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2005.06.24

米カンザス州で今年初のウエストナイル熱患者が発生

 米疾病対策センター(CDC)は6月20日、米国内で今年初のウエストナイル熱患者がカンザス州で発生したことを明らかにした。米国では1999年に最初の感染者が発見されて以来、これまでに1万7000人が発症、このうち650人が死亡するという大きな被害が発生している。

 CDCに先立ってカンザス州保健環境局が6月16日に明らかにしたところによると、患者はカンザス州東部のダグラス郡在住の51歳の男性で5月中旬に感染したと見られる。神経症状は出ておらず、ウエストナイル脳炎・脳症よりも軽症のウエストナイル熱だという。

 他州では感染者は発生していないが、今年に入って既に全米14州でウエストナイルウイルスに感染した鳥、馬、蚊が見つかっており、CDCでは予防を心がけるように呼びかけている。

 米国では、アラスカとハワイの2州を除く全州で感染者が発生している。最大の被害が発生した2003年には9862人が発症し、264人の死者が出た。2004年には発症者が2535人、死亡は98人と減少している。ウエストナイル熱は1999年にニューヨークに上陸した後、西に向かって広がっていった。初の感染者が出た翌年に多数の被害が発生することが経験上知られている。

 ウエストナイルウイルスに感染した場合、米国ではおおむね5人に1人がウエストナイル熱を発症し、約150人に1人が脳炎・脳症を発症し、ときには死に至る。50歳以上、または臓器移植を受けた人では重症化のリスクが高い。現在のところ、ウエストナイル熱に有効な治療薬やワクチンは製品化されていない。

 CDCのプレスリリースはこちらまで。(中沢真也)