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2005.06.17

【抗加齢医学会速報】 CoQ10は、冠動脈の血流速度をアップ 日大医学部が実験で明らかに

 コエンザイムQ10(CoQ10)投与の前後で、心臓の冠状動脈の血流速度を比較したところ、投与後、有意に血流速度が上昇していることがわかった。CoQ10を、狭心症や心筋梗塞(こうそく)といった冠動脈疾患の治療にも利用できる可能性が出てきた。日本大学医学部循環機能検査室の笠巻祐二氏らが、6月10日に京都で開催された第5回日本抗加齢医学会総会で発表したもの。

 美容や老化防止などのサプリメントとして知られているCoQ10は、もともと日本では心不全の治療薬として使われてきた。

 CoQ10は強力な抗酸化作用や、細胞内でエネルギーの産生に関わる作用があるが、心血管系における作用、特に冠動脈に対してどういう作用をもつかはわかっていなかった。

 この研究では、成人男性10人(平均32±7歳)にCoQ10を150mg飲んでもらい、投与前と最高血中濃度に達する投与6時間後の2回、心エコーを使って血流速度を測定して比較した。比較には、安静時と最大冠拡張時の血流速度の比(CFVR)を用いた。

 その結果、CoQ10投与によって、心拍数や血圧は変動しなかったが、CoQ10投与前にはCFVRが3.0±0.7だったのに対し、投与後には3.5±0.5と有意に上昇した。

 これにより、CoQ10は心臓の細胞に酸素や栄養を送る冠動脈の循環を改善し、心臓を保護する作用がある可能性が示唆されたといえる。(八倉巻尚子=医療ライター)