2005.05.19

【ASCO2005速報】 胃食道癌への術前・術後補助療法で、5年生存率が57%増に

 胃食道癌に対する術前・術後補助療法により、手術だけを行った場合に比べ、5年生存率が23%から36%に、約57%有意に増加することがわかった。生存期間の中央値や無増悪進行生存率もまた、有意に改善した。これは、MAGIC(Medical Research Council Adjuvant Gastric Infusional Chemotherapy)試験の最終結果で、英国Royal Marsden 病院のDavid Cunningham氏が、5月15日の一般口演で発表した。

 Cunningham氏らは、1994〜2002年にかけて、胃食道癌で手術が適応となる患者503人を、2群に分けた。このうち、胃癌は74%、下部食道癌が15%、胃食道接合部の癌は11%を占めた。腫瘍最大直径の中央値は5.0cmだった。

 補助療法群には、エピルビシン(50mg/m2/日)、シスプラチン(60mg/m2/日)と5-フルオロウラシル(FU)(200mg/m2/日)を3週間間隔で術前に3回、術後に3回それぞれ投与した。対照群には手術だけ行い、補助療法は行わなかった。

 生存者の追跡期間の中央値が3年の時点で分析を行った。5年生存率は、対照群が23%(95%信頼区間:17〜29%)だったのに対し、補助療法群では36%(95%信頼区間:30〜43%)に上った。2年生存率は、対照群が41%(95%信頼区間:35〜48%)、補助療法群が50%(95%信頼区間:44〜56%)だった。生存期間の中央値は、対照群が20カ月、補助療法群が24カ月と、その差は4カ月(95%信頼区間:2〜13カ月)だった。

 5年後生存と無増悪進行生存に関するハザード比は、それぞれ、0.74(同:0.59〜0.93)と0.66(同:0.53〜0.81)と、いずれも補助療法群で有意に改善した。

 コメンテーターでDana-Farber Cancer InstituteのRobert J. Mayer氏は、「本研究結果はよく分析してあり、補助療法の耐容性も十分だった。これで術前補助療法が有意義である点は納得できた」と述べた。一方で、補助療法群250人のうち、術後補助療法を完了したのは104人に過ぎないことから、「術後補助療法の有効性については、未だ不明だ」とした。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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