質を脳に導入できるペプチド応用し、 脳疾患のPET診断用システム開発に乗り出す

 バイオベンチャーのティッシュターゲティングジャパン(T2J)は、独自に開発した脳標的化ペプチドをPET(ポジトロン断層画像診断技術)に応用した、新しい脳疾患診断システムの開発に乗り出す。このほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構の2005年度第1回産業技術実用化開発助成事業として採択されたことで、開発に踏み出した。

 T2Jは、名古屋大学環境医学研究所教授の澤田誠氏の研究に基づいて設立されたベンチャー企業。澤田氏らは、脳内に存在する貪食細胞で、脳への移行能を持つミクログリアから、脳移行の機能を持つ部分ペプチドを同定することに成功している。開発を開始したのは、同定したペプチドを脳標的化ペプチドとして、PETリガンドと結合させて体内に投与することで、本来ならば血液脳関門(BBB)を通ることができないPETリガンドを、BBBを壊すことなく脳に到達させようというものだ。

 澤田氏は、既に、昨年9月の段階で、脳へたんぱく質を移行させることができるペプチドを12種類同定しており、しかも同定した12種類には立体構造に共通の特徴が見られることを明らかにしていた。これら12種類のペプチドは、マウスを使った実験で、ファージたんぱく質を脳に移行させることができること、12種類の中には、マウスでビオチンや金コロイドを血液脳関門を破壊することなく脳に導入できるものがあったことも明らかにしている。金コロイドは8nmolを投与した場合に、脳で検出することができたという。(横山勇生)