2005.06.28

【外科系連合学会から】 医療関連死を調査分析する中立的第三者機関を視野に 診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業が始まる

 今年度の厚生労働省予算に盛り込まれた「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」が秋にも始動する。6月24日、日本外科系連合学会の第30回記念特別講演に登壇した厚生労働省の北島智子氏が講演の中で紹介した。

 このモデル事業は、「異状死の届け出」にまつわる混乱がそもそものきっかけだった。

 「異状死の問題」が大きくクローズアップされたのは、2000年に発生した東京都の広尾病院薬剤取り違え事件がきっかけ。事件では、異状死の届け出を怠ったとして、事件当時の院長、副院長らが、東京地検に医師法違反などの疑いで書類送検された。

 これを機に、異状死については、日本法医学会が1994年にガイドラインを発表、以下、日本外科学会が2001年に、日本内科学会会告が2002年に出された。2004年4月には、日本内科学会、日本外科学会、日本法医学会、日本病理学会による共同声明が出され議論が集約されていった。同年9月には4学会の共同声明に日本医学会加盟の15学会が参画し、計19学会による共同声明が出されるに至った。

 声明の中では、これまでの診療行為に関連した死亡事故を異状死として警察に届ける制度から、中立的第三者機関を設立し、「医療関連死」としてそこに届け出て、調査・検証する方向へ議論が進展した。

 厚労省はこれに応じる形で、2005年度から「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」を開始することになったものだ。

 モデル事業(概要参照)では、医療機関から医療関連死の調査依頼を受け付け、臨床医、法医学者あるいは病理学者を動員した解剖を実施し、その上に専門医による事案調査も実施して、専門的、学際的なメンバーで因果関係を検証するとともに、再発防止策を総合的に検討する。モデル事業は5年間で、初年度の予算は1億円となっている。中立的第三者機関の設立を視野に入れた事業であり、その成果が注目される。(三和護、医療局編集員)

■概要は以下の通り(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。

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