2005.06.15

中国産養殖カンパチ、イサキが高頻度でアニサキス寄生 小売店にはまだ未出荷だが年間生産尾数の約1割が該当

 厚生労働省は6月15日、中国から輸入された養殖中のカンパチとイサキの一部に高頻度でアニサキス幼虫の寄生が認められるため、出荷の際に冷凍するなど、アニサキスが死滅する処理を行うよう、養殖業者などに指導することにしたと発表した。アニサキスの汚染が発見されたカンパチは国内の年間生産尾数の1割にのぼる。幸い、該当する魚は現在、養殖中で、小売店の店頭にはまだ出回っていないという。

 アニサキス幼虫が寄生した魚を食べると、胃壁などにもぐりこみ、激しい腹痛を伴う急性胃腸炎を引き起こす。胃内の場合は内視鏡で摘出すれば速やかに回復するが、腸内では腸閉塞様症状を引き起こし、開腹が必要になる場合もある。

 厚労省は農林水産省などからの情報として、昨年秋以降に中国から輸入し、国内で養殖されているカンパチを調査したところ、ランダムサンプリングで554匹中192匹(約34.7%)と、3匹に1匹を超える高頻度でアニサキス幼虫が寄生していることが分かった。イサキは現在調査中だという。

 水産庁によると、該当するのは中国産養殖魚のうち、2003〜2004年にかけて海南島で捕獲された稚魚を福建省の養殖場で昨年秋までの半年〜1年間養殖後に輸出され、現在、国内で養殖されているもの。約200万匹が該当するという。アニサキス感染の原因は、昨年夏に養殖場近郊でカタクチイワシが大漁となり、価格が安くなったため、通常のエサに代えて与えたためだという。通常は沿岸で獲れる雑魚を用いる。

 厚生労働省は、寄生の頻度が高いこと、カンパチやイサキが通常、生食用として販売されること、アジやサバなどと異なり、カンパチやイサキはアニサキスの寄生が一般に知られていないこと、などから、該当する養殖魚に限って、アニサキスが死滅する冷凍処理や加熱処理を出荷前に行うよう、養殖業者などを指導することにした。

 ただし、水産庁は、「実際には出荷前に処分(廃棄)され、市場に出回らない割合が高い」と見ている。養殖魚は、今後、気温が上昇する時期に活発にエサを食べて成長する。生産コストに占めるエサ代の比率は7割に及ぶ。しかし、出荷の際に凍結や加熱が必要になれば、市場価格は大幅に下落するため、無駄なエサ代をかけず処分する業者が少なくないはずだという。

 いずれにせよ、今回のケースでは事前の対応はほぼ万全になると見られ、消費者がスーパーや鮮魚店に並ぶカンパチやイサキを避ける必要はなさそうだ。

 厚生労働省のプレスリリースとQ&Aはこちらで閲覧できる。




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