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2005.05.16

【ASCO2005速報】 スタチンが前立腺癌を予防し発症リスクを半減、4万人超の大規模データで裏づけ

 HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)が前立腺癌を予防し、発症リスクをおよそ半分に減らす可能性があるようだ。4万人超の大規模データをもとにした後ろ向きケースコントロール・スタディで明らかになった。これは、米Miami VA Medical CenterのRakesh Singal氏が、退役軍人の医療データを分析したもので、5月14日の一般口演で発表した。スタチンの前立腺癌予防効果を示唆する研究結果はこれまでにもあるが、これほど大規模なデータに基づく研究は初めて。

 Singal氏らは、1998〜2004年間の合計44万3805人についてのデータを分析した。そのうち、スタチンを服用していたのは15万4795人(34.88%)だった。また、前立腺癌の診断を受けたのは2万6087人(5.88%)だった。

 前立腺癌の発症に関与すると考えられる、年齢、喫煙、人種、糖尿病、肥満指数(BMI)については補正を行った。その結果、スタチン服用者の、非服用者に対する前立腺癌発症に関するオッズ比は、0.46(95%信頼区間:0.45〜0.48)だった。同氏らの研究の中で得られた予備的な分析データでは、スタチンの服用期間が長くなるほど、前立腺癌の発症リスクの減少幅も増す傾向を示していたという。

 Singal氏は、今回の結果を踏まえ、今後はスタチンの種類や服用量などについてサブグループ分析を行うとともに、前向きの無作為化試験を行う必要がある、と語った。会場からは、「スタチン投与が適切か否かを見極めるには、前立腺癌の予防効果だけでなく、試験のエンドポイントとして生存率が改善するかどうかを調べる必要がある」との意見が出され、Singal氏もそれに同意した。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)