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2005.05.18

【ASCO2005速報】 進行期膵臓癌へのゲムシタビン+エルロチニブ併用、 ゲムシタビン単独投与に比べ生存期間の中央値は2週間の延長にとどまる

 進行期膵臓癌に対する化学療法として、ゲムシタビンとエルロチニブを併用すると、ゲムシタビン単独投与に比べ、1年生存率は17%から24%に増加した。生存期間の中央値については、併用群が単独群に比べて有意に延長したものの、その差はわずか2週間だった。エルロチニブに関する治験第3相無作為化比較試験の結果で、5月14日のプレナリ発表で、カナダPrincess Margaret HospitalのMalcolm Moore氏が発表した。コメンテーターのMD Anderson Cancer CenterのJames L. Abbruzzese氏はこの試験結果に対し、「期待はずれの結果に、がっかりした」と辛口の評を添えた。

 Moore氏らは、2001〜2003年にかけて、569人の進行期膵臓癌の患者を2群に分けた。一方には、ゲムシタビン(1000mg/m2、静脈内)毎週投与を8週間中7週間行い、その後4週間中3週間行ったのに加え、エルロチニブ(100mg/日または150mg/日、経口)を投与した。もう一方の群には、ゲムシタビンとプラセボを投与した。

 その結果、1年生存率は、プラセボ群が17%だったのに対し、エルロチニブ群は24%と有意に改善した(ハザード比0.81:95%信頼区間:0.67-0.97、p=0.025)。生存期間の中央値は、プラセボ群が5.91カ月に対し、エルロチニブ群は6.37カ月だった。一方、治療の有害作用について見てみると、下痢や血液所見はエルロチニブ群で悪い結果が出た。

 先のAbbruzzese氏は、エルロチニブの治療毒性を考えると、ゲムシタビン単独投与よりも併用投与が優れているとは判断しかねるとし、「この試験結果は、明らかに、現行の標準的治療法を変える根拠にはならない」と締めくくった。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)